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48・お嬢様、全てを知る。
07極端に優れた者たち。
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思い当たる節しかない。
他ならぬアビィの家、バセット伯爵家がまさにそうだった。
確かに理解できなかった。
なんであんなに愚かだったのか、頭が悪かったのか。
それに甘んじていた私自身も含めて。
この国の人間の教養については、会談でも触れるくらいに悪い。
やっぱあれがこの星の人類におけるニュートラルだったのか……。
「さらに、平均的には異世界人類と殆ど変わらない能力値ではあるものの極端に愚かな者たちと極端に優れた者たちに差が出てしまった」
またもや思い当たる節のあることを言う。
確かにそうだ。
どう考えても教会で会ったアンジェラ嬢やワタナベ男爵の婚約者であるタンディ嬢や友人のモーラと、一応姉に当たる学園パーティでヒステリックに喚くメアリー・バセットが同じ貴族令嬢とするには差があり過ぎる。
もっと言うならナインやアーチさんやキャロライン嬢やアンナ夫人や友人のルーシィのような、超人的な身体能力を持つ人間とそうじゃない私とかの差も凄まじい。
そりゃトップアスリートとただの女学生では差があるのは当然だとは思っていたけど。
私が子供の頃から運動に勤しんでいたとしても、ナインのようになれるとはとても思えない。
「この極端に優れた者たちが、特異点と呼ばれる存在です。後に勇者となるダグラス・ヴィダルを含む、竜と単身で打倒しうる力を持つ竜狩りの民やこの世界の理を研究し続けて後に世界の外にいる私という存在にもっと近づいたシェリー・ラスゴーランなどが挙げられます」
おとぎ話の登場人物について触れる。
特異点……、思いと想いの重さという理だけではなく生まれながらのスペックの高さも合わさって生まれた特異な存在か。
「皆さんの中では、前世の記憶を保持して転生を行えるナイン・ウィーバーや竜から由来する学習能力で秒単位で強さを更新するアーチボルト・エドワード、未来を見通せるリリィ・アイルワード、この辺りが特異点といえるでしょう」
さらりと知っている名前が出てきて驚く。
そうかナインの転生……、あれは特異点としての力なんだ。なんか突然謎が解けた。
アーチさんの異常な喧嘩の強さも特異点……というか竜由来って……なんか謎が増えた。
それにリリィ・アイルワードって……さっき女神が現れる直前に、そっか確かに女神が現れることを予見したようなことを言っていた。っていうか何者なのよ、あの人……。
「少し脱線してしまいました。話をするのが楽しくて、まあとにかくこの星の人類はかなりピーキーに仕上がってしまったのです」
女神は嬉しそうに微笑みながら、話を戻す。
「なので、私は人類を正しい道を歩んでもらうべく自身の存在をほんの少しだけ切り離して聖人としてこの世界に顕現……生命としていうなら子を産み落としました」
またもや神話じみたことを言って。
「それがルカ・キングス・メルバリア、あなたたちが魔王と呼ぶ存在です」
女神は魔王について語り出す。
「ルカは私の思惑通り、徹底的に人類に加担し繁栄できるように竜を殲滅し人類の生きやすい環境を整えようとしていた」
淡々と自身の行った介入について語る。
「でもルカは竜の女王ニィラとの邂逅によって、ニィラの思いと想いの重さに干渉を受けて、迷って戸惑い破綻して、聖人から魔王になってしまった」
二千年の話、おとぎ話について語る。
アンジェラ嬢と教会で話した時にも少し触れた、創世神話の一部……でも元々魔王も女神が生み出した存在だったとは驚いた。
でもアンジェラ嬢の推測通り、あの話はしっかりと女神に繋がっていたんだ。
「そんなルカを処理するために竜狩りの民最強のダグラスに勇者の剣を与えました。これはルカと同じ干渉を避けるのと世界への影響を最小限に抑える為の策でした」
続けて勇者について触れる。
勇者の剣……ハイテンション大剣少女が持っていたあれか。
「結果、人類は減り竜はニィラを残して滅びダグラスはこの時代に飛ばされルカはこの時代までシェリー・ラスゴーランとマリク・ノアに封印されていた」
おとぎ話の通りのことを語る。
「その後、私は竜の消えたこの星を人類が繁栄できるように。残った人類の中で優秀だった者に、啓示としてコミュニティを作るように命じてメルバリアの名前を与えた」
さらに歴史学を揺るがす衝撃の事実を語り。
「それがこの国、メルバリア王国の成り立ちです」
この国の始まりを告げた。
他ならぬアビィの家、バセット伯爵家がまさにそうだった。
確かに理解できなかった。
なんであんなに愚かだったのか、頭が悪かったのか。
それに甘んじていた私自身も含めて。
この国の人間の教養については、会談でも触れるくらいに悪い。
やっぱあれがこの星の人類におけるニュートラルだったのか……。
「さらに、平均的には異世界人類と殆ど変わらない能力値ではあるものの極端に愚かな者たちと極端に優れた者たちに差が出てしまった」
またもや思い当たる節のあることを言う。
確かにそうだ。
どう考えても教会で会ったアンジェラ嬢やワタナベ男爵の婚約者であるタンディ嬢や友人のモーラと、一応姉に当たる学園パーティでヒステリックに喚くメアリー・バセットが同じ貴族令嬢とするには差があり過ぎる。
もっと言うならナインやアーチさんやキャロライン嬢やアンナ夫人や友人のルーシィのような、超人的な身体能力を持つ人間とそうじゃない私とかの差も凄まじい。
そりゃトップアスリートとただの女学生では差があるのは当然だとは思っていたけど。
私が子供の頃から運動に勤しんでいたとしても、ナインのようになれるとはとても思えない。
「この極端に優れた者たちが、特異点と呼ばれる存在です。後に勇者となるダグラス・ヴィダルを含む、竜と単身で打倒しうる力を持つ竜狩りの民やこの世界の理を研究し続けて後に世界の外にいる私という存在にもっと近づいたシェリー・ラスゴーランなどが挙げられます」
おとぎ話の登場人物について触れる。
特異点……、思いと想いの重さという理だけではなく生まれながらのスペックの高さも合わさって生まれた特異な存在か。
「皆さんの中では、前世の記憶を保持して転生を行えるナイン・ウィーバーや竜から由来する学習能力で秒単位で強さを更新するアーチボルト・エドワード、未来を見通せるリリィ・アイルワード、この辺りが特異点といえるでしょう」
さらりと知っている名前が出てきて驚く。
そうかナインの転生……、あれは特異点としての力なんだ。なんか突然謎が解けた。
アーチさんの異常な喧嘩の強さも特異点……というか竜由来って……なんか謎が増えた。
それにリリィ・アイルワードって……さっき女神が現れる直前に、そっか確かに女神が現れることを予見したようなことを言っていた。っていうか何者なのよ、あの人……。
「少し脱線してしまいました。話をするのが楽しくて、まあとにかくこの星の人類はかなりピーキーに仕上がってしまったのです」
女神は嬉しそうに微笑みながら、話を戻す。
「なので、私は人類を正しい道を歩んでもらうべく自身の存在をほんの少しだけ切り離して聖人としてこの世界に顕現……生命としていうなら子を産み落としました」
またもや神話じみたことを言って。
「それがルカ・キングス・メルバリア、あなたたちが魔王と呼ぶ存在です」
女神は魔王について語り出す。
「ルカは私の思惑通り、徹底的に人類に加担し繁栄できるように竜を殲滅し人類の生きやすい環境を整えようとしていた」
淡々と自身の行った介入について語る。
「でもルカは竜の女王ニィラとの邂逅によって、ニィラの思いと想いの重さに干渉を受けて、迷って戸惑い破綻して、聖人から魔王になってしまった」
二千年の話、おとぎ話について語る。
アンジェラ嬢と教会で話した時にも少し触れた、創世神話の一部……でも元々魔王も女神が生み出した存在だったとは驚いた。
でもアンジェラ嬢の推測通り、あの話はしっかりと女神に繋がっていたんだ。
「そんなルカを処理するために竜狩りの民最強のダグラスに勇者の剣を与えました。これはルカと同じ干渉を避けるのと世界への影響を最小限に抑える為の策でした」
続けて勇者について触れる。
勇者の剣……ハイテンション大剣少女が持っていたあれか。
「結果、人類は減り竜はニィラを残して滅びダグラスはこの時代に飛ばされルカはこの時代までシェリー・ラスゴーランとマリク・ノアに封印されていた」
おとぎ話の通りのことを語る。
「その後、私は竜の消えたこの星を人類が繁栄できるように。残った人類の中で優秀だった者に、啓示としてコミュニティを作るように命じてメルバリアの名前を与えた」
さらに歴史学を揺るがす衝撃の事実を語り。
「それがこの国、メルバリア王国の成り立ちです」
この国の始まりを告げた。
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