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48・お嬢様、全てを知る。

05思いと想いの重さが事象に影響を及ぼす。

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 世界がこぼれる……? 世界のことわりが崩壊……?
 規模感きぼかんが大きすぎてキャパオーバーだけど、なんかとんでもなくヤバいってことだけはひしひしと伝わってくる。

 ……

「なにが……、なにが目的なんだ⁉ 世界を生み出した単なる現象でしかないおまえが、この世界に……、魔王や私や勇者や転生者なんかの干渉かんしょうを……」 

 サムさんは強気に、おののきつつも女神を問いただす。

「素晴らしい、お話いたします。話を聞いてもらえるというのは、これほど楽しいことなのですね」

 女神はそんな言葉に、より一層いっそう優しい笑顔でそう返して。

 この世界の全てについて、語り出した。

「この世界は、こことは異なる別の世界……

 あっけらかんと神話の導入どうにゅうを語る。

「理由や動機どうきは特にありません。強いて言語化するのなら、私という現象がつくれる世界で一番近いものをモデルにしただけ。それがそこにいる、渡辺丈や高田まりえのいた世界でした」

 モデルにした世界について語る。

 び、びっくりした。
 アビィになってから初めて他人から高田まりえの名前を聞いた。

「でも全く同じにはなりませんでした。この世界には思念情報による現実介入……あなた方のいうところの、ということわりがあったのです」

 世界のことわりについて語る。

 思いと想いの重さが事象じしょう影響えいきょうおよぼす……思い当たるふしがある。
 ナインやアーチさん、アンナ夫人やキャロライン嬢辺りもそうだと思うけど。

 意志の強さや精神的なもので、超人的な身体能力を発揮はっきする。
 鍛錬たんれん稽古けいこ裏打うらうちされた、自信と確信と認識で人の域を超えた動きができる。

 何となく騎士団長バルカード侯爵やシェル氏なんかも、この話については理解をしている風に見える。

「この世界は長い時をて……、いくつもの星ができて文明が生まれ、それらが繰り返される中で幾つもの文明はそのいとなみの中で世界の誕生に関しては様々な考察こうさつを行い。みなさんの認識でいうところの、神として私を定義ていぎし信仰も生まれました」

 とてつもない気の遠くなるような気の長いことを語る。

 宇宙規模きぼでの話、きっと観測可能な宇宙外でのことも平気でふくんでいるんだろう。世界とはこの星の話ではなく、この次元をX軸Y軸Z軸全ての方向に無限的に見た、世界の話なんだ。

「その信仰が、思いと想いの重さが事象に影響を及ぼすということわりによって……ただの現象だった私を形作っていきました」

 自身の誕生秘話について語り。 

「やがて自我を得て、私は私を確立していった」
 
 卵が先か鶏が先かみたいな、そんなことを言った。

 世界を作った現象そのものが、その世界のことわり、信仰……思いと想いの重さによって影響され神となった……。

 まさしく神話的というか、規模感きぼかんが大きすぎて理解が追いつかない。

「それからもずっと私は世界の外から世界をながめていました。本当に長い時間、時間の概念がいねんのない世界の外でも長いと感じてしまうほどに長い時間、ずっとです」

 とても神様感のあることを言って。 



 さらりと、この星の成り立ちに触れる。

 一人がえられ……それでこの星を……? え、何なんか聞き飛ばしたか私。

「あら、少し話が飛んでしまいましたか。すみません順を追いましょう」

 私たちの理解が追いついてないこと悟り、女神は語りを続ける。

「開かない窓から、楽しそうなお祭りを見続けるような日々でした。見ているだけでも良かった、でも一人では私の思いは共感も共有も出来なかった。さみしかったのです」

 淡々と、まるでただの乙女のような神様感のないことを語る。

「様々な生命のいとなみや繁栄はんえいを、そのドラマティックな世界を目の当たりにして、私もその一員として参加してみたくなった」

 おだやかに、共感しか出来ないことを言う。
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