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42・お嬢様たち、奮闘す。
05混ざっている。
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「……もういいか? いいな?」
大美女は大男の様子を確かめて、呟き。
「……今からこの大陸、いや……この星の表面を焼く」
目から赤い金色の炎を静かに揺らしながら、そう続けた。
「もう私には何も無い、何もいらない。だからせめてウォールだけ……それをも私から奪おうとするこの世界は、もういらない。勇者だとか女神の話じゃあない、いつだって人間が私から全てを奪う」
誰に語るわけでもなく、つらつらとそんなことを語り続ける。
申し訳ございませんが、私には何一つわからないのですわ。
「人間とは遂に理解しえなかった。本当は竜と一つになれるはずだったんだ、マリク・ノアのように混ざり合って一つになれるはずだったんだ」
無機質な表情で大美人はぶつぶつと、語り。
「しかし、竜は滅んだ。世界は人間を選んだ」
そう言いながらゆっくり立ち上がる。
「これだけ失っても、この世界は私からまだ奪おうとするのなら――――」
力無くだらりと仰け反るようにこちらを見ながら。
「――――人間は皆殺しにする」
目と口から真っ赤な炎を漏らしながら、大美女はそう言った。
同時。
アーチが飛び込むように、大美女の顔に膝蹴りを当てますが。
「? なんだおまえは…………私は竜だぞ? しかも女王だ。この星が純粋に生み出した頂点なんだ。ただ強いだけじゃどうにも出来ないから、マリクや研究者や竜狩りですら私を封印するしかなかったんだ……はあ」
大美女はアーチの攻撃を攻撃として認識するのに時間がかかるくらいに全く動じず、叩かれ続けながら淡々とため息混じりにそう言って。
「――ッ⁉」
「アーチ!」
仰け反った状態から体を起こしただけでアーチは弾かれ転がるように受身を取り、私は咄嗟にアーチの名を呼ぶ。
なんか、違う。
大男ともアーチとも名無しの方ともキャロラインお姉様とも、この大美女の方は違います。
よくわかりませんが……、山と人くらいの差があるように思います。
「私からしたら人間なんぞ殺さないように触る方が大変――――――…………? 待ておまえ」
身体を起こした大美女は気だるそうにそう続けたところで、アーチを見てなにかに気づき。
金色の風を起こしながら瞬きの間にアーチの目の前に移動して、両手でアーチの顔を挟むように持ち上げて顔を近づけて目を合わせる。
アーチも突然の事で全く反応できずに、大美女に目を真っ直ぐ合わせる。
「………………混ざっている……のか?」
アーチの目をじっと見つめながら、ぽつりと大美女はそう言ってゆっくりとアーチを降ろし。
「残っているのか? まだ、竜の血は絶えてはいないのか……? おまえだけなのか? それともまだいるのか?」
優しくアーチの頬を撫でてそう言って。
「竜は……私たちは既に……じゃあ私は」
目からぽろぽろと大粒の涙を落としながら。
「…………私は、どうしたらいいんだ」
力無く崩れるようにへたりこんで輝きを失った大美女は、弱々しく呟いた。
大美女は大男の様子を確かめて、呟き。
「……今からこの大陸、いや……この星の表面を焼く」
目から赤い金色の炎を静かに揺らしながら、そう続けた。
「もう私には何も無い、何もいらない。だからせめてウォールだけ……それをも私から奪おうとするこの世界は、もういらない。勇者だとか女神の話じゃあない、いつだって人間が私から全てを奪う」
誰に語るわけでもなく、つらつらとそんなことを語り続ける。
申し訳ございませんが、私には何一つわからないのですわ。
「人間とは遂に理解しえなかった。本当は竜と一つになれるはずだったんだ、マリク・ノアのように混ざり合って一つになれるはずだったんだ」
無機質な表情で大美人はぶつぶつと、語り。
「しかし、竜は滅んだ。世界は人間を選んだ」
そう言いながらゆっくり立ち上がる。
「これだけ失っても、この世界は私からまだ奪おうとするのなら――――」
力無くだらりと仰け反るようにこちらを見ながら。
「――――人間は皆殺しにする」
目と口から真っ赤な炎を漏らしながら、大美女はそう言った。
同時。
アーチが飛び込むように、大美女の顔に膝蹴りを当てますが。
「? なんだおまえは…………私は竜だぞ? しかも女王だ。この星が純粋に生み出した頂点なんだ。ただ強いだけじゃどうにも出来ないから、マリクや研究者や竜狩りですら私を封印するしかなかったんだ……はあ」
大美女はアーチの攻撃を攻撃として認識するのに時間がかかるくらいに全く動じず、叩かれ続けながら淡々とため息混じりにそう言って。
「――ッ⁉」
「アーチ!」
仰け反った状態から体を起こしただけでアーチは弾かれ転がるように受身を取り、私は咄嗟にアーチの名を呼ぶ。
なんか、違う。
大男ともアーチとも名無しの方ともキャロラインお姉様とも、この大美女の方は違います。
よくわかりませんが……、山と人くらいの差があるように思います。
「私からしたら人間なんぞ殺さないように触る方が大変――――――…………? 待ておまえ」
身体を起こした大美女は気だるそうにそう続けたところで、アーチを見てなにかに気づき。
金色の風を起こしながら瞬きの間にアーチの目の前に移動して、両手でアーチの顔を挟むように持ち上げて顔を近づけて目を合わせる。
アーチも突然の事で全く反応できずに、大美女に目を真っ直ぐ合わせる。
「………………混ざっている……のか?」
アーチの目をじっと見つめながら、ぽつりと大美女はそう言ってゆっくりとアーチを降ろし。
「残っているのか? まだ、竜の血は絶えてはいないのか……? おまえだけなのか? それともまだいるのか?」
優しくアーチの頬を撫でてそう言って。
「竜は……私たちは既に……じゃあ私は」
目からぽろぽろと大粒の涙を落としながら。
「…………私は、どうしたらいいんだ」
力無く崩れるようにへたりこんで輝きを失った大美女は、弱々しく呟いた。
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