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38・小娘、公爵に会う。
01ネビル姉妹。
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私、ケリー・パウンダーは先程この国の公爵家を一つ消し飛ばした魔王軍の一人だ。
私たち魔王軍はこの国の王族と主要貴族を狙って暗躍しており。
現在は馬鹿のウォールがしくじったエンデスヘルツ公爵殺しを、私とルカで捲ろうと動いている。
なんか八極令嬢との戦いに勇者が乱入してきてぶっ飛ばされたらしい。ニィラが連れ帰って来た時ウォールはボロ布のようにズタボロで、生死の境をさ迷っていたというか何秒か死んでたと思うくらいに派手にやられていた。
今はルカによって回復されて、ニィラ付き添いのもとアジトで安静にしている。
「……よし、見つけた。飛ぶぞケリー、掴まれ」
そうこうしているうちに、ルカはエンデスヘルツ公爵を見つけ出したようだ。
私はルカの腕に飛びついて絡みつくと、パッと一瞬で景色が変わった。
この瞬間移動というか空間跳躍というか、便利がすぎるのよね。
「……! な、なんだ貴様ら! 何処から現れた!」
「何も無いところから突然……」
突然現れたことに、発展派アジトにいる面々が驚きの表情を見せる。
これで現れると毎回みんな同じような反応をする。
気持ちはわかるけど、些か飽きた。
「俺は魔王だ、エンデスヘルツを殺しに来た。出さなきゃ皆殺しだから死にたくなきゃ出――」
ルカお決まりの脅しでも何でもないただの事実を言おうとしたところで、凄まじい速さで大きな剣を持った若い女に斬りつけられた。
いや、正確には斬りつけられそうになった。ルカは寸前でその斬撃を避けたのだ。
驚いた。
女にではなく、魔王ルカが細腕の女が振る剣を避けたことに驚いたのだ。
ルカは不死身だ。
そもそも頑強で屈強であるので、通常傷つけることも叶わない。
例え傷ついてもすぐに回復する。
粉微塵に崩れても即座に復元される。
だから私は、ルカが攻撃を避けているところを見たことがなかった。
でも今は秒間数百に及ぶ斬撃の残像とそれを躱すルカの残像が混ざって、なんかもう変な色の球体が出来ている。
「どうしたの、マリシュカ‼ 落ち着いて‼」
と、新たに現れた若い女が声を張り上げたと同時に剣の動きが止まる。
マリシュカ……? ああ! この剣の女ってあのマリシュカ・ネビルだ。
あの可愛いすぎる子爵令嬢でお馴染みの学園一の美少女で人気者だったマリシュカだ。
そして今声を張り上げた女は姉のサンディだ。子供の頃ピアノコンクールで金賞を奪われたことがあるので覚えてる、悔しいけど完敗だった。
ネビル姉妹とはあんまり交友があったわけじゃないけど、顔見知りって程度だ。
だけど一つだけ強烈に知っている。
マリシュカが一族郎党皆殺しにして、サンディのみが生き残った。
私が学園を追放されてルカを復活させた後の話なのでそれほど興味もなかったけれど、確かマリシュカはそれで国外追放にされたはず……。
「ままま魔魔魔マママま姉さん魔ま王おうおうおおおおおおおおおが、が、がっがっ、だだだだだだだだ、姉さん姉さん姉さん、殺し、コロ、姉さん魔、ままま、ば、ばばばば」
サンディの声で動きを止めたマリシュカは、ぶるぶると激しく震えながらただでさえ大きい瞳をさらに見開いて、支離滅裂なことを口走る……いや最早これは話せてすらいない。
あの可愛いくて学園の人気者だったマリシュカの面影はない。
壊れている。
私とはまた違う壊れ方をしている。
なんなんだこれ、どうしてこんな……。
私が戸惑っていると、ルカが口を開く。
「勇者の剣に飲まれてんだよ。この嬢ちゃんは」
感情のない平らな声で、そう言って続ける。
「クソ女神が俺を殺すのにダグラスを勇者に書き換えたのがあの剣だ。半端に勇者の適性があったから剣に頭ん中混ぜられてぶっ壊れちまってる。んで俺が目の前に現れて荒ぶってやがるんだ」
淡々と、目の前でぐちゃぐちゃに言葉を吐き続けるマリシュカを見ながらルカは言う。
なるほど。
これが勇者の剣……、それじゃあ避けるのも頷ける。
「マリシュカ、落ち着いて。私の声が聞こえる? 私の声だけ聞いて、大丈夫よ」
サンディがマリシュカを後ろから抱きしめながら、諭す。
「あがりませんでした。はい、らむろ魔で……、ねか、腕をます……。ですね……でも…………」
マリシュカはブツブツと相変わらず混濁した言葉を呟きながら、震えが止まり落ち着いたように見える。
「へえ、お嬢ちゃんすげえな。剣に飲まれた人間を心で抑え込むのはやや神の域だ、誇っていいぞ。まあ俺以外には敬われないと思うが」
ルカはヘラヘラとサンディにそう述べる。
確かに魔王であるルカには絶対に出来ないことだ。しかしこれもまた思いと想いの重さが事象に影響を及ぼしているということなのだろう。
壊れているけど、これも姉妹愛なんだ。
「……貴方が先程の大剣男とおかしな大女をけしかけた魔王ですね」
サンディは険しい表情で、ルカに語りかける。
「ああそうだった、お嬢ちゃんたちに驚いて忘れてた。公爵出せ、ぶっ殺すから」
ルカはあっさりと要求を突きつける。
「何故、公爵を狙うのですか……? 目的を聞かせてください」
サンディはさらにルカに問う。
マリシュカを抑えることに必死で、ルカに対して臆していない様子だ。
もっとおどおどしていたというか、自信のない印象だったけど……、いやピアノの演奏は自信に満ち溢れていたか。なんで弾かなくなったんだろ、才能あったのに。
「……はあ、この俺が一日に何回も同じ話するなんてな。まあ驚かせてくれた礼に教えてやるよ、俺はこの国の現体制の破壊、メルバリアの名前と女神信仰を絶やすことだ」
気だるそうにルカが答えると。
「……なるほど、それは我々の活動とも一致するな」
反応したのはサンディではなく、奥から現れた男だった。
「不躾に失礼。私がエンデスヘルツの公爵、ブライアン・エンデスヘルツです」
続けて男、エンデスヘルツ公爵はそう名乗った。
私たち魔王軍はこの国の王族と主要貴族を狙って暗躍しており。
現在は馬鹿のウォールがしくじったエンデスヘルツ公爵殺しを、私とルカで捲ろうと動いている。
なんか八極令嬢との戦いに勇者が乱入してきてぶっ飛ばされたらしい。ニィラが連れ帰って来た時ウォールはボロ布のようにズタボロで、生死の境をさ迷っていたというか何秒か死んでたと思うくらいに派手にやられていた。
今はルカによって回復されて、ニィラ付き添いのもとアジトで安静にしている。
「……よし、見つけた。飛ぶぞケリー、掴まれ」
そうこうしているうちに、ルカはエンデスヘルツ公爵を見つけ出したようだ。
私はルカの腕に飛びついて絡みつくと、パッと一瞬で景色が変わった。
この瞬間移動というか空間跳躍というか、便利がすぎるのよね。
「……! な、なんだ貴様ら! 何処から現れた!」
「何も無いところから突然……」
突然現れたことに、発展派アジトにいる面々が驚きの表情を見せる。
これで現れると毎回みんな同じような反応をする。
気持ちはわかるけど、些か飽きた。
「俺は魔王だ、エンデスヘルツを殺しに来た。出さなきゃ皆殺しだから死にたくなきゃ出――」
ルカお決まりの脅しでも何でもないただの事実を言おうとしたところで、凄まじい速さで大きな剣を持った若い女に斬りつけられた。
いや、正確には斬りつけられそうになった。ルカは寸前でその斬撃を避けたのだ。
驚いた。
女にではなく、魔王ルカが細腕の女が振る剣を避けたことに驚いたのだ。
ルカは不死身だ。
そもそも頑強で屈強であるので、通常傷つけることも叶わない。
例え傷ついてもすぐに回復する。
粉微塵に崩れても即座に復元される。
だから私は、ルカが攻撃を避けているところを見たことがなかった。
でも今は秒間数百に及ぶ斬撃の残像とそれを躱すルカの残像が混ざって、なんかもう変な色の球体が出来ている。
「どうしたの、マリシュカ‼ 落ち着いて‼」
と、新たに現れた若い女が声を張り上げたと同時に剣の動きが止まる。
マリシュカ……? ああ! この剣の女ってあのマリシュカ・ネビルだ。
あの可愛いすぎる子爵令嬢でお馴染みの学園一の美少女で人気者だったマリシュカだ。
そして今声を張り上げた女は姉のサンディだ。子供の頃ピアノコンクールで金賞を奪われたことがあるので覚えてる、悔しいけど完敗だった。
ネビル姉妹とはあんまり交友があったわけじゃないけど、顔見知りって程度だ。
だけど一つだけ強烈に知っている。
マリシュカが一族郎党皆殺しにして、サンディのみが生き残った。
私が学園を追放されてルカを復活させた後の話なのでそれほど興味もなかったけれど、確かマリシュカはそれで国外追放にされたはず……。
「ままま魔魔魔マママま姉さん魔ま王おうおうおおおおおおおおおが、が、がっがっ、だだだだだだだだ、姉さん姉さん姉さん、殺し、コロ、姉さん魔、ままま、ば、ばばばば」
サンディの声で動きを止めたマリシュカは、ぶるぶると激しく震えながらただでさえ大きい瞳をさらに見開いて、支離滅裂なことを口走る……いや最早これは話せてすらいない。
あの可愛いくて学園の人気者だったマリシュカの面影はない。
壊れている。
私とはまた違う壊れ方をしている。
なんなんだこれ、どうしてこんな……。
私が戸惑っていると、ルカが口を開く。
「勇者の剣に飲まれてんだよ。この嬢ちゃんは」
感情のない平らな声で、そう言って続ける。
「クソ女神が俺を殺すのにダグラスを勇者に書き換えたのがあの剣だ。半端に勇者の適性があったから剣に頭ん中混ぜられてぶっ壊れちまってる。んで俺が目の前に現れて荒ぶってやがるんだ」
淡々と、目の前でぐちゃぐちゃに言葉を吐き続けるマリシュカを見ながらルカは言う。
なるほど。
これが勇者の剣……、それじゃあ避けるのも頷ける。
「マリシュカ、落ち着いて。私の声が聞こえる? 私の声だけ聞いて、大丈夫よ」
サンディがマリシュカを後ろから抱きしめながら、諭す。
「あがりませんでした。はい、らむろ魔で……、ねか、腕をます……。ですね……でも…………」
マリシュカはブツブツと相変わらず混濁した言葉を呟きながら、震えが止まり落ち着いたように見える。
「へえ、お嬢ちゃんすげえな。剣に飲まれた人間を心で抑え込むのはやや神の域だ、誇っていいぞ。まあ俺以外には敬われないと思うが」
ルカはヘラヘラとサンディにそう述べる。
確かに魔王であるルカには絶対に出来ないことだ。しかしこれもまた思いと想いの重さが事象に影響を及ぼしているということなのだろう。
壊れているけど、これも姉妹愛なんだ。
「……貴方が先程の大剣男とおかしな大女をけしかけた魔王ですね」
サンディは険しい表情で、ルカに語りかける。
「ああそうだった、お嬢ちゃんたちに驚いて忘れてた。公爵出せ、ぶっ殺すから」
ルカはあっさりと要求を突きつける。
「何故、公爵を狙うのですか……? 目的を聞かせてください」
サンディはさらにルカに問う。
マリシュカを抑えることに必死で、ルカに対して臆していない様子だ。
もっとおどおどしていたというか、自信のない印象だったけど……、いやピアノの演奏は自信に満ち溢れていたか。なんで弾かなくなったんだろ、才能あったのに。
「……はあ、この俺が一日に何回も同じ話するなんてな。まあ驚かせてくれた礼に教えてやるよ、俺はこの国の現体制の破壊、メルバリアの名前と女神信仰を絶やすことだ」
気だるそうにルカが答えると。
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反応したのはサンディではなく、奥から現れた男だった。
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