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32・小娘、はしゃいで笑う。
04当たれ。
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「……………………うん………………、よし、おっけい」
私は計算式を何度も見直してそう呟く、導き出した数値通りに発射台を調整する。
これが少しでもズレれば、公爵邸ではなく周囲の無関係な人々の家が吹き飛ぶがまあ知ったこっちゃない。
そもそも私は世界を滅ぼすつもりで魔王を復活させているのだから、関係ない。
調整を終え、発射台から離れた位置に掘った穴に身を隠して点火スイッチの蓋を開ける。
今回発射するのは三発だ、どれか一つでも当たればゴールドマン公爵邸は消し飛ぶ。
「……ふー!」
勢いよく息を吐いて、スイッチに指をかける。
「スリー、ツー、ワン! …………イグニッションっ!」
誰に言うわけでもないカウントダウンをしてスイッチを弾いた。
同時にミサイルは強い光と音を立てて、凄まじい速さで打ち上がった。
煙が真っ直ぐに、空に伸びていくのが推進装置の火で照らされる。
「……綺麗」
つい、呟く。
人を殺すために翔ぶ光に、見蕩れてしまう。
おっといけない、いけない。
私はすぐに懐中時計を見て、双眼鏡を構える。
計算が正しければ後数秒で公爵邸へ着弾する。
正直、計算が間違っている可能性は大いにある。私は賢くないので月の位置で変化する引力の関係など全然解ってない。
計算は確実に不十分だし、そもそも間違っているかもしれない。
だから願うしかない、あの光が落ちる場所を、願うしかない。
でも願うのは得意だ、なにせ魔王を復活させたのだから。
当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ。
「当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ…………」
気がつけば私は願いを口に出していた。
そして、双眼鏡の先に三つの光を確認する。
「だぁんっちゃああぁぁぁぁぁ――――――――――――くっ! ……………………」
私は夢中で光を追いながら自然と声を出し。
「……今あっ‼」
そう叫んだと同時に、双眼鏡の先で大きな光が膨らんだ。
見事に公爵邸は三発のミサイルによって消し飛んだ。
「……やった? やった、やった! やったあっ! わーい! あはははっ! はははっ!」
私は飛び跳ねて喜びを口に出す。
死傷者は数十人超えて、火災などの二次被害を考えれば百人を超える被害が出るだろう。
ゴールドマン公爵家とは関係の無い人間も居ただろう、今日が誕生日の人や結婚を考えていた人や家族がいる人、昨日人助けをした人、若い人も老人も、寝ていた人もたまたま起きていた人も、きっと居ただろう。
でもそんなことより私は、この国が壊れ始めたことが、ただただ嬉しい。
「……あーあ………………、ふふっ」
私ははしゃいで騒いで疲れて大の字に横になり夜空を見ながら笑う。
この後、アジトにてリングストン公爵を殺し損ねたルカと。
勇者に返り討ちにされてズタボロのウォールと。
幼児から大美女に変貌を遂げたニィラと合流し。
勇者や研究者の残した自動人形スペアシェリー、八極令嬢やリングストン公爵と同行していた手練の男を連れた娘の話を聞き。
ウォールの怪我を治すルカに私だけが目標を消し去ったことをドヤ顔で語った。
そんな私にルカは頭を撫でて。
「はっ、じゃあエンデスヘルツ公爵ぶっ殺しに行くから着いてきてくれよ。ウォールの仇だ、派手にやろうぜ」
鼻で笑いながらそう言って。
「ははっ! いいわよ。消し飛ばしてやりましょう」
私は笑顔でそう返した。
まだまだ、私は満足しない。
この国の終わりはまだまだ始まったばかりなのだから。
私は計算式を何度も見直してそう呟く、導き出した数値通りに発射台を調整する。
これが少しでもズレれば、公爵邸ではなく周囲の無関係な人々の家が吹き飛ぶがまあ知ったこっちゃない。
そもそも私は世界を滅ぼすつもりで魔王を復活させているのだから、関係ない。
調整を終え、発射台から離れた位置に掘った穴に身を隠して点火スイッチの蓋を開ける。
今回発射するのは三発だ、どれか一つでも当たればゴールドマン公爵邸は消し飛ぶ。
「……ふー!」
勢いよく息を吐いて、スイッチに指をかける。
「スリー、ツー、ワン! …………イグニッションっ!」
誰に言うわけでもないカウントダウンをしてスイッチを弾いた。
同時にミサイルは強い光と音を立てて、凄まじい速さで打ち上がった。
煙が真っ直ぐに、空に伸びていくのが推進装置の火で照らされる。
「……綺麗」
つい、呟く。
人を殺すために翔ぶ光に、見蕩れてしまう。
おっといけない、いけない。
私はすぐに懐中時計を見て、双眼鏡を構える。
計算が正しければ後数秒で公爵邸へ着弾する。
正直、計算が間違っている可能性は大いにある。私は賢くないので月の位置で変化する引力の関係など全然解ってない。
計算は確実に不十分だし、そもそも間違っているかもしれない。
だから願うしかない、あの光が落ちる場所を、願うしかない。
でも願うのは得意だ、なにせ魔王を復活させたのだから。
当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ。
「当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ当たれ…………」
気がつけば私は願いを口に出していた。
そして、双眼鏡の先に三つの光を確認する。
「だぁんっちゃああぁぁぁぁぁ――――――――――――くっ! ……………………」
私は夢中で光を追いながら自然と声を出し。
「……今あっ‼」
そう叫んだと同時に、双眼鏡の先で大きな光が膨らんだ。
見事に公爵邸は三発のミサイルによって消し飛んだ。
「……やった? やった、やった! やったあっ! わーい! あはははっ! はははっ!」
私は飛び跳ねて喜びを口に出す。
死傷者は数十人超えて、火災などの二次被害を考えれば百人を超える被害が出るだろう。
ゴールドマン公爵家とは関係の無い人間も居ただろう、今日が誕生日の人や結婚を考えていた人や家族がいる人、昨日人助けをした人、若い人も老人も、寝ていた人もたまたま起きていた人も、きっと居ただろう。
でもそんなことより私は、この国が壊れ始めたことが、ただただ嬉しい。
「……あーあ………………、ふふっ」
私ははしゃいで騒いで疲れて大の字に横になり夜空を見ながら笑う。
この後、アジトにてリングストン公爵を殺し損ねたルカと。
勇者に返り討ちにされてズタボロのウォールと。
幼児から大美女に変貌を遂げたニィラと合流し。
勇者や研究者の残した自動人形スペアシェリー、八極令嬢やリングストン公爵と同行していた手練の男を連れた娘の話を聞き。
ウォールの怪我を治すルカに私だけが目標を消し去ったことをドヤ顔で語った。
そんな私にルカは頭を撫でて。
「はっ、じゃあエンデスヘルツ公爵ぶっ殺しに行くから着いてきてくれよ。ウォールの仇だ、派手にやろうぜ」
鼻で笑いながらそう言って。
「ははっ! いいわよ。消し飛ばしてやりましょう」
私は笑顔でそう返した。
まだまだ、私は満足しない。
この国の終わりはまだまだ始まったばかりなのだから。
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