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28・竜騎士、八極令嬢と踊る。
04竜の息吹。
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「……ハァッ! ハァ――――ッ!」
汗だくで呼吸を乱すキャロライン。
そりゃあそうだ、これだけの出力で叩き続けていたら疲れる。
キャロラインもこれだけの長期戦を想定してなかっただろう、二の打要らずと称される一撃必殺の八極令嬢がここまで粘る奴を相手にしたことがなかったのだ。
ああ、打たれすぎた。
身体の中がズタズタだ。
やっぱ最強だこの女。
だが、俺はまだ動けるぞキャロライン。
俺は大剣をキャロラインへと振る。
辛うじて避けようとするも、剣は大腿部を斬りつける。
脚は止めた、次で決める。
剣を振り上げ、鋭くキャロラインへと振り下ろす。
勝っ――――。
確信の瞬間、破裂音。
同時に腕に痛み。
振り下ろしが逸れてキャロラインから外れる。
音の方向を見ると。
「……は、は……離れなさい……、つ、次は、頭を撃ちま、すよ」
震えながら拳銃を構える、女が居た。
…………誰だ?
「逃げなさい! サンディ! お父様のところへ!」
珍しく焦った様子でキャロラインが女に向けて声を荒げる。
誰だか知らんが痛いじゃないか、俺は撃たれたのか。
強烈だが問題ない、キャロラインの八極拳の方が何倍も痛い。
俺は気にせずに再び剣を振り上げる。
数秒ほど邪魔をされたが、俺の勝ちは変わらない。
おおよそ十分、さあ後悔して死ね。
剣を振り下ろし――。
「あっぶねえだろおッ‼ 何やってんだ馬鹿野郎ッ‼」
突然目の前に現れた男に凄まじい出力の発勁をぶち込まれ、吹き飛ぶ。
許容量を超えた袋のように、俺の身体は内側から裂ける。
吹き飛びながら、見る。
ああ、なるほどそりゃあ一撃か。
男は城で見た、勇者ダグラス・ヴィダルであった。
「大丈夫かキャロライン! 助けに来たぞ!」
勇者は急いでキャロラインに駆け寄る。
あの八極令嬢は勇者と繋がっていたのか……、そうかそれがさる筋、なるほどね。
勇者の弟子と魔王の弟子の、代理戦争でもあったわけだ。
まあまあ、弟子対決は俺の勝ちだ。
これなら魔王に怒られることもないだろう。
いや、馬鹿だ俺。
まだ公爵が殺せてないわ。
いかんいかん、さっさと立ち上がって公爵殺してアジトに帰ろう。
そろそろニィラも腹が減って来ただろう。
飯を作ってやらないと。
俺は身体を起こそうとする。
…………、あれ?
ああ、やべ、まずい。
動けない。
流石勇者、こんな痛恨の一撃は魔王からしかもらったことがない。
「魔王の手下か、ぶっ殺す」
当然のように勇者はそう言って俺に向かって歩み始める。
そりゃそうだ、それが勇者の役目だ。
だが俺はともかくニィラだけは逃がさねえと。
「ニィ…………ラ、逃げ……」
ニィラへ目線だけ向けると。
「ダグラァァァァァァアアスッ‼」
雄叫びとともにニィラは俺好みのグラマラスな美女へと変貌を遂げ。
「なっ⁉ てめっ竜の――」
驚いた勇者に向けて光の線を放った。
魔王曰く、世界を滅ぼす竜の息吹。
ああ、力を使わせるなって命令も守れなかった。
約束も己も、竜の女王も、何も守れない馬鹿な俺はここで気を失った。
汗だくで呼吸を乱すキャロライン。
そりゃあそうだ、これだけの出力で叩き続けていたら疲れる。
キャロラインもこれだけの長期戦を想定してなかっただろう、二の打要らずと称される一撃必殺の八極令嬢がここまで粘る奴を相手にしたことがなかったのだ。
ああ、打たれすぎた。
身体の中がズタズタだ。
やっぱ最強だこの女。
だが、俺はまだ動けるぞキャロライン。
俺は大剣をキャロラインへと振る。
辛うじて避けようとするも、剣は大腿部を斬りつける。
脚は止めた、次で決める。
剣を振り上げ、鋭くキャロラインへと振り下ろす。
勝っ――――。
確信の瞬間、破裂音。
同時に腕に痛み。
振り下ろしが逸れてキャロラインから外れる。
音の方向を見ると。
「……は、は……離れなさい……、つ、次は、頭を撃ちま、すよ」
震えながら拳銃を構える、女が居た。
…………誰だ?
「逃げなさい! サンディ! お父様のところへ!」
珍しく焦った様子でキャロラインが女に向けて声を荒げる。
誰だか知らんが痛いじゃないか、俺は撃たれたのか。
強烈だが問題ない、キャロラインの八極拳の方が何倍も痛い。
俺は気にせずに再び剣を振り上げる。
数秒ほど邪魔をされたが、俺の勝ちは変わらない。
おおよそ十分、さあ後悔して死ね。
剣を振り下ろし――。
「あっぶねえだろおッ‼ 何やってんだ馬鹿野郎ッ‼」
突然目の前に現れた男に凄まじい出力の発勁をぶち込まれ、吹き飛ぶ。
許容量を超えた袋のように、俺の身体は内側から裂ける。
吹き飛びながら、見る。
ああ、なるほどそりゃあ一撃か。
男は城で見た、勇者ダグラス・ヴィダルであった。
「大丈夫かキャロライン! 助けに来たぞ!」
勇者は急いでキャロラインに駆け寄る。
あの八極令嬢は勇者と繋がっていたのか……、そうかそれがさる筋、なるほどね。
勇者の弟子と魔王の弟子の、代理戦争でもあったわけだ。
まあまあ、弟子対決は俺の勝ちだ。
これなら魔王に怒られることもないだろう。
いや、馬鹿だ俺。
まだ公爵が殺せてないわ。
いかんいかん、さっさと立ち上がって公爵殺してアジトに帰ろう。
そろそろニィラも腹が減って来ただろう。
飯を作ってやらないと。
俺は身体を起こそうとする。
…………、あれ?
ああ、やべ、まずい。
動けない。
流石勇者、こんな痛恨の一撃は魔王からしかもらったことがない。
「魔王の手下か、ぶっ殺す」
当然のように勇者はそう言って俺に向かって歩み始める。
そりゃそうだ、それが勇者の役目だ。
だが俺はともかくニィラだけは逃がさねえと。
「ニィ…………ラ、逃げ……」
ニィラへ目線だけ向けると。
「ダグラァァァァァァアアスッ‼」
雄叫びとともにニィラは俺好みのグラマラスな美女へと変貌を遂げ。
「なっ⁉ てめっ竜の――」
驚いた勇者に向けて光の線を放った。
魔王曰く、世界を滅ぼす竜の息吹。
ああ、力を使わせるなって命令も守れなかった。
約束も己も、竜の女王も、何も守れない馬鹿な俺はここで気を失った。
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