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25・聖女、愛がゆえに。
04お祈り申し上げます。
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私の言葉聞いてさらに王妃がはすこし考える様子を見せるので、続ける。
「爆弾がなくなれば王族は発展派に対して強く動けます。そして私が聖女であり王子と婚姻すれば教会派は王族に従わざるえません。パワープレイではありますがここまで結託し話し合いに持ち込めば、それを蔑ろにした発展派は本当に逆賊になってしまいます。ただでさえ暴力性が目に余りますからね」
ここで私は畳み掛けるように。
「私は聖女です。民を安寧と幸福に導き、王族の不正を正さなくてはなりません。さらに私はジャレッド王子を愛しています。これは本気で、私はどうしようもなく彼に参ってしまっています。それを最良の着地へ向かって順番を組みたてて作った道筋です。ご協力をいただきたいのです。この国の為に、私の為に、よろしくお願いいたします」
私はそう言って頭を下げる。
神以外に頭を下げるのは初めてです。
祈り以外の解決方法を行使する私はアンジェラに言わせれば人間なのでしょう。それならそれで良い、構いません。
私が思う最善の方法、もちろんこの提案が通ったとしても話し合いで王族が今まで行ってきた裏工作の損害をつつかれたり、発展派貴族の子息令嬢の問題行動、私の爆弾の件、様々なとこで議論が泥沼化することも考えられますが。
それを話し合いで解決出来ないと、真の安寧と幸福には辿り着けないのです。
私の言葉に、王が口を開く。
「……貴方は、かなり変わったな。なんというか人間味が出た。それが聖女として良いことなのかはわからないが、この国の王として一人のティーンエイジャーがこうなることは嬉しく思う」
そう言って王はちらりと王妃を見る。
「私も良いと思いますよ。この提案は我々にとっても非常に助かります。実際ジャレッドも聖女にぞっこんのようですし爆弾もなくなるのであれば問題はありません、しかし」
王妃は優しい口調から、少し声色を変えてこちらを向き。
「聖女ジュリアナ、貴女はこの国を一つにするのに最も重要なことはなんだと思いますか? 民主主義でしょうか、やはり信仰でしょうか、それとも秩序でしょうか、貴女の率直な意見を教えてください」
真剣な眼差しで王妃は私に問う。
「そうですね、尊重でしょうか。どの主張、どの派閥、どの方法に関しても根本的な共通の目的は民の安寧です。もっと言えば幸せになることでしょう。ならば尊重することさえできれば一致団結して目標に進むことができると思います」
私は王妃に、そう答えた。
その答えに、少し笑みを浮かべた王妃は。
「…………わかりました。提案を呑みましょう、我々は聖女の廃止を完全に撤回しジャレッド王子との婚姻を認めます。さらに無力化された爆弾を回収に着手し、一切の裏工作の類いを凍結いたします。そして早急にエンデスヘルツ公爵、リングストン公爵、ゴールドマン公爵の三公爵並びに聖女、王族での会談を開きます」
王妃は堂々とそう宣言する。
「できれば私が宣言したかったが……、まあ良い王も同意見である」
王は王妃の宣言にやや不満そうに同意した。
想像以上に、円滑に話が進みました。
やや不自然なくらいです。
何故これほど簡単に要求をのむのでしょうか。
前リングストン公爵の暗殺や、様々な裏工作の責任追及を嫌がり話し合いには持っていかないとおもったのですが……。
「……聖女ジュリアナ、実は現在この国はこれ以上に深刻な問題を、危機に瀕しています」
宣言の後に王妃は神妙な面持ちでなにやら不穏な言葉を発し、続けて。
「魔王が復活し、この国を滅ぼそうとしております。その為にも早急に会談を開いて一致団結を成さないとなりません。もうこの国は内輪で揉めている場合ではない状態なのです」
そんな、荒唐無稽なことをこれ以上なく真剣な顔で語った。
魔王……、魔王?
おとぎ話のあの魔王でしょうか……。
たしかアンジェラが魔女の実在からおとぎ話の登場人物である魔王や勇者や竜の女王などは居て、女神も実在するみたいな話を熱弁していました。
私はそもそも女神の存在を微塵も疑っていないので話半分に聞いていましたが……、アンジェラが聞いたら喜びそうな話ですね。
魔王の復活ですか、それに関してはもう私に出来ることは。
「安寧と幸福の為に、お祈り申し上げます」
私はそう言って、教会へと帰るのでした。
「爆弾がなくなれば王族は発展派に対して強く動けます。そして私が聖女であり王子と婚姻すれば教会派は王族に従わざるえません。パワープレイではありますがここまで結託し話し合いに持ち込めば、それを蔑ろにした発展派は本当に逆賊になってしまいます。ただでさえ暴力性が目に余りますからね」
ここで私は畳み掛けるように。
「私は聖女です。民を安寧と幸福に導き、王族の不正を正さなくてはなりません。さらに私はジャレッド王子を愛しています。これは本気で、私はどうしようもなく彼に参ってしまっています。それを最良の着地へ向かって順番を組みたてて作った道筋です。ご協力をいただきたいのです。この国の為に、私の為に、よろしくお願いいたします」
私はそう言って頭を下げる。
神以外に頭を下げるのは初めてです。
祈り以外の解決方法を行使する私はアンジェラに言わせれば人間なのでしょう。それならそれで良い、構いません。
私が思う最善の方法、もちろんこの提案が通ったとしても話し合いで王族が今まで行ってきた裏工作の損害をつつかれたり、発展派貴族の子息令嬢の問題行動、私の爆弾の件、様々なとこで議論が泥沼化することも考えられますが。
それを話し合いで解決出来ないと、真の安寧と幸福には辿り着けないのです。
私の言葉に、王が口を開く。
「……貴方は、かなり変わったな。なんというか人間味が出た。それが聖女として良いことなのかはわからないが、この国の王として一人のティーンエイジャーがこうなることは嬉しく思う」
そう言って王はちらりと王妃を見る。
「私も良いと思いますよ。この提案は我々にとっても非常に助かります。実際ジャレッドも聖女にぞっこんのようですし爆弾もなくなるのであれば問題はありません、しかし」
王妃は優しい口調から、少し声色を変えてこちらを向き。
「聖女ジュリアナ、貴女はこの国を一つにするのに最も重要なことはなんだと思いますか? 民主主義でしょうか、やはり信仰でしょうか、それとも秩序でしょうか、貴女の率直な意見を教えてください」
真剣な眼差しで王妃は私に問う。
「そうですね、尊重でしょうか。どの主張、どの派閥、どの方法に関しても根本的な共通の目的は民の安寧です。もっと言えば幸せになることでしょう。ならば尊重することさえできれば一致団結して目標に進むことができると思います」
私は王妃に、そう答えた。
その答えに、少し笑みを浮かべた王妃は。
「…………わかりました。提案を呑みましょう、我々は聖女の廃止を完全に撤回しジャレッド王子との婚姻を認めます。さらに無力化された爆弾を回収に着手し、一切の裏工作の類いを凍結いたします。そして早急にエンデスヘルツ公爵、リングストン公爵、ゴールドマン公爵の三公爵並びに聖女、王族での会談を開きます」
王妃は堂々とそう宣言する。
「できれば私が宣言したかったが……、まあ良い王も同意見である」
王は王妃の宣言にやや不満そうに同意した。
想像以上に、円滑に話が進みました。
やや不自然なくらいです。
何故これほど簡単に要求をのむのでしょうか。
前リングストン公爵の暗殺や、様々な裏工作の責任追及を嫌がり話し合いには持っていかないとおもったのですが……。
「……聖女ジュリアナ、実は現在この国はこれ以上に深刻な問題を、危機に瀕しています」
宣言の後に王妃は神妙な面持ちでなにやら不穏な言葉を発し、続けて。
「魔王が復活し、この国を滅ぼそうとしております。その為にも早急に会談を開いて一致団結を成さないとなりません。もうこの国は内輪で揉めている場合ではない状態なのです」
そんな、荒唐無稽なことをこれ以上なく真剣な顔で語った。
魔王……、魔王?
おとぎ話のあの魔王でしょうか……。
たしかアンジェラが魔女の実在からおとぎ話の登場人物である魔王や勇者や竜の女王などは居て、女神も実在するみたいな話を熱弁していました。
私はそもそも女神の存在を微塵も疑っていないので話半分に聞いていましたが……、アンジェラが聞いたら喜びそうな話ですね。
魔王の復活ですか、それに関してはもう私に出来ることは。
「安寧と幸福の為に、お祈り申し上げます」
私はそう言って、教会へと帰るのでした。
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