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21・王妃、味方が欲しい。
04勇者。
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いや、なんなんですかこの者たちは。
魔王……、本当に? あのおとぎ話の?
いや待って、あの竜騎士ってバルカード侯爵家のウォールじゃない? 第一王子プライデルと同級生だった、えー、大きくなったわね騎士にはなれなかったけど竜騎士にはなったのね。いや竜騎士ってなに?
あと、あの娘、多分ケリー・パウンダー伯爵令嬢じゃない。
この二人は私の学園での冤罪による糾弾などの策によって学園から追放された子供たちだ。
まあウォールの場合は予想外というか、私のせいというよりエンデスヘルツ令嬢が暴れたせいなのですが。
混乱して余計なことを考えてしまう。
ああ、なぜ次から次へとこの国は問題が湧き出てくるのですか。
聖女に貴族に国民に、お次は魔王?
魔王ってもう、どうもしようないでしょう、彼の言う通り詰んでいます。
「まあいいや、とりあえず今日王族が滅ぶってことで、この魔王ルカ・キングス・メルバリアの名を騙っちゃって二千年もよくやったと思うぜ」
魔王はそう言って右の手のひらをかざして、手のひらが赤い光を帯びる。
何をされるのかはわからないけれど、その光は確実に王族を滅ぼすために発光しているのことだけは分かる。
「お疲れさんね」
そう言って光が更に強くなって、辺りを包んだ。
その瞬間。
「ラァっ‼ あっぶないだろ馬鹿野郎‼」
その声と共に、魔王の右手が弾ける。
「……ッ⁉ なっ、テメ、なんで居るんだ‼ 死んだだろ‼ 勇者ダグラス・ヴィダル‼」
弾けた右手を押さえながら、先程まで冷静だった魔王は慌てて叫ぶ。
いや城で、人の家ではしゃぎ過ぎでしょなんなのこれ。
「ああ死んでないよ僕、あの時出来た時空の裂け目はこの時代に繋がってて……まあいいだろこんな話、勇者が魔王の前に立ったんだ」
勇者を名乗る男は、そう言って構え。
「ぶっ殺す」
不敵に不適な言葉を放つ。
その言葉に対して魔王は、弾け飛んだ右手を手品のように元通りにして、鼻で笑い。
「撤退」
そう言うと、ケリー・パウンダーやウォール・バルカードや幼児が一斉に魔王に抱きつくように飛びついて、煙のように消えてしまった。
「……逃げたか、まあいいか……あ、大丈夫でしたか? ……えっと」
「……ヴァネッサ・メルバリアです。この国の王妃でございます」
勇者は緊張感を解いて、こちらに声をかけてきたので応える。
「失礼しました、王妃様でしたか。僕はダグラス・ヴィダル、女神に選ばれ使命を得た勇者です」
勇者はそう言って、目を伏せて膝を着く。
あれ、そういうところちゃんとしてる感じなの?
魔王が居るのなら勇者も居て然り、この場はもう細かいこと抜きに一度認めるしかない。
魔王はこの国を滅ぼすという。
ならば勇者は?
「……勇者よ、この国は今魔王に狙われています。この国を、我々を助けていただけますか?」
私はこの好機を逃さぬように、どさくさに紛れてそう尋ねてみる。
「無論です。魔王が相手な以上、戦います。それが僕、勇者の役目でございます」
勇者は跪いたまま、そのまま即答した。
やった。
ここに来て、とてつもなく強力な味方が出来てしまった。
なんとしてでも私はこの窮地を乗り越えなくてはならない。
この国のため、国民のため、そして。
愛する国王の為に。
私は何を利用しても彼にこの国を導いてもらえるように、導かなくてはならないのですよ。
魔王……、本当に? あのおとぎ話の?
いや待って、あの竜騎士ってバルカード侯爵家のウォールじゃない? 第一王子プライデルと同級生だった、えー、大きくなったわね騎士にはなれなかったけど竜騎士にはなったのね。いや竜騎士ってなに?
あと、あの娘、多分ケリー・パウンダー伯爵令嬢じゃない。
この二人は私の学園での冤罪による糾弾などの策によって学園から追放された子供たちだ。
まあウォールの場合は予想外というか、私のせいというよりエンデスヘルツ令嬢が暴れたせいなのですが。
混乱して余計なことを考えてしまう。
ああ、なぜ次から次へとこの国は問題が湧き出てくるのですか。
聖女に貴族に国民に、お次は魔王?
魔王ってもう、どうもしようないでしょう、彼の言う通り詰んでいます。
「まあいいや、とりあえず今日王族が滅ぶってことで、この魔王ルカ・キングス・メルバリアの名を騙っちゃって二千年もよくやったと思うぜ」
魔王はそう言って右の手のひらをかざして、手のひらが赤い光を帯びる。
何をされるのかはわからないけれど、その光は確実に王族を滅ぼすために発光しているのことだけは分かる。
「お疲れさんね」
そう言って光が更に強くなって、辺りを包んだ。
その瞬間。
「ラァっ‼ あっぶないだろ馬鹿野郎‼」
その声と共に、魔王の右手が弾ける。
「……ッ⁉ なっ、テメ、なんで居るんだ‼ 死んだだろ‼ 勇者ダグラス・ヴィダル‼」
弾けた右手を押さえながら、先程まで冷静だった魔王は慌てて叫ぶ。
いや城で、人の家ではしゃぎ過ぎでしょなんなのこれ。
「ああ死んでないよ僕、あの時出来た時空の裂け目はこの時代に繋がってて……まあいいだろこんな話、勇者が魔王の前に立ったんだ」
勇者を名乗る男は、そう言って構え。
「ぶっ殺す」
不敵に不適な言葉を放つ。
その言葉に対して魔王は、弾け飛んだ右手を手品のように元通りにして、鼻で笑い。
「撤退」
そう言うと、ケリー・パウンダーやウォール・バルカードや幼児が一斉に魔王に抱きつくように飛びついて、煙のように消えてしまった。
「……逃げたか、まあいいか……あ、大丈夫でしたか? ……えっと」
「……ヴァネッサ・メルバリアです。この国の王妃でございます」
勇者は緊張感を解いて、こちらに声をかけてきたので応える。
「失礼しました、王妃様でしたか。僕はダグラス・ヴィダル、女神に選ばれ使命を得た勇者です」
勇者はそう言って、目を伏せて膝を着く。
あれ、そういうところちゃんとしてる感じなの?
魔王が居るのなら勇者も居て然り、この場はもう細かいこと抜きに一度認めるしかない。
魔王はこの国を滅ぼすという。
ならば勇者は?
「……勇者よ、この国は今魔王に狙われています。この国を、我々を助けていただけますか?」
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「無論です。魔王が相手な以上、戦います。それが僕、勇者の役目でございます」
勇者は跪いたまま、そのまま即答した。
やった。
ここに来て、とてつもなく強力な味方が出来てしまった。
なんとしてでも私はこの窮地を乗り越えなくてはならない。
この国のため、国民のため、そして。
愛する国王の為に。
私は何を利用しても彼にこの国を導いてもらえるように、導かなくてはならないのですよ。
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