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12・魔女、異変に気づく。
02郵便局。
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「はい、こんにちは。あなたが魔王?」
跳んだ先に居た、ただならぬ気配を漏らす男に声をかける。
瞬間移動というか瞬間転移というか、まあ魔法だ。
こんなに大きな気配に跳ぶのは魔女ならば造作もないことなのよ。
「…………そうだ、俺が魔王だぜ。姉ちゃんはなんだ? ちょいと世界の理を超越してるように見えるが、何者だ?」
男は突然目の前に現れた私に対して驚くことなく落ち着いた様子で自身が魔王と認めて、私に問う。
「私は魔女、サム・ラスゴーラン・ノアよ」
「魔女……ラスゴーラン……、ノア?」
魔王は私の名前に反応する、聞き覚えがあるだろう、なにせ大昔私が生まれるずっと前に魔王を封じた研究者と探求者の名前なのだから。
「とりあえず貴方たちは何をする気なの? 何かする気なら――」
「やめろウォール‼ お前には無理だ‼」
と、話の途中で魔王が叫ぶ。
振り向くと私に大剣を振りかざし、鋭く狙ってくる青年の姿があった。
「そうね、無理よ」
私は手をかざして、ウォールという青年の時を固着させる。
「ごめんね、今はお話中だから静かにしててね」
運動エネルギーから熱量やら意識やらを全てを固着されて写真のように動きを止めた青年に伝える。
もちろん返事はないけども。
「ウォールに……、何をしたあああああ――――――ッ‼」
と、ほぼ同時に山吹色よりやや紅く光る女性が怒鳴りつけて私に向けて光の線を撃ち放った。
私は手をかざし、時空に穴を空けてその光線を亜空間に吸い込む。
いやこれダメでしょこのエネルギー量、この国どころか大陸の形が変わるわよ。あ、この人が竜の女王か。
数秒間吸い込み続けると、光線は途切れて。
「…………この、化け物め……」
そう言って竜の女王は光を失い、グラマラスな容姿から可愛い幼児の姿になり倒れた。
「お互い様じゃない? 人間じゃないんだから」
私はすやすや眠る幼児の姿になった竜の女王の頭を撫でながらそう返す。
「ねえ……、ルカ、これって、大ピンチなんじゃない?」
魔王の後ろから人間の十七、八くらいの娘が顔を覗かせる。
「お嬢ちゃん、私は別にあなたたちをどうこうする為に来たんじゃないのよ。ただ質問をしに来たの、そこの魔王さんは復活してからどうするのかなー? って良くないことをしないかどうか聞きたいだけなのよ」
娘を落ち着かせるように、私は笑顔でそう伝える。
「……例えば、魔女の姉ちゃんが良くないと思うことだったらどうするんだ?」
魔王は依然として落ち着いた態度で私に確認をする。
「まあ封じるわね、やり方知ってるし。で? どうするのつもりなの?」
私もまたあっけらかんと、答えて再度尋ねる。
すると、魔王は眉をひそめ少し緊張感を高めて。
「俺たちは…………この国を滅ぼして、乗っ取り、この世界から女神信仰を消し去る」
そう答えた。
「へえ、滅ぼすってのは具体的にどんなことするの? さっきの竜の女王みたいにこの国を吹き飛ばすとかそんな感じなの?」
続けて私は尋ねる。
もしそうなら、一瞬で彼らを消す。
私と彼の幸せを邪魔する気なら例え魔王だろうが隕石だろうが私は負けない。
「いや、狙うは王族と三公爵家、それと主要貴族だ。この国の歪みを一度取り除いて壊す。俺も魔だけど王なんでね。導くなんて馬鹿なことはしないが、女神が正しいのなら間違った方向を示すことくらいはするさ」
魔王は私の質問に丁寧に答える。
「郵便局」
私は魔王の答えに間髪入れず続ける。
「それとリングストンの街になんかしらの悪影響が出た場合はあなた方が例え民に英雄視されていたとしても、消すわよ」
言い終わったところで、私は体中から魔力を放出した。
跳んだ先に居た、ただならぬ気配を漏らす男に声をかける。
瞬間移動というか瞬間転移というか、まあ魔法だ。
こんなに大きな気配に跳ぶのは魔女ならば造作もないことなのよ。
「…………そうだ、俺が魔王だぜ。姉ちゃんはなんだ? ちょいと世界の理を超越してるように見えるが、何者だ?」
男は突然目の前に現れた私に対して驚くことなく落ち着いた様子で自身が魔王と認めて、私に問う。
「私は魔女、サム・ラスゴーラン・ノアよ」
「魔女……ラスゴーラン……、ノア?」
魔王は私の名前に反応する、聞き覚えがあるだろう、なにせ大昔私が生まれるずっと前に魔王を封じた研究者と探求者の名前なのだから。
「とりあえず貴方たちは何をする気なの? 何かする気なら――」
「やめろウォール‼ お前には無理だ‼」
と、話の途中で魔王が叫ぶ。
振り向くと私に大剣を振りかざし、鋭く狙ってくる青年の姿があった。
「そうね、無理よ」
私は手をかざして、ウォールという青年の時を固着させる。
「ごめんね、今はお話中だから静かにしててね」
運動エネルギーから熱量やら意識やらを全てを固着されて写真のように動きを止めた青年に伝える。
もちろん返事はないけども。
「ウォールに……、何をしたあああああ――――――ッ‼」
と、ほぼ同時に山吹色よりやや紅く光る女性が怒鳴りつけて私に向けて光の線を撃ち放った。
私は手をかざし、時空に穴を空けてその光線を亜空間に吸い込む。
いやこれダメでしょこのエネルギー量、この国どころか大陸の形が変わるわよ。あ、この人が竜の女王か。
数秒間吸い込み続けると、光線は途切れて。
「…………この、化け物め……」
そう言って竜の女王は光を失い、グラマラスな容姿から可愛い幼児の姿になり倒れた。
「お互い様じゃない? 人間じゃないんだから」
私はすやすや眠る幼児の姿になった竜の女王の頭を撫でながらそう返す。
「ねえ……、ルカ、これって、大ピンチなんじゃない?」
魔王の後ろから人間の十七、八くらいの娘が顔を覗かせる。
「お嬢ちゃん、私は別にあなたたちをどうこうする為に来たんじゃないのよ。ただ質問をしに来たの、そこの魔王さんは復活してからどうするのかなー? って良くないことをしないかどうか聞きたいだけなのよ」
娘を落ち着かせるように、私は笑顔でそう伝える。
「……例えば、魔女の姉ちゃんが良くないと思うことだったらどうするんだ?」
魔王は依然として落ち着いた態度で私に確認をする。
「まあ封じるわね、やり方知ってるし。で? どうするのつもりなの?」
私もまたあっけらかんと、答えて再度尋ねる。
すると、魔王は眉をひそめ少し緊張感を高めて。
「俺たちは…………この国を滅ぼして、乗っ取り、この世界から女神信仰を消し去る」
そう答えた。
「へえ、滅ぼすってのは具体的にどんなことするの? さっきの竜の女王みたいにこの国を吹き飛ばすとかそんな感じなの?」
続けて私は尋ねる。
もしそうなら、一瞬で彼らを消す。
私と彼の幸せを邪魔する気なら例え魔王だろうが隕石だろうが私は負けない。
「いや、狙うは王族と三公爵家、それと主要貴族だ。この国の歪みを一度取り除いて壊す。俺も魔だけど王なんでね。導くなんて馬鹿なことはしないが、女神が正しいのなら間違った方向を示すことくらいはするさ」
魔王は私の質問に丁寧に答える。
「郵便局」
私は魔王の答えに間髪入れず続ける。
「それとリングストンの街になんかしらの悪影響が出た場合はあなた方が例え民に英雄視されていたとしても、消すわよ」
言い終わったところで、私は体中から魔力を放出した。
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