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7・お嬢様、お茶会を開く。
02作戦会議。
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この卓越したナインの技量を持ってしてもあのアーチ執事はそこまでの脅威なのか……、何者なのよあの執事、いやこいつもそうだけど。
それにしても素の喋りにすると饒舌なのね。
それとも意見を交換するって命令通りに動いてるのかしら、どちらにしてもナインは掴みどころがない。
「確かに、まあ一つ目の巻き込まれる件に関してはあなたが蹴散らせば問題ないと思うけど。あのグロリア嬢のアーチ執事との関係値は最悪ね……。今回の事をグロリア嬢やマーク・リングストンに報告されたら仲良くなるなんてのは絶対に無理ね……」
私は少し頭を抱える。
すると。
「いや、あいつはグロリア嬢には言わない。言うんならあの場で言っている、多分あいつはグロリア嬢にも秘密で怪人をやってるんだろう」
ナインは私の意見を一部訂正する。
確かに。
あの場で言わない理由がない。
「でも、アーチ執事には警戒をされたままだし、下手に近づいたらまたとんでもない大喧嘩になるんでしょ? もっと話し合いに持っていくことは出来なかったの?」
少しなじるように、もっと丸く収められなかったかを問う。
「……話が通じない相手ではなかったとは思う、苛烈で過剰で狂気的ではあったけどあいつは冷静だった。だが即戦闘に入ったから弁解の余地はなかった。お茶の時間じゃあないんだ、交戦してから喋り出すのは馬鹿が過ぎる」
とどのつまり、そんな余裕はなかったんだよという返事を頂く。
まあそりゃそうか、必死に大立ち回りしてきてこれだけの大怪我なのだから仕方がない。
じゃあやはりグロリア嬢とお近づきになるのは無理か……。
すぐに襲われて喧嘩になってしまえばまた弁解は出来ないし、ナインから先手を取って襲わせるなんてのもナンセンスだ。
………………いや? 先手?
そうか、だったらこちらから仕掛ければ良いのだ。
「ナイン、作戦があるわ」
私は不敵な笑みに露骨に嫌な顔をする執事に対して、言い放った。
まあ作戦という程のものでもないのだが、仰々しく大袈裟に言った方が気分が乗るというものだ。
私はそこから作戦をナインに伝える。
ナインはそれを黙って聞いて、少し考えてから答えた。
「…………いいだろう、ただし想定していた状況にならず成果を得られない場合は、二度とグロリア嬢やリングストン公爵の派閥には近寄らないと約束をしろ。更に戦闘となった場合は追撃を避ける為に初手からあの怪人を殺しにかかる。それでいいなら、賛成する」
「おっけーおっけー、じゃあそんな感じで」
ナインの条件を軽く飲み込み、作戦会議を終了する。
まずはナインにはしっかりと療養してもらうことにした。
ナインが動けないことにはどうにもならない。
その間は料理や洗濯、掃除、入浴も一人で行うこととなった。
ナインが逐一口を出しても尚、全て失敗するという快挙を達成したのだが、私は初めての家事を心から楽しんだ。
まあでも元気になったらナインに任せよう、美味しいご飯が食べたい。
そして、五日程が経ち。
「……よし、もうある程度動けるぞ」
顔の腫れも引き、足を引きずることもなくなり、ナインは体を伸ばしながらそう言った。
いやあんな車に轢かられたみたいな大怪我しておいて、こんな早く回復出来るものなの健康な人って。
ナインが特殊というのもあるだろうし、流石に私の家事力に痺れを切らして無理をしてるのもあるのだろうけど。
でもこれでようやく、作戦を実行出来るというものだ。
でもまずは。
「ナイン、朝食を作って。んでその後で良いから洗い物と洗濯、それと私をお風呂に入れてちょうだい」
溜まりきった家事の惨状に、ナインは。
「…………かしこまりました。お嬢様」
わかりやすく、わざと丁寧な口調でうんざり感を出してそう言った。
それにしても素の喋りにすると饒舌なのね。
それとも意見を交換するって命令通りに動いてるのかしら、どちらにしてもナインは掴みどころがない。
「確かに、まあ一つ目の巻き込まれる件に関してはあなたが蹴散らせば問題ないと思うけど。あのグロリア嬢のアーチ執事との関係値は最悪ね……。今回の事をグロリア嬢やマーク・リングストンに報告されたら仲良くなるなんてのは絶対に無理ね……」
私は少し頭を抱える。
すると。
「いや、あいつはグロリア嬢には言わない。言うんならあの場で言っている、多分あいつはグロリア嬢にも秘密で怪人をやってるんだろう」
ナインは私の意見を一部訂正する。
確かに。
あの場で言わない理由がない。
「でも、アーチ執事には警戒をされたままだし、下手に近づいたらまたとんでもない大喧嘩になるんでしょ? もっと話し合いに持っていくことは出来なかったの?」
少しなじるように、もっと丸く収められなかったかを問う。
「……話が通じない相手ではなかったとは思う、苛烈で過剰で狂気的ではあったけどあいつは冷静だった。だが即戦闘に入ったから弁解の余地はなかった。お茶の時間じゃあないんだ、交戦してから喋り出すのは馬鹿が過ぎる」
とどのつまり、そんな余裕はなかったんだよという返事を頂く。
まあそりゃそうか、必死に大立ち回りしてきてこれだけの大怪我なのだから仕方がない。
じゃあやはりグロリア嬢とお近づきになるのは無理か……。
すぐに襲われて喧嘩になってしまえばまた弁解は出来ないし、ナインから先手を取って襲わせるなんてのもナンセンスだ。
………………いや? 先手?
そうか、だったらこちらから仕掛ければ良いのだ。
「ナイン、作戦があるわ」
私は不敵な笑みに露骨に嫌な顔をする執事に対して、言い放った。
まあ作戦という程のものでもないのだが、仰々しく大袈裟に言った方が気分が乗るというものだ。
私はそこから作戦をナインに伝える。
ナインはそれを黙って聞いて、少し考えてから答えた。
「…………いいだろう、ただし想定していた状況にならず成果を得られない場合は、二度とグロリア嬢やリングストン公爵の派閥には近寄らないと約束をしろ。更に戦闘となった場合は追撃を避ける為に初手からあの怪人を殺しにかかる。それでいいなら、賛成する」
「おっけーおっけー、じゃあそんな感じで」
ナインの条件を軽く飲み込み、作戦会議を終了する。
まずはナインにはしっかりと療養してもらうことにした。
ナインが動けないことにはどうにもならない。
その間は料理や洗濯、掃除、入浴も一人で行うこととなった。
ナインが逐一口を出しても尚、全て失敗するという快挙を達成したのだが、私は初めての家事を心から楽しんだ。
まあでも元気になったらナインに任せよう、美味しいご飯が食べたい。
そして、五日程が経ち。
「……よし、もうある程度動けるぞ」
顔の腫れも引き、足を引きずることもなくなり、ナインは体を伸ばしながらそう言った。
いやあんな車に轢かられたみたいな大怪我しておいて、こんな早く回復出来るものなの健康な人って。
ナインが特殊というのもあるだろうし、流石に私の家事力に痺れを切らして無理をしてるのもあるのだろうけど。
でもこれでようやく、作戦を実行出来るというものだ。
でもまずは。
「ナイン、朝食を作って。んでその後で良いから洗い物と洗濯、それと私をお風呂に入れてちょうだい」
溜まりきった家事の惨状に、ナインは。
「…………かしこまりました。お嬢様」
わかりやすく、わざと丁寧な口調でうんざり感を出してそう言った。
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