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7・お嬢様、お茶会を開く。
01言葉遣い。
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「いやあんた、なにしてんのよ!」
私、アビゲイル・バセットは執事であるナイン・ウィーバーに対して絶賛説教中である。
理由は。
「ちょっとどんな人たちか調べてもらおうと思ったのに、グロリア嬢の執事さんを滅多刺しにしてくるって何事なのよ! それにあんたもこんなに怪我して……、本当に大丈夫なの? 健康だとその大怪我でも病院行かずに治せるの?」
と、以上の通りである。
本当に心配したんだから、脇腹とかもう青というか黒というか内出血が酷すぎてとんでもないことになってるじゃない。
あのアーチって執事も、何かの達人なのかしら。
私にはそういう格闘技とかの知識はないのでよくわからない。
「大変申し訳ございませんでした。以後はこのようなことはないようにいたします。私の怪我については病院も不要でございます」
ナインは顔を濡らしたタオルで冷やしながら淡々と答える。
「……はあ」
私はその答えに、ため息を一つ。
いくら今回の出来事について文句を言っても仕方がない。
根本的な解決と、今後の動きについてを話し合った方が良い。そっちのが絶対に生産的だ。
なのでまずは。
「ナイン、とりあえずかしこまった言葉遣いをやめなさい。あなたの一人称は俺だったでしょ最初に会った時はそうだったじゃない」
私の言葉にナインは頭に疑問符を浮かべてこちらを見つめる。
「まずはそういうところから始めて、自分の考えを能動的に私に伝えられるようになりなさい。フランクに、馴れ馴れしくて良いから。私はあなたもお察しの通り、割と常識とかそういうのが欠落してるの。そしてあなたもまた、かなり常識の範囲外の行動ができてしまう」
私の言葉を咀嚼するようにナインは静かに聞く。
「だから、もっと意見や考えを共有して行きましょう。お互いに欠けている部分を補いましょう、せっかくここに脳みそがふたつもあるんだから、一緒に考えましょうよ。私の幸せには、あなたが必要なの」
私はナインの目を見て伝える。
そう、今回の件は完全にお互いの疎通が取れてないことから発生した問題だ。
グロリア嬢と仲良くなりたい私と。
グロリア嬢と距離を取りたいナイン。
その齟齬で、ナインは大怪我を負い、グロリア嬢の執事を殺しかけた。
まあグロリア嬢の執事にも問題はあるのだけれど、そもそも友好的に接することが前提なのであれば、もっときちんと話し合う余地はあったと思うのだ。
ナインは忠実に職務を全うするが、考えて行動する一人の人間である。
私が一方的に命じても、彼の行動と私の思いにはズレが生じる。
だったら話は簡単、話し合えばいい。
お互いの認識や思惑をすり合わせれば良いのだ。
無論、私は雇い主側で彼は雇われる側なので立場上最終的な判断に関しては私が行うのだが、それでもその判断材料として彼の意見や考えを考慮するのはとても大事なことだ。
そんな私の話を聞いた彼は、少し間を開けて。
「かしこまりました、お嬢様。これからは善処――」
「かしこまりました」
と、返事に対して被せるように私は復唱する。
「……はあ……、わかったよ、アビィ。これでいいか?」
「いいじゃない、グッドよ、グッド!」
私はナインの返事に満足して満面の笑みで親指を突き立てる。
さてさて。
これでとりあえず話し合いの準備は整った。
なので早速意見交換といこう。
「グロリア嬢と、まだ会ってないけどリングストン公爵の友達になりたいと思ってる」
私は自身の思惑を伝える。
「俺は反対だ、危なすぎる。グロリア嬢やマーク・リングストンを狙う輩に巻き込まれることも有り得るし、変に探り入れたらあの怪人執事が襲ってくる。次は流石に殺すぞ、あいつを格闘戦だけで制するのは無理だ」
ナインは流暢に、自分の意見を述べた。
私、アビゲイル・バセットは執事であるナイン・ウィーバーに対して絶賛説教中である。
理由は。
「ちょっとどんな人たちか調べてもらおうと思ったのに、グロリア嬢の執事さんを滅多刺しにしてくるって何事なのよ! それにあんたもこんなに怪我して……、本当に大丈夫なの? 健康だとその大怪我でも病院行かずに治せるの?」
と、以上の通りである。
本当に心配したんだから、脇腹とかもう青というか黒というか内出血が酷すぎてとんでもないことになってるじゃない。
あのアーチって執事も、何かの達人なのかしら。
私にはそういう格闘技とかの知識はないのでよくわからない。
「大変申し訳ございませんでした。以後はこのようなことはないようにいたします。私の怪我については病院も不要でございます」
ナインは顔を濡らしたタオルで冷やしながら淡々と答える。
「……はあ」
私はその答えに、ため息を一つ。
いくら今回の出来事について文句を言っても仕方がない。
根本的な解決と、今後の動きについてを話し合った方が良い。そっちのが絶対に生産的だ。
なのでまずは。
「ナイン、とりあえずかしこまった言葉遣いをやめなさい。あなたの一人称は俺だったでしょ最初に会った時はそうだったじゃない」
私の言葉にナインは頭に疑問符を浮かべてこちらを見つめる。
「まずはそういうところから始めて、自分の考えを能動的に私に伝えられるようになりなさい。フランクに、馴れ馴れしくて良いから。私はあなたもお察しの通り、割と常識とかそういうのが欠落してるの。そしてあなたもまた、かなり常識の範囲外の行動ができてしまう」
私の言葉を咀嚼するようにナインは静かに聞く。
「だから、もっと意見や考えを共有して行きましょう。お互いに欠けている部分を補いましょう、せっかくここに脳みそがふたつもあるんだから、一緒に考えましょうよ。私の幸せには、あなたが必要なの」
私はナインの目を見て伝える。
そう、今回の件は完全にお互いの疎通が取れてないことから発生した問題だ。
グロリア嬢と仲良くなりたい私と。
グロリア嬢と距離を取りたいナイン。
その齟齬で、ナインは大怪我を負い、グロリア嬢の執事を殺しかけた。
まあグロリア嬢の執事にも問題はあるのだけれど、そもそも友好的に接することが前提なのであれば、もっときちんと話し合う余地はあったと思うのだ。
ナインは忠実に職務を全うするが、考えて行動する一人の人間である。
私が一方的に命じても、彼の行動と私の思いにはズレが生じる。
だったら話は簡単、話し合えばいい。
お互いの認識や思惑をすり合わせれば良いのだ。
無論、私は雇い主側で彼は雇われる側なので立場上最終的な判断に関しては私が行うのだが、それでもその判断材料として彼の意見や考えを考慮するのはとても大事なことだ。
そんな私の話を聞いた彼は、少し間を開けて。
「かしこまりました、お嬢様。これからは善処――」
「かしこまりました」
と、返事に対して被せるように私は復唱する。
「……はあ……、わかったよ、アビィ。これでいいか?」
「いいじゃない、グッドよ、グッド!」
私はナインの返事に満足して満面の笑みで親指を突き立てる。
さてさて。
これでとりあえず話し合いの準備は整った。
なので早速意見交換といこう。
「グロリア嬢と、まだ会ってないけどリングストン公爵の友達になりたいと思ってる」
私は自身の思惑を伝える。
「俺は反対だ、危なすぎる。グロリア嬢やマーク・リングストンを狙う輩に巻き込まれることも有り得るし、変に探り入れたらあの怪人執事が襲ってくる。次は流石に殺すぞ、あいつを格闘戦だけで制するのは無理だ」
ナインは流暢に、自分の意見を述べた。
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