17 / 240
5・お嬢様、学校に行く。
01驚き。
しおりを挟む
私、アビゲイル・バセットが貴族の子息女が集う学園に通い始めて一週間が経った。
もう既にバセット家の屋敷は出て、お父様に買わせた家で執事のナイン・ウィーバーと共に暮らしている。
ちなみに軽い仕返しとして出際にエミリーとお母様の服を全て燃やしておいた。
なかなか気分が良かったので、もし今後あの家に顔を出す際は毎回必ず行おうと思う。ナインはドン引きしてたけど。
それはさておき、ここ一週間は驚きの連続だった。
高田まりえは勿論のこと、アビィも初体験のことだらけだった。
まず驚いたのは、ナインは料理が出来る。
というか家事全般が出来るのだ。
何より料理が美味しい、これには本当にびっくりした。
あの卓越したナイフ捌きも含めて、本当に謎多き男だと思う。
続いて驚いたのは、学園そのものにだ。
高田まりえも勉強自体はパソコンを視線追跡操作にして動画や教材やらネットやらでしていたし。
アビィ自身も最低限の読み書きは教えられていたので、授業自体には着いていけたのだけど。
同年代の人間が目の前にあんなにいることに、驚いた。
いやーテンパったというか舞い上がったというか。
友達が作れるんじゃないかって浮き足立ってしまった。
制服は可愛いし、校舎は綺麗だし、私の知っている学校からはかなり異世界ナイズされた学園だったけどかなり心躍らせた。
しかし、更なる驚き。
思っていた以上に貴族間の派閥争いでバッチバチだったことだ。
いやーなんか思ってたのと違う。
なんなの? 貴族の爵位を持つ親たちがそういう政治絡みのことでバチバチしてんのはわかるけど、何者でもない子供の私たちが何したってどうしようもないじゃない。
なんて思っていたけどそれがどうにも違うらしい。
子供同士の陥れ合いみたいな、いじめとかスクールカーストの延長みたいなもので貴族同士の婚約が破棄されたり自主退学に追い込まれたりしているらしい。
そこまでの問題ともなると、流石にこの国の貴族間のパワーバランスにも影響が出るようだ。
なんか私としてはとてつもなく関係のない話だし、バセット家の人間が没落しようが処刑されようが心境としては知ったこっちゃないのだが。
バセット家はまだ使い道があるので下手に巻き込まれたくはない、またあいつらの服も燃やしたいし。
なので、私も私でその貴族の派閥争いに一枚噛みつつ、あわよくばお友達を作ろうと思う。
郷に入りては郷に従え、それに私はせっかく学校に通うのなら学校での流行りに乗りたいだけなのだ。
と、言うことでこの一週間はこの国の貴族派閥について勉強をした。
このメルバリア王国はざっくり、発展派、教会派、中立派の三つに別れていてそれらの意見を王族がまとめあげているみたいな政治構造らしい。
一応バセット家は中立派に属するみたいだ。
だったら中立派のグループ内で友人を探せば良いのだろうが、それは面白くないし、幸せに近づくとも思えない。
何より私はバセット家の為になることをする気なんて毛頭ない、全ては私の幸せの為にしか行動しない。
一番良い目標としては、バセット家が滅びつつ私だけが独立して幸せになることなのだけども。
だったら中立派で連んでいても仕方がない。
狙うは発展派か教会派の有力貴族とお友達になることだ。
そんな思惑を持ち、友情を育むために私はある貴族令嬢に目をつけた。
「ご機嫌ようグロリア嬢、お隣よろしいですか?」
もう既にバセット家の屋敷は出て、お父様に買わせた家で執事のナイン・ウィーバーと共に暮らしている。
ちなみに軽い仕返しとして出際にエミリーとお母様の服を全て燃やしておいた。
なかなか気分が良かったので、もし今後あの家に顔を出す際は毎回必ず行おうと思う。ナインはドン引きしてたけど。
それはさておき、ここ一週間は驚きの連続だった。
高田まりえは勿論のこと、アビィも初体験のことだらけだった。
まず驚いたのは、ナインは料理が出来る。
というか家事全般が出来るのだ。
何より料理が美味しい、これには本当にびっくりした。
あの卓越したナイフ捌きも含めて、本当に謎多き男だと思う。
続いて驚いたのは、学園そのものにだ。
高田まりえも勉強自体はパソコンを視線追跡操作にして動画や教材やらネットやらでしていたし。
アビィ自身も最低限の読み書きは教えられていたので、授業自体には着いていけたのだけど。
同年代の人間が目の前にあんなにいることに、驚いた。
いやーテンパったというか舞い上がったというか。
友達が作れるんじゃないかって浮き足立ってしまった。
制服は可愛いし、校舎は綺麗だし、私の知っている学校からはかなり異世界ナイズされた学園だったけどかなり心躍らせた。
しかし、更なる驚き。
思っていた以上に貴族間の派閥争いでバッチバチだったことだ。
いやーなんか思ってたのと違う。
なんなの? 貴族の爵位を持つ親たちがそういう政治絡みのことでバチバチしてんのはわかるけど、何者でもない子供の私たちが何したってどうしようもないじゃない。
なんて思っていたけどそれがどうにも違うらしい。
子供同士の陥れ合いみたいな、いじめとかスクールカーストの延長みたいなもので貴族同士の婚約が破棄されたり自主退学に追い込まれたりしているらしい。
そこまでの問題ともなると、流石にこの国の貴族間のパワーバランスにも影響が出るようだ。
なんか私としてはとてつもなく関係のない話だし、バセット家の人間が没落しようが処刑されようが心境としては知ったこっちゃないのだが。
バセット家はまだ使い道があるので下手に巻き込まれたくはない、またあいつらの服も燃やしたいし。
なので、私も私でその貴族の派閥争いに一枚噛みつつ、あわよくばお友達を作ろうと思う。
郷に入りては郷に従え、それに私はせっかく学校に通うのなら学校での流行りに乗りたいだけなのだ。
と、言うことでこの一週間はこの国の貴族派閥について勉強をした。
このメルバリア王国はざっくり、発展派、教会派、中立派の三つに別れていてそれらの意見を王族がまとめあげているみたいな政治構造らしい。
一応バセット家は中立派に属するみたいだ。
だったら中立派のグループ内で友人を探せば良いのだろうが、それは面白くないし、幸せに近づくとも思えない。
何より私はバセット家の為になることをする気なんて毛頭ない、全ては私の幸せの為にしか行動しない。
一番良い目標としては、バセット家が滅びつつ私だけが独立して幸せになることなのだけども。
だったら中立派で連んでいても仕方がない。
狙うは発展派か教会派の有力貴族とお友達になることだ。
そんな思惑を持ち、友情を育むために私はある貴族令嬢に目をつけた。
「ご機嫌ようグロリア嬢、お隣よろしいですか?」
99
お気に入りに追加
1,554
あなたにおすすめの小説
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
異種族キャンプで全力スローライフを執行する……予定!
タジリユウ
ファンタジー
【1〜3巻発売中!】
とある街から歩いて2時間。そこはキャンプ場と呼ばれる不思議な場所で、種族や身分の差を気にせずに、釣りや読書や温泉を楽しみながら、見たこともない美味しい酒や料理を味わえる場所だという。
早期退職をして自分のキャンプ場を作るという夢を叶える直前に、神様の手違いで死んでしまった東村祐介。
お詫びに異世界に転生させてもらい、キャンプ場を作るためのチート能力を授かった。冒険者のダークエルフと出会い、キャンプ場を作ってスローライフを目指す予定なのだが……
旧題:異世界でキャンプ場を作って全力でスローライフを執行する……予定!
※カクヨム様でも投稿しております。
婚約破棄をされた悪役令嬢は、すべてを見捨てることにした
アルト
ファンタジー
今から七年前。
婚約者である王太子の都合により、ありもしない罪を着せられ、国外追放に処された一人の令嬢がいた。偽りの悪業の経歴を押し付けられ、人里に彼女の居場所はどこにもなかった。
そして彼女は、『魔の森』と呼ばれる魔窟へと足を踏み入れる。
そして現在。
『魔の森』に住まうとある女性を訪ねてとある集団が彼女の勧誘にと向かっていた。
彼らの正体は女神からの神託を受け、結成された魔王討伐パーティー。神託により指名された最後の一人の勧誘にと足を運んでいたのだが——。
公爵家御令嬢に転生?転生先の努力が報われる世界で可愛いもののために本気出します「えっ?私悪役令嬢なんですか?」
へたまろ
ファンタジー
ここは、とある恋愛ゲームの舞台……かもしれない場所。
主人公は、まったく情報を持たない前世の知識を持っただけの女性。
王子様との婚約、学園での青春、多くの苦難の末に……婚約破棄されて修道院に送られる女の子に転生したただの女性。
修道院に送られる途中で闇に屠られる、可哀そうな……やってたことを考えればさほど可哀そうでも……いや、罰が重すぎる程度の悪役令嬢に転生。
しかし、この女性はそういった予備知識を全く持ってなかった。
だから、そんな筋書きは全く関係なし。
レベルもスキルも魔法もある世界に転生したからにはやることは、一つ!
やれば結果が数字や能力で確実に出せる世界。
そんな世界に生まれ変わったら?
レベル上げ、やらいでか!
持って生まれたスキル?
全言語理解と、鑑定のみですが?
三種の神器?
初心者パック?
肝心の、空間収納が無いなんて……無いなら、努力でどうにかしてやろうじゃないか!
そう、その女性は恋愛ゲームより、王道派ファンタジー。
転生恋愛小説よりも、やりこみチートラノベの愛読者だった!
子供達大好き、みんな友達精神で周りを巻き込むお転婆お嬢様がここに爆誕。
この国の王子の婚約者で、悪役令嬢……らしい? かもしれない?
周囲の反応をよそに、今日もお嬢様は好き勝手やらかす。
周囲を混乱を巻き起こすお嬢様は、平穏無事に王妃になれるのか!
死亡フラグを回避できるのか!
そんなの関係ない!
私は、私の道を行く!
王子に恋しない悪役令嬢は、可愛いものを愛でつつやりたいことをする。
コメディエンヌな彼女の、生涯を綴った物語です。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ちょっとエッチな執事の体調管理
mm
ファンタジー
私は小川優。大学生になり上京して来て1ヶ月。今はバイトをしながら一人暮らしをしている。
住んでいるのはそこらへんのマンション。
変わりばえない生活に飽き飽きしている今日この頃である。
「はぁ…疲れた」
連勤のバイトを終え、独り言を呟きながらいつものようにマンションへ向かった。
(エレベーターのあるマンションに引っ越したい)
そう思いながらやっとの思いで階段を上りきり、自分の部屋の方へ目を向けると、そこには見知らぬ男がいた。
「優様、おかえりなさいませ。本日付けで雇われた、優様の執事でございます。」
「はい?どちら様で…?」
「私、優様の執事の佐川と申します。この度はお嬢様体験プランご当選おめでとうございます」
(あぁ…!)
今の今まで忘れていたが、2ヶ月ほど前に「お嬢様体験プラン」というのに応募していた。それは無料で自分だけの執事がつき、身の回りの世話をしてくれるという画期的なプランだった。執事を雇用する会社はまだ新米の執事に実際にお嬢様をつけ、3ヶ月無料でご奉仕しながら執事業を学ばせるのが目的のようだった。
「え、私当たったの?この私が?」
「さようでございます。本日から3ヶ月間よろしくお願い致します。」
尿・便表現あり
アダルトな表現あり
うちのポチ知りませんか? 〜異世界転生した愛犬を探して〜
双華
ファンタジー
愛犬(ポチ)の散歩中にトラックにはねられた主人公。
白い空間で女神様に、愛犬は先に転生して異世界に旅立った、と聞かされる。
すぐに追いかけようとするが、そもそも生まれる場所は選べないらしく、転生してから探すしかないらしい。
転生すると、最初からポチと従魔契約が成立しており、ポチがどこかで稼いだ経験値の一部が主人公にも入り、勝手にレベルアップしていくチート仕様だった。
うちのポチはどこに行ったのか、捜索しながら異世界で成長していく物語である。
・たまに閑話で「ポチの冒険」等が入ります。
※ 2020/6/26から「閑話」を従魔の話、略して「従話」に変更しました。
・結構、思い付きで書いているので、矛盾点等、おかしなところも多々有ると思いますが、生温かい目で見てやって下さい。経験値とかも細かい計算はしていません。
沢山の方にお読み頂き、ありがとうございます。
・ホトラン最高2位
・ファンタジー24h最高2位
・ファンタジー週間最高5位
(2020/1/6時点)
評価頂けると、とても励みになります!m(_ _)m
皆様のお陰で、第13回ファンタジー小説大賞で奨励賞を頂きました。ありがとうございます。
※ 2020/9/6〜 小説家になろう様にもコッソリ投稿開始しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる