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「………………………」
話がしたいとは何だったんだ?
テーブルについて、お互い正面に向き合い座ったまま目も合わさず、無言の時間が流れていた
…お弁当広げてもいいのかしら?
「…あの…」
「んぁ!?」どこから声出したの?と思うような返事をされた
「お弁当を並べさせて頂いても?」
と首を少し傾げながら聞くと
レオン様はイリアーナと全く目を合わさずに
「あぁ、そうだな、先に食事にしょう」
とやっと話した
このまま食いっぱぐれるのかと思っていたけど、食べれるならよかった
シェフもあんなに張り切ってくれていたのに手もつけずに持って帰ってしまったら可哀想だし
と思いつつテーブルに並べ
殿下の前にカラトリーを用意する
でもあることに気づいた
今、殿下にお付きの方すらついていない
毒味役がいない
「あの…殿下」
相変わらずどこかみたまま、むすっとしている殿下に、恐る恐る尋ねてみた
「毒味いかがなさいましょう?私がしてもよろしいのでしょうか?」
と伝えたら殿下がよそ見したまま
段々目が見開いて行って、少しずつ顔が赤くなっていく、あら、ゆでダコさん…
「馬鹿か!お前の家のシェフの作ったものだろう!今までだって食べた事はあるし、お前の家は!!王家に!謀反を考えているのか!?」
と顔を真っ赤にして怒られた
お前って言われるの嫌だよねぇ
と思いつつ
「そのような事は一切ございません、ガブリエラ家はアデインセル国に忠誠を誓っております!でもその様に顔を真っ赤にして怒らなくてもよろしいではないですか…」
ならそのまま取り分けていいのかと
レオン様の分を取り分けてお渡しする
「…怒ったわけじゃ…」
と何かぶつぶつ声が聞こえてきた気がしたけれど、レオン様のお茶を用意していて聞こえなかった
「………こちらのお茶の毒味は……」
「やらんでいい!!」
「また怒鳴る…その様に怒らないでください」
怒鳴り声に萎縮して、少し涙目になってしまった
「だから!怒っているわけじゃ…!!」
バチっと目があった途端、また逸らされてどこか遠くを見ながら
レオン様は、食事を始めた
何だろう…器用だなと少し感心したけど、イヤイヤ行儀が悪いしやめさせたほうがいいよなと考えて注意しようとしたら
「……相変わらず、お前の所のシェフは腕がいいな、久しぶりに食べたが美味い」
とお弁当の中に目が行っていた
まぁ、それなら注意するほどのことでもないかと会話することにした
「そうですね、でも今日はとても張り切っておりました」
「…そうか」
会話終了……
「…それで?」
あ、終了じゃないんだ?
「熱を出して……………見舞いも断られたので気になっていた」
「わざわざ気にかけてくださったのですか?…初めてな気がしますが…」
「いっ一応婚約者だろうが!突然目の前で泣かれて次の日から休まれたら、気にもするだろうが!」
優しそうなビジュアルで、何故かイリアーナに対してだけ異常に当たりがきつい
イリアーナの記憶を辿ってもその原因がいまいちわからない、きっと相性が悪いんだろうなぁ
ここで喧嘩腰にこっちが出たら、もっと喧嘩になりそうだし、相手王子だし一応
大人しく引こう
「あの時は申し訳ございませんでした、あの時突然目に、小さな虫が入っきましたの痛くて涙が止まらなくなってしまったのですわ」
「…虫が原因で一週間やすんだのか?」
あかん!ずる休みだと思われてる!?
「いぇ、虫と熱は別でございますわ、ただ熱を出してその後、熱が下がった後も少し混乱がみられまして…お医者様から少しお休みする様に言われましたの本当ですよ?」
「………見舞いを断ってきたのは?」
そこ、めちゃこだわるわね
「殿下、一応私レディですの、寝込んでいる姿をお見せするのは……お恥ずかしいですわ…」
といかにもお嬢様発言してみた
「そっ…そうか…」
おっ!何とかなりそう
相変わらず目は逸らされてるけど
納得したみたい
「…何故突然………そんな格好になった?」
「格好……?」ハテ?
「いつも様子を変えていただろう!それなのに何故突然前の様な格好になった⁉︎」
あぁなるほどアイメイクとかをサッパリ辞めた事かと気づく
「もっと人として心強くなるためには、欠点も受け入れる人になればと思いましたの」
何となくそれらしく言っときゃいいか
「………で?」
おっと!気のせいか声がワントーン下がった
「昨日のは何だ?」
「…昨日の?」
「赤い髪のだ」
「…クラウドの事ですか?」
あ、やばいまた何か目が二倍になった!
「お前……あいつの事そんなふうによんでるのか⁉︎」
「殿下の様に、人様をお前呼ばわりできませんし、クラウドは幼馴染みですし、しかも殿下は従兄弟にあたられますよね?殿下も小さな頃はご一緒に遊んでいらしたではござぃせんか」
と少し嫌味も付け加えて、返答すると今からまた真っ赤になって、怒ります1秒前だったのがぐっ!どうなって少し落ち着いた様で…
「…だからってお前は!!仮にも私の婚約者だろう!?」
やっぱり怒られた
でもやっぱり、私が怒られるのは理不尽だと思う
話がしたいとは何だったんだ?
テーブルについて、お互い正面に向き合い座ったまま目も合わさず、無言の時間が流れていた
…お弁当広げてもいいのかしら?
「…あの…」
「んぁ!?」どこから声出したの?と思うような返事をされた
「お弁当を並べさせて頂いても?」
と首を少し傾げながら聞くと
レオン様はイリアーナと全く目を合わさずに
「あぁ、そうだな、先に食事にしょう」
とやっと話した
このまま食いっぱぐれるのかと思っていたけど、食べれるならよかった
シェフもあんなに張り切ってくれていたのに手もつけずに持って帰ってしまったら可哀想だし
と思いつつテーブルに並べ
殿下の前にカラトリーを用意する
でもあることに気づいた
今、殿下にお付きの方すらついていない
毒味役がいない
「あの…殿下」
相変わらずどこかみたまま、むすっとしている殿下に、恐る恐る尋ねてみた
「毒味いかがなさいましょう?私がしてもよろしいのでしょうか?」
と伝えたら殿下がよそ見したまま
段々目が見開いて行って、少しずつ顔が赤くなっていく、あら、ゆでダコさん…
「馬鹿か!お前の家のシェフの作ったものだろう!今までだって食べた事はあるし、お前の家は!!王家に!謀反を考えているのか!?」
と顔を真っ赤にして怒られた
お前って言われるの嫌だよねぇ
と思いつつ
「そのような事は一切ございません、ガブリエラ家はアデインセル国に忠誠を誓っております!でもその様に顔を真っ赤にして怒らなくてもよろしいではないですか…」
ならそのまま取り分けていいのかと
レオン様の分を取り分けてお渡しする
「…怒ったわけじゃ…」
と何かぶつぶつ声が聞こえてきた気がしたけれど、レオン様のお茶を用意していて聞こえなかった
「………こちらのお茶の毒味は……」
「やらんでいい!!」
「また怒鳴る…その様に怒らないでください」
怒鳴り声に萎縮して、少し涙目になってしまった
「だから!怒っているわけじゃ…!!」
バチっと目があった途端、また逸らされてどこか遠くを見ながら
レオン様は、食事を始めた
何だろう…器用だなと少し感心したけど、イヤイヤ行儀が悪いしやめさせたほうがいいよなと考えて注意しようとしたら
「……相変わらず、お前の所のシェフは腕がいいな、久しぶりに食べたが美味い」
とお弁当の中に目が行っていた
まぁ、それなら注意するほどのことでもないかと会話することにした
「そうですね、でも今日はとても張り切っておりました」
「…そうか」
会話終了……
「…それで?」
あ、終了じゃないんだ?
「熱を出して……………見舞いも断られたので気になっていた」
「わざわざ気にかけてくださったのですか?…初めてな気がしますが…」
「いっ一応婚約者だろうが!突然目の前で泣かれて次の日から休まれたら、気にもするだろうが!」
優しそうなビジュアルで、何故かイリアーナに対してだけ異常に当たりがきつい
イリアーナの記憶を辿ってもその原因がいまいちわからない、きっと相性が悪いんだろうなぁ
ここで喧嘩腰にこっちが出たら、もっと喧嘩になりそうだし、相手王子だし一応
大人しく引こう
「あの時は申し訳ございませんでした、あの時突然目に、小さな虫が入っきましたの痛くて涙が止まらなくなってしまったのですわ」
「…虫が原因で一週間やすんだのか?」
あかん!ずる休みだと思われてる!?
「いぇ、虫と熱は別でございますわ、ただ熱を出してその後、熱が下がった後も少し混乱がみられまして…お医者様から少しお休みする様に言われましたの本当ですよ?」
「………見舞いを断ってきたのは?」
そこ、めちゃこだわるわね
「殿下、一応私レディですの、寝込んでいる姿をお見せするのは……お恥ずかしいですわ…」
といかにもお嬢様発言してみた
「そっ…そうか…」
おっ!何とかなりそう
相変わらず目は逸らされてるけど
納得したみたい
「…何故突然………そんな格好になった?」
「格好……?」ハテ?
「いつも様子を変えていただろう!それなのに何故突然前の様な格好になった⁉︎」
あぁなるほどアイメイクとかをサッパリ辞めた事かと気づく
「もっと人として心強くなるためには、欠点も受け入れる人になればと思いましたの」
何となくそれらしく言っときゃいいか
「………で?」
おっと!気のせいか声がワントーン下がった
「昨日のは何だ?」
「…昨日の?」
「赤い髪のだ」
「…クラウドの事ですか?」
あ、やばいまた何か目が二倍になった!
「お前……あいつの事そんなふうによんでるのか⁉︎」
「殿下の様に、人様をお前呼ばわりできませんし、クラウドは幼馴染みですし、しかも殿下は従兄弟にあたられますよね?殿下も小さな頃はご一緒に遊んでいらしたではござぃせんか」
と少し嫌味も付け加えて、返答すると今からまた真っ赤になって、怒ります1秒前だったのがぐっ!どうなって少し落ち着いた様で…
「…だからってお前は!!仮にも私の婚約者だろう!?」
やっぱり怒られた
でもやっぱり、私が怒られるのは理不尽だと思う
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