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ルミエルとローラント

37・結婚式後

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なんやかんやで、結婚式は滞りなく終了した。うん。よかった…。
で、寝る訳にはいかない。だって、後3日で魔族の国に行くんだからね。
今日から準備だ…めんどくさぁ!
言っちゃ悪いが、出発早すぎない?早いよね!
ロー曰く、

「だって、屋敷で初夜は嫌と前に行っていたではありませんか。恥ずかしいと。ねぇ?違いますか?」

と、久々に敬語で怒ってるオーラがヤバかった。
だから、初夜の為だけに…魔族の国に行く時期が早まった。なんの嫌がらせだ。

「どれだけ心待ちにしていたかわかります?私は、一刻も早くルミィと1つになりたいのです。小さい頃からずっと好きでした。ですから、今回の件分かってくれますよね?ルミィ?」

ほぼ脅しじゃん。まぁいいんだけどね。脅さなくても別に行くのになぁ?

コンコンッ
「入っていいか?」
「いいよ。ロー、どうかしたの?」
「いや…ルミィが親との別れが惜しいと言うなら……その、だなぁ…。」
「え?なに?」
「3日後と行ったが、別にもう少し遅らせてもいい!って言いに来たんだ。」
「どうしたの?何かあった?」
「ルミィは…家族とこれからなかなか会えなくなる。」
「嫁ぐんだしそりゃあそうでしょう。」
「だが、な。出発を遅らせて家族と別れを…。」
「あぁ。いいよ。だって、お別れはもうしたし。」
「え?」
「ハーシェにはまだだけど、お父様にはバージンロードでしたよ?」
「…そうか。本当に3日後でいいんだな?」
「うん。」
「そうか…ルミィ、愛してる。今日はもうおやすみ?」
「うん。分かった。おやすみ。」

怒った事、謝りたかったのかな?家族か…別れを惜しむタイプじゃないから気にしてなかったよ。準備めんどうだー!くらいで。
まぁ、準備というより処分だよね。ドレスとかって、向こうで用意してくれるっぽい。装飾品も。ロー、王族みたいだし。だから持って行くのは私のお気に入りだけ。あと食べ物。初めは故郷の味が懐かしくなるかららしい。日本料理が食べたい。私の故郷の味だ。
お気に入りはいろいろある。最近やっと完結した恋愛小説、ローがミーシャに借りて来てくれた街に行く用の服、誕生祭につけて行くためにお父様がくれたお母様の装飾品、ハーシェが結婚祝いにくれた花束を栞にしたものなどなど…思い出の品々を鞄に詰めている。後は、古着屋に売ったり、生地は孤児院に寄付して内職に使える。ぬいぐるみとか、子供にちょうどいいし。意外とぬいぐるみが部屋にある。これが人形だったらちょっと怖い。
さて、ローに言われたしそろそろ寝よう。
明日も頑張って準備しよう!おぉ~…。
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