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ルミエルとローラント

22・ざまぁをしましょう。【3】

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「そういえば…リリーナと言う方は居ないのですか?」
「あ?あぁ…父上が駄目だと言うのでな。リリーナは凄く怒っていた。」
「そうでしょうとも。王太子殿下の誕生祭に出られないのですもの。あ、あらごめんなさい。ダンスに誘ってみたものの私、結構ダンスが下手なんです。」
「い、いや…大丈夫だ。っ!もう少し練習するべきだな。」
「そうですよね。今まで体が重くって練習好きじゃなかったものですから…。」
「なんだ、太ってたのか?」
「女性にその聞き方…。王太子殿下なら知ってるでしょう?ルミエルって。」
「あぁ、ブーデルだろ?」
「私の事ですよ。ローラントが言ってたでしょう。私一筋なので…と。ローラントは婚約者なんです。あ、またごめんなさい。」
「はぁ!?」

シーーーーーン

「あら。ダンス終了ですわね。では、ローラントの元に戻ります。」
「お、おま、お前…あのブーデルが、こんな美人になるわけない!」
「なりますよ。体重いから婚約破棄の後から減量始めたんです。」
「何で婚約中にしなかった!!」
「だって…婚約中は心労が激しく、食べてないとやっていけませんでしたもの。」

そう。こいつの浮気事件から、この子はストレスの日々だった。記憶の中の彼女は本当に辛そうだったのだ。でも、公爵家の人間が彼女をいじめては、家に泥を塗る事になる。だから注意したのだ。無駄だったけど。

「ルミエル、ダンスは終わったんだ。こっちにおいで。」
「ローラント…分かった。」
「でも、ざまぁ終わってない。」ボソッ

どうしたものか?

「お前…わざと婚約破棄するよう仕向けたな!それでそいつと結ばれるようにしたんだろ!」
「あり得ません。だって…昔の私は本当にローラントが嫌いだったんですよ?」
「昔のことは水に流してやる。側室になれ!」
「はぁ?お断りです。」
「これは命令だ!」
「王太子殿下、ルミエルは私と婚約中です。婚約者を取るとは…リリーナ様とよくお似合いですね。まぁ、どの道王太子殿下との婚約はいずれ破棄されていましたよ。」
「ふ、不敬だぞ!」
「どうしてです。これはこの国の王も認めています。」
「な…父上が!そんなわけない!」
「ビート。それは事実だ。」
「父上!?」
「さっきから聞いてれば…ルミエル嬢本当にすまない。」
「父上!なぜこいつに謝るのですか!」
「決まってるだろう!お前が…お前が言いがかりを付けてルミエル嬢をみんなのいる場所で婚約破棄し、キズものにしたんだぞ!期間がくればこの婚約は破棄されたんだ!ローラント殿の元へ嫁ぐためにな!」

え?前の私、そんな事知らないぞ?

「ローラント、どういうこと?」
「ルミエルは昔、流行病にかかった。それは、奥方様、ハーシェリック様、ルミエルの3人だ。しかし各家に1つしか薬を渡せなかった。その時、奥方様がハーシェリック様に渡した。次期公爵だからと。しかし、奥方様はルミエルも愛していた。だから生きて欲しかった。」
「私、愛されてたの?」
「はい。私はルミエル専属です。旦那様でなく、ルミエルですよ?」
「…確かに魔族は各家1人まで。有能だからって居過ぎてもだめって…それを私に。それってお父様が私を愛してる事にならない?」
「いいえ。元々、公爵家に魔族は居ませんでした。奥方様が街に来られて、たまたま寄った店に私が居ました。それで、奥方様が『私、もう直ぐ子供が産まれるの。うちに来てこの子の面倒見てくれない?うち、魔族まだ居ないから雇えるわよ?』と、おっしゃったので、面白そうだと思い、仕えることのしました。」

じゃあ、私は…大事にされてた?前の記憶は話しかけてもハーシェリックを優先したり、ハーシェリックが産まれてから一緒に寝てくれなかったり…悲しい記憶が多いのに。

「私は魔族です。魔族は病が訪れると退治できます。とは言っても、気に入った人間しか助けませんが。それに対価を要求します。それは絶対に守らなければなりません。私はルミエル自身が欲しいと、それを対価にしました。」
「じゃあ、王太子殿下と結婚は絶対あり得なかったのに王太子殿下と婚約してたんだ。」
「それはな、この国の貴族が皆、ルミエル嬢をと言ったからだ。」
「なぜ?」
「魔族に気に入られているからだろうな。そういう体質だ。ローラント殿以外にも気に入られておる。」
「だから、婚約だけはさしてあげました。」

とりあえず…王太子殿下がさっきから静かでキモい。話はしっかり聞くやつだったか?
う~む。
ってか、今の話を、まとめると…お母様には愛されていた。ローラントとはどの道結婚していた。王太子殿下は婚約者ではあったが、そのうち破棄する事になっていた。私は魔族に気に入られやすい体質。ってことか。グダグダと長い!さっさと終わらせてしまいたい。

バンッ
「ビート様ぁ!リリーナをほって行くなんて酷いですぅ!」
「リリーナ!」

あれがリリーナって子か。グダグダしてる間に役者が揃った?
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