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第四章 新たなる展開
4-11 出発
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「40フォル四方ぐらいの広さがあればいいのだけれど。」
「もっと広いわね。
長方形のような形なんだけれど、短い方で多分80から100フォルぐらい。
長い方は多分150フォルはあると思う。」
「湿地帯じゃないんだね。」
「ええ、芝デリアは乾いたところにしか群生しないの。
下は岩盤の場合が多いわ。」
「それならば理想的だね。
芝デリアは精々踝が埋まるぐらいの高さでしょう?」
「ええ、そうよ。
ちょうど、今頃は桃色の可愛い花をつけている。」
サラが衛星写真のコピーを持ってきた。
「うーん、多分これが芝デリアの群生地かなぁ。
そうして、こちらが崖っぷち。
細かい部分は分からないけれど、・・・。
狼岩は、この池の真上にあるのかな?」
「ううん、もう少し南のほう。
多分この辺にあるわ。」
ミアラが示した位置には濃い緑が覆っていて崖の下は見えない。
おそらく、木立が覆っているのだろうと思われた。
「よし、じゃぁ。
今日は、最初にクタケの方にできるだけ寄って、この池の方角に何が見えるか見てみよう。
それから、この芝デリアに着陸してもらって、荷物を降ろそう。
一応キャンピング用品は用意したよね?」
「ええ、五人分の寝袋とテント二張、携帯食料は50食分。
水も三日分の量は十分あるはず。」
「後は、崖を降りることになるけれど、・・・。
ミアラ、君はザイルで崖を降りたりできる。」
「いいえ、そんなことはしたことがないわ。
「なるほど、じゃぁ、その道具も要りそうだね。」
カラビナは幾つ用意した。」
「全部で40個、大が10個、中10個、小が20個。」
「例の吊り下げ用の胴着は?」
「一応念のため5人分用意した。」
「ハーケンは?」
「100個、こんなには要らないとは思うけれどね。」
「よぉし、何とかなるだろう。
駄目なら、無理はしない。」
電話が鳴り、メリンダが電話に出た。
「ヘリコプターが着いたそうよ。」
「じゃぁ、着替えて、荷物をヘリコプターに運ぼう。
それから、パイロットに説明をする。」
メリンダとミアラを遺して、三人が部屋を出て行った。
「ミアラさん、ここで待ってて。
私も着替えるから。」
メリンダは隣の寝室に入っていった。
間もなく出てきたメリンダは、迷彩服の上下に身を包んでいた。
手には皮の手袋を二つ持っている。
「ミアラさん良ければこれを使って。」
そう言って、メリンダは皮の手袋を一双渡してくれた。
ミアラは自分の立場が良くわからないで居た。
「あの、私は道案内ということでしたけれど、・・・。
私も崖を降りなければいけないのですか?」
「ええ、貴方も降りなければいけないの。」
そう言い切られて困惑しているミアラであった。
当然に山野を歩いてゆくと思っていたのに空を飛ぶと言うし、崖まで降りなければいけないという。
ミアラは先行き不安を感じていた。
五人がロビーに降りて、フロントに預けてあった荷物を台車に積み込み、ヘリコプターに運ぶ、ヘリコプターの近くでは、パイロットが待っていた。
ヘリコプターは12名ほどの乗客が乗れるかなり大きなものであった。
荷物を積み終わると、パイロット、マイケルそれにヘンリーは芝の上に座り込み、地図を広げて話し込んでいた。
その間、女性三人は別の話をしていた。
サラがミアラに話しかけた。
「ミアラさん、ヘリコプターは始めてですか?」
「ええ、だから、ちょっと落ち着かない。
私は地面の上を歩いているのが性に合っているもの。」
「実は、私も初めてなの。
だから、不安は一緒。
でも、大丈夫。
マイケルとメリンダが一緒にいれば、絶対に大丈夫。
二人は幸運の守り神だから。」
「四人は兄妹二組なんですよねぇ。
私は、余り音楽関係には詳しくないのだけれど、そういう組み合わせって凄く珍しいのじゃないのですか。」
メリンダが答えた。
「そうねぇ、外国のことは必ずしも分からないけれど、この連邦内では初めてのグループみたいね。」
「でも、一度聴いただけで、キャリアークの赤い河を演奏できるなんて凄いわ。
どうしたら、そんなことができるんですか?」
「さっき、ミアラさん、伝承はわらべ歌だって言ったでしょう。
わらべ歌も音楽ね。
どうして覚えたの?」
「それは、遊んでいるうちに皆が歌っているので自然に覚えたわ。
多分、繰り返し、反復したから覚えたのね。」
「私達も同じ。
聞こえた音を反復して覚えるの。
貴方が人から聞いたことを理解するように、私達は音を言葉と同じように理解する。
そうすれば何度でも反復できる。
演奏は音や声を出さなければならないけれど、それをイメージで練習するのよ。
そうすれば、声を出す時、楽器を演奏するときに簡単に出てくる。
後は楽器の何処をどうすればいいのか分かればできるようになる。
ただ、音楽は人の真似をしただけでは駄目なの。
自分で聴いたものであってもその心象を自分なりに理解して表すことが必要なの。
ミアラさんは、自分が怒っていることを強調しようとすればどういう話し方をするかしら?」
「多分・・・、大声で怒鳴るのかなぁ」
「そう、それでいいの。
笑いながら言ったんじゃぁ、相手には伝わらないし誤解されるかもしれない。
音楽も同じ、大きい音、小さい音があるし、少し長い音、少し短い音で感じが違ってくる。
だから、自分の出したい音で表現するの。
それが上手にできれば相手にも伝わる。
音楽家はどうすればそれが上手くできるかいつも悩み勉強しているわ。」
「フーン、勉強かぁ。」
「ねぇねぇ、ミアラさん、薬草ってどうやってそれがお薬だって分かったのかしら?」
「ウーン、それは良くわからない。
私は母から教えてもらったわ。
でも色々使っているうちに、同じ薬草でも良く効く場合とそうじゃない場合があることに気づいた。
で、いろいろ、場所を変えたりしてみるとあそこに生えているものは余り効かないけれど、こちらに生えているものは良く効くというようなことが分かってきた。
だから、昔の人が色々試して見た結果が残ったのだろうと思う。
同じような症状でもこの薬草は効くけれどこの薬草は効かないということが自分でもわかると、自然に症状に合わせた薬草を選べるようになる。
今では手を翳して大体の症状が分かると薬草に手を翳すだけで効くか効かないか大体分かるようになった。」
「うわーっ、それって、凄いことね。
薬草の効果まで手を翳すだけで分かるなんて。
複数の薬草を組み合わせるなんて事はするのかしら。」
「ええ、そういうのもあるわね。
そういうのも少しは分かるようになったわ。」
「ミアラさんが持っている薬草ってどのぐらいあるのかしら。」
「さぁ、正確には数えたことは無いけれど三百種類ぐらいかしら。
それも一種類の薬草で、根の部分、葉の部分、花の部分、種の部分なんかに分かれる場合もあるし、煎じて飲むのか、乾燥させるのか、絞り汁にするのかなど色々分かれるわね。」
「それを全部一人でするの?」
「ええ、私しかいないから。」
その時、マイケルが声をかけてきた。
「おーい、お嬢さん方、そろそろ、出発だから乗ってくれるかい。」
予定より早く、午前9時50分にヘリコプターは、リゾートホテルのヘリポートを離陸した。
クタケ山の裾野までは、直線で120メフォル、およそ30分の飛行であった。
普段ミアラが歩く野山が小さく見え、何時も何処を歩いているのかがわかると、ミアラは不安を感じなくなっていた。
ヘリコプターはさすがにクタケ山の頂上までは登れない。
4千フォルほどの高さがある山は急峻で気流が変わりやすく余り近づけないのだそうである。
「もっと広いわね。
長方形のような形なんだけれど、短い方で多分80から100フォルぐらい。
長い方は多分150フォルはあると思う。」
「湿地帯じゃないんだね。」
「ええ、芝デリアは乾いたところにしか群生しないの。
下は岩盤の場合が多いわ。」
「それならば理想的だね。
芝デリアは精々踝が埋まるぐらいの高さでしょう?」
「ええ、そうよ。
ちょうど、今頃は桃色の可愛い花をつけている。」
サラが衛星写真のコピーを持ってきた。
「うーん、多分これが芝デリアの群生地かなぁ。
そうして、こちらが崖っぷち。
細かい部分は分からないけれど、・・・。
狼岩は、この池の真上にあるのかな?」
「ううん、もう少し南のほう。
多分この辺にあるわ。」
ミアラが示した位置には濃い緑が覆っていて崖の下は見えない。
おそらく、木立が覆っているのだろうと思われた。
「よし、じゃぁ。
今日は、最初にクタケの方にできるだけ寄って、この池の方角に何が見えるか見てみよう。
それから、この芝デリアに着陸してもらって、荷物を降ろそう。
一応キャンピング用品は用意したよね?」
「ええ、五人分の寝袋とテント二張、携帯食料は50食分。
水も三日分の量は十分あるはず。」
「後は、崖を降りることになるけれど、・・・。
ミアラ、君はザイルで崖を降りたりできる。」
「いいえ、そんなことはしたことがないわ。
「なるほど、じゃぁ、その道具も要りそうだね。」
カラビナは幾つ用意した。」
「全部で40個、大が10個、中10個、小が20個。」
「例の吊り下げ用の胴着は?」
「一応念のため5人分用意した。」
「ハーケンは?」
「100個、こんなには要らないとは思うけれどね。」
「よぉし、何とかなるだろう。
駄目なら、無理はしない。」
電話が鳴り、メリンダが電話に出た。
「ヘリコプターが着いたそうよ。」
「じゃぁ、着替えて、荷物をヘリコプターに運ぼう。
それから、パイロットに説明をする。」
メリンダとミアラを遺して、三人が部屋を出て行った。
「ミアラさん、ここで待ってて。
私も着替えるから。」
メリンダは隣の寝室に入っていった。
間もなく出てきたメリンダは、迷彩服の上下に身を包んでいた。
手には皮の手袋を二つ持っている。
「ミアラさん良ければこれを使って。」
そう言って、メリンダは皮の手袋を一双渡してくれた。
ミアラは自分の立場が良くわからないで居た。
「あの、私は道案内ということでしたけれど、・・・。
私も崖を降りなければいけないのですか?」
「ええ、貴方も降りなければいけないの。」
そう言い切られて困惑しているミアラであった。
当然に山野を歩いてゆくと思っていたのに空を飛ぶと言うし、崖まで降りなければいけないという。
ミアラは先行き不安を感じていた。
五人がロビーに降りて、フロントに預けてあった荷物を台車に積み込み、ヘリコプターに運ぶ、ヘリコプターの近くでは、パイロットが待っていた。
ヘリコプターは12名ほどの乗客が乗れるかなり大きなものであった。
荷物を積み終わると、パイロット、マイケルそれにヘンリーは芝の上に座り込み、地図を広げて話し込んでいた。
その間、女性三人は別の話をしていた。
サラがミアラに話しかけた。
「ミアラさん、ヘリコプターは始めてですか?」
「ええ、だから、ちょっと落ち着かない。
私は地面の上を歩いているのが性に合っているもの。」
「実は、私も初めてなの。
だから、不安は一緒。
でも、大丈夫。
マイケルとメリンダが一緒にいれば、絶対に大丈夫。
二人は幸運の守り神だから。」
「四人は兄妹二組なんですよねぇ。
私は、余り音楽関係には詳しくないのだけれど、そういう組み合わせって凄く珍しいのじゃないのですか。」
メリンダが答えた。
「そうねぇ、外国のことは必ずしも分からないけれど、この連邦内では初めてのグループみたいね。」
「でも、一度聴いただけで、キャリアークの赤い河を演奏できるなんて凄いわ。
どうしたら、そんなことができるんですか?」
「さっき、ミアラさん、伝承はわらべ歌だって言ったでしょう。
わらべ歌も音楽ね。
どうして覚えたの?」
「それは、遊んでいるうちに皆が歌っているので自然に覚えたわ。
多分、繰り返し、反復したから覚えたのね。」
「私達も同じ。
聞こえた音を反復して覚えるの。
貴方が人から聞いたことを理解するように、私達は音を言葉と同じように理解する。
そうすれば何度でも反復できる。
演奏は音や声を出さなければならないけれど、それをイメージで練習するのよ。
そうすれば、声を出す時、楽器を演奏するときに簡単に出てくる。
後は楽器の何処をどうすればいいのか分かればできるようになる。
ただ、音楽は人の真似をしただけでは駄目なの。
自分で聴いたものであってもその心象を自分なりに理解して表すことが必要なの。
ミアラさんは、自分が怒っていることを強調しようとすればどういう話し方をするかしら?」
「多分・・・、大声で怒鳴るのかなぁ」
「そう、それでいいの。
笑いながら言ったんじゃぁ、相手には伝わらないし誤解されるかもしれない。
音楽も同じ、大きい音、小さい音があるし、少し長い音、少し短い音で感じが違ってくる。
だから、自分の出したい音で表現するの。
それが上手にできれば相手にも伝わる。
音楽家はどうすればそれが上手くできるかいつも悩み勉強しているわ。」
「フーン、勉強かぁ。」
「ねぇねぇ、ミアラさん、薬草ってどうやってそれがお薬だって分かったのかしら?」
「ウーン、それは良くわからない。
私は母から教えてもらったわ。
でも色々使っているうちに、同じ薬草でも良く効く場合とそうじゃない場合があることに気づいた。
で、いろいろ、場所を変えたりしてみるとあそこに生えているものは余り効かないけれど、こちらに生えているものは良く効くというようなことが分かってきた。
だから、昔の人が色々試して見た結果が残ったのだろうと思う。
同じような症状でもこの薬草は効くけれどこの薬草は効かないということが自分でもわかると、自然に症状に合わせた薬草を選べるようになる。
今では手を翳して大体の症状が分かると薬草に手を翳すだけで効くか効かないか大体分かるようになった。」
「うわーっ、それって、凄いことね。
薬草の効果まで手を翳すだけで分かるなんて。
複数の薬草を組み合わせるなんて事はするのかしら。」
「ええ、そういうのもあるわね。
そういうのも少しは分かるようになったわ。」
「ミアラさんが持っている薬草ってどのぐらいあるのかしら。」
「さぁ、正確には数えたことは無いけれど三百種類ぐらいかしら。
それも一種類の薬草で、根の部分、葉の部分、花の部分、種の部分なんかに分かれる場合もあるし、煎じて飲むのか、乾燥させるのか、絞り汁にするのかなど色々分かれるわね。」
「それを全部一人でするの?」
「ええ、私しかいないから。」
その時、マイケルが声をかけてきた。
「おーい、お嬢さん方、そろそろ、出発だから乗ってくれるかい。」
予定より早く、午前9時50分にヘリコプターは、リゾートホテルのヘリポートを離陸した。
クタケ山の裾野までは、直線で120メフォル、およそ30分の飛行であった。
普段ミアラが歩く野山が小さく見え、何時も何処を歩いているのかがわかると、ミアラは不安を感じなくなっていた。
ヘリコプターはさすがにクタケ山の頂上までは登れない。
4千フォルほどの高さがある山は急峻で気流が変わりやすく余り近づけないのだそうである。
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