97 / 112
第七章 英国との交渉
7-5 女王との謁見
しおりを挟む
2月9日、振袖の着物姿で、車に乗り込んだ二人は、バッキンガム宮殿に向かった。
英国の女王陛下はロンドンから逃げ出すのを潔しとせず、未だに宮殿で暮らしている。
但し、万が一のために皇太子達は、ケンジントンにある離宮に避難させているのである。
バッキンガム宮殿の謁見の間に近衛兵と侍従によって案内された二人の娘は、暫くそこで待たされた。
やがて、女王陛下が侍従や侍女を従えて現れた。
二人の娘は玉座に向かって深くお辞儀をした。
女王陛下から声が掛かる。
「二人とも近くに寄りなさい。
特に、直言を許します。」
二人は近寄り、揃って再度のお辞儀をした。
二人のお辞儀は日本の挨拶であって、英国宮殿の挨拶ではない。
だが、宮殿の挨拶よりも洗練された動きが侍従や侍女にも深い感銘を与えた。
目上に対する礼儀作法としても極めて適切なものであることを始めて知ったのである。
「大英帝国女王陛下に申し上げます。
本日、私達が目通りを許され、賢きご尊顔を拝することが出来ましたことは、私達の大いなる喜びでございます。
私達は、大日本帝国を治める天皇陛下の仰せにより、天皇陛下の親書をお届けに参りました。
どうか、ここに親書をお納めいただき、末永き大英帝国と大日本帝国の繁栄、そうして両国の友好関係に大きく貢献されんことを心よりお願い申し上げるものでございます。」
綺麗な英語であり、しかも遠くまでよく通る声である。
女王陛下も傍に仕えて居るものも、これほどの凛とした声は聞いたことがなかった。
娘達の一人が、女王陛下に向かって、懐から和紙に包まれた親書を差し出し、お辞儀をした。
傍についている侍女がそれを受け取り、女王陛下に渡す。
直接の手渡しは許されていない。
侍従から手紙を受け取った女王は、その場で開封しなかった。
「二人に尋ねたいことがあります。
もう少し近くに寄りなさい。」
普通ならばこれで仕舞いになるはずの謁見を引き伸ばしての命令である。
傍についている侍従が少し眼を剥いたが、無論女王に逆らうことは許されない。
二人が更に近寄ったところで、女王陛下が尋ねた。
「そなたたち、どちらがサキでどちらがエリコじゃ。」
事前にハリントンから宮殿での立ち居振舞いを聞いていた二人であるが、その際に使者の名前を自分で言うのは許されていなかった。
だから口上では一切の名前を出していないのである。
だが女王陛下の命と有れば慣例を破るのも止むを得ない。
「怖れながら申し上げます。
私が、サキにございます。」
「同じく、怖れながら申し上げます。
私がエリコにございます。」
「なるほど、背の低いほうがサキ、高いほうがエリコか。
その方たちが、昨日市内某所で二人の市民の命を助けてくれたことに深く感謝しています。
その際の様子などできれば詳しく知りたい故に、日を改めて尋ねて来てはくれぬか。
お礼の意味も込めて、午後の紅茶を楽しみながらそなたたちの話を聞きたい。
バニングス、できるであろう。」
最後の言葉は、傍らに控えている侍従への問いかけである。
「はい、お二方の都合さえ宜しければ、陛下の宜しきときに合わせて、お茶会を開くことは可能にございます。」
「ふむ、余り邪魔をされとうはないから、イリアンの離宮で早めに茶会の機会を設けなさい。
招待客は、この二人とサッチャー夫人、それにチャーチル夫人だけにして欲しい。
そなたたちの都合を聞いてはおらぬが何とか都合をつけて欲しい。
のう、SEエンジェルズ。」
二人は面食らった。
いきなりのオーダーであり無論断るわけには行かないのだが、最後のSEエンジェルズの意味がわからないのである。
「畏まりお受けいたします。
されど、怖れながらお教えいただければこれに勝る幸せはございません。
私共未熟者にして、英語は勉強いたしましたものの、賢き陛下の申されましたSEエンジェルズなる意味が掴めません。
どうか、哀れで無知なる娘にお教えください、」
「ホホホ、そうか。
そなたたちは、デイリータイムズの記事を読んでいないのだな?
デイリータイムズのK・クラーク記者は、余り誉めることなどしないのだが、そなたたち二人のことは褒めちぎっている。
極東から来た天使たちという表題をつけ、サキとエリコの頭文字をとってSEエンジェルズなのだよ。今朝の新聞で初めて使われた言葉なのだから、そなたたちが無学を恥じる必要はない。
いずれにせよ、この後、わらわには予定が入っておる。
天皇ヒロヒトの親書は確かに受け取った。
役目大儀。
許せよ。」
そう言って女王陛下は玉座から立ち上がり、謁見の間を退室していった。
二人は揃ってお辞儀をする。
女王陛下の姿が見えなくなってようやく肩の力を抜いて、出口に向かおうとした二人を、バニングス侍従が呼び止めた。
「お二人とも、宜しければお茶会の予定について打ち合わせがしたいのですが、宜しければこちらへどうぞ。」
そう言われて案内されたのは謁見の間の控え室であり、小さなテーブルと椅子が四脚置かれている。
そこでバニングス侍従長と打ち合わせの結果、2月12日午後2時までにイリアンの離宮を訪ねることが決まった。
午後の茶会は14時45分から通常始まる。
女王陛下主催の茶会であるが、公式なものではない。
従って、言葉遣いさえ注意していればある意味無礼講なのである。
お茶会は概ね2時間、遅くても5時までには終了することが慣行である。
茶会に招かれたものはクッキーなどお茶菓子を土産に持ってゆく場合が多いが、必ずしも持参しなければならないというものではない。
それらの注意事項を受けて二人は宮殿を後にした。
無事に謁見が終了したことは、ハリントンにも伝えられ、同時に二人の娘がサッチャー夫人と、チャーチル夫人と共に12日のイリアン離宮でのお茶会に招かれることが、チャーチル首相にも伝えられたのである。
ハリントンも、チャーチルも、デイリータイムズの記事も見ており、二人が只者ではないと察していた。
ロープ一本で10mをよじ登るなど、軍の特殊隊員でも中々できることではない。
なぜに、か弱い娘ができるのかそれが理解できなかった。
ハリントンが逢った二人は東洋人らしい体格で、小柄であると聞いている。
サキの方が157センチほど、エリコが少し大きく160センチほど、いずれもほっそりとした体格で、それほどの荒事ができるとは到底思えなかったと聞いていた。
また、老婦人の救命の際にみせた片鱗からは何らかの医療知識にも詳しいらしいことが窺える。
チャーチルは何となく漠然とした不安を感じていたが、何がそうさせるのかは判らなかった。
英国の女王陛下はロンドンから逃げ出すのを潔しとせず、未だに宮殿で暮らしている。
但し、万が一のために皇太子達は、ケンジントンにある離宮に避難させているのである。
バッキンガム宮殿の謁見の間に近衛兵と侍従によって案内された二人の娘は、暫くそこで待たされた。
やがて、女王陛下が侍従や侍女を従えて現れた。
二人の娘は玉座に向かって深くお辞儀をした。
女王陛下から声が掛かる。
「二人とも近くに寄りなさい。
特に、直言を許します。」
二人は近寄り、揃って再度のお辞儀をした。
二人のお辞儀は日本の挨拶であって、英国宮殿の挨拶ではない。
だが、宮殿の挨拶よりも洗練された動きが侍従や侍女にも深い感銘を与えた。
目上に対する礼儀作法としても極めて適切なものであることを始めて知ったのである。
「大英帝国女王陛下に申し上げます。
本日、私達が目通りを許され、賢きご尊顔を拝することが出来ましたことは、私達の大いなる喜びでございます。
私達は、大日本帝国を治める天皇陛下の仰せにより、天皇陛下の親書をお届けに参りました。
どうか、ここに親書をお納めいただき、末永き大英帝国と大日本帝国の繁栄、そうして両国の友好関係に大きく貢献されんことを心よりお願い申し上げるものでございます。」
綺麗な英語であり、しかも遠くまでよく通る声である。
女王陛下も傍に仕えて居るものも、これほどの凛とした声は聞いたことがなかった。
娘達の一人が、女王陛下に向かって、懐から和紙に包まれた親書を差し出し、お辞儀をした。
傍についている侍女がそれを受け取り、女王陛下に渡す。
直接の手渡しは許されていない。
侍従から手紙を受け取った女王は、その場で開封しなかった。
「二人に尋ねたいことがあります。
もう少し近くに寄りなさい。」
普通ならばこれで仕舞いになるはずの謁見を引き伸ばしての命令である。
傍についている侍従が少し眼を剥いたが、無論女王に逆らうことは許されない。
二人が更に近寄ったところで、女王陛下が尋ねた。
「そなたたち、どちらがサキでどちらがエリコじゃ。」
事前にハリントンから宮殿での立ち居振舞いを聞いていた二人であるが、その際に使者の名前を自分で言うのは許されていなかった。
だから口上では一切の名前を出していないのである。
だが女王陛下の命と有れば慣例を破るのも止むを得ない。
「怖れながら申し上げます。
私が、サキにございます。」
「同じく、怖れながら申し上げます。
私がエリコにございます。」
「なるほど、背の低いほうがサキ、高いほうがエリコか。
その方たちが、昨日市内某所で二人の市民の命を助けてくれたことに深く感謝しています。
その際の様子などできれば詳しく知りたい故に、日を改めて尋ねて来てはくれぬか。
お礼の意味も込めて、午後の紅茶を楽しみながらそなたたちの話を聞きたい。
バニングス、できるであろう。」
最後の言葉は、傍らに控えている侍従への問いかけである。
「はい、お二方の都合さえ宜しければ、陛下の宜しきときに合わせて、お茶会を開くことは可能にございます。」
「ふむ、余り邪魔をされとうはないから、イリアンの離宮で早めに茶会の機会を設けなさい。
招待客は、この二人とサッチャー夫人、それにチャーチル夫人だけにして欲しい。
そなたたちの都合を聞いてはおらぬが何とか都合をつけて欲しい。
のう、SEエンジェルズ。」
二人は面食らった。
いきなりのオーダーであり無論断るわけには行かないのだが、最後のSEエンジェルズの意味がわからないのである。
「畏まりお受けいたします。
されど、怖れながらお教えいただければこれに勝る幸せはございません。
私共未熟者にして、英語は勉強いたしましたものの、賢き陛下の申されましたSEエンジェルズなる意味が掴めません。
どうか、哀れで無知なる娘にお教えください、」
「ホホホ、そうか。
そなたたちは、デイリータイムズの記事を読んでいないのだな?
デイリータイムズのK・クラーク記者は、余り誉めることなどしないのだが、そなたたち二人のことは褒めちぎっている。
極東から来た天使たちという表題をつけ、サキとエリコの頭文字をとってSEエンジェルズなのだよ。今朝の新聞で初めて使われた言葉なのだから、そなたたちが無学を恥じる必要はない。
いずれにせよ、この後、わらわには予定が入っておる。
天皇ヒロヒトの親書は確かに受け取った。
役目大儀。
許せよ。」
そう言って女王陛下は玉座から立ち上がり、謁見の間を退室していった。
二人は揃ってお辞儀をする。
女王陛下の姿が見えなくなってようやく肩の力を抜いて、出口に向かおうとした二人を、バニングス侍従が呼び止めた。
「お二人とも、宜しければお茶会の予定について打ち合わせがしたいのですが、宜しければこちらへどうぞ。」
そう言われて案内されたのは謁見の間の控え室であり、小さなテーブルと椅子が四脚置かれている。
そこでバニングス侍従長と打ち合わせの結果、2月12日午後2時までにイリアンの離宮を訪ねることが決まった。
午後の茶会は14時45分から通常始まる。
女王陛下主催の茶会であるが、公式なものではない。
従って、言葉遣いさえ注意していればある意味無礼講なのである。
お茶会は概ね2時間、遅くても5時までには終了することが慣行である。
茶会に招かれたものはクッキーなどお茶菓子を土産に持ってゆく場合が多いが、必ずしも持参しなければならないというものではない。
それらの注意事項を受けて二人は宮殿を後にした。
無事に謁見が終了したことは、ハリントンにも伝えられ、同時に二人の娘がサッチャー夫人と、チャーチル夫人と共に12日のイリアン離宮でのお茶会に招かれることが、チャーチル首相にも伝えられたのである。
ハリントンも、チャーチルも、デイリータイムズの記事も見ており、二人が只者ではないと察していた。
ロープ一本で10mをよじ登るなど、軍の特殊隊員でも中々できることではない。
なぜに、か弱い娘ができるのかそれが理解できなかった。
ハリントンが逢った二人は東洋人らしい体格で、小柄であると聞いている。
サキの方が157センチほど、エリコが少し大きく160センチほど、いずれもほっそりとした体格で、それほどの荒事ができるとは到底思えなかったと聞いていた。
また、老婦人の救命の際にみせた片鱗からは何らかの医療知識にも詳しいらしいことが窺える。
チャーチルは何となく漠然とした不安を感じていたが、何がそうさせるのかは判らなかった。
1
お気に入りに追加
90
あなたにおすすめの小説
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~
深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。
ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。
それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?!
(追記.2018.06.24)
物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。
もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。
(追記2018.07.02)
お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。
どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。
(追記2018.07.24)
お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。
今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。
ちなみに不審者は通り越しました。
(追記2018.07.26)
完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。
お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ガタリアの図書館で
空川億里
ファンタジー
(物語)
ミルルーシュ大陸の西方にあるガタリア国内の東の方にあるソランド村の少女パムは両親を亡くし伯母の元へ引き取られるのだが、そこでのいじめに耐えかねて家を出る。
そんな彼女の人生には、思わぬ事件が待ち受けていた。
最初1話完結で発表した本作ですが、最初の話をプロローグとして、今後続けて執筆・発表いたしますので、よろしくお願いします。
登場人物
パム
ソランド村で生まれ育った少女。17歳。
チャーダラ・トワメク
チャーダラ伯爵家の長男で、準伯爵。
シェンカ・キュルン
女性の魔導士。
ダランサ
矛の使い手。ミルルーシュ大陸の海を隔てて南方にあるザイカン大陸北部に住む「砂漠の民」の出身。髪は弁髪に結っている。
人間以外の種族
フィア・ルー
大人の平均身長が1グラウト(約20センチ)。トンボのような羽で、空を飛べる。男女問わず緑色の髪は、短く刈り込んでいる。
地名など
パロップ城
ガタリア王国南部にある温暖な都市。有名なパロップ図書館がある。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる