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第六章 それぞれの兆し

6-8 アリス ~ブラビアンカへの準備

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 5月7日からディフィビア連合社交ダンス・コンテストが始まった。
 前夜祭が行われ、8日から4日間の日程で48組の各星系地区代表が集まり、熱戦が繰り広げられたが、私達があっさりと優勝した。

 バッケス夫妻も5位となって、ブラビアンカ出場を果たした。
 この頃、バームルトンの敷地の造成がほぼ終了していた。

 あくまで樹木や雑草を伐採し、土地を均しただけの工事であり、ここから周辺に道路を付け、フェンスを巡らし、更には当面の造船所の敷地の地盤改良工事に取り掛かるのである。
 従前からメィビスではブラビアンカに向けての様々な準備が行われていたが、各種競技が開催される都市の郊外には必要な選手村が次々に完成し始めていた。

 遠来の客を迎える準備も着々と整えられている。
 代表団は役員と選手からなっており1800人から2000人の乗客が収容できる客船が丸ごと一隻か2隻使われる。

 通常はこれ以外にも応援の旅行客を積んだ旅客船1隻から2隻が付随してくるので、各開催地のホテルは1年も前から予約で埋まるのが普通であった。
 社交ダンスの出場者は、総勢で36組72名に過ぎないが、協会役員や随行者がその倍近くになる。

 陸上競技では、ビルブレン共産同盟が過去最大の180名を超える選手団を送り込んでくる予定になっている。
 ブラビアンカの出場基準を満たした者であれば、同じ種目に5人まで出場できるからである。

 更に各陸上競技会の推薦枠が1名分あって、基準に満たない選手であっても出場が可能であるが、いずれにしても5名までの枠に限られるのである。
 今回のブラビアンカには、ビルブレン共産同盟とブーラ原理教会連邦の他にギデオン帝国、リディス共同体、アンディルカ共和政体、バラン星間同盟、ウォルデント皇国などの中小勢力圏が参加を表明している。

 また、単独星系で参加を表明しているのが2星系あり、団体数としては10政体になるのである。
 6月1日、ブラビアンカの機運がますます高まる中、ディフィビア連合陸上競技大会前夜祭・開会式が開催された。

 私達も選手として開会式に参加した。
 開会式は華やかなショーでもある。

 選手たちはそれぞれの代表のユニフォームを着て参加し、開会式のイベントに加わるのである。
 大勢の選手が一緒になってフォークダンスに興ずる場面もある。

 華やかなイベントはブラビアンカに向けたリハーサルでもあった。
 観客収容数12万を超える陸上競技場もこの日ばかりは満席となる。

 私達選手は、開会式の後、観客席の一部に陣取り、マスゲームを始め、数々のショーを楽しんだ。
 私達に馴染みのアイリーンが、舞台に立ち、二人が作詞作曲した「情熱」を歌った。

 彼女がシリーズで歌う4曲目の新曲であり、この5月に発売を開始したばかりであるが、既に1000万件に近いダウンロードが有ったと聞いている。
 これを機会にディフィビア連合圏内にも広がるはずであった。

 翌日の午前9時から同じ陸上競技場で競技が始まった。
 最初の競技は100トランの予選である。

 16の星系地区から集まった選手は総勢で男女とも73人、10組に分かれて予選を行い、各組2位までと、3位となった者の内タイム上位の4名が、準決勝に進出できる。
 準決勝と決勝は2日目になる。

 私は女子の部3組に出場、1位で準決勝に進んだ。
 タイムは10.02秒で記録会よりも100分の1秒縮めていた。

 実際のところは、最後は流していたのでもう少し余裕があると思われるのである。
 無論ディフィビア新記録であり、世界記録には100分の1秒足りない記録であった。

 マイクは第5組に出場、9.77秒で1位通過、余裕で最後は流していた。
 2日目私は準決勝1組で出場、10.05秒で1位通過。

 最後は流していた。
 マイクも同じく9.76秒で1位通過。

 決勝には準決勝3組の2位までと3位のタイム上位者2名が参加できる。
 決勝は午後から行われ、私は9.98秒で世界記録を破った。

 マイクも決勝で9.45秒を出し新たな世界記録を作った。
 翌日は女子走り幅跳びがある。

 3回跳んで上位8名までが決勝に進み、更に3回跳ぶのである。
 私はトップで予選を通過、4回目と5回目で記録を伸ばした。

 踏切位置がきっちりと合ったからである。
 6回目はフライングだった。

 記録は7.75トランで世界記録であった。
 翌日はマイクが走り幅跳びに出場、記録を徐々に伸ばして4回目には世界記録となる8.98トラン、5回目、6回目にはさらに記録を伸ばして9.12トランの新記録を樹立した。

 3日連続の世界記録達成に観衆は大騒ぎだった。
 ここ数回のブラビアンカでは、ビルブレン共産同盟の選手が陸上競技種目の殆どで優勝をしており、連合の陸上界は沈滞ムードであったから尚更である。

 6月6日、女子走り高跳びが行われ、私はパスを続け、2トランの高さから開始した。
 背面跳びは綺麗に決まってクリアした。

 この時点で対抗する選手は残っていなかった。
 私はバーを0.03トラン上げて、ディフィビア連合記録に挑んだ。

 1回目でクリアし、次に同じく0.03トラン上げた。
 2.06トランは世界記録を0.01トラン上回る。

 観衆がフィールドに注目していた。
 私が一回でクリアすると競技場全体が沸き立った。

 ここ20年ほど破られていなかった記録なのだから無理もない。
 さらに0.03上げて2.09トランとした。

 1回目は僅かに踏切位置がずれて失敗した。
 しかしながら2回目でクリア、更に0.03上げて2.12を1回でクリアした。

 次の2.15では3回挑んで失敗したが、自分では十分に満足していた。
 6月7日、マイクが走り高跳びに出場、2.20トランから始めた。

 2.20トランでは他に3人いた競技者が次の2.23トランでは二人脱落、マイクはパスし、2.25に上げた。
 もう一人の選手ハンス・クレイドンはパス、マイクがクリアし、2.26に上げられた。

 ハンスがクリアして2.29に上げられたが、マイクはパス。
 ハンスがクリアし、マイクが2.30でクリア。

 ハンスが2.32をクリア、マイクがパス。
 2.35に上げられて二人ともクリアしたが、マイクは一回目、ハンスが二回目でクリアしていた。

 ハンスが2.38を三回失敗してハンスの記録は2.35となった。
 この時点でマイクの優勝が決まっていたが、マイクは2.40に上げた。

 マイクは一回でクリアした。
 2.45に上げられ世界記録への挑戦とわかって観衆は一斉に静まり返った。

 マイクは1回でこれをクリアしたのである。
 更に挑戦が続き、マイクは2.50をクリアして世界記録を塗り替えた。

 2.55は残念ながら失敗した。
 6月8日、女子槍投げの種目に私が出場、三回の試技で71.02を出して連合記録を破り、決勝に残った。

 更に3回の試技で72.6の世界記録タイになったが、新記録にはならなかった。
 観客はそれでも世界記録保持者の一人になったことで満足してくれたようだ。

 翌日は、世界記録を持つマイクの出場である。
 マイクは6回の試技の全てで115トランを超えて見せたが、生憎とこちらも新記録樹立はならなかった。

 しかしながらこれまで槍投げで105トランを超えた者などいないのだから、観客は大いに満足したのである。
 6月10日400トランの予選が行われた。

 私は、6組目に出場し、48.0秒で予選1位通過、マイクも6組目に出場し、44.21秒で1位通過した。
 翌日行われた準決勝では私が47.61秒でディフィビア連合記録を塗り替えて決勝に進んだ。

 マイクも2組目に出場、44.22秒で1位通過していた。
 午後から行われた決勝では私が45.6秒の世界新記録を達成、マイクも43.12の世界新記録を達成していた。

 その後は最終日の前日の6月17日に私の30セトランが、最終日の18日にマイクの30セトランがある。
 マスコミはMAカップルが6種目全部の世界記録保持者になるかどうかと騒ぎ立てていた。

 他の種目でディフィビア記録はいくつか更新されたものの、世界記録は私達二人だけだったからである。
 17日午前10時、30セトランが始まった。

 49名の選手が出場するのでスタートラインは混み合っているのだが、私は自然と前に押し出されていた。
 出場選手全員が私を知っており、その記録も知っていたからである。

 私は最初から自分のペースで走ることができそうだった。
 号砲が鳴って、私はいつも通りのペースで走り始めた。

 一周目ぐらいまでは何とかついてくる選手もいたが徐々にその差は大きくなっていた。
 一周64秒ぐらいが私のベストコンディションであった。

 私はそのペースを守った。
 周回遅れの人がいるのだがその人たちは内側のコースを開けてくれている。

 私の周回は順調に進み、25周目では26分42秒、50周目では53分54秒で回っていた。
 私は特に意識していなかったが、これは10セトラン及び20セトランでも女子の世界記録を大幅に上回る記録であった。

 75周目、会場は驚くほど静まり返っていた。
 私は30セトランを1時間20分43.2秒で走り切っていた。

 このタイムは勿論女子の世界記録なのであるが、同時に男子の世界記録を1分ほど上回る記録だったのである。
 その記録が出た途端、会場は割れんばかりの歓声に見舞われた。

 私はクールダウンを兼ねてコースの一番外側を一周し、観衆に手を振った。
 観客席からそれこそ無数のフラッシュが光り輝いた。

 これまでもそうだが、私とマイクは一切のマスコミ取材を避けている。
 何を聞かれようとノーコメントなのである。

 無駄を承知で、マスコミが寄って来るが、私もマイクも何も話さないのである。
 付いた渾名が笑顔の貴公子と笑顔のポニーである。

 私がポニーテールだからであり、沈黙はしていても笑顔は絶やさないようにしているからである。
 彼らの質問にはいつも笑顔だけで応えているのである。

 翌日の最終日、マイクが30セトランに出場、マイクも凄い記録を作った。
 10セトランを25分51.2秒、20セトランを51分44.2秒、30セトランを1時間17分34.2秒で走り切ったのである。
これは男子の世界記録を4分近くも縮める大記録であった。
 
 勿論10セトラン、20セトランでも参考記録ながら世界記録を上回っていた。
 この時も会場の歓声は割れんばかりになって、大騒ぎになった。

 アラン会長の目論みは見事に成功したと言えよう。
 ディフィビア連合陸上競技大会は10の世界新記録と一つの世界記録タイを生んで成功裏に終了した。

 ディフィビア連合はブラビアンカを目指して新たな代表団を結成したが、私とマイクは当然代表団に含まれるものの、更に協会は私たちに競技種目を増やすように要請してきた。
 男女400トランリレーと女子800トランリレー、それに男子1600トランリレーの4種目である。

 これは第一線級のランナーを集めて結成する。
 100トラン、200トランそれに400トランのランナーである。

 私は200トランに出場したことは無いのだが、協会が十分狙えると判断したからに違いない。
 400トランの選手もそれなりにいるのだが、記録を見る限り私が入っても上位入賞は難しいと判断したようだ。

 私以外の選手はブラビアンカ出場基準の50秒を僅かに切ることのできる選手ばかりだったからである。
 各勢力圏からの情報も集まっており、女子の1600トランリレーにもディフィビア連合から参加はするものの、それよりは800トランリレーの方に望みがあると見たようだ。

 私とマイクは陸上競技8種目に出場することになったのである。
 これまでのブラビアンカで6つの世界記録を持つ選手が出場したことは無い。

 多くても4つか5つであった。
 主に短距離選手であり、100、200、400リレー、800リレー及び走り幅跳びで世界記録を持つ選手であるが少なくとも個人であれば精々二つか三つの種目なのである。

 7月及び8月は結構忙しい時期になった。
 お役所へ提出する書類がピークを迎え、仮事務所の4人に種々の仕事を頼み、マイクと私が分かれて公務所での事情聴取などに応じていたからである。

 当然のようにハーマンとサラも外に出る機会が増えた。
 おまけにリレー選手が決ってから8月の週に一度は、バトンワークの練習をするのである。

 私もマイクもほとんどその必要性は無かったのだが相手の有ることでもあるからお付き合いをした。
 私達はアンカーであるが、第三走者は当初戸惑っていた。

 何しろほとんど直前になってからアンカーがスタートを始めるのだから、相手は驚いてしまう。
 しかしながら三回も繰り返すと慣れてきた。

 私達がすぐに彼らのトップスピードに入れることを実感できたからである。
 少なくとも第三走者とアンカーでバトンワークが失敗することはありえない状態になっていた。

 男女とも400トランリレーでは世界記録に肉薄し、0.1秒の範囲である。
 女子800トランリレーでは、世界記録に0.3秒にまで迫っているがそこからタイムを縮めるのは難しい。

 男子1600トランリレーは世界記録との間を行ったり来たりである。
 私が一番若いのであるが、止む無くタイムを縮められそうな選手にアドバイスを行った。

 400トランリレーと800トランリレーに出場するキャシー・タルボットは、21歳の女子大生であるが、彼女の走りは最後の方でどうしても息が上がって上体を起こし加減になってしまう。
 そこで、後半はストロークを短くすることを提案したのである。

 そのためには腕の振りを短くしなければならない。
 疲れてきたら腕に頼ったらいいと教えたのである。

 最初は戸惑っていたようだが、強化練習で自分の100トランと200トランのタイムが上がったので自信を持ったようである。
 彼女のタイムが僅かに上がったことにより、記録が伸びた。

 最後の練習で世界記録を超えることが出来たのである。
 男子リレーチームでもマイクが同じようなことをしたらしい。

 タイムが上がってそれぞれ世界記録を超えることができた。
 その事がチーム全体に自信を付けたようである。
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