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第六章 それぞれの兆し

6-2 マルス ~海賊

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 マルスが戻った後も大砲製造と軍船の建造それぞれの試作が続けられた。
 マルスはアンリとクレインに頻繁に連絡を取った。

 朝の訓練も実体は見せないもののマルスが参加し、アンリやクレインに稽古をつけた。
 その甲斐あってクレインの剣術の腕は急速に伸びた。

 アンリが二度目のカルベック訪問に行くころには、アンリと同等かそれ以上に上達していた。
 マルスは16歳、アンリは15歳、クレインは19歳になっていた。

 そうしてその頃マルスの設計した新型船がほぼ出来上がり、大砲と弾丸も出来上がっていた。
 1か月後、マルスはアンリを警護してマルビスに来た。

 そこで1週間滞在し、信管の製造方法を教え、新型船の処女航海に立ち会って11枚の帆を有効に活用するための方法を海軍軍人たちに教えた。
 新型船は、これまでの船の二倍近い速力で航海できることが分かった。

 それにもまして海軍高官たちの驚いたことは、新型船に搭載した試作の大砲で有り、その砲弾であった。
 信管を取り付けた砲弾10発を試射のため無人島に向けて発射したのだが、無人島をたった一発の砲弾が火の海に変えてしまったからである。

 しかも3レグルほども離れた場所からである。
 砲弾先端にある仕掛けを調整すると、炸薬の発火調整が可能であり、爆発の距離を少しずつ変えることができた。

 砲弾は放物線を描いて飛翔するが、大砲の仰角を変えることによってその到達距離を変えることも可能であった。
 つまりは敵船との距離がわかればその距離に合せてこの火炎弾を上空でさく裂させることができると言うわけである。

 大砲は10発の試射に立派に耐えた。
 6層の鋼板を筒状に溶着しさらに鋼の輪を4本も嵌めることにより、推進薬が爆発する基部を保護したことが役立っていた。

 新たに造られた桟橋に船が戻ってもその新型兵器は一切機密とされた。
 マルスはマルビスを去る前に溶鉱炉の設計図を工人舎に手渡していた。

 鉄の炉では鉄鉱石が溶ける前に炉が溶けてしまう。
 るつぼでは強度が低すぎて大量の鋼を作るのに適さない。

 耐熱性に優れた合金で造られる溶鉱炉は、大量の鋼を作るのに役立った。
 また人力で鍛造するには問題が有ったのでマルスは水車を利用した鍛造機も設計した。

 このため、大砲の製造工場は川の近くに設けられ、小さなダムの建造によりその落下推力を利用して人力では得られない力を利用できることになった。
 この製造所は同様に機密扱いとされ、何人も立ち入らないように騎士団による周辺警護が実施されたのである。

 その半年後マルスがマルビスにやってきたときには溶鉱炉によって大砲が次々と製造されていた。
 砲弾も砲1門について50発が製造されていた。

 新型船は二隻になっており、その両舷にある頑丈な台座の上に総数8門の大砲が備えられるようになっていた。

 ◇◇◇◇

 その頃エルモ大陸北海岸一帯を海賊が頻発するようになっていた。
 時には集団で襲撃して城塞にまで攻め込むほどの脅威を与えていたのである。

 流石に軍船が多数在籍するマルビスを襲撃してくることは無かったが、その他の海岸は軒並み海賊に襲撃されていた。
 マルスはクレインに進言してこの海賊退治に新型船を利用してはどうかと勧めた。

 二隻の船はマルスとクレインをそれぞれ載せて、1隻は東へ1隻は西へと向かった。
 クレインはかなりの超能力も使えるようになっていた。

 実のところ、クレインが覚醒した際には周囲に影響を及ぼしそうな気配も有ったので、マルスはクレインを大陸西岸から離れた無人島へ遷移させた。
 クレインが寝ている間に、爆発的な焦熱地獄が出現して島は焼け野原になり、無数の稲妻がかなりの時間天空を走った。
 クレインは翌朝何も知らずに目覚めていたのである。

 マルスとクレインは互いに連携しながら海賊を探索した。
 マルスが向かった東方海域には12隻の海賊船が存在した。
 これらの海賊はゲリア大陸のロンド帝国の息がかかっている者達であった。

 海賊の出現で数少ない軍船をあわよくばできるだけ減らし或いは疲弊させようと言う狙いがあったようだ。
 マルビスが狙われなかったのは50隻以上もの軍船が現存していることからこれを挑発するのは却って墓穴を掘ることにもなるので、ロンド帝国からバルディアス王国の領域は避けるように明瞭な指示が出ていたのである。

 マルスとクレインはそのことを十分承知していた。
 マルスは12隻の海賊が停泊していた場所を急襲してその全てを破壊した。

 無論、大砲による砲撃であり、一発の砲弾が上空でさく裂すると広範囲に拡がった炎の滝は容赦なく海賊船を焼き尽くした。
 必死に消火に努める海賊も諦めざるを得なかった。

 ジェリー状の可燃物は何にでも張り付き高温で燃えることから水を掛けたぐらいでは消えずに却って燃え広がるのである。
 生き残った者は海に飛び込んで逃れた。

 彼らには何が起こったかわからなかった。
 奇妙な形の船が遠くに見えていたがそれが元凶だとはだれも思わなかった。

 帝国海軍が使っている火炎弾とは全く違うものであったからである。
 帝国海軍が使用する火炎弾は固く圧縮したアライグサの油に浸したものを投擲機械によって発射するもので、運よく当たれば周囲に火災をもたらすものであるが精々射程は200レムと短い上に射撃精度は極めて悪かった。

 10発撃って1発か2発が当たれば上々と言う代物である。
 だが、今回は雷鳴のような音が4発響いた時には上空で花火のように火炎が広がり、燃え尽きずに海賊船の甲板上の至る所に落下して一気に燃え上がったのである。

 運悪くその落下する炎に包まれた者は消火もできずに悶えながら焼け死んだ。
 一方のクレインは、西方海域で3隻の海賊船を見つけ同じようにこれを沈めた。

 更に戻って来る際に、クレインはバハン侯国の主要港であるドレドランに海賊船5隻が襲撃中であることを察知した。
 クレインの指示により、船がドレドランの入り江を入って行くと、ドレドランのあちらこちらで火の手が上がっていた。

 海賊どもは、上陸して略奪を始めているらしい。
 クレインはそれら上陸している海賊団と戦っている集団を察知していた。

 戦っている集団は僅かに20名足らず、そうしてその中に何故かロザリンがいることも察知した。
 逸る気持ちを抑えながら、クレインは明瞭に指示した。

「ゼロ距離発射用意、仰角ゼロのまま、船の進路を海賊船からの距離700に合せ。」

 艦長よりも年少とは言え、公爵の子息であり海賊討伐隊の司令官であるクレインに逆らうことは許されない。
 艦長が直ちに同じ指令を発した。

 船が速力を緩めながら接近ほぼ平行になった時に、船首よりの砲にクレインが発射を命じた。
 砲弾はゼロ距離で発射されると概ね500レム離れた所で爆発するが、その爆発と推進力により進行方向に向かって広く炎が散布されることになる。

 このために海賊船はまさに水平に海上を走る炎の柱に激突された。
 一発の砲弾により、狙われた船の船体全てが一気に燃え盛り、消火などとてもできるような状況に無かった。

 4隻の海賊船を次々に葬ったクレインは騎士団を引き連れドレドランに上陸した。
 海賊の上陸勢力は百名を超えており、20名ほどの勢力では対抗しきれない。

 船からは次々に騎士団が上陸し、海賊集団に襲いかかった。
 中でも真っ先に上陸したクレインの戦いぶりは壮絶であった。

 敵の真っただ中に斬り込み、あっという間に4人を斬り倒し、怯む海賊を相手に次々と阿修羅のように斬り倒して行った。
 元々、騎士団のように訓練を受けているわけではない海賊たちである。

 新手の訓練された陸戦隊の手に掛かって次々と討ち取られ、残った者はほうほうの呈で山地へと逃げ込んで行った。
 海に逃げても戻るべき船が無かったからである。

 陸戦隊の騎士100名に海賊の掃討を命じた直後、甲冑を身に付けた女性が現れた。
 クレインも斬り倒した海賊の血潮を浴びて真っ赤であったがその女性も同じように血潮で汚れていた。

 クレインにはそのオーラと顔でロザリンとわかっていた。

「危ういところをお助けいただき心より感謝申し上げる。
 私はバハン侯国王の4女でロザリンと申します。
 卒爾ながらお名をお聞かせ願いたい。」

 クレインは宮廷作法にある見事な礼で応対し、返事をなした。

「初めてお目にかかります。
 私は、バルディアス王国サディス公爵家の長男でクレインと申します。」

「バルディアス、それにサディス?
 確か侯国の隣の王国で、サディス様はマルビス軍港を持っておられるのでは?」

「はい、その通りにございます。
 先頃来より海賊の跋扈はなはだしく、公爵の命によりその撲滅のため西方海域へ派遣されて参りました者。
 ここより西方の海域にて4隻の海賊船を討伐し、帰路の途中でドレドランに親善のため寄港したことが幸いして、御身をお助け出来ることになりました。」

「バルディアス王国の船ならば何故に旗を上げておらぬのか。」

「海賊に我が船がバルディアスの船とわからぬようにするためです。
 できればバルディアス海軍が新型船を持っていることを悟らせたくないのです。」

「たかが、海賊に知られたとてどうと言うことはないはず。
 それとも他に理由が?」

 クレインは頷いた。

「海賊の背後にロンド帝国の影がちらついております。
 海賊の生き残りが仮におれば、或いはそれが聞き出せるやも。
 大津波によってエルモ大陸北岸の軍港はいずれも被害を受けております。
 それを奇貨として、ロンド帝国はエルモ大陸諸国の海軍が弱小な今こそが侵攻の絶好の機会ととらえている様子。」

「ですが、ゲリア大陸南岸も同様に被害を受けているはず、動けぬのは同じでは?」

「いいえ、ロンド帝国とエルモ大陸諸国では基盤が違います。
 エルモ大陸諸国はそれぞれに海軍艦艇を造らねばなりませんが、造船所は有っても各国に1か所か2か所。
 ロンド帝国では目下100か所の造船所で軍船を建造しているとの情報がございます。
 全ては国力の違いがなせる業。
 後1年もすれば200隻の軍船でロンド帝国が押し寄せてくる可能性がございます。
 その際、エルモ大陸諸国が個別に戦っているのでは絶対に勝てぬ相手、エルモ大陸諸国なかんずく北岸の諸国は連合する必要があります。」

「同盟か?
 尤もな話じゃ。
 なれど、私にはそのような差配を振るう力はない。」

「承知しております。
 私も単なるバルディアス王国臣下の子息に過ぎません。
 いずれ、王国から正式な使者が参ることになるでしょう。
 ただ叶うならば、侯国王にこの件をお耳打ちくだされば宜しいかと。
 それにしても、ドレドランはバハン侯国の主要港の筈、そこに手勢が少ないのは如何にもおかしな話ですがどうしてなのですか。」

 ロザリンが俯きながら言った。

「私の失敗です。
 昨日、隣の小港に海賊が出現したのです。
 それで、かっとなった私が駐屯していた部隊の大部分を隣の小港へ派遣してしまったのです。
 残した部隊は50名ほど、海賊どもが襲撃してきた際にそれらの者達が必死に防いではくれましたが、多勢に無勢、手練れの者はほとんど出払っていたことも災いしました。
 多くの騎士が傷つき命を失ったのは私の性です。」

 ロザリンは今にも泣きそうな顔つきをしていた。
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