悪妻

落ち零れの行き着く先は下しかない。
レディースチーム『沙蛮那』もその一つだ。
一般社会のレールから脱線し、仏恥義って出てきた喧嘩社会でも淘汰される、見るも無残な草食者の集まり。
沙蛮那は、そうした弱小チーム…だった。
彼女たちは驚くべき早さで下馬評を覆した。
創設者にしてリーダーの女傑が、分進時歩の勢いで他チームを薙ぎ倒していったのだ。
リーダーのワンマンチーム。
この評価は、地域を総ナメにし、新たな秩序を築き、国に厄介者扱いを受けるほど肥大化した後も続く定評となった。
リーダーの影響力はそれほど強大だったのである。
そんなリーダーも人間。
夜の疾風などという概念では有り得ない。
やがて恋をし、引退後、かつての特攻服より白いウェディングドレスに身を包んでいた。


※この作品は小説家になろう、カクヨムにも掲載されています。
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