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⑧お前だな

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「おい!」

「・・・ハイ。」
妹の返事が固い。


「お前だな。」
「・・・ハイ。」

「ここからの会話は王様には聞こえないようにした。
さあ、何があったか言ってみろ。」


「私は悪くないんだよ~。
『登校中にヒロインが転びそうになったところを王子様が助ける』
王子様との出会いのテンプレ中のテンプレなんだよ。
選択肢ですらなくて、プロローグで全員が通る道なんだよ。こんなの避けられないよ!」

「剣聖とやらの護衛をかわしたってのは?」

「それこそ何の話かわからないよ!そもそも、ゲームでは護衛がいるなんて話題なかったんだから!」

なるほど。
やはり、ゲームと現実は違うってことか。

「だから、護衛をかわしたなんてことはなくて。ただ、転びそうになったところを助けられただけなんだよ。」


ただ、護衛や周りの人からは、全く違う様に見えていたという訳だ。

「もしかしたら、こういうのが主人公補正の正体なのかも。」

「状況了解。この件は解決できることがわかった。
一応、王様に伝えるか。」

「どうやって解決するの?」

「それはまだ秘密だ。」




「王様!」

「おぉ。いきなり声が聞こえなくなったから、見捨てられたかと思ったぞ。」

「確認したいことがあったから、ちょっとな。さっきの抱きつき事件については解決できそうだ。」


「そうなのか?それは本当にありがたい・・・。
ただ、どうやら他にも問題があった様なのだ。」

「そうなのか?」

「ちょうど話し出す様だから、聞いてみてはくれないか?」


どれどれ。
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