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壇上に向かって嫌です
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学園の門を通り、馬車停に停まると先にレオナルド兄様が降りた。外が少し騒がしい。若い女の子の高い声だ。
「シャル」
差し出された兄様の手を取り馬車を降りた。
何故か静まり返る。
「シャル。ボーッとしてると転ぶよ」
次にロランが降りて来てまた騒つく。
女子生徒達は頬を染めて立ち尽くす。
「レオ兄様はやっぱりモテるのね。ロランも早速ファンがついたんじゃない?」
「気のせいだ」
「シャルの方が油断しちゃダメだからね」
「私なんて誰も相手にしないわよ。それよりロランと同じクラスかしら。でも私がいたらせっかくの学園生活の邪魔よね。居候しているわけだし四六時中一緒は流石に嫌よね」
「何言ってるの。妹の面倒くらい見るよ」
「私の方が7ヶ月もお姉さんよ」
「シャルロット?」
声のする方を見ると面影のある男子生徒がツカツカと向かって来た。
レオナルド兄様が私とロランの前に出た。
「おはようございます、セドリック殿下」
「おはよう。そこを退いてくれ」
「シャルは私の保護下にあります。誰を近付けるかは私が決めます」
「実兄でもないだろう。俺が挨拶をしたいと言っているのだから従ってくれ」
「ここは学園です。身分云々で言い寄るのは止めてください」
「兄様、皆様の邪魔になるから挨拶を済ませたいわ」
「分かった」
「シャルロット、久しぶりだね。8年以上も会えなくなるなんて思わなかったよ」
「セドリック殿下にシャルロットがご挨拶を申し上げます。“嬢”を付けるか“さん”をつけていただけますか?殿下が卒業するまでの1年間とはいえ、あらぬ噂を立てられると困ります」
「俺の天使との噂なら本望だ」
「お止めください。殿下は婚約者がいらっしゃるのでしょう?」
「いないが?」
「え?」
「俺にはシャルロットがいるのに他の女と婚約するはずがないだろう」
「殿下、シャルロットを騙さないでください。婚約者候補のリストが仕上がったと聞いています」
「何でレオが知ってるんだよ。あれは父上達が勝手に作ったリストだ」
「殿下、そろそろ僕たちは失礼します。入学式に遅れてしまいます。シャル、行くよ」
ロランが私の手を繋いで歩き始めた。
昔は私の方が大きかったし力も強かった。よく私と一緒にレオナルド兄様の後ろに隠れていたのにな。
最近のロランは何故か身体的なことを口にするのを嫌がる。“逞しくなって”“喉仏が”“手が私より大きい”などと言うと不機嫌になる。
嫌われているからではないと思いたい。だって手を繋いでいるもの。きっと気難しい年頃なだけだと思う。
入学式が始まり、新入生代表の挨拶のためにロランが席を外した。
「隣、座ってもいいですか」
え?今更? 今までどこかの席に座っていたんじゃないの?
知らぬ男子学生がロランの座っていた席に座りたがった。
「ごめんなさい、ここは既に座っている人がいて、用があって席を外しただけです。また戻って来るから元の席に戻ってもらえますか」
これを4度も繰り返した。
5度目。
「どうぞ」
「ありがとうございます。私は、」
5人目の男子新入生に席を譲り私は立ち上がった。
何か言いかけていたがポカンとして私を見た。
「あ、あの。どちらへ?」
「ごゆっくり」
講堂の後ろの壁際に立った。
先生らしき人が“座らないのですか”と声をかけてきた。
“私が座っていた席は人気のある場所みたいなのでお譲りしました。壇上で挨拶している子が戻って来たら最後尾に座ります”と返すと苦笑いされた。
ロランが壇上で挨拶を終えるとさっきの席に向かっていたので手を振った。
「何してるの」
「ロランの席、男子生徒に人気があるみたいなの。座っていいかって言われて断っていたんだけど、5人目で面倒になって私の席も譲ったわ」
「…大変だったね。後ろに座ろうか」
「うん」
今度は在学生代表でセドリックが壇上に上がった。
彼はスピーチを終えると2歩前に進み大声でとんでもないことを叫び出した。
「シャルロット・ウィルソン!俺の妃になってくれ!!」
「は!?」
「あのバカ…」
会場は騒めき、女子生徒の悲鳴も聞こえる。
私はロランの足元にしゃがむと大声で答えた。
「絶対にお断りです!!」
一度静寂が訪れた後、すぐ騒めきが戻った。
“誰?シャルロットって”“ウィルソンって侯爵家の?”“何処?顔がわからないんだけど”“後ろから聞こえたわよね”と様々な声が聞こえてくる。
「俺は諦めないからな!!」
少し経つとロランが私に話しかけた。
「先生が殿下を連れて行ったから、椅子に座りなよ」
「まだ、みんなが相手を探してるでしょ?」
「いいから椅子に座ってくれ」
見上げると顔を赤くしたロランが顔を押さえていた。私は隠れたくてロランの脚の間に入り腿にしがみついていた。
「そんなに照れないでよ。子供の頃にお父様にすると嬉しそうにしていたんだから」
「叔父さんはシャルに甘いからな。とにかく僕は叔父さんじゃないし子供じゃないんだから止めて。兄上に叱られるよ」
「レオ兄様が私を叱るわけないじゃない」
「いや、今回は少し叱られると思う」
クラスはロランと一緒だった。
私とロランは一番後ろの窓際だった。
「さて皆さん。入学おめでとうございます。このクラスは貴族しかいませんから、慎みある行動とはどのようなものかお分かりですね?
ここは学ぶ場です。身分で成績は決まりませんし優遇もしません。色恋沙汰も学園の外でお願いします。平等とはいいますが、身分差と礼儀というものは忘れないように。
他人の持ち物には触れないように。落ちていたら拾ってすぐに教師か警備員に渡しましょう。
他のクラスへ入ってはいけません。2年生のフロアにも3年生の建屋にも入ってはいけません。
入学前に届け出た家族や親戚にだけは手紙や伝言を渡すことができますが、緊急時のみです。
2、3年生のグレーのタイもしくはリボンの者は成績優秀品行方正と保証された優等生です。彼らに注意を受けたら従うように。質問はありますか?」
手を挙げると、指された。
「グレーのタイを着けている成績優秀品行方正と保証された王族が1年生のこのクラスを覗いています」
「はい?」
私は後方の出入口を指差した。
「早速追い払ってください」
先生が廊下に出て、殿下に何か言っていた。
ガラッ
「シャルロット!結婚してくれ!」
「嫌です!」
「殿下、お願いします。このフロアから立ち退いてください」
「シャルロット!俺と、」
「嫌です!!」
「ふう。シャルはここに居て」
ロランは溜息を吐きなら廊下に出てセドリックの腕を捻り上げた。
「ええっ!?」
そのまま2人は消えてしまった。
十数分後に戻って来たロランは何事も無かったように席に着いた。
「ロラン、一応王族なんだから、手荒なことはしちゃダメよ」
「いいんだ。僕と兄上は父上から許可をもらっているから。
学園が対応できていたら、もしくは3年生という立場の殿下が規律を破らなかったら 僕や兄上は余計な仕事が増えなくて助かるんだけどね。
とにかく、シャルでは殿下の対応はできない。僕達にまかせていればいい」
「ごめんね」
「シャルのせいじゃない」
帰ってからレオ兄様に叱られた。
「ロランは男でシャルは女だろう」
「従姉弟なのに」
「従姉弟は結婚出来るんだ。だから…シャル?」
「兄様が怒った…グズっ」
慌てて私を膝の上に乗せて抱きしめた。
「ロランも歳頃だから気を付けないと。
怒ったんじゃないから泣くな、可愛い天使」
「兄上はそうやってすぐ甘やかすんだから」
「甘やかすのは当然だろう」
「はいはい」
次は伯父様が抱っこしてくれて、その後 夕暮れの庭園を一緒に歩いてくれた。
「シャル」
差し出された兄様の手を取り馬車を降りた。
何故か静まり返る。
「シャル。ボーッとしてると転ぶよ」
次にロランが降りて来てまた騒つく。
女子生徒達は頬を染めて立ち尽くす。
「レオ兄様はやっぱりモテるのね。ロランも早速ファンがついたんじゃない?」
「気のせいだ」
「シャルの方が油断しちゃダメだからね」
「私なんて誰も相手にしないわよ。それよりロランと同じクラスかしら。でも私がいたらせっかくの学園生活の邪魔よね。居候しているわけだし四六時中一緒は流石に嫌よね」
「何言ってるの。妹の面倒くらい見るよ」
「私の方が7ヶ月もお姉さんよ」
「シャルロット?」
声のする方を見ると面影のある男子生徒がツカツカと向かって来た。
レオナルド兄様が私とロランの前に出た。
「おはようございます、セドリック殿下」
「おはよう。そこを退いてくれ」
「シャルは私の保護下にあります。誰を近付けるかは私が決めます」
「実兄でもないだろう。俺が挨拶をしたいと言っているのだから従ってくれ」
「ここは学園です。身分云々で言い寄るのは止めてください」
「兄様、皆様の邪魔になるから挨拶を済ませたいわ」
「分かった」
「シャルロット、久しぶりだね。8年以上も会えなくなるなんて思わなかったよ」
「セドリック殿下にシャルロットがご挨拶を申し上げます。“嬢”を付けるか“さん”をつけていただけますか?殿下が卒業するまでの1年間とはいえ、あらぬ噂を立てられると困ります」
「俺の天使との噂なら本望だ」
「お止めください。殿下は婚約者がいらっしゃるのでしょう?」
「いないが?」
「え?」
「俺にはシャルロットがいるのに他の女と婚約するはずがないだろう」
「殿下、シャルロットを騙さないでください。婚約者候補のリストが仕上がったと聞いています」
「何でレオが知ってるんだよ。あれは父上達が勝手に作ったリストだ」
「殿下、そろそろ僕たちは失礼します。入学式に遅れてしまいます。シャル、行くよ」
ロランが私の手を繋いで歩き始めた。
昔は私の方が大きかったし力も強かった。よく私と一緒にレオナルド兄様の後ろに隠れていたのにな。
最近のロランは何故か身体的なことを口にするのを嫌がる。“逞しくなって”“喉仏が”“手が私より大きい”などと言うと不機嫌になる。
嫌われているからではないと思いたい。だって手を繋いでいるもの。きっと気難しい年頃なだけだと思う。
入学式が始まり、新入生代表の挨拶のためにロランが席を外した。
「隣、座ってもいいですか」
え?今更? 今までどこかの席に座っていたんじゃないの?
知らぬ男子学生がロランの座っていた席に座りたがった。
「ごめんなさい、ここは既に座っている人がいて、用があって席を外しただけです。また戻って来るから元の席に戻ってもらえますか」
これを4度も繰り返した。
5度目。
「どうぞ」
「ありがとうございます。私は、」
5人目の男子新入生に席を譲り私は立ち上がった。
何か言いかけていたがポカンとして私を見た。
「あ、あの。どちらへ?」
「ごゆっくり」
講堂の後ろの壁際に立った。
先生らしき人が“座らないのですか”と声をかけてきた。
“私が座っていた席は人気のある場所みたいなのでお譲りしました。壇上で挨拶している子が戻って来たら最後尾に座ります”と返すと苦笑いされた。
ロランが壇上で挨拶を終えるとさっきの席に向かっていたので手を振った。
「何してるの」
「ロランの席、男子生徒に人気があるみたいなの。座っていいかって言われて断っていたんだけど、5人目で面倒になって私の席も譲ったわ」
「…大変だったね。後ろに座ろうか」
「うん」
今度は在学生代表でセドリックが壇上に上がった。
彼はスピーチを終えると2歩前に進み大声でとんでもないことを叫び出した。
「シャルロット・ウィルソン!俺の妃になってくれ!!」
「は!?」
「あのバカ…」
会場は騒めき、女子生徒の悲鳴も聞こえる。
私はロランの足元にしゃがむと大声で答えた。
「絶対にお断りです!!」
一度静寂が訪れた後、すぐ騒めきが戻った。
“誰?シャルロットって”“ウィルソンって侯爵家の?”“何処?顔がわからないんだけど”“後ろから聞こえたわよね”と様々な声が聞こえてくる。
「俺は諦めないからな!!」
少し経つとロランが私に話しかけた。
「先生が殿下を連れて行ったから、椅子に座りなよ」
「まだ、みんなが相手を探してるでしょ?」
「いいから椅子に座ってくれ」
見上げると顔を赤くしたロランが顔を押さえていた。私は隠れたくてロランの脚の間に入り腿にしがみついていた。
「そんなに照れないでよ。子供の頃にお父様にすると嬉しそうにしていたんだから」
「叔父さんはシャルに甘いからな。とにかく僕は叔父さんじゃないし子供じゃないんだから止めて。兄上に叱られるよ」
「レオ兄様が私を叱るわけないじゃない」
「いや、今回は少し叱られると思う」
クラスはロランと一緒だった。
私とロランは一番後ろの窓際だった。
「さて皆さん。入学おめでとうございます。このクラスは貴族しかいませんから、慎みある行動とはどのようなものかお分かりですね?
ここは学ぶ場です。身分で成績は決まりませんし優遇もしません。色恋沙汰も学園の外でお願いします。平等とはいいますが、身分差と礼儀というものは忘れないように。
他人の持ち物には触れないように。落ちていたら拾ってすぐに教師か警備員に渡しましょう。
他のクラスへ入ってはいけません。2年生のフロアにも3年生の建屋にも入ってはいけません。
入学前に届け出た家族や親戚にだけは手紙や伝言を渡すことができますが、緊急時のみです。
2、3年生のグレーのタイもしくはリボンの者は成績優秀品行方正と保証された優等生です。彼らに注意を受けたら従うように。質問はありますか?」
手を挙げると、指された。
「グレーのタイを着けている成績優秀品行方正と保証された王族が1年生のこのクラスを覗いています」
「はい?」
私は後方の出入口を指差した。
「早速追い払ってください」
先生が廊下に出て、殿下に何か言っていた。
ガラッ
「シャルロット!結婚してくれ!」
「嫌です!」
「殿下、お願いします。このフロアから立ち退いてください」
「シャルロット!俺と、」
「嫌です!!」
「ふう。シャルはここに居て」
ロランは溜息を吐きなら廊下に出てセドリックの腕を捻り上げた。
「ええっ!?」
そのまま2人は消えてしまった。
十数分後に戻って来たロランは何事も無かったように席に着いた。
「ロラン、一応王族なんだから、手荒なことはしちゃダメよ」
「いいんだ。僕と兄上は父上から許可をもらっているから。
学園が対応できていたら、もしくは3年生という立場の殿下が規律を破らなかったら 僕や兄上は余計な仕事が増えなくて助かるんだけどね。
とにかく、シャルでは殿下の対応はできない。僕達にまかせていればいい」
「ごめんね」
「シャルのせいじゃない」
帰ってからレオ兄様に叱られた。
「ロランは男でシャルは女だろう」
「従姉弟なのに」
「従姉弟は結婚出来るんだ。だから…シャル?」
「兄様が怒った…グズっ」
慌てて私を膝の上に乗せて抱きしめた。
「ロランも歳頃だから気を付けないと。
怒ったんじゃないから泣くな、可愛い天使」
「兄上はそうやってすぐ甘やかすんだから」
「甘やかすのは当然だろう」
「はいはい」
次は伯父様が抱っこしてくれて、その後 夕暮れの庭園を一緒に歩いてくれた。
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