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手形の証拠
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書類を捲る音やペンを走らせる音が室内を支配する中、溜息をもらした。
あの男の足音が聞こえてきたからだ。
バン!
「セシル!」
チラッと見て書類に視線を戻した。
「立ち上がって挨拶くらいしろ!」
「はぁ」
立ち上がり挨拶をした。
「伯爵様、ごきげんよう」
直ぐに座って仕事に戻る。
「それがセヴリッジ伯爵家の当主に対する態度か!」
「何かご用意ですか?」
「貴様~!」
「私は本当に忙しいので、要件を簡潔にお願いします」
ツカツカと私の前まで来ると、
バチーン!
私の頬を叩いた。
「その態度はなんだ!仕事の真似事をして、補佐達がやったことを あたかも己がやったようなツラをして父上まで騙した性悪女のくせに!」
「……アルバート。アレを持ってきて」
「かしこまりました」
「な、何なんだ!」
「で、ご用件は何でしょう。女性を殴る以外の用件がおありでしょう?」
「くっ! お、お前が商人を呼ぶのを止めたからだ!」
「既に今月の伯爵様の予算は尽きましたので」
「はあ!? 今月は1着仕立てただけだろう!」
「それに合わせてブローチなども買いましたよね?
4ヶ月前は服を3着、靴、宝石付きのスカーフ留め、どなたかのための高価なドレス。3ヶ月前は服1着、かなり高価なイヤリング。先月と先々月は(火傷の引きこもりで)買い物はありませんでしたが、今月初めに高級馬車を購入しました。
予算オーバーです」
「先月と先々月に買い物をしてないのだから、その分があるだろう!」
「4ヶ月前も3ヶ月前も予算オーバーで“前借り”というかたちで対処しました。そもそも伯爵様の衣装はとても高価で、平凡な伯爵家が頻繁に購入できる額ではありません。その上に、お妃様が着るのかと思わせるようなドレスを作ったり希少な宝石を使ったイヤリングを購入していたら収まるわけがありません」
「馬車は必要経費だろう!」
「古くもなく壊れてもいませんでした。なのに大富豪かと思わせるような高級馬車を買うのは伯爵様の道楽です。従って経費では落とせません。
今月ばかりか、11月中まで買い物はできません」
「は!? そもそも何でお前が予算を決めているんだよ!」
「決めたのは私ではなくお義父様です」
「伯爵は俺だぞ!」
「ならば、先ずは領地運営の引き継ぎをなさってください。役目を果たさず爵位だけいただくなど有り得ません」
「そ、それは父上の為だ!父上のボケ防止の為に領地の仕事を任せたままにしているんだ!」
「病床のお義父様に本気ですか?」
「っ! もういい!!」
「失礼します」
そこに家令のアルバートが戻ってきた。
「アルバート。写してもらえる?」
「かしこまりました」
鏡のようなものが貼り付けられた箱をアルバートが私に向けた。一瞬光ると“終わりました”と手に持った物を執務机に置いた。
「ありがとう」
「何だソレは」
ミハエルが覗き込むと小さな悲鳴を上げた。
「ひいっ」
「それは写撮機です」
「何なんだ」
「ほら、私の右頬に赤い手形がついていますね?
時を閉じ込めた絵のように証拠を残す物です」
「……すごいな」
「兄から誕生日の祝いにいただきました」
「そうか」
「ここに日付と時間と署名をしていただけませんか?」
ツルツルとした素材に書いても落ちないインクを充填したペンを手渡した。
「この絵にか? 何故だ」
「偽物だと思われたくありませんので」
「よく分からないが、その代わり予算を戻してくれないか」
「では、来月から11月まで半分用立てします」
「分かった」
ハミエルは日付と時間を書いた後、ハミエル・セヴリッジと署名した。
「ありがとうございます。ではよろしいですか?」
「あ、ああ」
ハミエルは執務室を出て行った。
「若奥様、」
「大丈夫よ。ありがとう」
写撮機で写した写物を金庫に入れた。
便箋を取り出し兄に手紙を書いた。
“お兄様のお陰で証拠ができました”
その後は仕事を再開した。
【 レオナルドの視点(ハミエルの実父) 】
「はぁ」
タウンハウスの家令アルバートや執務補佐達の手紙を読んで溜息を吐いた。
「どうなさったの?」
「どうやらハミエルは、セヴリッジ伯爵家の収益が激減したことも、我らの予算のことも知らなかったようだ。高額な買い物を続けるハミエルにストップをかけたセシルの頬を殴り、赤い手形がくっきりついたと書いてある」
「ハミエルが知らないわけがありませんわ」
「知っているのなら、高級紳士服を何着も仕立て、宝石付きのブローチなども買い、挙句、愛人のために馬鹿高いドレスやイヤリングを買って、私の寿命を縮めるような贅沢過ぎる馬車を買ったりしない!!
あいつは書類をちゃんと見ずに署名したんだ。説明も忠告も聞いているフリをしているのだろう」
「いつまでもセシルに仕事などをさせるからですわ。妻の仕事を優先させるべきです。先に男児が産まれるとは限らないのですから、早く子をなすべきです」
「ハミエルが無能だからだ」
「あなた!」
「ハミエルでは仕事の内容が分からないのだろう。だから適当な指示を出して失敗してしまい、挙句は手を付けなくなってしまった。それを見かねてセシルがやってくれているんだ。身籠ったら仕事などさせられない。そうなったらミハエルがセヴリッジをぐちゃぐちゃにしながら借金を作ってしまう。セヴリッジは終わりだ!」
「教えてあげればいいのです」
「補佐達やセシルを下に見て、教えを乞うことを嫌がっているんだ。だから私が教えようと何度も手紙を送っているが、“忙しい”“折を見て”と返事を出すだけで一向に学ぼうとしない。
もし私が仕事ができなくなったり死んだら、王都の屋敷は売却して、領地のことを含めた全てをセシルに任せるしかない」
「まさか」
「一番最悪なのはセシルが離縁を望む時だ。アルバートによれば殴った証拠があるらしい」
「セシルは“無し”の欠陥品なのですよ?離縁をしてどうやって生きていくのですか」
「セシルの兄、ハーゼル子爵令息で魔術研究所のナンバー3だよ。彼がセシルを拾うだろう」
あの男の足音が聞こえてきたからだ。
バン!
「セシル!」
チラッと見て書類に視線を戻した。
「立ち上がって挨拶くらいしろ!」
「はぁ」
立ち上がり挨拶をした。
「伯爵様、ごきげんよう」
直ぐに座って仕事に戻る。
「それがセヴリッジ伯爵家の当主に対する態度か!」
「何かご用意ですか?」
「貴様~!」
「私は本当に忙しいので、要件を簡潔にお願いします」
ツカツカと私の前まで来ると、
バチーン!
私の頬を叩いた。
「その態度はなんだ!仕事の真似事をして、補佐達がやったことを あたかも己がやったようなツラをして父上まで騙した性悪女のくせに!」
「……アルバート。アレを持ってきて」
「かしこまりました」
「な、何なんだ!」
「で、ご用件は何でしょう。女性を殴る以外の用件がおありでしょう?」
「くっ! お、お前が商人を呼ぶのを止めたからだ!」
「既に今月の伯爵様の予算は尽きましたので」
「はあ!? 今月は1着仕立てただけだろう!」
「それに合わせてブローチなども買いましたよね?
4ヶ月前は服を3着、靴、宝石付きのスカーフ留め、どなたかのための高価なドレス。3ヶ月前は服1着、かなり高価なイヤリング。先月と先々月は(火傷の引きこもりで)買い物はありませんでしたが、今月初めに高級馬車を購入しました。
予算オーバーです」
「先月と先々月に買い物をしてないのだから、その分があるだろう!」
「4ヶ月前も3ヶ月前も予算オーバーで“前借り”というかたちで対処しました。そもそも伯爵様の衣装はとても高価で、平凡な伯爵家が頻繁に購入できる額ではありません。その上に、お妃様が着るのかと思わせるようなドレスを作ったり希少な宝石を使ったイヤリングを購入していたら収まるわけがありません」
「馬車は必要経費だろう!」
「古くもなく壊れてもいませんでした。なのに大富豪かと思わせるような高級馬車を買うのは伯爵様の道楽です。従って経費では落とせません。
今月ばかりか、11月中まで買い物はできません」
「は!? そもそも何でお前が予算を決めているんだよ!」
「決めたのは私ではなくお義父様です」
「伯爵は俺だぞ!」
「ならば、先ずは領地運営の引き継ぎをなさってください。役目を果たさず爵位だけいただくなど有り得ません」
「そ、それは父上の為だ!父上のボケ防止の為に領地の仕事を任せたままにしているんだ!」
「病床のお義父様に本気ですか?」
「っ! もういい!!」
「失礼します」
そこに家令のアルバートが戻ってきた。
「アルバート。写してもらえる?」
「かしこまりました」
鏡のようなものが貼り付けられた箱をアルバートが私に向けた。一瞬光ると“終わりました”と手に持った物を執務机に置いた。
「ありがとう」
「何だソレは」
ミハエルが覗き込むと小さな悲鳴を上げた。
「ひいっ」
「それは写撮機です」
「何なんだ」
「ほら、私の右頬に赤い手形がついていますね?
時を閉じ込めた絵のように証拠を残す物です」
「……すごいな」
「兄から誕生日の祝いにいただきました」
「そうか」
「ここに日付と時間と署名をしていただけませんか?」
ツルツルとした素材に書いても落ちないインクを充填したペンを手渡した。
「この絵にか? 何故だ」
「偽物だと思われたくありませんので」
「よく分からないが、その代わり予算を戻してくれないか」
「では、来月から11月まで半分用立てします」
「分かった」
ハミエルは日付と時間を書いた後、ハミエル・セヴリッジと署名した。
「ありがとうございます。ではよろしいですか?」
「あ、ああ」
ハミエルは執務室を出て行った。
「若奥様、」
「大丈夫よ。ありがとう」
写撮機で写した写物を金庫に入れた。
便箋を取り出し兄に手紙を書いた。
“お兄様のお陰で証拠ができました”
その後は仕事を再開した。
【 レオナルドの視点(ハミエルの実父) 】
「はぁ」
タウンハウスの家令アルバートや執務補佐達の手紙を読んで溜息を吐いた。
「どうなさったの?」
「どうやらハミエルは、セヴリッジ伯爵家の収益が激減したことも、我らの予算のことも知らなかったようだ。高額な買い物を続けるハミエルにストップをかけたセシルの頬を殴り、赤い手形がくっきりついたと書いてある」
「ハミエルが知らないわけがありませんわ」
「知っているのなら、高級紳士服を何着も仕立て、宝石付きのブローチなども買い、挙句、愛人のために馬鹿高いドレスやイヤリングを買って、私の寿命を縮めるような贅沢過ぎる馬車を買ったりしない!!
あいつは書類をちゃんと見ずに署名したんだ。説明も忠告も聞いているフリをしているのだろう」
「いつまでもセシルに仕事などをさせるからですわ。妻の仕事を優先させるべきです。先に男児が産まれるとは限らないのですから、早く子をなすべきです」
「ハミエルが無能だからだ」
「あなた!」
「ハミエルでは仕事の内容が分からないのだろう。だから適当な指示を出して失敗してしまい、挙句は手を付けなくなってしまった。それを見かねてセシルがやってくれているんだ。身籠ったら仕事などさせられない。そうなったらミハエルがセヴリッジをぐちゃぐちゃにしながら借金を作ってしまう。セヴリッジは終わりだ!」
「教えてあげればいいのです」
「補佐達やセシルを下に見て、教えを乞うことを嫌がっているんだ。だから私が教えようと何度も手紙を送っているが、“忙しい”“折を見て”と返事を出すだけで一向に学ぼうとしない。
もし私が仕事ができなくなったり死んだら、王都の屋敷は売却して、領地のことを含めた全てをセシルに任せるしかない」
「まさか」
「一番最悪なのはセシルが離縁を望む時だ。アルバートによれば殴った証拠があるらしい」
「セシルは“無し”の欠陥品なのですよ?離縁をしてどうやって生きていくのですか」
「セシルの兄、ハーゼル子爵令息で魔術研究所のナンバー3だよ。彼がセシルを拾うだろう」
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