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絶対に逃さない(クリス)
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【 クリス・リヨードの視点 】
一部始終を聞いた父上は“さて どうなるかな”などと悠長なことを言っていた。
エステルの実家に何かあったら エステルが悲しむ。
だが数週間後、ルイーザは親である公爵夫妻に連れられて戻ってきた。顔が険しい。
公「リヨード侯爵、クリス殿。ウィンストン伯爵家に約束を取り付けた。同席してもらえないか」
父「伺いましょう」
そしてウィンストン伯爵邸で、伯爵とサリオン殿が応対した。
公「この度は愚女が大変な失礼をしでかしました。
お詫びのしようもございません」
伯「公女…いやルイーザ夫人は薬は要らないのだと思いましたよ」
公「無知故の発言でした」
伯「薬草を育てるには豊かな土と水が必要です。
当然自然豊かな田舎になります。態とそれを維持しているのです。
リヨードも隣接していてウィンストンへの影響を考えて 敢えて開発をウィンストンとは逆側にしてくださっている。
ルイーザ夫人が楽しめそうな街並みを作ることは簡単ですよ。でもここでは薬草を優先させた。
邪魔をするなら排除するだけですよ」
公「仰る通りです。申し訳ございません」
伯「うちの嫁の指輪も貶したようですが、自分の手柄で得た富や権力だと誤解させない方がよろしいですよ。
実家の力に感謝をすることがあっても、他人にマウントを取るために使っては下品というものです。
うちは小さな石の付いた指輪しか買ってやれないような貧しい家門だと言われてしまったので遠慮なく価格を引き上げようと思っていたところです。
桁をふたつ増やしても公爵家は大丈夫そうですが、巻き込まれた他の王族 貴族 平民はどう公爵家に感謝するでしょうか。楽しみですよ」
公「どうか…お怒りを収めてはくださいませんか」
ウィンストン伯爵が合図を送るとティファーナ夫人が現れた。
伯「では、ルイーザ夫人の誠意を見せていただきましょう」
ル「え?」
伯「まさか、嫁いだ大人がしでかしたことを親に謝ってもらえば済むとでも?
9歳の時はそれで通用したかもしれないが、ルイーザ夫人はいくつかな?クリスよりも3つも歳上で、うちのティファーナよりも4つも歳上だった気がするが?
当人が座っているだけなんて謝罪とは言えないと思うのは私だけだろうか、ルイーザ夫人」
ル「も、申し訳ございません」
伯「今後ルイーザ夫人や公爵家が謝罪を要求するような事態になったらコレを参考にすればよろしいのですか?公爵夫人」
夫人「そんなに大事になさらなくても」
公「黙れ!!」
伯「せっかくの公爵の謝罪は公爵夫人が掻き消してしまいましたな。ここまで来ると公爵が可哀想に思えてきましたよ。日頃の苦労が目に浮かびます」
夫人「まあ!私を誰だと!?」
伯「今すぐ突然死でもしない限り、良質な薬草や薬がないと困ることになる単なる人間ですよ。
夫人が娘に影響を及ぼしたのがよく分かります。
いいですか?私にとって貴女の命より後ろに立っている給仕メイドの方が大事なんです。
貴女が何者か相手に問う前に、自分がそれに相応しい人間であるか考えた方がいい。王妃殿下は貴女の尻拭いをどこまでできるだろか、楽しみですよ」
公「ヘレン。膝を付いて誠心誠意お詫びしろ。できなければ離縁だ」
夫人「あなた!」
公「ルイーザ。お前もだ。公爵家の面汚しが!」
ル「お父様…」
結局公爵夫人は伯爵に膝を付いて謝罪し、ルイーザはティファーナ夫人に膝を付いて謝罪した。
更に、
公「このままリヨードに置いては迷惑にしかなりません。愚女は引き取り領地に縛り付けます。
クリス殿は第二夫人を迎えてください」
父「よろしいのですか?」
公「王妃殿下には陛下を通して分かっていただきます」
伯「では公爵。お土産です。よく効く胃薬ですよ」
公「ハハッ ありがたく飲ませていただきます」
翌日の帰りの馬車で父が笑った。
「楽しかったか?」
「私の方が胃薬をいただきたいですよ」
「ちゃんともらってきてある」
リヨードはウィンストンから無償で一定の薬を贈ってもらっている。リヨード家と使用人達、領内の分家、孤児院や教会 領兵 役場の分まで行き渡るほどの量を毎年。
リヨード侯爵家とはいえ自然豊かな領地に雇用されることを希望する者の内、何割かは薬目当てだ。
他領で雇われればウィンストン製以外の安価で効きの薄い薬を自分で購入しなくてはならない。
ウィンストン製の薬を使わせてもらえるのは仕事中に負傷した兵士か、側近や家令などくらいだ。
風邪を引きやすい 胃腸の調子を崩しやすい 頭痛持ちなどは採用してもらえるよう懸命に自分を磨いてくる。
正直に腰痛持ちで重労働はできないがこれには長けているから採用を検討して欲しいと願い出て試用期間を終えて採用に至る者もいる程。
だからリヨードの退職者は少ない。それにウィンストン家が遊びに来ると分かると、会議を開き いかに持て成すか話し合うし、満面の笑みで迎える。
特にエステルが来ると分かるとまるで都会のように虫が姿を消す。庭園もだ。
一度安価の痛み止めを飲んでみたことがある。
効き目が弱く悪心が出て最悪だった。
ウィンストンは絶対に守らなくてはならない。
「温和な伯爵だと思っていました」
「温和だよ。だが伯爵家には力がある。効果の高い薬草や薬という武器は絶大だ。
別に忙しい中に夜会だのパーティだの開く必要がない。勝手に寄ってくるし勝手に情報が入るんだ。
それらを使うときは身を守るため。家族を守るため。無闇に使わないだけだ。
サリオンと伯爵はクリスのことも守ってくれたな」
「はい」
この一件で私はサリオン殿に敗北した。
心からサリオン殿を兄と呼ぶようになった。
エステルの離縁には驚いた。
私達は皆、エステルの楽しく忙しそうな日常を綴った手紙に騙され油断していた。
彼女は家族に心配をかけまいとするタイプだと知った。こんな時に伯爵夫妻は他国を巡っているなんて。
10年以上ぶりに会ったエステルは痩せてしまっていた。肌艶も良くなさそうだ。
辛い目に遭っていたのは明らかだった。
言葉が出ない私の背中を叩きながらテレサが会話を私に繋ぐ。やっぱりここでもテレサに救われる。
ゆっくり癒されてくれたらと願う。
ネグルワと愛人に制裁ができないか父上に聞いてみた。
だが既に爵位を譲られたサリオン殿が動いていた。
それ以前にエステル自ら制裁をしていたらしく、父上は笑っていた。
「エステルは時の人だ。婚家に尽くし男児も産み、領地を整え店を数軒出して繁盛させ、銀行からの信頼もある。そして今は痩せているがサリオン達が手厚い療養をさせて直ぐに本来の彼女を取り戻すだろう。
後妻や第二夫人に迎えたいという貴族や商会は少なくないはずだ。
だがやはり有力なのはサリオンだろうな。
エステルの離縁を知ってすぐに夫人と離縁をした。
後はエステルの気持ちをどう変えるかだ。
傷を癒せるか、兄という枠から外せるか」
「ですよね」
「もう第二夫人がいるからうちは無理だ」
「分かっています。それにサリオン殿には敵いませんから。精々細やかなちょっかいをかけて楽しみます」
今だってエステルが好きだ。
妻になってくれたらどれだけ幸せか。
だけど二人目の妻に情がある。サリオン殿のようにスパッと離縁などできない。
「どうも、新天地を探しているらしい。ウィンストンとリヨードから離れられないようにしなくてはな。
エステルに話す前に空き店舗を絞ろう。
さっさと決めて流れに乗せてしまえばいい」
「はい 父上」
一部始終を聞いた父上は“さて どうなるかな”などと悠長なことを言っていた。
エステルの実家に何かあったら エステルが悲しむ。
だが数週間後、ルイーザは親である公爵夫妻に連れられて戻ってきた。顔が険しい。
公「リヨード侯爵、クリス殿。ウィンストン伯爵家に約束を取り付けた。同席してもらえないか」
父「伺いましょう」
そしてウィンストン伯爵邸で、伯爵とサリオン殿が応対した。
公「この度は愚女が大変な失礼をしでかしました。
お詫びのしようもございません」
伯「公女…いやルイーザ夫人は薬は要らないのだと思いましたよ」
公「無知故の発言でした」
伯「薬草を育てるには豊かな土と水が必要です。
当然自然豊かな田舎になります。態とそれを維持しているのです。
リヨードも隣接していてウィンストンへの影響を考えて 敢えて開発をウィンストンとは逆側にしてくださっている。
ルイーザ夫人が楽しめそうな街並みを作ることは簡単ですよ。でもここでは薬草を優先させた。
邪魔をするなら排除するだけですよ」
公「仰る通りです。申し訳ございません」
伯「うちの嫁の指輪も貶したようですが、自分の手柄で得た富や権力だと誤解させない方がよろしいですよ。
実家の力に感謝をすることがあっても、他人にマウントを取るために使っては下品というものです。
うちは小さな石の付いた指輪しか買ってやれないような貧しい家門だと言われてしまったので遠慮なく価格を引き上げようと思っていたところです。
桁をふたつ増やしても公爵家は大丈夫そうですが、巻き込まれた他の王族 貴族 平民はどう公爵家に感謝するでしょうか。楽しみですよ」
公「どうか…お怒りを収めてはくださいませんか」
ウィンストン伯爵が合図を送るとティファーナ夫人が現れた。
伯「では、ルイーザ夫人の誠意を見せていただきましょう」
ル「え?」
伯「まさか、嫁いだ大人がしでかしたことを親に謝ってもらえば済むとでも?
9歳の時はそれで通用したかもしれないが、ルイーザ夫人はいくつかな?クリスよりも3つも歳上で、うちのティファーナよりも4つも歳上だった気がするが?
当人が座っているだけなんて謝罪とは言えないと思うのは私だけだろうか、ルイーザ夫人」
ル「も、申し訳ございません」
伯「今後ルイーザ夫人や公爵家が謝罪を要求するような事態になったらコレを参考にすればよろしいのですか?公爵夫人」
夫人「そんなに大事になさらなくても」
公「黙れ!!」
伯「せっかくの公爵の謝罪は公爵夫人が掻き消してしまいましたな。ここまで来ると公爵が可哀想に思えてきましたよ。日頃の苦労が目に浮かびます」
夫人「まあ!私を誰だと!?」
伯「今すぐ突然死でもしない限り、良質な薬草や薬がないと困ることになる単なる人間ですよ。
夫人が娘に影響を及ぼしたのがよく分かります。
いいですか?私にとって貴女の命より後ろに立っている給仕メイドの方が大事なんです。
貴女が何者か相手に問う前に、自分がそれに相応しい人間であるか考えた方がいい。王妃殿下は貴女の尻拭いをどこまでできるだろか、楽しみですよ」
公「ヘレン。膝を付いて誠心誠意お詫びしろ。できなければ離縁だ」
夫人「あなた!」
公「ルイーザ。お前もだ。公爵家の面汚しが!」
ル「お父様…」
結局公爵夫人は伯爵に膝を付いて謝罪し、ルイーザはティファーナ夫人に膝を付いて謝罪した。
更に、
公「このままリヨードに置いては迷惑にしかなりません。愚女は引き取り領地に縛り付けます。
クリス殿は第二夫人を迎えてください」
父「よろしいのですか?」
公「王妃殿下には陛下を通して分かっていただきます」
伯「では公爵。お土産です。よく効く胃薬ですよ」
公「ハハッ ありがたく飲ませていただきます」
翌日の帰りの馬車で父が笑った。
「楽しかったか?」
「私の方が胃薬をいただきたいですよ」
「ちゃんともらってきてある」
リヨードはウィンストンから無償で一定の薬を贈ってもらっている。リヨード家と使用人達、領内の分家、孤児院や教会 領兵 役場の分まで行き渡るほどの量を毎年。
リヨード侯爵家とはいえ自然豊かな領地に雇用されることを希望する者の内、何割かは薬目当てだ。
他領で雇われればウィンストン製以外の安価で効きの薄い薬を自分で購入しなくてはならない。
ウィンストン製の薬を使わせてもらえるのは仕事中に負傷した兵士か、側近や家令などくらいだ。
風邪を引きやすい 胃腸の調子を崩しやすい 頭痛持ちなどは採用してもらえるよう懸命に自分を磨いてくる。
正直に腰痛持ちで重労働はできないがこれには長けているから採用を検討して欲しいと願い出て試用期間を終えて採用に至る者もいる程。
だからリヨードの退職者は少ない。それにウィンストン家が遊びに来ると分かると、会議を開き いかに持て成すか話し合うし、満面の笑みで迎える。
特にエステルが来ると分かるとまるで都会のように虫が姿を消す。庭園もだ。
一度安価の痛み止めを飲んでみたことがある。
効き目が弱く悪心が出て最悪だった。
ウィンストンは絶対に守らなくてはならない。
「温和な伯爵だと思っていました」
「温和だよ。だが伯爵家には力がある。効果の高い薬草や薬という武器は絶大だ。
別に忙しい中に夜会だのパーティだの開く必要がない。勝手に寄ってくるし勝手に情報が入るんだ。
それらを使うときは身を守るため。家族を守るため。無闇に使わないだけだ。
サリオンと伯爵はクリスのことも守ってくれたな」
「はい」
この一件で私はサリオン殿に敗北した。
心からサリオン殿を兄と呼ぶようになった。
エステルの離縁には驚いた。
私達は皆、エステルの楽しく忙しそうな日常を綴った手紙に騙され油断していた。
彼女は家族に心配をかけまいとするタイプだと知った。こんな時に伯爵夫妻は他国を巡っているなんて。
10年以上ぶりに会ったエステルは痩せてしまっていた。肌艶も良くなさそうだ。
辛い目に遭っていたのは明らかだった。
言葉が出ない私の背中を叩きながらテレサが会話を私に繋ぐ。やっぱりここでもテレサに救われる。
ゆっくり癒されてくれたらと願う。
ネグルワと愛人に制裁ができないか父上に聞いてみた。
だが既に爵位を譲られたサリオン殿が動いていた。
それ以前にエステル自ら制裁をしていたらしく、父上は笑っていた。
「エステルは時の人だ。婚家に尽くし男児も産み、領地を整え店を数軒出して繁盛させ、銀行からの信頼もある。そして今は痩せているがサリオン達が手厚い療養をさせて直ぐに本来の彼女を取り戻すだろう。
後妻や第二夫人に迎えたいという貴族や商会は少なくないはずだ。
だがやはり有力なのはサリオンだろうな。
エステルの離縁を知ってすぐに夫人と離縁をした。
後はエステルの気持ちをどう変えるかだ。
傷を癒せるか、兄という枠から外せるか」
「ですよね」
「もう第二夫人がいるからうちは無理だ」
「分かっています。それにサリオン殿には敵いませんから。精々細やかなちょっかいをかけて楽しみます」
今だってエステルが好きだ。
妻になってくれたらどれだけ幸せか。
だけど二人目の妻に情がある。サリオン殿のようにスパッと離縁などできない。
「どうも、新天地を探しているらしい。ウィンストンとリヨードから離れられないようにしなくてはな。
エステルに話す前に空き店舗を絞ろう。
さっさと決めて流れに乗せてしまえばいい」
「はい 父上」
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