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2人の娘、ルルーナ編
入学式
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翌日、お茶を飲みながらこれまでの事を聞いた。
「城から近い、王都に部屋を借りたんだ。
2人で住むには充分な広さだよ。メイドも雇っているんだ。
母もすっかり元気になって、奉仕活動をしているよ。
2年前に母は伯爵になった。今までの公務と奉仕活動の功績として特別にね。
領地はないから母にはちょうどいい。
私はルルーナと同じ学園の3年生に編入した。
一緒に通えるよ」
「そうだ!そういえば言葉が…気付かないくらい流暢だわ!すごい!」
「教師を雇って頑張ったよ。あの日から此処に来るまで、いい意味で死に物狂いで頑張ったんだ」
「ウィリアム、偉いわ。お母様もウィリアムのような息子がいて幸せでしょうね」
「だといいのですが」
「でも何でわざわざ最終学年だけ編入したの?」
「ルルーナが心配だからだよ。
一年だけしか同じ学校に通えないけど、一緒に登下校するだけでも余計な虫が寄ってこないかもしれないし、的も減るかもよ」
「無理してない?」
「喜ばしいことだよ。
ルルーナは特別クラスだよね」
「そうよ」
「私は最下位クラスにした」
「えっ!?嘘でしょ!ウィリアムが!?」
「特別クラスだって言うから、教室の見取り図を見て閃いたんだ。
事務長に、この成績なら他のクラスを選んでもかまわないか聞いたら、一年だけだし、好きに選んでいいって言うから、1年生の特別クラスの教室に一番近い最下位クラスにしたんだ。
これですぐルーナを迎えに行けるよ」
「そこまでしなくても…」
「ここでは、卒業テストの成績が一番大事なんだ。どのクラスに居ようが卒業テストで1位を狙うよ。
また、一緒に勉強しようね」
「ウィルについていけるかな」
「私は2つ歳上なんだから、ルーナに教えるくらいが普通だよ」
「そっか。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく」
「ウィリアム、ルルーナを頼んだぞ」
「はい、公爵様」
「ウィリアム、わかってるよな」
「ハミエル義兄様、わかりません」
「義兄じゃない!」
「ルルーナは時々扉とかにぶつけるから気にしてやって」
「はい、クリストフ義兄様」
「ウィルのお母様は寂しくなさっていないかしら」
「大司教様達と国中を回って活動しているから大丈夫だよ」
「凄いわね」
「本当に素晴らしいわ」
学園初日。今日は式とクラスでの紹介や説明で終わりだ。
「私もダークグレーの制服が良かったわ」
「そう?ライトグレーの制服似合ってるよ」
「こぼしたら汚れが目立つもの」
「その時は上着を貸すよ」
「大丈夫よ。きっとこぼし仲間がいるわ」
「ルーナ、ブレスレットは?」
「学園は指輪、ブレスレット、イヤリングは禁止なの」
「そうなんだ」
「髪飾りやネックレスはいいんだね」
「華美なものはダメだけどね」
「…ルルーナ、呼び出しの伝言や手紙には応じてはいけないよ。
生徒の名前なら、逆に職員室で待っているといいなさい。
先生や大人の名前なら一度職員室に寄って確認をしなさい。
空き教室や備品室、倉庫や人気のない校舎裏などに呼び出して、閉じ込められたり、暴力を振るわれたり…身体を穢されるかも知れない」
「ウィル」
「例え仲良くなった女友達でもだ。
騙して仲良くなったり、途中で何かの理由で裏切る者もいる。
貴族はしがらみや上下関係でいくらでも言いなりになって敵に回る。
妬みということもある。
私に知らせてくれたら必ず駆けつける。万が一、ルーナが困ったことになった時に私がいない場合は、不本意だがエリアス殿下を頼れ」
「学校よ?」
「貴族の学校はどこでもあるんだ。
平気で傷者にしようとするぞ。
デビューの時も殿下とルーナが他の令嬢より親しいことがバレたから、王子妃になりたい令嬢はルーナを敵視するはずだ。
他の令息だって、誰が思いを寄せているかわからない。
令息も親がルーナに近づけと言うはずだ。
成績がよければ負けた者が妬むし、意地悪な先生だっている。
平民より貴族の方がえげつない事をするんだ。
公爵や夫人に聞いてみるといい。
ルフレールの学校でも、冤罪をかけられたり、階段から突き落とされたり、倉庫に閉じ込められたり、襲われた生徒が何人かいたんだ」
「…」
「不安にさせてごめん。
でも、心構えがあるのと無いのとでは全然違うんだ。
ルーナは美しくて可愛いから、平凡な令嬢より巻き込まれる確率が上がる。
大事なルーナに何かあったら耐えられそうにない」
「気をつけるわ」
「ありがとう。大好きだよルーナ」
「私も大好きよ。こんなに心配してくれる友達はウィルだけだわ」
「…」
「はぁ、着いたわね」
ウィリアムの手を取って馬車を降りた。
そのまま手を引かれて式の会場へ向かった。
「何でわかるの?」
「編入試験の日に今日のスケジュールと場所を把握したから任せて」
頼りになるなぁ。
「なんか、ウィルといたらダメな子になりそう」
「えっ」
「ウィルが何でもしてくれて、私は何も考えず言う事を聞いて、毎日が終わってしまいそう」
「それ、いいね。頑張るよ」
「ダメな子じゃない」
「いいんだ」
「受付はこちらです」
「ルルーナ・デクスターです」
「一列目の10番の席です」
「ありがとうございます」
10位だったのかしら。
「ルーナ座って」
「ウィルは?」
「後ろの席だよ。
式が終わったらそのまま教室に誘導される。私の方が早く終わるらしいからルーナの教室の外で待ってるよ」
「ありがとう」
式は学園長の挨拶から始まり、説明を受けた。そして最後に
「入試は国語、数学、歴史、外国語、面接で、ひとつにつき100点なので満点の場合は500点になる。
上位10名を発表する。
1位、ルルーナ・デクスター。496点
2位、シリウス・ギュゼール。408点
3位、ジェレミー・フェルナルド。403点
4位、ライアン・フィッツ。388点
…、…、…、…、…、…、以上だ。
卒業試験の結果は式での発表の他に、王宮での掲示と、新聞掲載される。気を抜く事なく頑張ってもらいたい!」
目立ったなぁ…。
しかし、歴史の年表の問題以外は合ってたようね。
面接が満点なんて意外だわ。
「2年生、3年生の1位を発表する。
2年1位、ミカエル・ギュゼール。
3年1位、ウィリアム・ファヴール。
以上」
教室で自己紹介をして学園生活での注意事項を聞いた後、時間割、教材、校内図をもらった。
終わって廊下に出るとウィルがいた。
「ルーナ」
「ウィル、1位おめでとう」
「1位。すごかったね、ルーナ」
「驚いたわ」
「帰ろう。持つよ」
「自分で持つわ。ウィルだって自分の荷物があるじゃない」
「私は男だ。大丈夫。軽い方を持って」
「ありがとう」
晩餐では私もウィルもみんなに褒められた。
「城から近い、王都に部屋を借りたんだ。
2人で住むには充分な広さだよ。メイドも雇っているんだ。
母もすっかり元気になって、奉仕活動をしているよ。
2年前に母は伯爵になった。今までの公務と奉仕活動の功績として特別にね。
領地はないから母にはちょうどいい。
私はルルーナと同じ学園の3年生に編入した。
一緒に通えるよ」
「そうだ!そういえば言葉が…気付かないくらい流暢だわ!すごい!」
「教師を雇って頑張ったよ。あの日から此処に来るまで、いい意味で死に物狂いで頑張ったんだ」
「ウィリアム、偉いわ。お母様もウィリアムのような息子がいて幸せでしょうね」
「だといいのですが」
「でも何でわざわざ最終学年だけ編入したの?」
「ルルーナが心配だからだよ。
一年だけしか同じ学校に通えないけど、一緒に登下校するだけでも余計な虫が寄ってこないかもしれないし、的も減るかもよ」
「無理してない?」
「喜ばしいことだよ。
ルルーナは特別クラスだよね」
「そうよ」
「私は最下位クラスにした」
「えっ!?嘘でしょ!ウィリアムが!?」
「特別クラスだって言うから、教室の見取り図を見て閃いたんだ。
事務長に、この成績なら他のクラスを選んでもかまわないか聞いたら、一年だけだし、好きに選んでいいって言うから、1年生の特別クラスの教室に一番近い最下位クラスにしたんだ。
これですぐルーナを迎えに行けるよ」
「そこまでしなくても…」
「ここでは、卒業テストの成績が一番大事なんだ。どのクラスに居ようが卒業テストで1位を狙うよ。
また、一緒に勉強しようね」
「ウィルについていけるかな」
「私は2つ歳上なんだから、ルーナに教えるくらいが普通だよ」
「そっか。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく」
「ウィリアム、ルルーナを頼んだぞ」
「はい、公爵様」
「ウィリアム、わかってるよな」
「ハミエル義兄様、わかりません」
「義兄じゃない!」
「ルルーナは時々扉とかにぶつけるから気にしてやって」
「はい、クリストフ義兄様」
「ウィルのお母様は寂しくなさっていないかしら」
「大司教様達と国中を回って活動しているから大丈夫だよ」
「凄いわね」
「本当に素晴らしいわ」
学園初日。今日は式とクラスでの紹介や説明で終わりだ。
「私もダークグレーの制服が良かったわ」
「そう?ライトグレーの制服似合ってるよ」
「こぼしたら汚れが目立つもの」
「その時は上着を貸すよ」
「大丈夫よ。きっとこぼし仲間がいるわ」
「ルーナ、ブレスレットは?」
「学園は指輪、ブレスレット、イヤリングは禁止なの」
「そうなんだ」
「髪飾りやネックレスはいいんだね」
「華美なものはダメだけどね」
「…ルルーナ、呼び出しの伝言や手紙には応じてはいけないよ。
生徒の名前なら、逆に職員室で待っているといいなさい。
先生や大人の名前なら一度職員室に寄って確認をしなさい。
空き教室や備品室、倉庫や人気のない校舎裏などに呼び出して、閉じ込められたり、暴力を振るわれたり…身体を穢されるかも知れない」
「ウィル」
「例え仲良くなった女友達でもだ。
騙して仲良くなったり、途中で何かの理由で裏切る者もいる。
貴族はしがらみや上下関係でいくらでも言いなりになって敵に回る。
妬みということもある。
私に知らせてくれたら必ず駆けつける。万が一、ルーナが困ったことになった時に私がいない場合は、不本意だがエリアス殿下を頼れ」
「学校よ?」
「貴族の学校はどこでもあるんだ。
平気で傷者にしようとするぞ。
デビューの時も殿下とルーナが他の令嬢より親しいことがバレたから、王子妃になりたい令嬢はルーナを敵視するはずだ。
他の令息だって、誰が思いを寄せているかわからない。
令息も親がルーナに近づけと言うはずだ。
成績がよければ負けた者が妬むし、意地悪な先生だっている。
平民より貴族の方がえげつない事をするんだ。
公爵や夫人に聞いてみるといい。
ルフレールの学校でも、冤罪をかけられたり、階段から突き落とされたり、倉庫に閉じ込められたり、襲われた生徒が何人かいたんだ」
「…」
「不安にさせてごめん。
でも、心構えがあるのと無いのとでは全然違うんだ。
ルーナは美しくて可愛いから、平凡な令嬢より巻き込まれる確率が上がる。
大事なルーナに何かあったら耐えられそうにない」
「気をつけるわ」
「ありがとう。大好きだよルーナ」
「私も大好きよ。こんなに心配してくれる友達はウィルだけだわ」
「…」
「はぁ、着いたわね」
ウィリアムの手を取って馬車を降りた。
そのまま手を引かれて式の会場へ向かった。
「何でわかるの?」
「編入試験の日に今日のスケジュールと場所を把握したから任せて」
頼りになるなぁ。
「なんか、ウィルといたらダメな子になりそう」
「えっ」
「ウィルが何でもしてくれて、私は何も考えず言う事を聞いて、毎日が終わってしまいそう」
「それ、いいね。頑張るよ」
「ダメな子じゃない」
「いいんだ」
「受付はこちらです」
「ルルーナ・デクスターです」
「一列目の10番の席です」
「ありがとうございます」
10位だったのかしら。
「ルーナ座って」
「ウィルは?」
「後ろの席だよ。
式が終わったらそのまま教室に誘導される。私の方が早く終わるらしいからルーナの教室の外で待ってるよ」
「ありがとう」
式は学園長の挨拶から始まり、説明を受けた。そして最後に
「入試は国語、数学、歴史、外国語、面接で、ひとつにつき100点なので満点の場合は500点になる。
上位10名を発表する。
1位、ルルーナ・デクスター。496点
2位、シリウス・ギュゼール。408点
3位、ジェレミー・フェルナルド。403点
4位、ライアン・フィッツ。388点
…、…、…、…、…、…、以上だ。
卒業試験の結果は式での発表の他に、王宮での掲示と、新聞掲載される。気を抜く事なく頑張ってもらいたい!」
目立ったなぁ…。
しかし、歴史の年表の問題以外は合ってたようね。
面接が満点なんて意外だわ。
「2年生、3年生の1位を発表する。
2年1位、ミカエル・ギュゼール。
3年1位、ウィリアム・ファヴール。
以上」
教室で自己紹介をして学園生活での注意事項を聞いた後、時間割、教材、校内図をもらった。
終わって廊下に出るとウィルがいた。
「ルーナ」
「ウィル、1位おめでとう」
「1位。すごかったね、ルーナ」
「驚いたわ」
「帰ろう。持つよ」
「自分で持つわ。ウィルだって自分の荷物があるじゃない」
「私は男だ。大丈夫。軽い方を持って」
「ありがとう」
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