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レオナード③ (☆)
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【レオナード・デクスター】
私は彼女を知っていた。
第二王子殿下の婚約者選びの茶会で、どの令嬢よりも可憐で美しい少女だった。
付き添いの母君もかなりの美人だ。
あの一家は美男美女で有名だ。
しかも皆優秀だと聞いている。
あれから6年後、孤児院で再開した、
こんな素晴らしい令嬢が殿下との婚約に苦しんでいた。
ハミエルが、婚約解消になって傷物としていい縁談に恵まれなければ娶ると言い出した。
いや、娶るならお前ではなく……いや、私は何を考えているんだ。20近くも歳下の娘に。
アルゴスが飛びついたせいで眼鏡を落としたリリアーヌ嬢をみて衝撃が走った。
そうだ、昔、茶会で見た瞳だ
神秘の泉の様に透き通った瞳が輝いていた。
髪もカツラだった。
艶やかで手触りの良さそうな髪は昔よりも美しく見えた。
先程のハミエルの言葉が頭から離れない。
私がリリアーヌ嬢娶る可能性がゼロではないのか…。
晩餐後に伯爵家へ送る馬車の中で、月夜に照らされるリリアーヌ嬢を見て、彼女に女を感じていた。私の心と体は、彼女を抱きたいと言っていた。
初夜に殿下とリリアーヌ嬢が睦み合う想像をしてしまった。
強い怒りが込み上げる。
私はリリアーヌ嬢に惹かれたことを認めた。
王宮で、宰相補佐の肩書きを使い、あれこれ調べていた。
そんな時、宰相に呼ばれた。
「デクスター。目的はなんだ」
「…」
「気が付かないとでも思ったか」
「ニコラ王子殿下の素行をご存知ですか。
学園でどう過ごされているとか」
「知っている」
「ベロア伯爵令嬢が不憫です」
「それだけか」
「私は孤児院の件で彼女に大きな借りがあります」
「まぁ、そうだな。
だが、他にも理由があるのだろう?
例えばベロア伯爵令嬢を慕っているとか」
「何故ご存知なのですか」
「表情だよ」
「…」
「はぁ。解雇されたり投獄されたりしては令嬢が悲しむだろう。程々にしておけ。
伯爵は独自で学園内と外での行動を、人を雇って見張らせている。
生徒4人、用務員1人、掃除夫1人。
後は外に2、3人」
「そんなにですか」
「血は薄くなってはいるが、令嬢の瞳はある国の王族の象徴だ。あの瞳を持つ者は継承権を有することになる。
そんな娘に脅して婚約者にした挙句、蔑ろにして浮気三昧などと知れたら最悪戦争だ」
「まさか…」
「王族に産まれても瞳が違えば継承順位は下がる。彼女の瞳は特別なんだ。
不幸だと知ったら取り戻しに来るだろうな」
「でも私は…」
「だから、その書類を最後にしておけ。
私が不審に思って確かめさせたことにしておく。
令嬢を娶りたいなら他にやることがあるだろう。距離を詰めて心を手に入れろ。
あの家は令嬢が好きになればそれが全てだ。身綺麗にしておけば許しがでる」
「こんなに歳の差があってもですか?」
「勃つなら大丈夫だ」
「…」
「もうすぐ殿下の誕生日パーティーだ。動きそうだぞ。令嬢の心を掴め」
「ありがとうございます」
そして宰相の言う通りに話が進んだ。
見事に殿下有責の婚約破棄となった。
そしてリリアーヌ嬢はパーティーの夜から姿を偽らなくなった。心配で心配で仕方なかった。
破棄以降、リリアーヌ嬢は断らなくなった。
誘いも贈り物も。
嬉しそうに微笑むリリアーヌ嬢を見ることができて幸せだった。
婚約もしてもらったが、自信がなかった。
社交界でも、私が若い令嬢を騙して婚約させたとか嫉みのような噂が流れていた。
やはりそう思うよな。
たが、ある日突然流れが変わった。
「デクスター公爵!聞きましたぞ!
ベロア伯爵令嬢が公爵に8年も片思いしていたそうじゃないか!あんな美しい令嬢をそんなに待たせるなんて」
「私も聞きました。美女からの一途な好意を得るだけじゃなくて、ちゃんと返さないと」
「そうですぞ、公爵。早く安心させてやりなさい」
「はい」
どうなっているんだ!?
リリアーヌ嬢に話すと肯定された。
本当に?あの時から?
「レオナード様、私はレオナード様のもの。貴方だけに身を捧げます。
ですから、他の女性を抱かないでくださいませ」
何て可愛いことを言い出すんだ!
「私だけがレオナード様の愛を全て受け止めます」
もう、抑えられない。
リリアーヌ嬢に泊まるように言うと以前と違って、泊まってくれると言った。
その夜、私は大事に大事にリリアーヌを抱いた。
しっかり解したつもりだったが、初めてのリリアーヌは痛みで辛そうだった。
申し訳ないと思いつつも嬉しくてしかたがなかった。私だけのリリアーヌだという証拠だからだ。
途中で止めようと言ったがリリアーヌは
「止めないでください。レオナード様で満たされたいのです。
…できれば慣れるまで優しくしてください」
「愛してるよ、リリアーヌ。早く気持ち良くなって欲しい。私だけがこんなに気持ちいいのは不公平だからな」
「良かった。私の体で気持ち良くなってくださって。安心しました」
「リリアーヌ、そういうわけで、もう保たない」
「はい」
とんでもない気持ち良さと、充実感だった。
義務の閨と、愛ある閨はこんなに違うものなのか。
まだ足りないが、これ以上は可哀想だ。
湯で濡らしたタオルでリリアーヌの身体を拭く。秘部から大量の白濁が流れ出た。
嬉しくて処理をせず、軽く拭くだけにした。
私は彼女を知っていた。
第二王子殿下の婚約者選びの茶会で、どの令嬢よりも可憐で美しい少女だった。
付き添いの母君もかなりの美人だ。
あの一家は美男美女で有名だ。
しかも皆優秀だと聞いている。
あれから6年後、孤児院で再開した、
こんな素晴らしい令嬢が殿下との婚約に苦しんでいた。
ハミエルが、婚約解消になって傷物としていい縁談に恵まれなければ娶ると言い出した。
いや、娶るならお前ではなく……いや、私は何を考えているんだ。20近くも歳下の娘に。
アルゴスが飛びついたせいで眼鏡を落としたリリアーヌ嬢をみて衝撃が走った。
そうだ、昔、茶会で見た瞳だ
神秘の泉の様に透き通った瞳が輝いていた。
髪もカツラだった。
艶やかで手触りの良さそうな髪は昔よりも美しく見えた。
先程のハミエルの言葉が頭から離れない。
私がリリアーヌ嬢娶る可能性がゼロではないのか…。
晩餐後に伯爵家へ送る馬車の中で、月夜に照らされるリリアーヌ嬢を見て、彼女に女を感じていた。私の心と体は、彼女を抱きたいと言っていた。
初夜に殿下とリリアーヌ嬢が睦み合う想像をしてしまった。
強い怒りが込み上げる。
私はリリアーヌ嬢に惹かれたことを認めた。
王宮で、宰相補佐の肩書きを使い、あれこれ調べていた。
そんな時、宰相に呼ばれた。
「デクスター。目的はなんだ」
「…」
「気が付かないとでも思ったか」
「ニコラ王子殿下の素行をご存知ですか。
学園でどう過ごされているとか」
「知っている」
「ベロア伯爵令嬢が不憫です」
「それだけか」
「私は孤児院の件で彼女に大きな借りがあります」
「まぁ、そうだな。
だが、他にも理由があるのだろう?
例えばベロア伯爵令嬢を慕っているとか」
「何故ご存知なのですか」
「表情だよ」
「…」
「はぁ。解雇されたり投獄されたりしては令嬢が悲しむだろう。程々にしておけ。
伯爵は独自で学園内と外での行動を、人を雇って見張らせている。
生徒4人、用務員1人、掃除夫1人。
後は外に2、3人」
「そんなにですか」
「血は薄くなってはいるが、令嬢の瞳はある国の王族の象徴だ。あの瞳を持つ者は継承権を有することになる。
そんな娘に脅して婚約者にした挙句、蔑ろにして浮気三昧などと知れたら最悪戦争だ」
「まさか…」
「王族に産まれても瞳が違えば継承順位は下がる。彼女の瞳は特別なんだ。
不幸だと知ったら取り戻しに来るだろうな」
「でも私は…」
「だから、その書類を最後にしておけ。
私が不審に思って確かめさせたことにしておく。
令嬢を娶りたいなら他にやることがあるだろう。距離を詰めて心を手に入れろ。
あの家は令嬢が好きになればそれが全てだ。身綺麗にしておけば許しがでる」
「こんなに歳の差があってもですか?」
「勃つなら大丈夫だ」
「…」
「もうすぐ殿下の誕生日パーティーだ。動きそうだぞ。令嬢の心を掴め」
「ありがとうございます」
そして宰相の言う通りに話が進んだ。
見事に殿下有責の婚約破棄となった。
そしてリリアーヌ嬢はパーティーの夜から姿を偽らなくなった。心配で心配で仕方なかった。
破棄以降、リリアーヌ嬢は断らなくなった。
誘いも贈り物も。
嬉しそうに微笑むリリアーヌ嬢を見ることができて幸せだった。
婚約もしてもらったが、自信がなかった。
社交界でも、私が若い令嬢を騙して婚約させたとか嫉みのような噂が流れていた。
やはりそう思うよな。
たが、ある日突然流れが変わった。
「デクスター公爵!聞きましたぞ!
ベロア伯爵令嬢が公爵に8年も片思いしていたそうじゃないか!あんな美しい令嬢をそんなに待たせるなんて」
「私も聞きました。美女からの一途な好意を得るだけじゃなくて、ちゃんと返さないと」
「そうですぞ、公爵。早く安心させてやりなさい」
「はい」
どうなっているんだ!?
リリアーヌ嬢に話すと肯定された。
本当に?あの時から?
「レオナード様、私はレオナード様のもの。貴方だけに身を捧げます。
ですから、他の女性を抱かないでくださいませ」
何て可愛いことを言い出すんだ!
「私だけがレオナード様の愛を全て受け止めます」
もう、抑えられない。
リリアーヌ嬢に泊まるように言うと以前と違って、泊まってくれると言った。
その夜、私は大事に大事にリリアーヌを抱いた。
しっかり解したつもりだったが、初めてのリリアーヌは痛みで辛そうだった。
申し訳ないと思いつつも嬉しくてしかたがなかった。私だけのリリアーヌだという証拠だからだ。
途中で止めようと言ったがリリアーヌは
「止めないでください。レオナード様で満たされたいのです。
…できれば慣れるまで優しくしてください」
「愛してるよ、リリアーヌ。早く気持ち良くなって欲しい。私だけがこんなに気持ちいいのは不公平だからな」
「良かった。私の体で気持ち良くなってくださって。安心しました」
「リリアーヌ、そういうわけで、もう保たない」
「はい」
とんでもない気持ち良さと、充実感だった。
義務の閨と、愛ある閨はこんなに違うものなのか。
まだ足りないが、これ以上は可哀想だ。
湯で濡らしたタオルでリリアーヌの身体を拭く。秘部から大量の白濁が流れ出た。
嬉しくて処理をせず、軽く拭くだけにした。
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