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その後

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レオが産まれて六年後、私に似た女の子が生まれた。ユリアと名付けた。

ちょうどユーグ国王陛下の子も5日前に生まれていて、息子の嫁にと釣書が届いた。

名前、生年月日、身長、体重、簡単な似顔絵。
もちろん断った。

“本人次第です”


ユリアが一歳になると王子を頻繁に遊びに来させた。

「刷り込み作戦だな」

ユリアを膝に乗せて愛でているのは弟のシルビオだ。



そう。私には弟がいる。
ピン恋では、卒業パーティーの断罪の場にいて、セイリアン殿下と一緒に私を罵る役だった。

父は任せろと言った1年後、弟は姿を消した。
“シルビオは留学させた。卒業パーティーも隣国にいるから大丈夫だ” とお父様は言った。

シュペルブに行かせていた。
帰ってきたのはレオが生まれてから。
卒業後、少し学校の手伝いをしていたらしい。

その後はお父様からを受けている。


時々、ラコルデール邸にやってきてはユリアを抱っこしたりして“癒される~” と顔を緩める。

シルビオの子は2人とも男児だった。

「自分の子は可愛いとは思うけど、ユリアほどは可愛くないよ。仕方ないだろう?自分に似た男なんてつまんないじゃないか。

ユリア。お兄様が守ってやるからな」

「“叔父様”でしょ」

「それにしても義兄上はモテモテだね。何をしたらあんなに色気たっぷりの男になるんだよ。生まれつきか?」

「さ、さあ」

「叔父上、また鼻の下伸ばしているんですか?
ユリアがお嫁に行く時、叔父上の涙が枯れそうですね」

「嫁になんか行かせないよ。どこかに行きたいならバシュレに引っ越しをさせればいい。叔父と姪が結婚できるように法改正するよう圧力を、」

「変態公爵。ユリアを返してください」

「レオ。姉上の口調そっくりだな」




ユリアと同い歳の王子ナイジェルは神童と呼ばれていた。孤高の狼のように誰も寄せ付けない。
だけどユリアは例外だった。

3歳の時は、

「ナイジェルは赤ちゃんの役ね」

「……」

「早く泣いて」

「おぎゃあ」

「ヘタクソ」

「……」


4歳の時は、

「ナイジェル、かくれんぼ」

「30、29、28、…」

2分後

「見つけた」

「つまんない」

「……」


5歳の時は、

「ナイジェル、おしっこ」

「“お花摘み”だろう」

「お花摘みながらおしっこするの?
変わってるね」

「……」


6歳の時は、

「ナイジェル、ピーマン好きだよね。あげる」

「……」


7歳の時は、

「チェックメイト」

「それはルール違反だ」

「ユリアがルールなの!」

「……」


8歳の時は、

「ナイジェル、あ~ん」

「自分で食べないのか?」

「手が汚れるから嫌だ」

「……」

「早く」


9歳の時は、

「もうダンスは嫌」

「……」

「ナイジェルがめちゃくちゃ上手くなって私をリードして操り人形のように楽させてくれたらいいのよ」

「もう少し練習を、」

「じゃあ踊らない」

「分かった」


10歳の時は、

「マリオンくんカッコいいよね」

「マリオン?」

「昨日のお茶会にいた子。…あれ?どこの子だっけ」

「……」

数日後、

「ユリア。マリオンくんは婚約したんだって」

「え~!? いないって言ってたのに」

「急遽ご縁があったみたいよ」

「カッコよかったのに」

「……」


11歳の時は、

「これ」

「……ユリアが書いた手紙じゃない」

「渡してくれって頼まれたの。可愛い子だよ」

ビリビリッ ビリビリッ

「ちょっと!」


12歳の時に、

「ナイジェル、お嫁さん探すんだって?
いい子が見つかるといいね。
私も釣書けっこう届いたよ」

「……」

その後、

「だ~れ~?
絵姿に落書きしたの!全部真っ黒じゃない!」

「……」


13歳の時に、

「何で私より背が高いの?」

「そういうものだ」

「なんか見下ろされて嫌だ きゃあ!ちょっと!」

「これならユリアの目線の方が上だ」

ナイジェルはユリアを膝の上に座らせた。


14歳の時は、

「ユリア。もっと襟の詰まったドレスにしろ」

「流行とか、いろいろあるの」

「……」

1ヶ月後

「お母様、何これ」

「ナイジェルからドレスの贈り物よ。茶会とかはこれを着て出るようにって。この数じゃ、新調はしなくていいわね」

「胸元が詰まってる」

「ふふっ 心配症ね」

「何が?」

「ユリアが成長したから心配なのよ」

「チッ あいつ、何処見てやがる」

「こら。誰に教わったの」

従兄にいに

「……」


15歳の時に、

「え?婚約者!?」

「そうだ」

「候補じゃなくて?」

「候補などいない」

「普通は何人か候補がいて競うんでしょ?」

「生まれたときからの定めだ」

「何それ。知らないよ」

「手を出せ」

「指輪?」

「父上!ユリアが代々伝わる婚約指輪を受け取りました!」

「おっ。婚約成立だな」

「ちょっと!ナイジェル!」

「ユリア、求婚を受けたのね」

「ついに落ちたか」

「お母様、お父様、これは、」

「さあ、私の婚約者ユリア。皆に挨拶に行こう」


16歳のデビュータントの時は、

「殿下、踊ってください」

「ユリアとしか踊らない」

「ユリア嬢、僕と踊ってください」

「は、」

「ユリアは私以外とは踊らない」

「……」


17歳の時は、

「何で膝の上なの」

「見下ろされるのが嫌なんだろう?」

「何で食べさせるの」

「手が汚れるの嫌だろう?」

「何で他の人と踊ったら駄目なの?」

「操り人形は私が操らなくちゃ。他の令息は下手だから足を踏まれて怪我するぞ」

「家族みたいなナイジェルと結婚なんて変」

「結婚は家族になることだ。同じだろう」


18歳の時は、

「本当に学園を卒業したら直ぐ結婚するの?」

「当然だ」

「し、初夜なんてムリ」

「怖いなら眠ってる間に終わらせておいてやる」

「……眠ってる間?」

「爆睡だ」

「痛くは?」

「爆睡しているから何も分からないまま全部終わってる」

「そっか」


初夜の翌朝、

「おはよう」

「お、おはよう。昨日はどうなったの?」

「薬で爆睡している間に全部終わった。
数日はもう少し弱めの薬で朦朧としてる間に終わらせる」

「まだするの!?」

「当然だ。具合が悪い時と医者から止められている時以外は毎晩のようにする」

「ええ~」

「気に入るように頑張る」

「赤ちゃんできちゃう」

「当面は出来ないようにするから安心して」


婚姻から二週間後、

「ムリ!裸になんてならない!パンツ脱がさないで!」

「裸どころか、細部まで何度もじっくり見ているよ」

「ちょっと! そんな大きなモノなんてムリ!」

「大丈夫だ。何度も挿れているんだから」

「恥ずかしい!」

「少ししたら恥ずかしいという気持ちなんて飛んでるよ」

「そんなところ舐めないで!」

「ユリアの体はコレが大好きなんだよ」


一時間後、

「もう恥ずかしくないだろう」

「……」

「最初は寝てるユリアとするのは犯してるみたいな気になったけど、意識のあるユリアが抵抗すると、無理矢理感があるな」

「変態王子」

「ご要望に応えてもう一度」

「ちょっとナイジェル!…あっ」







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