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刺客
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2日後。
「ルシアン様、あ~ん」
「あ~ むぐ」
「後1時間もすれば往診の時間ですからね」
「次はスープがいいな」
「はい、フーフー あ~ん」
「あ~ ゴクン」
そして1時間後。
「出血はほぼ止まりましたね。
ここからが大事ですよ。簡単に傷が開きますからね。
一度でくっついた方が筋肉の回復にもいいですからね」
「はい」
「とにかく清潔にして、安静にして、栄養を取って、良く寝てください。
ガーゼ、消毒液、化膿止め。飲み薬は痛み止め、解熱剤をお渡ししますが、同時に飲まないでくださいね」
「先生、お風呂はいつからですか」
「血が完全に止まり瘡蓋がちゃんとできていればシャワーを。触れないようにしてください。
入浴は念の為、抜糸後にしましょう」
「ありがとうございました」
先生をお見送りして、薬を飲ませると侯爵の執務室へ向かう。
ルシアン様が治療中、私がお仕事を手伝うことにした。
「お義父様」
「ルシアンはどうだ?」
「順調そうですがまだまだです」
「まあ、そうだな。
化膿はしてなかったか?」
「はい。少し腫れはありますが膿んではいません。
食欲もあります。今朝も完食でした」
「アナベルが食べさせてくれるならルシアンは残さないさ」
「もしかして、無理して食べているんじゃ」
「大丈夫だよ」
「お義父様、今日のルシアン様の昼食は私が作ってもいいですか」
「アナベルが?」
「凝ってはいませんけど」
「怪我をしないようにしてくれ」
「はい」
スープはあるのでサンドイッチを作ることにした。
先ずは鶏肉を細かくきって下味を付けて、玉ねぎスライスして水に漬けて、ゆで卵作って、マヨネーズ作った。
ジュッ
タレつきの鶏肉を焼いた。
料理人達は興味津々だ。
よし、冷ましている間にボウルに剥いたゆで卵を潰してマヨネーズ、塩胡椒、刻んだピクルスを入れて混ぜ、パンに挟む。
そしてもう一つは焼いた鶏肉とスライスしたオニオン。
最後はマヨネーズを塗り、スライストマトとチーズと千切ったバジルを挟んだ。
ささっと洗い物をして、
「お邪魔しました」
ルシアン様の部屋にメイドと一緒に運んだ。
部屋に入るとルシアン様は、待ってましたと言わんばかりに笑顔になる。
「昼食、作ってみました」
そう言いながら、首元からナプキンをつけてあげた。
「これならベッドの上でも食べやすいと思います。使うのは片手で十分です」
「アナベルが?私のために?」
「はい。お口に合わなかったり、多ければ無理せず残してくださいね」
「いただくよ」
「どうぞ」
「!! 美味い!」
「そう? 良かったです」
2日前の夜は二度目の閨事の日だった。
口付けをされて、ルシアン様がナイトドレスを脱がしかけたときにバルコニーからの侵入者に襲われた。
バルコニーの鍵を開錠し、寝室の扉をそっと開けてナイフで襲いかかってきた。
その時に犬が激しく吠えた。
外の警備が犬を連れて巡回していて、犬が見知らぬ匂いに反応した。
私を庇うようにルシアン様が私を隠したので、ナイフの刃はルシアン様の腕と背中を切り付けた。
直ぐにカリンとメアリーが入ってきて応戦。
刺客は重症。
その後、侯爵家の私兵が到着し、大騒ぎ。
ルシアンの命に別状はない。
だけど、完璧に以前のように動かせるのかどうかは治してみないと分からないと言われた。
薬がどの程度効くのかわからないけど、破傷風とかにならなきゃいいな。
だけどルシアン様は発熱し、私はずっと看病している。
幸いにも食欲はあるみたいで、元気に見える。
私のためにそうしているのかもしれない。
ルシアン様の提案で、起きっぱなしだと逆に私が看病疲れで倒れてしまうから、夜は一緒にベッドで添い寝することになった。
翌日にはお父様が激怒しながら、数人兵士を連れてきて、重症の刺客を連れて帰った。
ラコルデール侯爵家の皆様に言えないような尋問をすると言っていた。
どう考えても狙いは私だった。目がずっと合っていたから。
だとしたら王族が雇い主だろう。
ルシアンはサンドイッチと、スープ全部食べてくれた。
「幸せだ」
「襲われたのに?」
「アナベルが無傷で、心配してくれて、側に居てくれて、添い寝してくれて、世話をしてくれて、こうやって美味しい食事を作ってくれて。すごく嬉しい」
「早く元気になってくださいね」
「治ってしまったら側にいてくれないのだろう?」
「そういうわけじゃ…同じ屋敷内に居るじゃないですか」
「……」
そんな悲しい顔をされると困る。
瘡蓋がはった頃、シャワーだけ浴びることになったが、自分では洗えないので私が手伝うことにしたのだけど。
「ごめんね」
「……仕方ないんですよね?」
「そうだね。仕方ない現象だな」
服を脱がせた辺りで、陰茎が少しずつ伸びていて、頭部を洗い、顔、腕、胸や腹、背中、お尻、脚と洗い、最後に陰茎を洗う頃にはしっかり勃ち上がり、誘うようにビクビクと動いていたのだ。
「では洗いますね」
デリケートな部位なので、手に石鹸をつけて優しく洗い始めると、ルシアン様は気持ち良さそうな顔をしながら私を見つめていた。
さて、洗い終わったがどうしよう。
男の人はこのままでは辛いと聞いた。
今度は処理として掴み上下に動かした。
「アナベルっ、出るっ!」
さらに少し膨らむと放出を始めたので、出し切るまで動かし続けた。
「え? 何で?」
勃ち上がったままだった。
「ごめん」
もう一度、搾った。
「ルシアン様、あ~ん」
「あ~ むぐ」
「後1時間もすれば往診の時間ですからね」
「次はスープがいいな」
「はい、フーフー あ~ん」
「あ~ ゴクン」
そして1時間後。
「出血はほぼ止まりましたね。
ここからが大事ですよ。簡単に傷が開きますからね。
一度でくっついた方が筋肉の回復にもいいですからね」
「はい」
「とにかく清潔にして、安静にして、栄養を取って、良く寝てください。
ガーゼ、消毒液、化膿止め。飲み薬は痛み止め、解熱剤をお渡ししますが、同時に飲まないでくださいね」
「先生、お風呂はいつからですか」
「血が完全に止まり瘡蓋がちゃんとできていればシャワーを。触れないようにしてください。
入浴は念の為、抜糸後にしましょう」
「ありがとうございました」
先生をお見送りして、薬を飲ませると侯爵の執務室へ向かう。
ルシアン様が治療中、私がお仕事を手伝うことにした。
「お義父様」
「ルシアンはどうだ?」
「順調そうですがまだまだです」
「まあ、そうだな。
化膿はしてなかったか?」
「はい。少し腫れはありますが膿んではいません。
食欲もあります。今朝も完食でした」
「アナベルが食べさせてくれるならルシアンは残さないさ」
「もしかして、無理して食べているんじゃ」
「大丈夫だよ」
「お義父様、今日のルシアン様の昼食は私が作ってもいいですか」
「アナベルが?」
「凝ってはいませんけど」
「怪我をしないようにしてくれ」
「はい」
スープはあるのでサンドイッチを作ることにした。
先ずは鶏肉を細かくきって下味を付けて、玉ねぎスライスして水に漬けて、ゆで卵作って、マヨネーズ作った。
ジュッ
タレつきの鶏肉を焼いた。
料理人達は興味津々だ。
よし、冷ましている間にボウルに剥いたゆで卵を潰してマヨネーズ、塩胡椒、刻んだピクルスを入れて混ぜ、パンに挟む。
そしてもう一つは焼いた鶏肉とスライスしたオニオン。
最後はマヨネーズを塗り、スライストマトとチーズと千切ったバジルを挟んだ。
ささっと洗い物をして、
「お邪魔しました」
ルシアン様の部屋にメイドと一緒に運んだ。
部屋に入るとルシアン様は、待ってましたと言わんばかりに笑顔になる。
「昼食、作ってみました」
そう言いながら、首元からナプキンをつけてあげた。
「これならベッドの上でも食べやすいと思います。使うのは片手で十分です」
「アナベルが?私のために?」
「はい。お口に合わなかったり、多ければ無理せず残してくださいね」
「いただくよ」
「どうぞ」
「!! 美味い!」
「そう? 良かったです」
2日前の夜は二度目の閨事の日だった。
口付けをされて、ルシアン様がナイトドレスを脱がしかけたときにバルコニーからの侵入者に襲われた。
バルコニーの鍵を開錠し、寝室の扉をそっと開けてナイフで襲いかかってきた。
その時に犬が激しく吠えた。
外の警備が犬を連れて巡回していて、犬が見知らぬ匂いに反応した。
私を庇うようにルシアン様が私を隠したので、ナイフの刃はルシアン様の腕と背中を切り付けた。
直ぐにカリンとメアリーが入ってきて応戦。
刺客は重症。
その後、侯爵家の私兵が到着し、大騒ぎ。
ルシアンの命に別状はない。
だけど、完璧に以前のように動かせるのかどうかは治してみないと分からないと言われた。
薬がどの程度効くのかわからないけど、破傷風とかにならなきゃいいな。
だけどルシアン様は発熱し、私はずっと看病している。
幸いにも食欲はあるみたいで、元気に見える。
私のためにそうしているのかもしれない。
ルシアン様の提案で、起きっぱなしだと逆に私が看病疲れで倒れてしまうから、夜は一緒にベッドで添い寝することになった。
翌日にはお父様が激怒しながら、数人兵士を連れてきて、重症の刺客を連れて帰った。
ラコルデール侯爵家の皆様に言えないような尋問をすると言っていた。
どう考えても狙いは私だった。目がずっと合っていたから。
だとしたら王族が雇い主だろう。
ルシアンはサンドイッチと、スープ全部食べてくれた。
「幸せだ」
「襲われたのに?」
「アナベルが無傷で、心配してくれて、側に居てくれて、添い寝してくれて、世話をしてくれて、こうやって美味しい食事を作ってくれて。すごく嬉しい」
「早く元気になってくださいね」
「治ってしまったら側にいてくれないのだろう?」
「そういうわけじゃ…同じ屋敷内に居るじゃないですか」
「……」
そんな悲しい顔をされると困る。
瘡蓋がはった頃、シャワーだけ浴びることになったが、自分では洗えないので私が手伝うことにしたのだけど。
「ごめんね」
「……仕方ないんですよね?」
「そうだね。仕方ない現象だな」
服を脱がせた辺りで、陰茎が少しずつ伸びていて、頭部を洗い、顔、腕、胸や腹、背中、お尻、脚と洗い、最後に陰茎を洗う頃にはしっかり勃ち上がり、誘うようにビクビクと動いていたのだ。
「では洗いますね」
デリケートな部位なので、手に石鹸をつけて優しく洗い始めると、ルシアン様は気持ち良さそうな顔をしながら私を見つめていた。
さて、洗い終わったがどうしよう。
男の人はこのままでは辛いと聞いた。
今度は処理として掴み上下に動かした。
「アナベルっ、出るっ!」
さらに少し膨らむと放出を始めたので、出し切るまで動かし続けた。
「え? 何で?」
勃ち上がったままだった。
「ごめん」
もう一度、搾った。
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