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ルシアンの心の変化
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【 ルシアンの視点 】
情け無い。結局挿れただけで吐精したことになる。
アナベルは刺激があるのは感じてはいるが、何が起きているのかは分かっていないように見えた。
挿入も、膣内に精液を受け止めるのも初めてなのだから、分からないのだろう。
私は狡いことをした。
一度に一回の約束なのにそのまま二回目を始めた。
精液の滑りが抽送の手助けをしてくれた。
キスをしたり、身体中舐めたり触れたりしながら膣内を擦る。
もうほとんど痛くないようだ。
あまり体位は変えずに、少しだけ角度を変えたり、アナベルの脚を閉じて抱えたり、大きく開かせたりしながら抽送し掻き回す。
この時間が終わって欲しくなくて頑張って射精感を耐えた。
一回目の射精から1時間後。
ぐったりしたアナベルの耳元で囁いた。
「注いでいい?」
アナベルは真っ赤になって目を逸らし、小さな声で返事をした。
「は…い…」
「アナベル…」
「はい」
「アナベルっ」
「あっ!」
「アナベル!!」
「ああっ!!」
全てを出し切った後もしばらくアナベルを抱きしめていた。
陰茎が収縮しきり、ゆっくり膣内から抜き去った。
「んっ」
「それはもう一度というお強請りだろうか」
「ち、違います!」
「動くなよ」
濡れたタオルを手に取り、優しく秘部を拭った。
「んんっ」
「やっぱり誘ってるだろう」
「違います!」
「本当に可愛いな」
「っ!」
精液と愛液で薄くはなったが、しっかりとシーツとタオルに血が付いた。
ガウンを着て、アナベルを毛布で包み抱き上げた。
「ルシアン様!?」
「隣の部屋で寝るんだろう?
体が辛いだろうから運ぶだけだ」
ドアまで行くと、
「カリン、開けてくれ」
ドアが開くとカリンは驚いてアナベルに何処か痛いのか聞いた。
「カリン、大丈夫よ」
「あのベッドでは寝られない。
ゆっくり眠れるように隣の部屋に運ぶだけだ。
向こうのドアも開けてくれ」
カリンは心配そうにしながら従った。
アナベルの私室に入り、ベッドに降ろして毛布をかけた。
「明日は好きなだけゆっくり寝ていろ。
食事もベッドで取れるようなものを作らせる。
具合が悪くなったり、どこか少しでも痛むなら医者を呼ぶから遠慮なく言うんだぞ」
「はい」
「おやすみ」
チュッ
頭にキスを落として退室した。
自室に戻り、シャワーを浴びて酒を一杯飲んでベッドに入った。
「アナベル…」
美しくて、可愛くて、守ってやりたいと思ったし、とても気持ちが良かった。
夜会で知り合った女を何度か抱いたし、ビジューも一度抱いた。
今思えば、何故ビジューなど取り合っていたのだろう。取り柄は顔と愛嬌だけだった。他は加点というよりはマイナスだ。
脱がせてみれば、胸の膨らみは偽物だったし、アソコはかなり緩かった。
夜会の女達も慣れていた。
あんなに狭い穴を抉じ開ければ痛いに決まっている。
あの泣き顔にも、恥ずかしがる顔にも欲情したし、全てが初めてのアナベルに体で教え込むのは征服感があった。
もっと抱きたい。繋がっていたい。
いつかは私の子を産んで欲しいが今ではない。
このまま孕めば間違いなく、産んだ途端に出ていくだろう。
好きになってもらえる時間を確保するには孕ませては駄目だ。
明日の食事に避妊薬を混ぜさせないと。
メイドを呼んで、明日の朝食と昼食はベッドでも食べやすいものにして、スープに避妊薬を入れるように指示した。
「ですが、それではアナベル様を騙すことになります」
驚いた。今日の僅かな時間で、うちのメイドがアナベルに誠実でいようとしている。
「分かっている。いずれ私から謝罪をするが、アナベルに正式な妻になって欲しい。
だから、時間が欲しいんだ。
今孕んだら1年も経たずに去ってしまう。私は3年チャンスが欲しい。
大事にゆっくり愛したい」
「かしこまりました。その方向でお支えいたします」
「ありがとう」
早く、アナベルを抱きしめながら就寝できるようになりたいと願いながら眠りについた。
翌朝、とても体が軽かった。スッキリしている。
だけどアナベルには無理をさせた。
離れに向かうとメアリーがいた。
「メアリー」
「はい、何でしょう」
「アナベルの体調はどうかと思って。
辛いとか痛いとか言っていないか?」
「まだお休みになられております」
「そうか。リズムを崩すといけないから、昼食には起こして食べさせてくれ。
これ、念のために。
その…初めてだと、少し裂ける女性もいるらしいので、塗り薬だ。違和感があれば使ってくれ」
「感謝いたします」
「嫌いなものがあれば厨房に言うといい。嫌いなもの、苦手なものを無理に食べる必要はない。
君達も交代でちゃんと休むように。
2人体制だと大変だろう。メイド達に手伝うよう言っておくから遠慮しないように。
今のアナベルにはメアリーとカリンが心の支えだ。
頼んだぞ」
「かしこまりました」
食堂に行き、食事をして仕事の引き継ぎを始めると執事が手紙を持ってきた。
「……ルシアン。先触れだ。
殿下が午後に訪れて話がしたいそうだ」
「分かりました」
情け無い。結局挿れただけで吐精したことになる。
アナベルは刺激があるのは感じてはいるが、何が起きているのかは分かっていないように見えた。
挿入も、膣内に精液を受け止めるのも初めてなのだから、分からないのだろう。
私は狡いことをした。
一度に一回の約束なのにそのまま二回目を始めた。
精液の滑りが抽送の手助けをしてくれた。
キスをしたり、身体中舐めたり触れたりしながら膣内を擦る。
もうほとんど痛くないようだ。
あまり体位は変えずに、少しだけ角度を変えたり、アナベルの脚を閉じて抱えたり、大きく開かせたりしながら抽送し掻き回す。
この時間が終わって欲しくなくて頑張って射精感を耐えた。
一回目の射精から1時間後。
ぐったりしたアナベルの耳元で囁いた。
「注いでいい?」
アナベルは真っ赤になって目を逸らし、小さな声で返事をした。
「は…い…」
「アナベル…」
「はい」
「アナベルっ」
「あっ!」
「アナベル!!」
「ああっ!!」
全てを出し切った後もしばらくアナベルを抱きしめていた。
陰茎が収縮しきり、ゆっくり膣内から抜き去った。
「んっ」
「それはもう一度というお強請りだろうか」
「ち、違います!」
「動くなよ」
濡れたタオルを手に取り、優しく秘部を拭った。
「んんっ」
「やっぱり誘ってるだろう」
「違います!」
「本当に可愛いな」
「っ!」
精液と愛液で薄くはなったが、しっかりとシーツとタオルに血が付いた。
ガウンを着て、アナベルを毛布で包み抱き上げた。
「ルシアン様!?」
「隣の部屋で寝るんだろう?
体が辛いだろうから運ぶだけだ」
ドアまで行くと、
「カリン、開けてくれ」
ドアが開くとカリンは驚いてアナベルに何処か痛いのか聞いた。
「カリン、大丈夫よ」
「あのベッドでは寝られない。
ゆっくり眠れるように隣の部屋に運ぶだけだ。
向こうのドアも開けてくれ」
カリンは心配そうにしながら従った。
アナベルの私室に入り、ベッドに降ろして毛布をかけた。
「明日は好きなだけゆっくり寝ていろ。
食事もベッドで取れるようなものを作らせる。
具合が悪くなったり、どこか少しでも痛むなら医者を呼ぶから遠慮なく言うんだぞ」
「はい」
「おやすみ」
チュッ
頭にキスを落として退室した。
自室に戻り、シャワーを浴びて酒を一杯飲んでベッドに入った。
「アナベル…」
美しくて、可愛くて、守ってやりたいと思ったし、とても気持ちが良かった。
夜会で知り合った女を何度か抱いたし、ビジューも一度抱いた。
今思えば、何故ビジューなど取り合っていたのだろう。取り柄は顔と愛嬌だけだった。他は加点というよりはマイナスだ。
脱がせてみれば、胸の膨らみは偽物だったし、アソコはかなり緩かった。
夜会の女達も慣れていた。
あんなに狭い穴を抉じ開ければ痛いに決まっている。
あの泣き顔にも、恥ずかしがる顔にも欲情したし、全てが初めてのアナベルに体で教え込むのは征服感があった。
もっと抱きたい。繋がっていたい。
いつかは私の子を産んで欲しいが今ではない。
このまま孕めば間違いなく、産んだ途端に出ていくだろう。
好きになってもらえる時間を確保するには孕ませては駄目だ。
明日の食事に避妊薬を混ぜさせないと。
メイドを呼んで、明日の朝食と昼食はベッドでも食べやすいものにして、スープに避妊薬を入れるように指示した。
「ですが、それではアナベル様を騙すことになります」
驚いた。今日の僅かな時間で、うちのメイドがアナベルに誠実でいようとしている。
「分かっている。いずれ私から謝罪をするが、アナベルに正式な妻になって欲しい。
だから、時間が欲しいんだ。
今孕んだら1年も経たずに去ってしまう。私は3年チャンスが欲しい。
大事にゆっくり愛したい」
「かしこまりました。その方向でお支えいたします」
「ありがとう」
早く、アナベルを抱きしめながら就寝できるようになりたいと願いながら眠りについた。
翌朝、とても体が軽かった。スッキリしている。
だけどアナベルには無理をさせた。
離れに向かうとメアリーがいた。
「メアリー」
「はい、何でしょう」
「アナベルの体調はどうかと思って。
辛いとか痛いとか言っていないか?」
「まだお休みになられております」
「そうか。リズムを崩すといけないから、昼食には起こして食べさせてくれ。
これ、念のために。
その…初めてだと、少し裂ける女性もいるらしいので、塗り薬だ。違和感があれば使ってくれ」
「感謝いたします」
「嫌いなものがあれば厨房に言うといい。嫌いなもの、苦手なものを無理に食べる必要はない。
君達も交代でちゃんと休むように。
2人体制だと大変だろう。メイド達に手伝うよう言っておくから遠慮しないように。
今のアナベルにはメアリーとカリンが心の支えだ。
頼んだぞ」
「かしこまりました」
食堂に行き、食事をして仕事の引き継ぎを始めると執事が手紙を持ってきた。
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