38 / 73
認めた騎士
しおりを挟む
【 ケインの視点 】
昨夜、仕事から戻るとサラの姿が無かった。兄上やペーズリーも。
「お祖父様、3人の姿が見えませんが」
「友人の屋敷で開かれる夜会に出かけた」
「夜会?」
「シメオンは嫁を探さねばならないのと、エロイズがいなくなって社交に行けるようになったからな。
ペーズリーやサラに出会いがあるよう連れて行ったよ」
は?出会い!?
「サラは預かっている大事な令嬢ですよ?変な虫を付けてどうするのです」
「シメオンが変な虫を許すわけがない。友人達に紹介して回るそうだ。
それにサラは婚姻を考えねばならない」
「確かにそうですが別に急がなくても。ペーズリーとうちで過ごしていれば、」
「ケイン。もう遅いくらいだ。どんどん良い相手は他の令嬢と縁を結んでいく。
末孫娘の様な気持ちにはなるがサラは1人の女性だ。子が産みたいと思うかもしれない。
誰でも良いわけではないし、妊娠出産には年齢的に遅くてはリスクが高まる」
サラが子を産みたがるかもと?誰の子を?
「ケイン。そうでなくてもサラはデビューを終えた女性なのだから夜会を楽しむ権利がある。
知人や友人を作ったり恋をしたりする権利もある」
恋?
「勿論、嫁ぎたくないと言えばずっとサットン家にいればいい。儂もここにいて欲しいと思っている。だが、サラの幸せが何なのかは本人が見つけないとな」
そしてなかなかサラ達は戻らない。
何かあったのではないか、いっそ迎えに行こうかと思いながら待った。
日付けが変わる頃にやっと帰ってきたと思ったら、サラは2人に支えられソファに座らされた。
は?
あの酒の強いジェームズ殿がギブアップするほど飲んだ!?
部屋に運んでベッドに降ろすと完全に眠ってしまった。
メイドに着替えさせてから具合が悪くならないかと様子を見た。顔に触れても全く動かない。
「サラ」
何度呼んでも起きない。
唇に触れても起きない。
指を口の中に入れ、舌に触れても起きない。
これでは休憩室や人の来ない場所に連れ込まれて何をされても気付かないのでは?
これ以上、私のサラを他の男に許すわけにはいかない。
「私のサラ?」
口から指を抜き、唇を合わせた。そして舌を差し入れた。
ああ…もう後戻りしたくないほどサラに惹かれてしまったのか。
口付けを止めてベッドに座るとサラが手を握ってきた。
「誰と勘違いをしてるんだ?」
そのままサラが起きるまで付き添った。
翌朝、何も覚えていないサラを叱った後 部屋に戻り出勤の支度をして居間へ行くと兄上達がいた。
「兄上。二度とサラにあんなに飲ませないでくれ。
サラは一度にグラス一杯も飲んだことがない。なのにジェームズ殿に付き合わせるなと無謀だろう」
「飲めるものだとばかり…」
「彼の酒の量なら普通は死んでる。
サラが何とも無いのは奇跡だと思ってくれ」
「悪かった」
「……お祖父様、行って参ります」
込み上げる怒りをできるだけ押し殺したつもりだが、ペーズリーの表情からすると隠しきれなかったようだ。
「おはよう、ケイン」
「おはよう、ウィリアム」
「何だ、女とケンカでもしたか」
そう言いながらニヤニヤするウィリアムに呆れながらも、
「ケンカではない。叱っただけだ」
「……そうか。あまり叱ると泣くかもしれないから程々にな。早めに許してやれよ」
「なあ、王族専属っていつまでやれるんだ?」
「さあな。でもうちの王族は理不尽にクビにはしないだろう」
「王子と被った場合は」
「ケイン?」
「王子の好きな女を好きになったらどうなる」
「……まずいな」
「そうだよな」
「ガードナー侯爵令嬢か。
でも殿下は振られてるし、その後も殿下は彼女を諦めきれない様だけど彼女には全くその気が無い。
しかも今はセンティア王族との関係が公になったから無理強いも王命も使えない。
この間の剣闘会も優勝を逃したし、政略結婚さえさせてしまえばいいとは思うがな。
今の彼女を側妃にはできないだろうし」
「婚約者が脱落しなければな」
「寧ろ破談になって殿下は喜んでいたからな。
そういえば、剣闘会の決勝でお前は殿下の部屋の警備になって 私が殿下の護衛になったが、勝負前は非常にピリピリしていて 負けたら凄い顔でガードナー侯爵を見ていたよ。
侯爵が令嬢の前に跪いたときは剣を地面に突き刺したからな。
だけどお前の妹が受け取ったら唖然としていたよ。
その後は機嫌が良くなったんだよな。
しかも悔しかったはずなのに讃えて“幸せに”と声を掛けていた」
「ライバルだと思っていた男が別の女に求婚したと思って安心したのだろう。
だけどアレはペーズリーが勝手に剣を受け取って承諾した、求婚の既成事実だな」
「つまり侯爵は血の繋がらない姉に求婚したのにケインの妹が返事を奪ったのか。
で殿下と侯爵の思い人をお前が奪おうとしてるわけだな?」
「……まあ、そういうことになる」
「しかしまた、何で認める気になったんだ?」
「私は爵位を継がない騎士だからセンティア国王の姪を娶るなんてとんでもないと思ってきたが、もう自分の気持ちを誤魔化せない。他の男が触れるのが嫌なんだ」
「そうか。
ケイン。令嬢の気持ちを掴むのも当然だが、センティアの父親とも会って許しを得ないと。
騎士だけど身内を味方に付ければ騎士でも令嬢を不自由なく養える」
「それが嫌だった。父や兄の世話になりながら妻を養ってもらうことが嫌だった」
「そんなのどこの次男坊もやってるだろう。当主の補佐も立派な仕事だ。令嬢が嫌がらないならそれでいいだろう。
そんなプライドを取って愛する女を諦めるか?
なら今から身分の低い女を探してやるぞ。
行き遅れ、もしくは兄弟姉妹の多い下位貴族の令嬢でも探すか?
誰がサラ・ガードナー侯爵令嬢を射止めるのかな。
もしかしたら何処かの貴族の次男坊で騎士をやっている男かもな。お前と条件の全く同じ男だ。
その時、後悔しないといいな」
「先輩、交代の申し送りが始まりますよ」
「今行く」
後輩騎士が来てウィリアムが去った。
先ずはサラの心を掴まないと。
昨夜、仕事から戻るとサラの姿が無かった。兄上やペーズリーも。
「お祖父様、3人の姿が見えませんが」
「友人の屋敷で開かれる夜会に出かけた」
「夜会?」
「シメオンは嫁を探さねばならないのと、エロイズがいなくなって社交に行けるようになったからな。
ペーズリーやサラに出会いがあるよう連れて行ったよ」
は?出会い!?
「サラは預かっている大事な令嬢ですよ?変な虫を付けてどうするのです」
「シメオンが変な虫を許すわけがない。友人達に紹介して回るそうだ。
それにサラは婚姻を考えねばならない」
「確かにそうですが別に急がなくても。ペーズリーとうちで過ごしていれば、」
「ケイン。もう遅いくらいだ。どんどん良い相手は他の令嬢と縁を結んでいく。
末孫娘の様な気持ちにはなるがサラは1人の女性だ。子が産みたいと思うかもしれない。
誰でも良いわけではないし、妊娠出産には年齢的に遅くてはリスクが高まる」
サラが子を産みたがるかもと?誰の子を?
「ケイン。そうでなくてもサラはデビューを終えた女性なのだから夜会を楽しむ権利がある。
知人や友人を作ったり恋をしたりする権利もある」
恋?
「勿論、嫁ぎたくないと言えばずっとサットン家にいればいい。儂もここにいて欲しいと思っている。だが、サラの幸せが何なのかは本人が見つけないとな」
そしてなかなかサラ達は戻らない。
何かあったのではないか、いっそ迎えに行こうかと思いながら待った。
日付けが変わる頃にやっと帰ってきたと思ったら、サラは2人に支えられソファに座らされた。
は?
あの酒の強いジェームズ殿がギブアップするほど飲んだ!?
部屋に運んでベッドに降ろすと完全に眠ってしまった。
メイドに着替えさせてから具合が悪くならないかと様子を見た。顔に触れても全く動かない。
「サラ」
何度呼んでも起きない。
唇に触れても起きない。
指を口の中に入れ、舌に触れても起きない。
これでは休憩室や人の来ない場所に連れ込まれて何をされても気付かないのでは?
これ以上、私のサラを他の男に許すわけにはいかない。
「私のサラ?」
口から指を抜き、唇を合わせた。そして舌を差し入れた。
ああ…もう後戻りしたくないほどサラに惹かれてしまったのか。
口付けを止めてベッドに座るとサラが手を握ってきた。
「誰と勘違いをしてるんだ?」
そのままサラが起きるまで付き添った。
翌朝、何も覚えていないサラを叱った後 部屋に戻り出勤の支度をして居間へ行くと兄上達がいた。
「兄上。二度とサラにあんなに飲ませないでくれ。
サラは一度にグラス一杯も飲んだことがない。なのにジェームズ殿に付き合わせるなと無謀だろう」
「飲めるものだとばかり…」
「彼の酒の量なら普通は死んでる。
サラが何とも無いのは奇跡だと思ってくれ」
「悪かった」
「……お祖父様、行って参ります」
込み上げる怒りをできるだけ押し殺したつもりだが、ペーズリーの表情からすると隠しきれなかったようだ。
「おはよう、ケイン」
「おはよう、ウィリアム」
「何だ、女とケンカでもしたか」
そう言いながらニヤニヤするウィリアムに呆れながらも、
「ケンカではない。叱っただけだ」
「……そうか。あまり叱ると泣くかもしれないから程々にな。早めに許してやれよ」
「なあ、王族専属っていつまでやれるんだ?」
「さあな。でもうちの王族は理不尽にクビにはしないだろう」
「王子と被った場合は」
「ケイン?」
「王子の好きな女を好きになったらどうなる」
「……まずいな」
「そうだよな」
「ガードナー侯爵令嬢か。
でも殿下は振られてるし、その後も殿下は彼女を諦めきれない様だけど彼女には全くその気が無い。
しかも今はセンティア王族との関係が公になったから無理強いも王命も使えない。
この間の剣闘会も優勝を逃したし、政略結婚さえさせてしまえばいいとは思うがな。
今の彼女を側妃にはできないだろうし」
「婚約者が脱落しなければな」
「寧ろ破談になって殿下は喜んでいたからな。
そういえば、剣闘会の決勝でお前は殿下の部屋の警備になって 私が殿下の護衛になったが、勝負前は非常にピリピリしていて 負けたら凄い顔でガードナー侯爵を見ていたよ。
侯爵が令嬢の前に跪いたときは剣を地面に突き刺したからな。
だけどお前の妹が受け取ったら唖然としていたよ。
その後は機嫌が良くなったんだよな。
しかも悔しかったはずなのに讃えて“幸せに”と声を掛けていた」
「ライバルだと思っていた男が別の女に求婚したと思って安心したのだろう。
だけどアレはペーズリーが勝手に剣を受け取って承諾した、求婚の既成事実だな」
「つまり侯爵は血の繋がらない姉に求婚したのにケインの妹が返事を奪ったのか。
で殿下と侯爵の思い人をお前が奪おうとしてるわけだな?」
「……まあ、そういうことになる」
「しかしまた、何で認める気になったんだ?」
「私は爵位を継がない騎士だからセンティア国王の姪を娶るなんてとんでもないと思ってきたが、もう自分の気持ちを誤魔化せない。他の男が触れるのが嫌なんだ」
「そうか。
ケイン。令嬢の気持ちを掴むのも当然だが、センティアの父親とも会って許しを得ないと。
騎士だけど身内を味方に付ければ騎士でも令嬢を不自由なく養える」
「それが嫌だった。父や兄の世話になりながら妻を養ってもらうことが嫌だった」
「そんなのどこの次男坊もやってるだろう。当主の補佐も立派な仕事だ。令嬢が嫌がらないならそれでいいだろう。
そんなプライドを取って愛する女を諦めるか?
なら今から身分の低い女を探してやるぞ。
行き遅れ、もしくは兄弟姉妹の多い下位貴族の令嬢でも探すか?
誰がサラ・ガードナー侯爵令嬢を射止めるのかな。
もしかしたら何処かの貴族の次男坊で騎士をやっている男かもな。お前と条件の全く同じ男だ。
その時、後悔しないといいな」
「先輩、交代の申し送りが始まりますよ」
「今行く」
後輩騎士が来てウィリアムが去った。
先ずはサラの心を掴まないと。
761
お気に入りに追加
1,634
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
愛する貴方の愛する彼女の愛する人から愛されています
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「ユスティーナ様、ごめんなさい。今日はレナードとお茶をしたい気分だからお借りしますね」
先に彼とお茶の約束していたのは私なのに……。
「ジュディットがどうしても二人きりが良いと聞かなくてな」「すまない」貴方はそう言って、婚約者の私ではなく、何時も彼女を優先させる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
公爵令嬢のユスティーナには愛する婚約者の第二王子であるレナードがいる。
だがレナードには、恋慕する女性がいた。その女性は侯爵令嬢のジュディット。絶世の美女と呼ばれている彼女は、彼の兄である王太子のヴォルフラムの婚約者だった。
そんなジュディットは、事ある事にレナードの元を訪れてはユスティーナとレナードとの仲を邪魔してくる。だがレナードは彼女を諌めるどころか、彼女を庇い彼女を何時も優先させる。例えユスティーナがレナードと先に約束をしていたとしても、ジュディットが一言言えば彼は彼女の言いなりだ。だがそんなジュディットは、実は自分の婚約者のヴォルフラムにぞっこんだった。だがしかし、ヴォルフラムはジュディットに全く関心がないようで、相手にされていない。どうやらヴォルフラムにも別に想う女性がいるようで……。
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
(完結)「君を愛することはない」と言われて……
青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら?
この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。
主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。
以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。
※カクヨム。なろうにも時差投稿します。
※作者独自の世界です。
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
わたしの婚約者の好きな人
風見ゆうみ
恋愛
わたし、アザレア・ミノン伯爵令嬢には、2つ年上のビトイ・ノーマン伯爵令息という婚約者がいる。
彼は、昔からわたしのお姉様が好きだった。
お姉様が既婚者になった今でも…。
そんなある日、仕事の出張先で義兄が事故にあい、その地で入院する為、邸にしばらく帰れなくなってしまった。
その間、実家に帰ってきたお姉様を目当てに、ビトイはやって来た。
拒んでいるふりをしながらも、まんざらでもない、お姉様。
そして、わたしは見たくもないものを見てしまう――
※史実とは関係なく、設定もゆるく、ご都合主義です。ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる