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【 アナベルの視点 】
庭園でティータイムと聞いて足を運んだ。
テーブルを見ると昨日のタルトが中央に置いてあった。
何でまとめて置いちゃうの!
お皿が来たら取り分けないと!
私と令嬢の間に席が一つ空いていた。
「招待ありがとうございます子爵」
その声に振り向くと背後に初恋の人が立っていた。
フェリシアン・バロウ。
昔と殆ど変わらない。更に逞しくなり男の色気が増していた。まだ独身で婚約者のいない彼がどうしてここへ!?
挨拶を済ませて私の隣に座ると、彼は丁度給仕係が持ってきた皿を“こっちへ” と言って受け取ってしまった。
そしてタルトを取り分け始めた。
私「お客様にそんなっ」
私が取り分ける予定だったのに!止めなくては!!
伯「レディに取り分けくらいするさ」
黄色い星型のタルトを令嬢の前に置いた。
まずい!
私「バロウ伯爵。赤色は女性用で3つしかございません」
赤い星型のタルトを私に渡しながら彼は答えた。
伯「シェイナはベリー系のタルトが苦手なんだ。
そうだろう、愛しのシェイナ」
シ「フェリシアン、全然愛しくないから」
伯「食べさせてやるから」
令嬢は伯爵の指を噛もうとした。
伯「凶暴だな」
フェリシアン様が笑ってる!?
何で!?何で彼はこの女に“フェリシアン”と名前呼びさせているの!?
愛しいって!?
私「バロウ伯爵と公女はどのような関係ですか?」
シ「天敵です」
伯「王宮主催のパーティで知り合って、それから親密な仲です。腹を殴られるくらい。
シェイナに求婚中ですよ」
求婚!?
何で…何でよ! 王太子殿下もバロウ伯爵もだなんて!
ク「食べないのか?テステュータル嬢」
私「え?」
見てみると、手を付けていないのは私だけだった。
毒の配分の多い赤い星型のタルト…もう解毒剤は無い。
食べてすぐ辺境伯領の薬処に行けばギリギリ間に合うけど、今からでは店は閉まってる!
私「ちょっと胃が」
デ「いいから食べろ」
デュケット卿が私の後ろ髪を引っ張り顔を上に向けさせると小さな赤い星型のタルトを口の中に押し込んだ。
半分以上口の中に入っている。
吐き出そうにも恐ろしい力で口を塞がれていた。
暴れる脚がテーブルにぶつかりテーブルの上の食器がガチャンガチャンと激しく音を立てる。
母「お止めください!!」
兄「卿!何をするんです!」
ク「誰も動くな」
お母様とお兄様が抗議してくれるけどお父様の声がしない。何で!?
何分経ったのかとても長く感じた。
手が離れると慌てて吐き戻した。
ゲホッ!ゲホッ!ゲェッ!
だけど毒は液体だから溶け出して吸収されたかも。
私「お父様!解毒剤をください!」
父「な、何を言っているんだ!」
私「毒を作ってるんだから解毒剤もあるでしょう!
タルトには毒が、」
父兄「「アナベル!!」」
母「どういうこと?」
義姉「毒を作ってる?」
ク「早々に証言を得られて良かったよ。
製造所は確認した。
後はしっかりテステュータルと製造所の関係を聞きたかった。ご令嬢が証言してくれたし、使用も認めた。
昨日辺境伯領で解毒剤を買っただろう。
全てを合わせれば充分な証拠だ」
私「お父様!解毒剤を!」
父「…解毒剤はここには無い」
私「製造所にはあるでしょう!」
辺「毒は入っていない。お前が昨日 解毒剤を買って戻る間に部屋のクローゼットから毒薬を見つけた。無害な物とすり替えて置いた」
私「え?」
辺「辺境伯領の薬を扱う店にはヒュドラの雫の解毒剤を求める者が現れたら身分証を提示させて通報するよう命じている。
お前は馬車だが我らは軍馬で走り抜ける。簡単に追い抜くさ」
ク「毒薬の瓶が、とある貴族の屋敷で発見されて通報された。
辿っていくと逆輸入らしいと分かった。
密偵を放つとこの付近だろうということになった。
辺境伯領に隣接する隣国の辺りで流通が始まっていたが製造所が無かったし、国内の闇市に行くと“輸入だ”と返事があった。
辺境伯領も調査したが製造所は無くて、最近テステュータル領で厳重に管理された建物を発見した。
厳重過ぎて怪しかったと報告が上がった」
デ「何故シェイナを狙った」
私「私だって公爵家に生まれていたら、高いドレスを着て!最高の家庭教師を付けてもらって!
殿下が私を侮辱するからよ!!」
デ「妬みだな」
ク「公爵家に生まれても同じだよ。
君が遊んでいる間、彼女は屋敷から出ずにひたすら勉強していたんだ。
金があってもドレスを選ぶ目も心も違うから、無駄に高い卑猥なドレスを注文しただろう。
私が侮辱したせいなら私に毒を盛ればいいのにシェイナを狙ったのは、私がより苦しむ方法をとったという訳か?」
私「……」
家族全員王城へ連れてこられたが、お母様と義姉様は全く知らなくて、放免になった。
二人とも実家へ向かったと聞く。
お父様とお兄様はすぐに処刑された。
出荷した毒の数だけ死者が出るからだ。
どのくらい死んだのか、どのくらい毒が残っているのか分からない。
蛇の養殖は難しく、孵化しない卵も多かった。
水温次第では交尾もしなかった。
だから出荷数はとても少なく高価だった。
私が持っていたのは、製造所へ行った時にこっそり一本持って帰ったからだ。
そして私はシェイナ・ヴェリテ公爵令嬢殺害未遂の罪で労働刑と言われたのにやってきたのはノワール公爵領だという。
そこにはタルトを口に押し込んだデュケット卿もいた。
「私は当主のローエン・ノワール。こちらは父のイスマエル・デュケット子爵だ。
国王陛下とヴェリテ公爵から身柄を譲って貰った」
どういうこと!?
「私はシェイナを娘のように可愛がっているんだ。
娘を殺そうとした者は許せないのだよ」
「こんなの許されないわ!」
「許されているからここにいるのだろう?
ノワールは特殊な人材を育てる機関でもあり、請負う機関でもある。
子爵領で会っているこの男はウチの暗殺部門のトップだよ」
「俺がお前を始末しなかった訳はこれから体験してもらおう」
笛の音が響くと子供達が集まってきた。
「今日は生き餌で訓練を行う。各自ナイフは持ってきたか」
「はい!ボス!」
声を揃えて返事をする子供達の手には刃が短くて小さなナイフが握られていた。
「今日は人体に関する復習をする。
順番に刺していってもらう。切り付けるのではなくしっかり刺せ。
ルールは一つ、致命傷を負わせないことだ。
分かったな」
「はい!ボス!」
は?
「行き餌は動くし逃げる。それを追いかけろ」
「はい!ボス!」
こんな小さな子達が声を揃えて“はい” と言う。
正気なの!?
砂場を柵で丸く囲った場所に入れられた。
「逃げていいぞ。
一番歳上から入れろ」
子供達の中で一番大きい男の子が柵の中に入りナイフを握って走ってきた。
ドレスのせい逃げ辛くすぐに引き倒されて腕を刺された。
「ギャア!!」
「よし、次」
急いで立ち上がり、ドレスの裾をたくし上げ走った。
肩を刺された。
「ギャアア!!」
8回刺された辺りで走ることはできなくなった。
「チビを入れろ」
小さな子が5人入ってきた。
「順番に刺していけ」
「ギャア!!」
あちらこちら刺されたが力がないから刺さり具合は深くない。
だけど……
「お願い、止めて」
一人手が止まった。
「ジャック」
「っ! はい ボス」
「眼球を刺せ」
「は、はい!」
男の子の手は震えていた。
「お願い…止めて」
男の子は刺せなかった。
「ジャックを最初からやり直させろ。
それで駄目なら処分する」
「っ! 待ってください!やります!」
「ギャアアアアア!!」
「ジャック、次は躊躇うな。お前自身が死ぬぞ」
「すみません!ボス!」
「今日はもういいぞ。風呂に入って自由時間にしろ」
子供達はいなくなった。
「い、医者を」
「お前の刑罰は死ぬまで続く」
「殺して…ないじゃない」
「毒をすり替えたからだろうが。
次はどうしますか、兄上」
「ん~、ナイフを」
公爵がナイフを渡されると近寄ってきた。
「嫌!来ないで!」
「押さえてくれ」
脚で両腕を踏まれ腹に座られた。それでさえ痛い!
髪を掴まれ輪郭を描くように刃を入れられた。
「やー!痛い!痛い!」
その後は髪を踏まれて顔の皮膚が引っ張られ激痛が走った。
公爵が手に何か持ってる。
「久しぶりに顔の皮を剥がした。子供の時以来だな。後は…」
「止め…て…」
「私の大事なシェイナに手を出すからだ」
「ごめんなさ…い」
「ディオールを連れて来い」
身体中を刺されて皮を剥がされた痛みの中、手を柵に縛られた。
しばらくすると恐ろしい鳴き声が聞こえてきた。
獣だ。
ハッキリとは見えないが猫科の獣だ。
「ピューマ…」
「知ってたか。メスのディオールだ。
ディオール、好きにしていいぞ」
ピューマのリードを長めに柵に括り付け、公爵達が離れると、ピューマが顔を舐めた。
痛い!痛い!
ザラっとした舌が 皮のない顔を擦る様に舐める。
その内 牙を使って食べ出した。
痛みと恐怖のあまり 暴れると首に噛みつかれた。
痛い…苦しい…息が
一時間後、キースがディオールを回収し、檻に戻した。
アナベルの遺体は翌昼まで放置された後、崖から投げ捨てられた。
庭園でティータイムと聞いて足を運んだ。
テーブルを見ると昨日のタルトが中央に置いてあった。
何でまとめて置いちゃうの!
お皿が来たら取り分けないと!
私と令嬢の間に席が一つ空いていた。
「招待ありがとうございます子爵」
その声に振り向くと背後に初恋の人が立っていた。
フェリシアン・バロウ。
昔と殆ど変わらない。更に逞しくなり男の色気が増していた。まだ独身で婚約者のいない彼がどうしてここへ!?
挨拶を済ませて私の隣に座ると、彼は丁度給仕係が持ってきた皿を“こっちへ” と言って受け取ってしまった。
そしてタルトを取り分け始めた。
私「お客様にそんなっ」
私が取り分ける予定だったのに!止めなくては!!
伯「レディに取り分けくらいするさ」
黄色い星型のタルトを令嬢の前に置いた。
まずい!
私「バロウ伯爵。赤色は女性用で3つしかございません」
赤い星型のタルトを私に渡しながら彼は答えた。
伯「シェイナはベリー系のタルトが苦手なんだ。
そうだろう、愛しのシェイナ」
シ「フェリシアン、全然愛しくないから」
伯「食べさせてやるから」
令嬢は伯爵の指を噛もうとした。
伯「凶暴だな」
フェリシアン様が笑ってる!?
何で!?何で彼はこの女に“フェリシアン”と名前呼びさせているの!?
愛しいって!?
私「バロウ伯爵と公女はどのような関係ですか?」
シ「天敵です」
伯「王宮主催のパーティで知り合って、それから親密な仲です。腹を殴られるくらい。
シェイナに求婚中ですよ」
求婚!?
何で…何でよ! 王太子殿下もバロウ伯爵もだなんて!
ク「食べないのか?テステュータル嬢」
私「え?」
見てみると、手を付けていないのは私だけだった。
毒の配分の多い赤い星型のタルト…もう解毒剤は無い。
食べてすぐ辺境伯領の薬処に行けばギリギリ間に合うけど、今からでは店は閉まってる!
私「ちょっと胃が」
デ「いいから食べろ」
デュケット卿が私の後ろ髪を引っ張り顔を上に向けさせると小さな赤い星型のタルトを口の中に押し込んだ。
半分以上口の中に入っている。
吐き出そうにも恐ろしい力で口を塞がれていた。
暴れる脚がテーブルにぶつかりテーブルの上の食器がガチャンガチャンと激しく音を立てる。
母「お止めください!!」
兄「卿!何をするんです!」
ク「誰も動くな」
お母様とお兄様が抗議してくれるけどお父様の声がしない。何で!?
何分経ったのかとても長く感じた。
手が離れると慌てて吐き戻した。
ゲホッ!ゲホッ!ゲェッ!
だけど毒は液体だから溶け出して吸収されたかも。
私「お父様!解毒剤をください!」
父「な、何を言っているんだ!」
私「毒を作ってるんだから解毒剤もあるでしょう!
タルトには毒が、」
父兄「「アナベル!!」」
母「どういうこと?」
義姉「毒を作ってる?」
ク「早々に証言を得られて良かったよ。
製造所は確認した。
後はしっかりテステュータルと製造所の関係を聞きたかった。ご令嬢が証言してくれたし、使用も認めた。
昨日辺境伯領で解毒剤を買っただろう。
全てを合わせれば充分な証拠だ」
私「お父様!解毒剤を!」
父「…解毒剤はここには無い」
私「製造所にはあるでしょう!」
辺「毒は入っていない。お前が昨日 解毒剤を買って戻る間に部屋のクローゼットから毒薬を見つけた。無害な物とすり替えて置いた」
私「え?」
辺「辺境伯領の薬を扱う店にはヒュドラの雫の解毒剤を求める者が現れたら身分証を提示させて通報するよう命じている。
お前は馬車だが我らは軍馬で走り抜ける。簡単に追い抜くさ」
ク「毒薬の瓶が、とある貴族の屋敷で発見されて通報された。
辿っていくと逆輸入らしいと分かった。
密偵を放つとこの付近だろうということになった。
辺境伯領に隣接する隣国の辺りで流通が始まっていたが製造所が無かったし、国内の闇市に行くと“輸入だ”と返事があった。
辺境伯領も調査したが製造所は無くて、最近テステュータル領で厳重に管理された建物を発見した。
厳重過ぎて怪しかったと報告が上がった」
デ「何故シェイナを狙った」
私「私だって公爵家に生まれていたら、高いドレスを着て!最高の家庭教師を付けてもらって!
殿下が私を侮辱するからよ!!」
デ「妬みだな」
ク「公爵家に生まれても同じだよ。
君が遊んでいる間、彼女は屋敷から出ずにひたすら勉強していたんだ。
金があってもドレスを選ぶ目も心も違うから、無駄に高い卑猥なドレスを注文しただろう。
私が侮辱したせいなら私に毒を盛ればいいのにシェイナを狙ったのは、私がより苦しむ方法をとったという訳か?」
私「……」
家族全員王城へ連れてこられたが、お母様と義姉様は全く知らなくて、放免になった。
二人とも実家へ向かったと聞く。
お父様とお兄様はすぐに処刑された。
出荷した毒の数だけ死者が出るからだ。
どのくらい死んだのか、どのくらい毒が残っているのか分からない。
蛇の養殖は難しく、孵化しない卵も多かった。
水温次第では交尾もしなかった。
だから出荷数はとても少なく高価だった。
私が持っていたのは、製造所へ行った時にこっそり一本持って帰ったからだ。
そして私はシェイナ・ヴェリテ公爵令嬢殺害未遂の罪で労働刑と言われたのにやってきたのはノワール公爵領だという。
そこにはタルトを口に押し込んだデュケット卿もいた。
「私は当主のローエン・ノワール。こちらは父のイスマエル・デュケット子爵だ。
国王陛下とヴェリテ公爵から身柄を譲って貰った」
どういうこと!?
「私はシェイナを娘のように可愛がっているんだ。
娘を殺そうとした者は許せないのだよ」
「こんなの許されないわ!」
「許されているからここにいるのだろう?
ノワールは特殊な人材を育てる機関でもあり、請負う機関でもある。
子爵領で会っているこの男はウチの暗殺部門のトップだよ」
「俺がお前を始末しなかった訳はこれから体験してもらおう」
笛の音が響くと子供達が集まってきた。
「今日は生き餌で訓練を行う。各自ナイフは持ってきたか」
「はい!ボス!」
声を揃えて返事をする子供達の手には刃が短くて小さなナイフが握られていた。
「今日は人体に関する復習をする。
順番に刺していってもらう。切り付けるのではなくしっかり刺せ。
ルールは一つ、致命傷を負わせないことだ。
分かったな」
「はい!ボス!」
は?
「行き餌は動くし逃げる。それを追いかけろ」
「はい!ボス!」
こんな小さな子達が声を揃えて“はい” と言う。
正気なの!?
砂場を柵で丸く囲った場所に入れられた。
「逃げていいぞ。
一番歳上から入れろ」
子供達の中で一番大きい男の子が柵の中に入りナイフを握って走ってきた。
ドレスのせい逃げ辛くすぐに引き倒されて腕を刺された。
「ギャア!!」
「よし、次」
急いで立ち上がり、ドレスの裾をたくし上げ走った。
肩を刺された。
「ギャアア!!」
8回刺された辺りで走ることはできなくなった。
「チビを入れろ」
小さな子が5人入ってきた。
「順番に刺していけ」
「ギャア!!」
あちらこちら刺されたが力がないから刺さり具合は深くない。
だけど……
「お願い、止めて」
一人手が止まった。
「ジャック」
「っ! はい ボス」
「眼球を刺せ」
「は、はい!」
男の子の手は震えていた。
「お願い…止めて」
男の子は刺せなかった。
「ジャックを最初からやり直させろ。
それで駄目なら処分する」
「っ! 待ってください!やります!」
「ギャアアアアア!!」
「ジャック、次は躊躇うな。お前自身が死ぬぞ」
「すみません!ボス!」
「今日はもういいぞ。風呂に入って自由時間にしろ」
子供達はいなくなった。
「い、医者を」
「お前の刑罰は死ぬまで続く」
「殺して…ないじゃない」
「毒をすり替えたからだろうが。
次はどうしますか、兄上」
「ん~、ナイフを」
公爵がナイフを渡されると近寄ってきた。
「嫌!来ないで!」
「押さえてくれ」
脚で両腕を踏まれ腹に座られた。それでさえ痛い!
髪を掴まれ輪郭を描くように刃を入れられた。
「やー!痛い!痛い!」
その後は髪を踏まれて顔の皮膚が引っ張られ激痛が走った。
公爵が手に何か持ってる。
「久しぶりに顔の皮を剥がした。子供の時以来だな。後は…」
「止め…て…」
「私の大事なシェイナに手を出すからだ」
「ごめんなさ…い」
「ディオールを連れて来い」
身体中を刺されて皮を剥がされた痛みの中、手を柵に縛られた。
しばらくすると恐ろしい鳴き声が聞こえてきた。
獣だ。
ハッキリとは見えないが猫科の獣だ。
「ピューマ…」
「知ってたか。メスのディオールだ。
ディオール、好きにしていいぞ」
ピューマのリードを長めに柵に括り付け、公爵達が離れると、ピューマが顔を舐めた。
痛い!痛い!
ザラっとした舌が 皮のない顔を擦る様に舐める。
その内 牙を使って食べ出した。
痛みと恐怖のあまり 暴れると首に噛みつかれた。
痛い…苦しい…息が
一時間後、キースがディオールを回収し、檻に戻した。
アナベルの遺体は翌昼まで放置された後、崖から投げ捨てられた。
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