8 / 84
前ノワール公爵
しおりを挟む
【 イスマエル・デュケットの視点 】
ノワール公爵家は代々影を育ててきた。
適正があれば我が子も影にするのがノワール家の掟だった。
幼少期から適正を見るために訓練を施したが、長男ローエンと三女のミラは諜報だった。
中でもミラは特別だった。気配消しの天才だった。教える前から自然とできていて、訓練をするとボスのザカリーでさえ敵わなかった。
しかも暗殺にもカメレオンにも向いていたがすでにセヴリアンとキースが暗殺部門にいたため、ローエンを跡継ぎに指名し、諜報部門にミラを入れた。
そして主に補佐として諜報と暗殺任務に就かせた。
それは建前で可愛いミラにより危険な暗殺に就かせたくなくて、そして何年何十年と離れるカメレオンに就かせるのは耐えられなかった。
本当は跡継ぎにして側に置きたかったが代々続く掟を破る勇気もなく、せめて補佐を務めさせるくらいしかできなかった。
贔屓していると言われないために他の子達より気にかけていないフリをした。
それが後になって死にたくなるほど後悔することになるとは思わなかった。
子供の諜報員も入れる場所には限りがあるが、子供というのはそれなりに便利な存在だった。幹部候補と言われた10歳には死亡したことにした。
ボスの補佐の地位に空きができた時、ミラは14歳だった。
まさか、仲間が公爵家の娘を殺してまで出世したいと思うなど考えもしなかったのだ。
死亡の知らせを聞いた日のことは今でも忘れられない。
運ばれたミラの遺体に私とローエンとセヴリアンが対面した。
『返り討ちに遭うとは……』
『ターゲットは誰だったのですか』
『ヴェリテ公爵夫人だと聞きました』
『王兄殿下の妻を狙う依頼など受けたのか!?そんな依頼は王族からの依頼でない限り断るだろう』
『ミラ、ちょっとごめんな』
そう言ってセヴリアンがミラの服をずらして貫通した刺し傷を見た。
『……公爵、これ、返り討ちに遭ったのではなく裏切りに遭ったのだと思います。
傷が背中からひと突きで防御創もまるで無い。暗殺に行った状態のミラの背後を取れるのは仲間しか有り得ません』
『同行した者で新入りと正義感の強そうな者を応援依頼だと言って連れて来い。
そして吐かせろ。私のミラに手を付けた者達を一人残らず見つけ出せ』
新人があっさり吐いた。
主犯はバチスだった。
正義感の強そうな中堅のロナードからは、
『バチス殿が、いきなり刺したのです。
私はミラ様が刺されるまで知りませんでした。何故かと聞いたら小娘に仕えたくないし、公爵様はミラ様を疎んでいらっしゃるから片付けてやったと。
主人の依頼なのかと聞いたら、そうだと答えたので、口を噤みました』
その後の調査で共犯はカトリーナだと判明した。
『だって!ミラ様が私の男を盗ったから』
相手の男に聞くと、カトリーナが付き纏っていただけで、男はミラが好きだったが主人の娘なので伝えたことはないし抑えていたつもりだと言った。
つまりカトリーナの片想いによる身勝手な嫉妬だった。
セヴリアンがカトリーナを拷問し、手足の腱を切り、歯を抜き、喉を薬品で焼いた。
手当てをして傷が塞がると薄着でスラム街に置いてきた。
『這いつくばりながら男達から逃げようとしましたがすぐに捕まりました。そのまま廃墟に連れ込まれました。着いて早々人気者になれて泣いて喜んでいました』
そしてセヴリアンによって、指と歯が無くなり、腕はぐにゃぐにゃになり涙を流すバチスの背中に、焼きゴテを押し付けているボスを部屋の外に出るよう告げた。
『ボス、こいつと話がある。部屋の外に出てくれ』
『かしこまりました』
ボスが去るとバチスが静まるのを待った。
震えながら静かになったバチスに一方的に語りかけた。
『私がミラを疎んでいると判断したとは、褒められているのか貶されているのかわからないな。
私はミラが一番可愛いんだ。つまり一番愛した子だった。だから掟の中にいながら側に置けるようにした。
贔屓がバレないよう気を掛けないフリをした。
あの子は暗殺者にもカメレオンにもなれたんだ。最初からお前などライバルではなかった。
私が実の子を殺されても何とも思わないと思ったようだな。しかも裏切りがバレないとでも?
いずれにしても私が悪かったのだな。お前のような甘えた腐敗物を見過ごしてこの世で一番大切な子を失ってしまった』
セヴリアンは子犬達の準備が整いましたと言いにきた。
ローエンは手袋をはめて、涙と鼻水を垂らしながら命乞いをしているバチスの髪を掴むと耳元で囁いた。
『ノワール家を欺くとはな。
才能的には次期当主はミラのはずだった。
ミラにはどの部門も熟せる素質があったからだ。
だが、男児が無能でない限り男児優先に跡継ぎに指名せよという掟がある。
だから私が指名されたんだ。
お前はノワールの宝を私欲のために殺したんだ。許されるわけがないだろう』
バチスは驚愕した。助かる見込みが微塵もないことを悟ったのだ。
セヴリアンに引き摺られて着いた先は狼が入れられた檻だった。
『ちょうど親狼が狩りを教えようとしていた所だ。最期に役にたってやれ』
セヴリアンはそう言いながらバチスを檻の中に入れて施錠した。
私とローエンとボスとセヴリアンは暫く見ていたが遊びながらバチスを食い散らかすので なかなか息絶えなかった。
『公爵、ローエン様、退屈でしたら私が見届けます』
セヴリアンに任せてローエンと屋敷の中に入った。
そして翌日、偽の墓に本当にミラを埋葬した。
妾を三人も娶ったのに適正有りと判断された子が少なかったため、実子ではなくても有能であればと部下や訓練生達の査定をした結果、実子キースよりセヴリアンが優れていた。
キースを呼び出し考えを伝えた。
『ミラが殺されたのは私が舐められていたからだ。
ここで暗殺部門に求めるものは絶対的な服従だ。キースも充分才能がある。
だが、セヴリアンを暗殺部門のボス候補にしたい。セヴリアンの非情さは類を見ない』
『父上の判断に従います。確かに今回のバチス達への制裁はセヴリアンの狂気をみました。
私が任されていたら、あのようにはできなかったでしょう。そして私のやり方では父上を、家族の怒りを和げる手助けにはならなかったと思います』
『セヴリアンが上に立つと言うことは、キースはノワールの息子でありながらセヴリアンに服従するということだ。受け入れられるか?』
『アレを見たら不満なんか出ませんよ』
キースの同意を得て、暗殺部門のボスであるザカリーの後釜にセヴリアンを据えた。
年月が流れ、ノワール公爵家をローエンに継がせて、デュケット子爵となった。
セヴリアンは子爵家で養子にした。
同時に王都に店を出した。
隠蓑にするためのアクセサリー店だった。
そこに嫁に出していた次女ケイが棲みついた。
夫が死んで義父母と折り合いが悪かったので、成人した子が継いだ際に除籍して帰ってきたのだ。
アクセサリーをデザインして穏やかに暮らしていたが、ある日店に行くと一階の廊下で倒れているケイを見つけた。
外傷は無かった。
医師の検死の結果、脳の血管が破れる病気だったようだ。
その後、半年近く ただ店を開けながら思い出していたのは16年以上前に殺されたミラのことだった。
流石にこのままでは良くないと賃料を下げる代わりに帳簿を付けてくれる者を募集すると.翌日 すぐ見に行きたいと先触れが入った。
迎えた少女は気配が無かった。
今頃刺客が放たれたのかと用心したが賢い普通の少女だった。
『シェイナ・ヴェリテ』
何の因果だろう。あのヴェリテの令嬢だった。聞けばもうすぐで16歳で、王宮に勤めるという。
翌日はミラの話をすると、シェイナは何とも言えぬ表情をしたかと思ったら大粒の涙が次々と溢れ出した。
閉店の時間になり、店を閉めてノワール邸に向かった。
『ローエン、信じられないかもしれないが話を最後まで聞いて欲しい』
そう言って二人きりの部屋でシェイナのことを話した。
『最初は刺客かと思った。全く気配が無いんだ。だが心優しいお嬢さんだった。
今日確信した。シェイナはミラの生まれ変わりだ。
あの完璧な気配の消し方、笑い方、…泣き方なんかそっくりで……』
その後は言葉に詰まってしまった。
『その少女に会わせてください』
『そのつもりで今度のシェイナの成人パーティに招待してくれるように頼んでおいた。
私とローエンの二通をな』
『時期も合うのですね』
『決して動揺しないよう心の準備をしておいてくれ』
『はい、父上』
ノワール公爵家は代々影を育ててきた。
適正があれば我が子も影にするのがノワール家の掟だった。
幼少期から適正を見るために訓練を施したが、長男ローエンと三女のミラは諜報だった。
中でもミラは特別だった。気配消しの天才だった。教える前から自然とできていて、訓練をするとボスのザカリーでさえ敵わなかった。
しかも暗殺にもカメレオンにも向いていたがすでにセヴリアンとキースが暗殺部門にいたため、ローエンを跡継ぎに指名し、諜報部門にミラを入れた。
そして主に補佐として諜報と暗殺任務に就かせた。
それは建前で可愛いミラにより危険な暗殺に就かせたくなくて、そして何年何十年と離れるカメレオンに就かせるのは耐えられなかった。
本当は跡継ぎにして側に置きたかったが代々続く掟を破る勇気もなく、せめて補佐を務めさせるくらいしかできなかった。
贔屓していると言われないために他の子達より気にかけていないフリをした。
それが後になって死にたくなるほど後悔することになるとは思わなかった。
子供の諜報員も入れる場所には限りがあるが、子供というのはそれなりに便利な存在だった。幹部候補と言われた10歳には死亡したことにした。
ボスの補佐の地位に空きができた時、ミラは14歳だった。
まさか、仲間が公爵家の娘を殺してまで出世したいと思うなど考えもしなかったのだ。
死亡の知らせを聞いた日のことは今でも忘れられない。
運ばれたミラの遺体に私とローエンとセヴリアンが対面した。
『返り討ちに遭うとは……』
『ターゲットは誰だったのですか』
『ヴェリテ公爵夫人だと聞きました』
『王兄殿下の妻を狙う依頼など受けたのか!?そんな依頼は王族からの依頼でない限り断るだろう』
『ミラ、ちょっとごめんな』
そう言ってセヴリアンがミラの服をずらして貫通した刺し傷を見た。
『……公爵、これ、返り討ちに遭ったのではなく裏切りに遭ったのだと思います。
傷が背中からひと突きで防御創もまるで無い。暗殺に行った状態のミラの背後を取れるのは仲間しか有り得ません』
『同行した者で新入りと正義感の強そうな者を応援依頼だと言って連れて来い。
そして吐かせろ。私のミラに手を付けた者達を一人残らず見つけ出せ』
新人があっさり吐いた。
主犯はバチスだった。
正義感の強そうな中堅のロナードからは、
『バチス殿が、いきなり刺したのです。
私はミラ様が刺されるまで知りませんでした。何故かと聞いたら小娘に仕えたくないし、公爵様はミラ様を疎んでいらっしゃるから片付けてやったと。
主人の依頼なのかと聞いたら、そうだと答えたので、口を噤みました』
その後の調査で共犯はカトリーナだと判明した。
『だって!ミラ様が私の男を盗ったから』
相手の男に聞くと、カトリーナが付き纏っていただけで、男はミラが好きだったが主人の娘なので伝えたことはないし抑えていたつもりだと言った。
つまりカトリーナの片想いによる身勝手な嫉妬だった。
セヴリアンがカトリーナを拷問し、手足の腱を切り、歯を抜き、喉を薬品で焼いた。
手当てをして傷が塞がると薄着でスラム街に置いてきた。
『這いつくばりながら男達から逃げようとしましたがすぐに捕まりました。そのまま廃墟に連れ込まれました。着いて早々人気者になれて泣いて喜んでいました』
そしてセヴリアンによって、指と歯が無くなり、腕はぐにゃぐにゃになり涙を流すバチスの背中に、焼きゴテを押し付けているボスを部屋の外に出るよう告げた。
『ボス、こいつと話がある。部屋の外に出てくれ』
『かしこまりました』
ボスが去るとバチスが静まるのを待った。
震えながら静かになったバチスに一方的に語りかけた。
『私がミラを疎んでいると判断したとは、褒められているのか貶されているのかわからないな。
私はミラが一番可愛いんだ。つまり一番愛した子だった。だから掟の中にいながら側に置けるようにした。
贔屓がバレないよう気を掛けないフリをした。
あの子は暗殺者にもカメレオンにもなれたんだ。最初からお前などライバルではなかった。
私が実の子を殺されても何とも思わないと思ったようだな。しかも裏切りがバレないとでも?
いずれにしても私が悪かったのだな。お前のような甘えた腐敗物を見過ごしてこの世で一番大切な子を失ってしまった』
セヴリアンは子犬達の準備が整いましたと言いにきた。
ローエンは手袋をはめて、涙と鼻水を垂らしながら命乞いをしているバチスの髪を掴むと耳元で囁いた。
『ノワール家を欺くとはな。
才能的には次期当主はミラのはずだった。
ミラにはどの部門も熟せる素質があったからだ。
だが、男児が無能でない限り男児優先に跡継ぎに指名せよという掟がある。
だから私が指名されたんだ。
お前はノワールの宝を私欲のために殺したんだ。許されるわけがないだろう』
バチスは驚愕した。助かる見込みが微塵もないことを悟ったのだ。
セヴリアンに引き摺られて着いた先は狼が入れられた檻だった。
『ちょうど親狼が狩りを教えようとしていた所だ。最期に役にたってやれ』
セヴリアンはそう言いながらバチスを檻の中に入れて施錠した。
私とローエンとボスとセヴリアンは暫く見ていたが遊びながらバチスを食い散らかすので なかなか息絶えなかった。
『公爵、ローエン様、退屈でしたら私が見届けます』
セヴリアンに任せてローエンと屋敷の中に入った。
そして翌日、偽の墓に本当にミラを埋葬した。
妾を三人も娶ったのに適正有りと判断された子が少なかったため、実子ではなくても有能であればと部下や訓練生達の査定をした結果、実子キースよりセヴリアンが優れていた。
キースを呼び出し考えを伝えた。
『ミラが殺されたのは私が舐められていたからだ。
ここで暗殺部門に求めるものは絶対的な服従だ。キースも充分才能がある。
だが、セヴリアンを暗殺部門のボス候補にしたい。セヴリアンの非情さは類を見ない』
『父上の判断に従います。確かに今回のバチス達への制裁はセヴリアンの狂気をみました。
私が任されていたら、あのようにはできなかったでしょう。そして私のやり方では父上を、家族の怒りを和げる手助けにはならなかったと思います』
『セヴリアンが上に立つと言うことは、キースはノワールの息子でありながらセヴリアンに服従するということだ。受け入れられるか?』
『アレを見たら不満なんか出ませんよ』
キースの同意を得て、暗殺部門のボスであるザカリーの後釜にセヴリアンを据えた。
年月が流れ、ノワール公爵家をローエンに継がせて、デュケット子爵となった。
セヴリアンは子爵家で養子にした。
同時に王都に店を出した。
隠蓑にするためのアクセサリー店だった。
そこに嫁に出していた次女ケイが棲みついた。
夫が死んで義父母と折り合いが悪かったので、成人した子が継いだ際に除籍して帰ってきたのだ。
アクセサリーをデザインして穏やかに暮らしていたが、ある日店に行くと一階の廊下で倒れているケイを見つけた。
外傷は無かった。
医師の検死の結果、脳の血管が破れる病気だったようだ。
その後、半年近く ただ店を開けながら思い出していたのは16年以上前に殺されたミラのことだった。
流石にこのままでは良くないと賃料を下げる代わりに帳簿を付けてくれる者を募集すると.翌日 すぐ見に行きたいと先触れが入った。
迎えた少女は気配が無かった。
今頃刺客が放たれたのかと用心したが賢い普通の少女だった。
『シェイナ・ヴェリテ』
何の因果だろう。あのヴェリテの令嬢だった。聞けばもうすぐで16歳で、王宮に勤めるという。
翌日はミラの話をすると、シェイナは何とも言えぬ表情をしたかと思ったら大粒の涙が次々と溢れ出した。
閉店の時間になり、店を閉めてノワール邸に向かった。
『ローエン、信じられないかもしれないが話を最後まで聞いて欲しい』
そう言って二人きりの部屋でシェイナのことを話した。
『最初は刺客かと思った。全く気配が無いんだ。だが心優しいお嬢さんだった。
今日確信した。シェイナはミラの生まれ変わりだ。
あの完璧な気配の消し方、笑い方、…泣き方なんかそっくりで……』
その後は言葉に詰まってしまった。
『その少女に会わせてください』
『そのつもりで今度のシェイナの成人パーティに招待してくれるように頼んでおいた。
私とローエンの二通をな』
『時期も合うのですね』
『決して動揺しないよう心の準備をしておいてくれ』
『はい、父上』
201
お気に入りに追加
1,150
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。
kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。
前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。
やばい!やばい!やばい!
確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。
だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。
前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね!
うんうん!
要らない!要らない!
さっさと婚約解消して2人を応援するよ!
だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。
※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
【完結】私を虐げる姉が今の婚約者はいらないと押し付けてきましたが、とても優しい殿方で幸せです 〜それはそれとして、家族に復讐はします〜
ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
侯爵家の令嬢であるシエルは、愛人との間に生まれたせいで、父や義母、異母姉妹から酷い仕打ちをされる生活を送っていた。
そんなシエルには婚約者がいた。まるで本物の兄のように仲良くしていたが、ある日突然彼は亡くなってしまった。
悲しみに暮れるシエル。そこに姉のアイシャがやってきて、とんでもない発言をした。
「ワタクシ、とある殿方と真実の愛に目覚めましたの。だから、今ワタクシが婚約している殿方との結婚を、あなたに代わりに受けさせてあげますわ」
こうしてシエルは、必死の抗議も虚しく、身勝手な理由で、新しい婚約者の元に向かうこととなった……横暴で散々虐げてきた家族に、復讐を誓いながら。
新しい婚約者は、社交界でとても恐れられている相手。うまくやっていけるのかと不安に思っていたが、なぜかとても溺愛されはじめて……!?
⭐︎全三十九話、すでに完結まで予約投稿済みです。11/12 HOTランキング一位ありがとうございます!⭐︎
【完結】私じゃなくてもいいですね?
ユユ
恋愛
子爵家の跡継ぎと伯爵家の長女の婚約は
仲の良い父親同士が決めたものだった。
男は女遊びを繰り返し 婚約者に微塵も興味がなかった…。
一方でビビアン・ガデュエットは人生を変えたいと願った。
婚姻まであと2年。
※ 作り話です。
※ 完結保証付き
聖女は妹ではありません。本物の聖女は、私の方です
光子
恋愛
私の双子の妹の《エミル》は、聖女として産まれた。
特別な力を持ち、心優しく、いつも愛を囁く妹は、何の力も持たない、出来損ないの双子の姉である私にも優しかった。
「《ユウナ》お姉様、大好きです。ずっと、仲良しの姉妹でいましょうね」
傍から見れば、エミルは姉想いの可愛い妹で、『あんな素敵な妹がいて良かったわね』なんて、皆から声を掛けられた。
でも違う、私と同じ顔をした双子の妹は、私を好きと言いながら、執着に近い感情を向けて、私を独り占めしようと、全てを私に似せ、奪い、閉じ込めた。
冷たく突き放せば、妹はシクシクと泣き、聖女である妹を溺愛する両親、婚約者、町の人達に、酷い姉だと責められる。
私は妹が大嫌いだった。
でも、それでも家族だから、たった一人の、双子の片割れだからと、ずっと我慢してきた。
「ユウナお姉様、私、ユウナお姉様の婚約者を好きになってしまいました。《ルキ》様は、私の想いに応えて、ユウナお姉様よりも私を好きだと言ってくれました。だから、ユウナお姉様の婚約者を、私に下さいね。ユウナお姉様、大好きです」
――――ずっと我慢してたけど、もう限界。
好きって言えば何でも許される免罪符じゃないのよ?
今まで家族だからって、双子の片割れだからって我慢してたけど、もう無理。
丁度良いことに、両親から家を出て行けと追い出されたので、このまま家を出ることにします。
さようなら、もう二度と貴女達を家族だなんて思わない。
泣いて助けを求めて来ても、絶対に助けてあげない。
本物の聖女は私の方なのに、馬鹿な人達。
不定期更新。
この作品は私の考えた世界の話です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
【完結】さようならと言うしかなかった。
ユユ
恋愛
卒業の1ヶ月後、デビュー後に親友が豹変した。
既成事実を経て婚約した。
ずっと愛していたと言った彼は
別の令嬢とも寝てしまった。
その令嬢は彼の子を孕ってしまった。
友人兼 婚約者兼 恋人を失った私は
隣国の伯母を訪ねることに…
*作り話です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる