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ライアン達の子

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【 ヘイゼルの視点 】



「どうぞ レディ」

「王女殿下がエスコートなさるのですか?」

「靴はペタンコだし、骨格がいいから転ばないよ。
それよりリリアンの方が危ないからね。
一緒に見て回ってケガをされてはそこの護衛に殺されかねない」

「では、有り難く……」

「どうした?」

「ヘイゼル様はどちらに似ましたか?私は父似です」

「突然変異なんて呼ばれているよ。
中には不貞などと囁く者もいる」

「きっと両陛下やそのご先祖様方の良い所取りをなさったのです」

「リリアンの好みは?」

「父みたいな方がいいです」

「どんな方?」

「かっこよくて、賢くて、強くて、妻を一途に愛して、私を甘やかしてくれる優しい人です。
ついでに権力と財力もあります」

それでは、なかなか婚約者が決まらないな。

「お嫁に行かなくていいらしいので、良い方が現れなければ、のんびり生きていきますわ」

「のんびりか」

「ほら、見てください。蔦をのばして頑張っていますわ。

お花だって、それぞれ状態が違います。
運良く美しく咲き誇れたものもあれば、病にかかって見栄えが悪くなるもの、枯れてしまうもの、気温や陽の当たり方で色などにも影響するのですよ。

この子達は、花のエキスパートがついているから美しく咲けるのです。此処では肥料もいい物を使うことができます。

もちろん、お城の外でも美しく咲いていますが、管理する人が有能か、良い条件を偶然手に入れたか。

それは人も同じだと思いませんか」

「悪かった」

「夜は優しくしてあげてくださいね」

「いいよ」

リリアンには優しくしよう。

「……ところで、不躾な質問をしてもかまいませんか?」

「どうぞ」

「ヘイゼル様の恋愛感情は男性に向いておられますか、女性に向いておられますか」

「……」

「心は女性かもしれませんが、お生まれになったときの性別は男性ですね?」

「……」

「答えたくないのであれば結構ですわ」

「何で分かった」

「エスコートで腕を絡めたときに分かりましたわ。引き締まった筋肉、よく見たらレースで隠してある首には喉仏、肩、腰回り」

「なんか視姦された気分だ」

「そして匂い」

「え!? 僕、臭いの!?」

「そうは言っておりませんわ。
幼子でもない限り、男性と女性は体臭が違うかと」

「臭いんだ」

「違います。自己紹介をお願いします」

「僕の部屋へ行こう。彼が一緒なら安心だろう?」


リリアンとリリアンの護衛を連れて、充てがわれている貴賓室へ向かった。


ソファに座っていてもらい、シャワーを浴びに行った。

しっかり化粧を落とし、巻いた髪を濡らして元のストレートに戻す。

ガウンを羽織り、リリアンの元へ戻った。





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