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ライアン達の子
制裁を受ける人 ブロース家
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【 ブロース公爵家の嫁ヴィヴィアンの視点 】
屋敷に戻ったお義父様とお義母様が言い争っていた。
夫のジェイクは義妹ベローナに侮蔑の目を向けていた。
義父「まさか、影が動いていたとは」
義母「ベローナ!卑怯者に育てた覚えはありません!」
夫「影がバトラーズ公爵家の令嬢のために動いたのですか」
私「バトラーズ公爵家ですよ?何故敵にまわそうなどと思えるのです。
バトラーズ家は騎士団とも繋がっていますし、謁見の申し入れをすれば直ぐに対応してもらえるとも聞いております。
長男のアンベール公子はゼイン殿下のご学友、リリアン公女はゼイン殿下のお気に入りという噂ではありませんか。
可能ならば味方に。無理ならば関わらないようにするのが当然ではないですか」
ベ「お義姉様は何処で情報を?」
私「夜会や茶会やパーティが社交の場なのはご存知ですよね?
気に入らない令嬢の陰口を言い合ったり陥れたりする場ではないのです。
誰と誰が話しているのか、仲がいいのか悪いのかを観察したり、他家の動きを聞いてくる場です。
もちろん親睦も深めますわよ。
間違っても敵を作る場ではありません。
バトラーズ公爵家と騎士団については、騎士団の上層部の方と公爵夫妻が親しげに話しておられましたわ。
陛下との関係は、側近の夫人がお茶会で、忠告なさっておりましたわ。
あれを聞いてバトラーズ公爵家に喧嘩を売る者などいないと思っておりましたのに」
ベ「教えてくだされば」
私「貴女も居たではありませんか。
夫人がせっかく話して下さっているのに、隣の令嬢に話しかけていたではありませんか。
“私のドレスはマダムオロルのものだ”って。
周りのご夫人方の冷たい視線が気にならないほど夢中で話ていましたものね。
あの行為は失礼な行為ですのよ」
ベ「そんなの…」
私「私が注意して差し上げなかったからと不満気な顔は止めてください。筋違いです。
貴女は淑女教育を受けて成人もして、社交に出てもいいと認められた立派な大人ではありませんか。
ベローナ様が日頃から忠告を真摯に受け止める方なら私もそうしましたが、言い訳をしたり不機嫌になるではありませんか。
後数年で嫁ぐ義妹だからと諦めたのです。
もし私の娘ならば徹底的に態度を改めさせて教育し直したでしょう」
ベ「っ!」
義母「それは私への抗議かしら」
私「キャスリン様の件で、二度とこのようなことがないようにするとお義父様とお義母様が、私の両親に頭を下げて婚約を続行したのをお忘れですね?」
義母「あ…」
私「はぁ…。また領地ですか?領地は禊の地ではございません。行く度に憂鬱になる領地の屋敷ってどうなのでしょう。
お義父様、負の資産を私に背負わせるおつもりですか?」
義母「そこまで言わなくても」
私「子供を連れて実家に戻っても構いませんが」
夫「母上。もう口を挟まないでいただきます。
今からは当主である父上と次期当主の私が決めていきます」
義母「ジェイク!」
夫「仕方がないでしょう。娘二人も失敗させたのですから。キャスリンをお姫様のように扱い、ベローナを甘やかした結果です。反省なさってください」
義母「ううっ…」
早朝、女性の叫び声が響き渡った。
そしてすぐ、義母の怒鳴り声が聞こえて、夫と慌てて部屋を出て声のする方へ行くと、義父様の部屋の前に騎士とメイドが青ざめて立っていた。
中を覗くと義父とベローナが裸でベッドにいた。
ベッドの周りには寝巻きと下着が散乱していて、ベッド脇のテーブルには閨用の香油と、もう一瓶は媚薬の類だろう。
ベローナは呆然としていて、義父は慌てていた。
「こんなはずはない!確かに一人で寝室に入ってベッドで眠りについた!ハドソンも見てただろう」
ハドソンは警備兵だ。
「確かに旦那様はお一人でした。日付を回った頃にも確認をしましたが、就寝なさっておられました」
「じゃあ、ベローナが!?」
義父は受け取ったガウンを羽織り、ベッドから降りるとシーツに赤いシミがあった。
義母が義父ガウンを掴み、前を開けると局部にも赤い汚れが付いていた。
「離縁しましょう。実家に帰ります」
「待て!何かの間違いだ!」
義母は出て行った。
実家に帰ると行ったが、受け入れてもらえるのかはわからない。
ベローナはメイドに任せ、義父はシャワーを浴びて着替え、夫と私と三人で話し合いをした。
夫「父上。直ぐに爵位を引き継ぎます。領地で仕事をなさってください」
義父「ジェイク!」
夫「事実はどうあれ、この件がバレたときに父上が当主だと、もうブロース家は立ち直れません。
口止めはしますが、楽観的な対応は取れません。話が漏れると想定して対処します」
義父「……」
夫「キャスリンは修道院へ送ります。ベローナは教会へ送ります」
義父「教会!?」
夫「ハドソンの証言通りなら、ベローナが父上に夜這いをかけたことになります。窓の鍵はかかっていましたし、侵入者もおりません。
実の父娘の近親相姦よりも、ベローナが悪魔付きの方がまだマシです。
ついでにリリアン嬢にしたことも纏めて葬れます」
義父「悪魔付きなんて言ったら…」
夫「悪魔付きの行動という一つの醜聞か、窃盗や損壊の罪と近親相姦の罪の二種類の醜聞か」
数分の沈黙の後、義父は答えを出した。
義父「そうしてくれ」
夫「早急に手配をします。
ヴィヴィアン。もう一度、公爵夫人として支えてくれないか」
私「実家に相談した後、バトラーズ公爵家に行くことになりますがよろしいですね?」
夫「よろしく頼む」
屋敷に戻ったお義父様とお義母様が言い争っていた。
夫のジェイクは義妹ベローナに侮蔑の目を向けていた。
義父「まさか、影が動いていたとは」
義母「ベローナ!卑怯者に育てた覚えはありません!」
夫「影がバトラーズ公爵家の令嬢のために動いたのですか」
私「バトラーズ公爵家ですよ?何故敵にまわそうなどと思えるのです。
バトラーズ家は騎士団とも繋がっていますし、謁見の申し入れをすれば直ぐに対応してもらえるとも聞いております。
長男のアンベール公子はゼイン殿下のご学友、リリアン公女はゼイン殿下のお気に入りという噂ではありませんか。
可能ならば味方に。無理ならば関わらないようにするのが当然ではないですか」
ベ「お義姉様は何処で情報を?」
私「夜会や茶会やパーティが社交の場なのはご存知ですよね?
気に入らない令嬢の陰口を言い合ったり陥れたりする場ではないのです。
誰と誰が話しているのか、仲がいいのか悪いのかを観察したり、他家の動きを聞いてくる場です。
もちろん親睦も深めますわよ。
間違っても敵を作る場ではありません。
バトラーズ公爵家と騎士団については、騎士団の上層部の方と公爵夫妻が親しげに話しておられましたわ。
陛下との関係は、側近の夫人がお茶会で、忠告なさっておりましたわ。
あれを聞いてバトラーズ公爵家に喧嘩を売る者などいないと思っておりましたのに」
ベ「教えてくだされば」
私「貴女も居たではありませんか。
夫人がせっかく話して下さっているのに、隣の令嬢に話しかけていたではありませんか。
“私のドレスはマダムオロルのものだ”って。
周りのご夫人方の冷たい視線が気にならないほど夢中で話ていましたものね。
あの行為は失礼な行為ですのよ」
ベ「そんなの…」
私「私が注意して差し上げなかったからと不満気な顔は止めてください。筋違いです。
貴女は淑女教育を受けて成人もして、社交に出てもいいと認められた立派な大人ではありませんか。
ベローナ様が日頃から忠告を真摯に受け止める方なら私もそうしましたが、言い訳をしたり不機嫌になるではありませんか。
後数年で嫁ぐ義妹だからと諦めたのです。
もし私の娘ならば徹底的に態度を改めさせて教育し直したでしょう」
ベ「っ!」
義母「それは私への抗議かしら」
私「キャスリン様の件で、二度とこのようなことがないようにするとお義父様とお義母様が、私の両親に頭を下げて婚約を続行したのをお忘れですね?」
義母「あ…」
私「はぁ…。また領地ですか?領地は禊の地ではございません。行く度に憂鬱になる領地の屋敷ってどうなのでしょう。
お義父様、負の資産を私に背負わせるおつもりですか?」
義母「そこまで言わなくても」
私「子供を連れて実家に戻っても構いませんが」
夫「母上。もう口を挟まないでいただきます。
今からは当主である父上と次期当主の私が決めていきます」
義母「ジェイク!」
夫「仕方がないでしょう。娘二人も失敗させたのですから。キャスリンをお姫様のように扱い、ベローナを甘やかした結果です。反省なさってください」
義母「ううっ…」
早朝、女性の叫び声が響き渡った。
そしてすぐ、義母の怒鳴り声が聞こえて、夫と慌てて部屋を出て声のする方へ行くと、義父様の部屋の前に騎士とメイドが青ざめて立っていた。
中を覗くと義父とベローナが裸でベッドにいた。
ベッドの周りには寝巻きと下着が散乱していて、ベッド脇のテーブルには閨用の香油と、もう一瓶は媚薬の類だろう。
ベローナは呆然としていて、義父は慌てていた。
「こんなはずはない!確かに一人で寝室に入ってベッドで眠りについた!ハドソンも見てただろう」
ハドソンは警備兵だ。
「確かに旦那様はお一人でした。日付を回った頃にも確認をしましたが、就寝なさっておられました」
「じゃあ、ベローナが!?」
義父は受け取ったガウンを羽織り、ベッドから降りるとシーツに赤いシミがあった。
義母が義父ガウンを掴み、前を開けると局部にも赤い汚れが付いていた。
「離縁しましょう。実家に帰ります」
「待て!何かの間違いだ!」
義母は出て行った。
実家に帰ると行ったが、受け入れてもらえるのかはわからない。
ベローナはメイドに任せ、義父はシャワーを浴びて着替え、夫と私と三人で話し合いをした。
夫「父上。直ぐに爵位を引き継ぎます。領地で仕事をなさってください」
義父「ジェイク!」
夫「事実はどうあれ、この件がバレたときに父上が当主だと、もうブロース家は立ち直れません。
口止めはしますが、楽観的な対応は取れません。話が漏れると想定して対処します」
義父「……」
夫「キャスリンは修道院へ送ります。ベローナは教会へ送ります」
義父「教会!?」
夫「ハドソンの証言通りなら、ベローナが父上に夜這いをかけたことになります。窓の鍵はかかっていましたし、侵入者もおりません。
実の父娘の近親相姦よりも、ベローナが悪魔付きの方がまだマシです。
ついでにリリアン嬢にしたことも纏めて葬れます」
義父「悪魔付きなんて言ったら…」
夫「悪魔付きの行動という一つの醜聞か、窃盗や損壊の罪と近親相姦の罪の二種類の醜聞か」
数分の沈黙の後、義父は答えを出した。
義父「そうしてくれ」
夫「早急に手配をします。
ヴィヴィアン。もう一度、公爵夫人として支えてくれないか」
私「実家に相談した後、バトラーズ公爵家に行くことになりますがよろしいですね?」
夫「よろしく頼む」
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