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カーラと美容品
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【 カーラの視点 】
パトナムと関係を持ってから1ヶ月後、王太子殿下の誕生祝いのパーティで決着を付けようと思った。
私はエミリアンと、パトナムは彼の婚約者と会場入りをして、ダンスを踊り、離れた。
そして皆のダンスが落ち着いたところでパトナムと一緒に婚約解消を突き付けた。
でも顔を見てダンスをしてしまったら心が揺らいだ。
私は彼が反省して泣き付いて態度を改めると縋れば許そうと思った。
なのに…
“いいですよ”
微笑んでそう言った。
悔しくて、悔しくて、陛下に罰してもらおうと思ったのに!
“此度の破綻の原因はボヴァン嬢にある”
何を仰っているの!?
私の方が不貞? 慰謝料? 法律?
“今では納税順位がボヴァン伯爵家よりも上にある”
うちよりも!?
“アフロディテ”
それは一昨年に突然現れた美容品のお店。
偶然通りかかり、店員から開店初日だと聞いた。
店頭販売しかしておらず、取り置きもせず、1ヶ月に1セットしか同じ人に渡さないという。しかも身分証の提示を求められるし、転売しないという誓約書に署名しなくてはならなかった。
美容水と美容クリームと洗顔石鹸のセット売りで高価だった。私の使っている3つを合わせて比較すると価格は5倍以上。すぐに潰れると思った。
2日後、社交界を掌握する侯爵家のお茶会に招待してもらえた。クラスメイトになった侯爵令嬢に取り入ってようやく手に入れたものだった。
『夫人のお肌はプルプルで艶やかですわね』
『本当に羨ましいですわ』
『秘訣は何ですの?』
『今まで使っていた美容品を捨てて新しい店の品にしましたの。高いだけあって効果は抜群でしたわ。
だけどまだ量産まで辿り着いていなくて、店頭に並んだものだけだと言うです』
『新しいお店?』
『そうですのよ。下女に試させたら一晩で効果が分かりましたの。翌日急いで店に行かせたのだけど店頭販売しかしないし、うちはもう購入しているからその月は売れないと言われてしまいましたの。
それで仕方なく私が出向いたのですけど、返事は同じでしたわ。
けれど、主人と話を聞いたらそれが必要な措置だと納得してしまいました。
そこで主人が、使用人を買いに来させるから、月に一度、量産が叶うまで定期購入という形で取り置きをして欲しいとお願いしましたら、取り置きもしない方針を取引きという形で許諾してくださったわ』
結局侯爵夫人は店の名前も取引き内容も教えてくださらなかった。量産体制が整うまで宣伝になるような事はしないという約束らしい。
切れ者と名高い侯爵を納得させ、社交界を掌握している夫人に宣伝させず、結果を出した。
あの店だと思った。
“アフロディテ”
翌日、開店を狙って行ったけどドアには“売り切れ”の看板が出ていた。
そして“王家御用達”のプレートが付いていた。
この店に無理を言ったりすると王家が黙っていないという証だった。
4日目にはクローズして、王家御用達のプレートを付けられるなんて!
その後も入荷は不定期で、入手困難の美容品を扱う店の名は貴族に知れ渡った。
パトナムと関係を持ってから1ヶ月後、王太子殿下の誕生祝いのパーティで決着を付けようと思った。
私はエミリアンと、パトナムは彼の婚約者と会場入りをして、ダンスを踊り、離れた。
そして皆のダンスが落ち着いたところでパトナムと一緒に婚約解消を突き付けた。
でも顔を見てダンスをしてしまったら心が揺らいだ。
私は彼が反省して泣き付いて態度を改めると縋れば許そうと思った。
なのに…
“いいですよ”
微笑んでそう言った。
悔しくて、悔しくて、陛下に罰してもらおうと思ったのに!
“此度の破綻の原因はボヴァン嬢にある”
何を仰っているの!?
私の方が不貞? 慰謝料? 法律?
“今では納税順位がボヴァン伯爵家よりも上にある”
うちよりも!?
“アフロディテ”
それは一昨年に突然現れた美容品のお店。
偶然通りかかり、店員から開店初日だと聞いた。
店頭販売しかしておらず、取り置きもせず、1ヶ月に1セットしか同じ人に渡さないという。しかも身分証の提示を求められるし、転売しないという誓約書に署名しなくてはならなかった。
美容水と美容クリームと洗顔石鹸のセット売りで高価だった。私の使っている3つを合わせて比較すると価格は5倍以上。すぐに潰れると思った。
2日後、社交界を掌握する侯爵家のお茶会に招待してもらえた。クラスメイトになった侯爵令嬢に取り入ってようやく手に入れたものだった。
『夫人のお肌はプルプルで艶やかですわね』
『本当に羨ましいですわ』
『秘訣は何ですの?』
『今まで使っていた美容品を捨てて新しい店の品にしましたの。高いだけあって効果は抜群でしたわ。
だけどまだ量産まで辿り着いていなくて、店頭に並んだものだけだと言うです』
『新しいお店?』
『そうですのよ。下女に試させたら一晩で効果が分かりましたの。翌日急いで店に行かせたのだけど店頭販売しかしないし、うちはもう購入しているからその月は売れないと言われてしまいましたの。
それで仕方なく私が出向いたのですけど、返事は同じでしたわ。
けれど、主人と話を聞いたらそれが必要な措置だと納得してしまいました。
そこで主人が、使用人を買いに来させるから、月に一度、量産が叶うまで定期購入という形で取り置きをして欲しいとお願いしましたら、取り置きもしない方針を取引きという形で許諾してくださったわ』
結局侯爵夫人は店の名前も取引き内容も教えてくださらなかった。量産体制が整うまで宣伝になるような事はしないという約束らしい。
切れ者と名高い侯爵を納得させ、社交界を掌握している夫人に宣伝させず、結果を出した。
あの店だと思った。
“アフロディテ”
翌日、開店を狙って行ったけどドアには“売り切れ”の看板が出ていた。
そして“王家御用達”のプレートが付いていた。
この店に無理を言ったりすると王家が黙っていないという証だった。
4日目にはクローズして、王家御用達のプレートを付けられるなんて!
その後も入荷は不定期で、入手困難の美容品を扱う店の名は貴族に知れ渡った。
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