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錯覚が頭に残り勘違いを起こす 4
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穴場を求める旅は 一週間くらいというのだけど、知り合ったばかりのお父さんと出かけるのには軽率だろうか?
それより桃子の予定など少しも考えてくれない。ただ可笑しさだけを追求する仲間という態度なのだ。 そんな感じが不満で「私も仕事あるからな?」なんて曖昧な返事をしてやった。
中田は、それに対して偏屈になることはなく「そうだったね 、ゴメンゴメン、二人なら可笑しさ倍増すると思ったので」私の存在より、倍加するというわけの分からない説明をしてくる。
中田のノートは温泉街の穴場らしく、旅館の予約まで決めていた「奥さんも同行するんですか?」
「家内?行かないよ。そうそう、 貴方のことを話したら、世の中には可笑しな人もいるのね」と、仲間が出来て良かったと言う。
「あはは、でも女とは言ってないんでしょ」
「言ったけどね」
「えー公認ですか」
「何が? ああ、もう爺だし浮いた話にもならんさ」そう中田は笑うが、そうは思えないほど若くみえた。 中田の奥さんは一つ年上と聞いているが夫には興味ないのか?私の存在に対しても喜んでる変な夫婦だ。
でも可笑しな事を楽しむ女ってことは事実である。 中田に聞くところによると娘さんがいるようで、私も同様の扱い?
桃子は土日と有給を挟んで一週間ほど休めると言ったが「そうなんだ」と、桃子には興味が無いようで、当日は教えられた旅館に現地集合という扱い。
中田の言い成りで午後3時過ぎには館内に来ていた。ランチ以外、ほとんど何処にも寄らずにチェックイン。こんな時間に旅館に着くのは初めての経験で、何となく館内のパンプレットを見ていると複雑な造り。建物は増築を繰り返しているようで、見回すと別館に蛸足のように広がっている。
フロントは地上だと信じていたが、ここは地下2階という。源泉賭け流し湯は地下2階と書かれているから、この階なんだとの錯覚が頭に残り勘違いを起こす。
案内では地下3階は無いのに不思議に下に階段もあったりで、ここが地上と思えば客は下に降りてしまうだろう。長い廊下には阿弥陀クジのように拡散して、要所には内線電話が配置されているし、QRコードの張り紙もアチコチに張られている不思議な建物。
ロビーで合流する中田は、先回りして受付を済ませたようで部屋に案内される。そこは複雑な通路で増々混乱させられたが、無事に部屋に着くと女将が挨拶に来て「お待ちしていましたよ、お久しぶりです・・こちらは、お嬢様ですか?いらっしゃいませ」
慌てる様子もなく「違うよ。んと、助手をしてもらってる」そう伝えると、あとは私語は慎んでいる中田。中田には娘がいると聞いていたので、間違われたのは当然なんだろうが、私は桃子である。
部屋は、411を案内してくれた。 中田は隣の部屋なのに501 となっているのが不思議。なにかの間違えかなと思っていると、建物自体にも可笑しさを感じる造りとなっていたのだ。つづく
それより桃子の予定など少しも考えてくれない。ただ可笑しさだけを追求する仲間という態度なのだ。 そんな感じが不満で「私も仕事あるからな?」なんて曖昧な返事をしてやった。
中田は、それに対して偏屈になることはなく「そうだったね 、ゴメンゴメン、二人なら可笑しさ倍増すると思ったので」私の存在より、倍加するというわけの分からない説明をしてくる。
中田のノートは温泉街の穴場らしく、旅館の予約まで決めていた「奥さんも同行するんですか?」
「家内?行かないよ。そうそう、 貴方のことを話したら、世の中には可笑しな人もいるのね」と、仲間が出来て良かったと言う。
「あはは、でも女とは言ってないんでしょ」
「言ったけどね」
「えー公認ですか」
「何が? ああ、もう爺だし浮いた話にもならんさ」そう中田は笑うが、そうは思えないほど若くみえた。 中田の奥さんは一つ年上と聞いているが夫には興味ないのか?私の存在に対しても喜んでる変な夫婦だ。
でも可笑しな事を楽しむ女ってことは事実である。 中田に聞くところによると娘さんがいるようで、私も同様の扱い?
桃子は土日と有給を挟んで一週間ほど休めると言ったが「そうなんだ」と、桃子には興味が無いようで、当日は教えられた旅館に現地集合という扱い。
中田の言い成りで午後3時過ぎには館内に来ていた。ランチ以外、ほとんど何処にも寄らずにチェックイン。こんな時間に旅館に着くのは初めての経験で、何となく館内のパンプレットを見ていると複雑な造り。建物は増築を繰り返しているようで、見回すと別館に蛸足のように広がっている。
フロントは地上だと信じていたが、ここは地下2階という。源泉賭け流し湯は地下2階と書かれているから、この階なんだとの錯覚が頭に残り勘違いを起こす。
案内では地下3階は無いのに不思議に下に階段もあったりで、ここが地上と思えば客は下に降りてしまうだろう。長い廊下には阿弥陀クジのように拡散して、要所には内線電話が配置されているし、QRコードの張り紙もアチコチに張られている不思議な建物。
ロビーで合流する中田は、先回りして受付を済ませたようで部屋に案内される。そこは複雑な通路で増々混乱させられたが、無事に部屋に着くと女将が挨拶に来て「お待ちしていましたよ、お久しぶりです・・こちらは、お嬢様ですか?いらっしゃいませ」
慌てる様子もなく「違うよ。んと、助手をしてもらってる」そう伝えると、あとは私語は慎んでいる中田。中田には娘がいると聞いていたので、間違われたのは当然なんだろうが、私は桃子である。
部屋は、411を案内してくれた。 中田は隣の部屋なのに501 となっているのが不思議。なにかの間違えかなと思っていると、建物自体にも可笑しさを感じる造りとなっていたのだ。つづく
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