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第一章(約11万字)
第36話:勉強不足
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「な、なんでもない……」
なんでもないことはないだろうと思うが……まあ、俺たちとアリアはあくまでも一時的にパーティを組んでいるだけの関係。
話したくないこともあるだろうし、あまり深入りするべきではないか。
「じゃあ、戦利品を回収してアーネスに戻ろうか」
俺は《収納魔法》で先ほど倒した魔物を丸ごと突っ込んでいく。
「えっ⁉ そんなに入るの……⁉」
次々と魔物を放り込んでいると、なぜかアリアが驚いていた。
「え? ああ。アリアは《収納魔法》を知らないのか⁉」
「そ、そのくらい知ってる! そうじゃなくて、収納量!」
収納量?
何を言いたのか良くわからないが、アリアが何か勘違いをしているのは確かだ。
「《収納魔法》ってのは、異空間に無限に物を収納できる魔法なんだ。そうだったな? シーナ」
「え、違いますよ?」
「は⁉」
念のための確認だったのだが、予想外の答えが返ってきた。
自信満々に解説していたのが恥ずかしくなってくるじゃないか!
いったいどういうことなんだ⁉
「《収納魔法》も魔法の一つなので、魔力を消費します。収納する物の質量に応じて最大魔力量が減ってしまうので、そこが限界になります。カズヤさんの収納量は……異常です」
「そんな仕組みだったのか⁉」
「知らずに使っていたことに私も驚いています……!」
ま、まあそれもそうか。
どういうわけか、魔法書をサッと見ただけで修得できてしまったので、細かな仕組みのところを全然理解できていないんだよな。
おそらく、俺の魔力量が多すぎて今まで魔力不足で困らなかったから気付かなかったのだ。
これは俺の勉強不足だな、うん。
まあ、そうなるとアリアが驚くのも無理はないわけだ。
「想定以上……これは、厄介」
「厄介?」
「な、なんでもない!」
アリアはさっきから一人で何を考えているんだ?
気にはなるが……まあ、元々ちょっとミステリアスな感じだったし、いちいち気にしてもしょうがないか。
「じゃあ、一旦戻ろう。ソラ、アーネスまで頼む」
「承知しました」
休んでいたソラに声を掛けた後、ダイヤとコッコを《収納魔法》で保管しておく。
そういえば、ここで倒した二十体の魔物はどのくらいの査定になるのだろうか。
シーナは強い魔物ならまとまった金額になると言っていたが……十万ジュエルくらいだろうか?
高校生の俺にとって、十万円は紛れもなく大金だ。
それ故にこのくらいの金額を想像していたのだが、実際の査定で震えることになろうとは、この時は思いもしなかった。
なんでもないことはないだろうと思うが……まあ、俺たちとアリアはあくまでも一時的にパーティを組んでいるだけの関係。
話したくないこともあるだろうし、あまり深入りするべきではないか。
「じゃあ、戦利品を回収してアーネスに戻ろうか」
俺は《収納魔法》で先ほど倒した魔物を丸ごと突っ込んでいく。
「えっ⁉ そんなに入るの……⁉」
次々と魔物を放り込んでいると、なぜかアリアが驚いていた。
「え? ああ。アリアは《収納魔法》を知らないのか⁉」
「そ、そのくらい知ってる! そうじゃなくて、収納量!」
収納量?
何を言いたのか良くわからないが、アリアが何か勘違いをしているのは確かだ。
「《収納魔法》ってのは、異空間に無限に物を収納できる魔法なんだ。そうだったな? シーナ」
「え、違いますよ?」
「は⁉」
念のための確認だったのだが、予想外の答えが返ってきた。
自信満々に解説していたのが恥ずかしくなってくるじゃないか!
いったいどういうことなんだ⁉
「《収納魔法》も魔法の一つなので、魔力を消費します。収納する物の質量に応じて最大魔力量が減ってしまうので、そこが限界になります。カズヤさんの収納量は……異常です」
「そんな仕組みだったのか⁉」
「知らずに使っていたことに私も驚いています……!」
ま、まあそれもそうか。
どういうわけか、魔法書をサッと見ただけで修得できてしまったので、細かな仕組みのところを全然理解できていないんだよな。
おそらく、俺の魔力量が多すぎて今まで魔力不足で困らなかったから気付かなかったのだ。
これは俺の勉強不足だな、うん。
まあ、そうなるとアリアが驚くのも無理はないわけだ。
「想定以上……これは、厄介」
「厄介?」
「な、なんでもない!」
アリアはさっきから一人で何を考えているんだ?
気にはなるが……まあ、元々ちょっとミステリアスな感じだったし、いちいち気にしてもしょうがないか。
「じゃあ、一旦戻ろう。ソラ、アーネスまで頼む」
「承知しました」
休んでいたソラに声を掛けた後、ダイヤとコッコを《収納魔法》で保管しておく。
そういえば、ここで倒した二十体の魔物はどのくらいの査定になるのだろうか。
シーナは強い魔物ならまとまった金額になると言っていたが……十万ジュエルくらいだろうか?
高校生の俺にとって、十万円は紛れもなく大金だ。
それ故にこのくらいの金額を想像していたのだが、実際の査定で震えることになろうとは、この時は思いもしなかった。
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