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そのいち
数十回目以上の決意表明
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「さて先輩」
話を切り出す割合はラスの方が早い。一緒に居るにも関わらずリシェに構って欲しいと思う反面なのか、彼を見ると何かしら言わないと気が済まなくなっているようだ。
そんなラスの気持ちを全く理解しないリシェ。
くるりと顔を向け、いつもの無表情で「何だ?」と問う。
「四回目になりました」
「またか…」
何を言っているのかまるで分からない様子。無理も無い。
この世界で元々自分達は何者だったのかを知っている人間は、現状ラスとアストレーゼン学園の保健医として存在しているロシュのみ。
そのロシュに出し抜かれないように何度となくアタックしているが、当のリシェは全く自分に靡く様子がない。全くの進展無しだ。
「そろそろ先輩、俺に落ちてもいいと思うんです」
「………」
ラスの言葉を受けても、リシェは「はあ」と気の無い返事をする。
「あいつにだけは絶対に取られてたまるかって思いますよ」
「お前の独り言は全く理解出来ないんだよ」
理解しようとも思わないのだろう。
相変わらずの淡白さに、ラスはついくすりと笑ってしまう。
「でも先輩、最初の頃よりは大分俺に打ち解けてくれましたね。最初なんてもう泣くわ喚くわ怒るわでまるで小動物みたいでしたし」
「打ち解けるっていうか…お前の図々しさに呆れてるんだ」
泣き喚く小動物など見た事が無いが、とりあえず前よりはマシになってきたと言いたいのだろう。
むしろラスのゴリ押しに辟易した感が強い。
「そりゃあ先輩。こうでもしなきゃ、振り向いてくれなさそうだったし…あまり人と関わり合いになりたがらなそうじゃないですかぁ…先輩、成績表の個人評価の項目に性格面で内向的だとか書かれませんでしたか?」
「お前、ここにきて今更俺の性格が云々って文句を付けてくるのか」
妙に馬鹿にされている気がしたらしい。突っ掛かるようにリシェはラスを威嚇した。
「性格なんか別にいいじゃないか。悪い事なんてしていないぞ」
「そういう意味じゃないですよぉ…ほら、好きな事に対して自分から進んで行動するとか、そういう意味合いで」
「好きな事に対してなら誰だって動くだろうよ」
ぐぎぎぎと何故か敵意を剥き出すリシェ。
内向的と言われた事に対して変に苛ついたらしい。
「好きな事…ですかぁ。でも先輩、俺に対しては全然食いついてくれないじゃないですか」
「は?」
拗ねるラスの突拍子の無い発言に、リシェは更に不愉快そうな顔で返事をした。
この馬鹿は何を言っているのだろうか、と。
いつ誰がお前を好きだと言った?と眉を寄せる。
「先輩、俺が好きではないのですか?」
毎回のように堂々巡りな質問をぶつけてくるラス。もう何度目なのかと数えるのも飽きるレベル。彼にしては告白の類なのだろうが、リシェはまたかと突き放した。
何度も繰り返せば嘘臭く聞こえる。
それをある程度超えると、全く動じなくなるものだ。
リシェはラスの愛の言葉を聞き過ぎた結果、全く動じないレベルになっていた。
普段見る景色と同じになっていたのだ。
「昔花占いをやっただろう。あの結果を思い出せばいいぞ」
ラスは過去を思い出し、好き…嫌い…とぶつぶつ呟く。
確かあれは、最後の一枚で嫌いが確定して先輩が薄ら笑いをしたんだっけ…と思った瞬間にがばりと顔を上げる。
「占いなんて信じちゃいけませんよ!!」
「あれはお前からやりだしたんだろうが!!自分から持ち出しておいて占いなんて信じるなとか!」
悪い結果は全く受け入れようとしないラスのメンタルは見習うべきなのかもしれないが、リシェにしては鬱陶しいと感じてしまう。
「あれはもういいのです!占いの結果はどうであれ、俺は今度ばかりは絶対に先輩を振り向かせますからね!とにかくあの変態保健医の魔の手から守らないと」
「何を言ってるんだお前…」
がっつく精神力の図太さはどこからくるのだろう。
一種の決意表明をするラスを前に、リシェはドン引きしながら後ずさる。これだけ拒否しているにも関わらず、めげないのが逆に凄い。
その能力を他に向けたらいいのに…と思わずにはいられなかった。
話を切り出す割合はラスの方が早い。一緒に居るにも関わらずリシェに構って欲しいと思う反面なのか、彼を見ると何かしら言わないと気が済まなくなっているようだ。
そんなラスの気持ちを全く理解しないリシェ。
くるりと顔を向け、いつもの無表情で「何だ?」と問う。
「四回目になりました」
「またか…」
何を言っているのかまるで分からない様子。無理も無い。
この世界で元々自分達は何者だったのかを知っている人間は、現状ラスとアストレーゼン学園の保健医として存在しているロシュのみ。
そのロシュに出し抜かれないように何度となくアタックしているが、当のリシェは全く自分に靡く様子がない。全くの進展無しだ。
「そろそろ先輩、俺に落ちてもいいと思うんです」
「………」
ラスの言葉を受けても、リシェは「はあ」と気の無い返事をする。
「あいつにだけは絶対に取られてたまるかって思いますよ」
「お前の独り言は全く理解出来ないんだよ」
理解しようとも思わないのだろう。
相変わらずの淡白さに、ラスはついくすりと笑ってしまう。
「でも先輩、最初の頃よりは大分俺に打ち解けてくれましたね。最初なんてもう泣くわ喚くわ怒るわでまるで小動物みたいでしたし」
「打ち解けるっていうか…お前の図々しさに呆れてるんだ」
泣き喚く小動物など見た事が無いが、とりあえず前よりはマシになってきたと言いたいのだろう。
むしろラスのゴリ押しに辟易した感が強い。
「そりゃあ先輩。こうでもしなきゃ、振り向いてくれなさそうだったし…あまり人と関わり合いになりたがらなそうじゃないですかぁ…先輩、成績表の個人評価の項目に性格面で内向的だとか書かれませんでしたか?」
「お前、ここにきて今更俺の性格が云々って文句を付けてくるのか」
妙に馬鹿にされている気がしたらしい。突っ掛かるようにリシェはラスを威嚇した。
「性格なんか別にいいじゃないか。悪い事なんてしていないぞ」
「そういう意味じゃないですよぉ…ほら、好きな事に対して自分から進んで行動するとか、そういう意味合いで」
「好きな事に対してなら誰だって動くだろうよ」
ぐぎぎぎと何故か敵意を剥き出すリシェ。
内向的と言われた事に対して変に苛ついたらしい。
「好きな事…ですかぁ。でも先輩、俺に対しては全然食いついてくれないじゃないですか」
「は?」
拗ねるラスの突拍子の無い発言に、リシェは更に不愉快そうな顔で返事をした。
この馬鹿は何を言っているのだろうか、と。
いつ誰がお前を好きだと言った?と眉を寄せる。
「先輩、俺が好きではないのですか?」
毎回のように堂々巡りな質問をぶつけてくるラス。もう何度目なのかと数えるのも飽きるレベル。彼にしては告白の類なのだろうが、リシェはまたかと突き放した。
何度も繰り返せば嘘臭く聞こえる。
それをある程度超えると、全く動じなくなるものだ。
リシェはラスの愛の言葉を聞き過ぎた結果、全く動じないレベルになっていた。
普段見る景色と同じになっていたのだ。
「昔花占いをやっただろう。あの結果を思い出せばいいぞ」
ラスは過去を思い出し、好き…嫌い…とぶつぶつ呟く。
確かあれは、最後の一枚で嫌いが確定して先輩が薄ら笑いをしたんだっけ…と思った瞬間にがばりと顔を上げる。
「占いなんて信じちゃいけませんよ!!」
「あれはお前からやりだしたんだろうが!!自分から持ち出しておいて占いなんて信じるなとか!」
悪い結果は全く受け入れようとしないラスのメンタルは見習うべきなのかもしれないが、リシェにしては鬱陶しいと感じてしまう。
「あれはもういいのです!占いの結果はどうであれ、俺は今度ばかりは絶対に先輩を振り向かせますからね!とにかくあの変態保健医の魔の手から守らないと」
「何を言ってるんだお前…」
がっつく精神力の図太さはどこからくるのだろう。
一種の決意表明をするラスを前に、リシェはドン引きしながら後ずさる。これだけ拒否しているにも関わらず、めげないのが逆に凄い。
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