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4話 新たな生き方
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「俺、冒険者になるよ」
父さんからの勧誘に二つ返事で返答した俺。
自分でもビックリするくらい悩むことは無かった。
あまりの即決に父さんも目をパチクリしている。
「いいのか、そんなに簡単に決めても? 別に焦って答えを出す必要はないんだぞ?」
「いいんだ、父さん。悩んでいたって現実は変わらない。それならまずは一歩踏み出してみようと思うんだ」
「そうか。分かった」
父さんは深く頷くと了承してくれた。
自分が原因で騎士団を追放され、今自分の示した道を歩もうとする息子を見て思うところがあるのだろう。
父さんは目を瞑り、そうかそうか、と自分を納得させているように見える。
そんな父さんに対してヒルダが声をかける。
「おじさん。私も冒険者にしてください」
ヒルダの訴えに先ほどまで目を瞑っていた父さんは、目をカッと見開いてガバッと身を乗り出す。
「どうしたんだ、ヒルダ!? お前まで!?」
父さんは心底驚いた様子だ。
俺だって驚いている。
俺と同時に騎士団を辞めてしまったヒルダだが、まさか冒険者をやりたいと言うなんて予想していなかった。
ヒルダの父さんは現役の騎士だ。
だから、金蕾の騎士団を辞めたとはいえヒルダは騎士になるものだと思い込んでいた。
ヒルダは俺と一緒に騎士学校に通っているし、実力だってある。
騎士団を辞めたという過去があったって、そこそこの位までは行けるはずだ。
「ヒルダ! お前まで冒険者にならなくたっていいんだ! お前は騎士になれよ!」
「もう決めたことだもの」
「でも、お前の父さんには何て言うつもりだよ!」
「もう言ってきたわ」
「なんて?」
「シグルズとずっと一緒に居たいから、彼の選択に着いて行ってもいいですか? って」
「な……」
「お父さんは二つ返事で了承してくれたわ」
俺は顔が火照ってくるのを感じた。
おそらく真っ赤になっていると思う。
ずっと一緒に居たい、とか言われて無表情ではいられなかった。
そんな歯の浮くようなセリフを言った本人はいつも通りクールな表情をしているし、なんで俺だけ恥ずかしがってるんだよ。
またしてもヒルダを直視することができなくなった。
なんで今日に限ってヒルダに対してこんなにドキドキするんだよ。
自分の感情がコントロールできないのは困りものだぞ。
平常心を取り戻そうと部屋中に視線を動かして、別のことを考えようとする。
そしたら、父さんの姿が目に入った。
まさかお前たち、と言わんばかりの興味津々といった表情をしている。
断じて違うからな!
俺とヒルダはまだそんな関係じゃないんだからな!
とまたしても心が乱れ始める。
俺が心臓をバクバクと鳴らし、焦っている横で、父さんとヒルダは話しを進める。
「あいつの許可も取ってあるのか。それなら俺にはヒルダを止める権利はないな。もう一度だけ聞くが、冒険者になることに後悔はないか?」
「ありません」
「即答だな。まったく、父親に似てきたものだよ。まあ見た目はあいつに似なくて良かったな! あいつに似たら禿げるからな!」
ガハハと父さんは笑う。
最低だなこのクソ親父め。
とも思うけど、父さんとヒルダの父さんはずーっと仲良しだ。
だからこそ言える冗談なんだろう。
ヒルダもクスッと笑っているし。
笑うということは自分の父親が禿げていることを肯定しているのだ。
まあ俺の目から見ても禿げてると思うから、それが事実なんだけど。
ということでヒルダが冒険者になるということに異論を唱えるものはいなくなったわけだ。
正直俺は納得してないけど。
冒険者というのは金銭を受け取って魔物の討伐などを行うわけだから、そこにはかなりの危険が伴うことになるだろう。
命を懸けることを商品とするわけなのだから。
ヒルダには王都で安全に暮らして欲しいと思う。
魔物との前線になんて出ないで欲しい。
だけど、どれだけ説得したってヒルダは着いてくるのだろう。
なら俺がすべきことは彼女を護るというただ一つのことだけだ。
俺が文句を言わないことを確認した父さんは、さっそく俺たちの冒険者登録を始めた。
登録と言ってもペラペラの紙一枚を書くだけだ。
この手軽に登録できるということが冒険者を志望する人が増加している最たる理由だろう。
大した手順を踏まずに冒険者という身分を得ることができる。
こんな抜け穴だらけの登録でオッケーしてしまうほど世界が疲弊しているということなのだろう。
冒険者を名乗る奴らの中には、強盗や山賊みたいな身なりをした奴すら見かけることがある。
そういった奴らを排除することが今後冒険者ギルドに課せられた使命なのかもしれない。
登録用紙の記入が終わった俺とヒルダは父さんに紙を渡す。
用紙を流し読みした父さんは席を立ってギルドマスターの執務室を出ていく。
出ていく際に、
「じゃあ登録を済ませてくるから少し待ってろ。ジュースでも持ってこさせるからゆっくりしてろよ」
と言い残していった。
言葉通り、父さんが出て行った後に職員の人がジュースを持ってきてくれた。
俺とヒルダはフカフカのソファーに腰かけながらジュースを飲む。
部屋には沈黙が流れている。
ヒルダは基本的に無口な方だ。
無口といってもこちらから話し掛ければちゃんと返答してくれるし、笑ったり怒ったりもする。
ただ、あまり積極的には話し掛けてくれない。
だから俺が話題を振らなければこのような沈黙状態になることも良くある。
何の話をしようかと悩んでいると、珍しくヒルダから話し掛けてきた。
「シグルズは夢とかあるの?」
「夢?」
「そう。目標でもいいけれど」
「そうだな……。やっぱり父さんみたいになりたいかな。強くて優しくて、それから……誰かを護れるような」
「その夢は冒険者になっても叶えられる?」
「やけに難しいことを聞くんだな。正直分からないよ。だけど、俺が冒険者をやるのは父さんに、やってみないか、って言われたからやるんじゃないんだ。きっかけは父さんの言葉だったけど、冒険者をやってれば何か答えに辿り着くような気がしたんだ。根拠のない直観だけど」
「そう」
それだけ言うとヒルダはまた静かになってしまった。
珍しく話し掛けてくれたと思えば何だか難しい質問だったな。
それに俺ばっかりで不公平だ。
「なあ、ヒルダ。お前の夢はなんなんだよ」
「……ないしょ。」
ニコッと笑いながら返答したヒルダ。
その笑顔は今まで見たことのないような、いたずらっ子のような小悪魔のようなものだった。
その笑顔を見た俺はドクンと鼓動が高鳴るのを感じた。
本日何度目だよ。
今日に限っていつもと違う姿を見せすぎだ。
赤面した俺はヒルダに悟られないようにコップに入ったジュースを煽る。
そのとき、ガチャ、という音と共に扉が開き父さんが部屋に入ってくる。
「何だ、お前たち。妙に静かだな」
何かを手に持った父さんが近づいてくる。
その手には銀色のプレートのようなものが握られている。
そしてそれを俺たちに一枚ずつ差し出すと説明を始めた。
「それが冒険者である証になる。くれぐれもなくすなよ。お前たちは一番下のランクであるシルバー級冒険者からのスタートだ。依頼をこなしていればランクも上がっていくっていうシステムだ。やる気がでるだろう!」
ガハハと豪快に笑う父さんをよそ目に俺は銀色のプレートを見た。
プレートには俺の名前などの情報が記載されていて、二枚で一組になっている。
二枚のプレートにはチェーンが付けられていて首から下げられるような仕組みだ。
別に首から下げずとも服などに取り付けてもいいのだろう。
俺は首に通してみることにした。
特に重みもそこまで感じないため戦闘で邪魔になることもないだろう。
それに、プレートを身に着けることで冒険者になってという実感が湧いてきた。
我ながら単純な性格だと思う。
ヒルダを見ると、ヒルダも首から下げることにしたみたいだ。
普段あまりアクセサリーなどをつけない彼女が首から何かを下げているのは何とも新鮮な気持ちになる。
本当なら可愛いネックレスとかを付けて欲しいところだけど、似合っているなとも感じた。
プレートを付けた俺たちを見て父さんはウンウンと頷いている。
父さんの目から見ればよほど納得がいっているのだろう。
「これでお前たちは冒険者だ! 頑張れよ! ……それから無茶だけはしないようにな」
俺とヒルダは冒険者になった。
騎士団を除名されたときはどうなるかと思ったけど、新たな生き方を見つけることが出来たんだ。
精一杯やってやろう。
そしていつの日か、俺と父さんを馬鹿にしたあいつらを見返してやるんだ。
父さんからの勧誘に二つ返事で返答した俺。
自分でもビックリするくらい悩むことは無かった。
あまりの即決に父さんも目をパチクリしている。
「いいのか、そんなに簡単に決めても? 別に焦って答えを出す必要はないんだぞ?」
「いいんだ、父さん。悩んでいたって現実は変わらない。それならまずは一歩踏み出してみようと思うんだ」
「そうか。分かった」
父さんは深く頷くと了承してくれた。
自分が原因で騎士団を追放され、今自分の示した道を歩もうとする息子を見て思うところがあるのだろう。
父さんは目を瞑り、そうかそうか、と自分を納得させているように見える。
そんな父さんに対してヒルダが声をかける。
「おじさん。私も冒険者にしてください」
ヒルダの訴えに先ほどまで目を瞑っていた父さんは、目をカッと見開いてガバッと身を乗り出す。
「どうしたんだ、ヒルダ!? お前まで!?」
父さんは心底驚いた様子だ。
俺だって驚いている。
俺と同時に騎士団を辞めてしまったヒルダだが、まさか冒険者をやりたいと言うなんて予想していなかった。
ヒルダの父さんは現役の騎士だ。
だから、金蕾の騎士団を辞めたとはいえヒルダは騎士になるものだと思い込んでいた。
ヒルダは俺と一緒に騎士学校に通っているし、実力だってある。
騎士団を辞めたという過去があったって、そこそこの位までは行けるはずだ。
「ヒルダ! お前まで冒険者にならなくたっていいんだ! お前は騎士になれよ!」
「もう決めたことだもの」
「でも、お前の父さんには何て言うつもりだよ!」
「もう言ってきたわ」
「なんて?」
「シグルズとずっと一緒に居たいから、彼の選択に着いて行ってもいいですか? って」
「な……」
「お父さんは二つ返事で了承してくれたわ」
俺は顔が火照ってくるのを感じた。
おそらく真っ赤になっていると思う。
ずっと一緒に居たい、とか言われて無表情ではいられなかった。
そんな歯の浮くようなセリフを言った本人はいつも通りクールな表情をしているし、なんで俺だけ恥ずかしがってるんだよ。
またしてもヒルダを直視することができなくなった。
なんで今日に限ってヒルダに対してこんなにドキドキするんだよ。
自分の感情がコントロールできないのは困りものだぞ。
平常心を取り戻そうと部屋中に視線を動かして、別のことを考えようとする。
そしたら、父さんの姿が目に入った。
まさかお前たち、と言わんばかりの興味津々といった表情をしている。
断じて違うからな!
俺とヒルダはまだそんな関係じゃないんだからな!
とまたしても心が乱れ始める。
俺が心臓をバクバクと鳴らし、焦っている横で、父さんとヒルダは話しを進める。
「あいつの許可も取ってあるのか。それなら俺にはヒルダを止める権利はないな。もう一度だけ聞くが、冒険者になることに後悔はないか?」
「ありません」
「即答だな。まったく、父親に似てきたものだよ。まあ見た目はあいつに似なくて良かったな! あいつに似たら禿げるからな!」
ガハハと父さんは笑う。
最低だなこのクソ親父め。
とも思うけど、父さんとヒルダの父さんはずーっと仲良しだ。
だからこそ言える冗談なんだろう。
ヒルダもクスッと笑っているし。
笑うということは自分の父親が禿げていることを肯定しているのだ。
まあ俺の目から見ても禿げてると思うから、それが事実なんだけど。
ということでヒルダが冒険者になるということに異論を唱えるものはいなくなったわけだ。
正直俺は納得してないけど。
冒険者というのは金銭を受け取って魔物の討伐などを行うわけだから、そこにはかなりの危険が伴うことになるだろう。
命を懸けることを商品とするわけなのだから。
ヒルダには王都で安全に暮らして欲しいと思う。
魔物との前線になんて出ないで欲しい。
だけど、どれだけ説得したってヒルダは着いてくるのだろう。
なら俺がすべきことは彼女を護るというただ一つのことだけだ。
俺が文句を言わないことを確認した父さんは、さっそく俺たちの冒険者登録を始めた。
登録と言ってもペラペラの紙一枚を書くだけだ。
この手軽に登録できるということが冒険者を志望する人が増加している最たる理由だろう。
大した手順を踏まずに冒険者という身分を得ることができる。
こんな抜け穴だらけの登録でオッケーしてしまうほど世界が疲弊しているということなのだろう。
冒険者を名乗る奴らの中には、強盗や山賊みたいな身なりをした奴すら見かけることがある。
そういった奴らを排除することが今後冒険者ギルドに課せられた使命なのかもしれない。
登録用紙の記入が終わった俺とヒルダは父さんに紙を渡す。
用紙を流し読みした父さんは席を立ってギルドマスターの執務室を出ていく。
出ていく際に、
「じゃあ登録を済ませてくるから少し待ってろ。ジュースでも持ってこさせるからゆっくりしてろよ」
と言い残していった。
言葉通り、父さんが出て行った後に職員の人がジュースを持ってきてくれた。
俺とヒルダはフカフカのソファーに腰かけながらジュースを飲む。
部屋には沈黙が流れている。
ヒルダは基本的に無口な方だ。
無口といってもこちらから話し掛ければちゃんと返答してくれるし、笑ったり怒ったりもする。
ただ、あまり積極的には話し掛けてくれない。
だから俺が話題を振らなければこのような沈黙状態になることも良くある。
何の話をしようかと悩んでいると、珍しくヒルダから話し掛けてきた。
「シグルズは夢とかあるの?」
「夢?」
「そう。目標でもいいけれど」
「そうだな……。やっぱり父さんみたいになりたいかな。強くて優しくて、それから……誰かを護れるような」
「その夢は冒険者になっても叶えられる?」
「やけに難しいことを聞くんだな。正直分からないよ。だけど、俺が冒険者をやるのは父さんに、やってみないか、って言われたからやるんじゃないんだ。きっかけは父さんの言葉だったけど、冒険者をやってれば何か答えに辿り着くような気がしたんだ。根拠のない直観だけど」
「そう」
それだけ言うとヒルダはまた静かになってしまった。
珍しく話し掛けてくれたと思えば何だか難しい質問だったな。
それに俺ばっかりで不公平だ。
「なあ、ヒルダ。お前の夢はなんなんだよ」
「……ないしょ。」
ニコッと笑いながら返答したヒルダ。
その笑顔は今まで見たことのないような、いたずらっ子のような小悪魔のようなものだった。
その笑顔を見た俺はドクンと鼓動が高鳴るのを感じた。
本日何度目だよ。
今日に限っていつもと違う姿を見せすぎだ。
赤面した俺はヒルダに悟られないようにコップに入ったジュースを煽る。
そのとき、ガチャ、という音と共に扉が開き父さんが部屋に入ってくる。
「何だ、お前たち。妙に静かだな」
何かを手に持った父さんが近づいてくる。
その手には銀色のプレートのようなものが握られている。
そしてそれを俺たちに一枚ずつ差し出すと説明を始めた。
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ガハハと豪快に笑う父さんをよそ目に俺は銀色のプレートを見た。
プレートには俺の名前などの情報が記載されていて、二枚で一組になっている。
二枚のプレートにはチェーンが付けられていて首から下げられるような仕組みだ。
別に首から下げずとも服などに取り付けてもいいのだろう。
俺は首に通してみることにした。
特に重みもそこまで感じないため戦闘で邪魔になることもないだろう。
それに、プレートを身に着けることで冒険者になってという実感が湧いてきた。
我ながら単純な性格だと思う。
ヒルダを見ると、ヒルダも首から下げることにしたみたいだ。
普段あまりアクセサリーなどをつけない彼女が首から何かを下げているのは何とも新鮮な気持ちになる。
本当なら可愛いネックレスとかを付けて欲しいところだけど、似合っているなとも感じた。
プレートを付けた俺たちを見て父さんはウンウンと頷いている。
父さんの目から見ればよほど納得がいっているのだろう。
「これでお前たちは冒険者だ! 頑張れよ! ……それから無茶だけはしないようにな」
俺とヒルダは冒険者になった。
騎士団を除名されたときはどうなるかと思ったけど、新たな生き方を見つけることが出来たんだ。
精一杯やってやろう。
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