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第二章
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若干気まずくはなったけど、気を取り直して他愛のない話をした。
今は5月中旬なのでちょっと暑くなってきたねという話をしたり、ゴールデンウィークがもっと欲しいという話をしたり…この時期だと花粉症が怖いよねなんて話をしていた。
昨日『稲荷・雅』に出会って興奮したねという話題をした時はうっかり御神楽さんの名前を口に出しそうになってしまい、自分で自分にドキッとしたりした。
「奈々子、本人も言ってたじゃん?『ぼくに出会ったこと内緒にして欲しい』って。誰かに聞かれたら大変なことになりそう」
盛り上がっていた奈々子には申し訳ないけど、私がうっかりボロを出さないためにも『稲荷・雅』関連の話を一旦落ち着かせるように言った。
「あっ…そうだった!危ない危ない…!!推しの平穏を乱すところだった」
「奈々子、いつの間に『稲荷・雅』推しになったの?」
「昨日だね~、やっぱり。逆に聞くけど、助けてもらって惚れない人なんている?あんな圧倒的オーラ放っている人にさ」
「そう言われると…わかるなぁ、うん」
『稲荷・雅』…御神楽さんの綺麗な顔を見たこともあり、こんなすごい人に助けてもらったんだと思うと気持ちがすごいわかる。
「でもやっぱり1番の推しはロゼッタ様だよ!チケットの抽選今日だから当たったら絶対一緒に行こう!!」
奈々子は私の両手を握り、そう言った。
そういえば昨日、『エルフ・ロゼッタ』…桜宮さんにも会ったんだよな…。
当たったら嬉しいけど、半分気まずいというか照れるというか…。
「あれ?奏波、ノリ気じゃない?もしかして…嫌だった?!」
「そんなことないよ?!今から当たったこと想像して緊張してただけだから」
「なぁんだ、そういう事か~…。焦った~…無理強いしてしまったかと思ったよ…。せっかちさんだなぁ、奏波はぁ」
「へへ、緊張するタイミング早すぎたね」
「そうだ奏波、今日も夜空いてる?」
「うん?空いてるけど…?」
「今日もワーツリ一緒にやらない?昨日でめちゃくちゃレベル上がったから少しだけレベル高めのクエストに行きたくて」
「いいよ!私も早く強くなりたいから!」
「おっ?ワーツリ沼にハマったなぁ~?」
「そう…なのかな?そうかも」
少しでもレベルの高いクエストに行って経験値を積まないと…!!
明後日、ランキングTOP3の実力を持っているみんなの足を引っ張りたくない。
そう考えていると奈々子が私の眉間をつついた。
「なに?」
「眉間にシワ寄ってたよ。本当に何か思い詰めてないんだね?」
と言いながら奈々子は私の眉間を人差し指でぐりぐりとする。
「いててて?!」
「必殺シワ伸ばし~!!観念しろ~!!!」
「大丈夫!大丈夫だから!寝不足で頭がぼーっとしてるだけだから!!」
「だったら、今日のワーツリやめとく?寝不足気味が続いたらよくないし」
「それ、奈々子が言えることぉ?」
「あー!言ったなぁ~?」
「いやぁ~!!妖怪シワ伸ばし~!!!!」
私はそう言って奈々子から小走りで逃げる。
「誰が妖怪シワ伸ばしよ!!!!待て~!!!!」
そんなやり取りをしながら私と奈々子は学校に着いた。
今は5月中旬なのでちょっと暑くなってきたねという話をしたり、ゴールデンウィークがもっと欲しいという話をしたり…この時期だと花粉症が怖いよねなんて話をしていた。
昨日『稲荷・雅』に出会って興奮したねという話題をした時はうっかり御神楽さんの名前を口に出しそうになってしまい、自分で自分にドキッとしたりした。
「奈々子、本人も言ってたじゃん?『ぼくに出会ったこと内緒にして欲しい』って。誰かに聞かれたら大変なことになりそう」
盛り上がっていた奈々子には申し訳ないけど、私がうっかりボロを出さないためにも『稲荷・雅』関連の話を一旦落ち着かせるように言った。
「あっ…そうだった!危ない危ない…!!推しの平穏を乱すところだった」
「奈々子、いつの間に『稲荷・雅』推しになったの?」
「昨日だね~、やっぱり。逆に聞くけど、助けてもらって惚れない人なんている?あんな圧倒的オーラ放っている人にさ」
「そう言われると…わかるなぁ、うん」
『稲荷・雅』…御神楽さんの綺麗な顔を見たこともあり、こんなすごい人に助けてもらったんだと思うと気持ちがすごいわかる。
「でもやっぱり1番の推しはロゼッタ様だよ!チケットの抽選今日だから当たったら絶対一緒に行こう!!」
奈々子は私の両手を握り、そう言った。
そういえば昨日、『エルフ・ロゼッタ』…桜宮さんにも会ったんだよな…。
当たったら嬉しいけど、半分気まずいというか照れるというか…。
「あれ?奏波、ノリ気じゃない?もしかして…嫌だった?!」
「そんなことないよ?!今から当たったこと想像して緊張してただけだから」
「なぁんだ、そういう事か~…。焦った~…無理強いしてしまったかと思ったよ…。せっかちさんだなぁ、奏波はぁ」
「へへ、緊張するタイミング早すぎたね」
「そうだ奏波、今日も夜空いてる?」
「うん?空いてるけど…?」
「今日もワーツリ一緒にやらない?昨日でめちゃくちゃレベル上がったから少しだけレベル高めのクエストに行きたくて」
「いいよ!私も早く強くなりたいから!」
「おっ?ワーツリ沼にハマったなぁ~?」
「そう…なのかな?そうかも」
少しでもレベルの高いクエストに行って経験値を積まないと…!!
明後日、ランキングTOP3の実力を持っているみんなの足を引っ張りたくない。
そう考えていると奈々子が私の眉間をつついた。
「なに?」
「眉間にシワ寄ってたよ。本当に何か思い詰めてないんだね?」
と言いながら奈々子は私の眉間を人差し指でぐりぐりとする。
「いててて?!」
「必殺シワ伸ばし~!!観念しろ~!!!」
「大丈夫!大丈夫だから!寝不足で頭がぼーっとしてるだけだから!!」
「だったら、今日のワーツリやめとく?寝不足気味が続いたらよくないし」
「それ、奈々子が言えることぉ?」
「あー!言ったなぁ~?」
「いやぁ~!!妖怪シワ伸ばし~!!!!」
私はそう言って奈々子から小走りで逃げる。
「誰が妖怪シワ伸ばしよ!!!!待て~!!!!」
そんなやり取りをしながら私と奈々子は学校に着いた。
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