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初ダンジョン
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ぼんやりと光が見える。
ここはどこだっけ?
長い夢を見ていた気がする。
「レッドさん!」
俺を呼ぶ声がする。
この声は…
「マホ…」
「みなさん、気がついたみたいです」
ブラック・マホが回復魔法を俺に使っているようだ。
思い出した。
俺はレベル1000ダンジョンにいたんだ。
「トヲルは?」
「何も覚えていないんですね」
周りをよく見ると、草原ではなく荒地になっていた。
あまりの変わり様に一瞬驚いたが、状況は飲み込めた。
「俺がトヲルを倒したんだな」
「はい」
マホは頷いた。
「夢を見ていたんだ。トヲルと出会った頃の夢」
「どんな夢だった?」
紫・ピィメンが質問をした。
「7年前、勇者になりたての時の夢だった」
7年前
レッド・チャンは勇者になった。
「最初は誰でもレベル1からスタートになります」
「どうやったらレベルを上げられるの?」
ここは勇者になる為の受付。
受付の人と少年が話していた。
この少年こそレッド・チャンだ。
レッド・チャンの質問に受付の人は答えた。
「ダンジョンにはレベルがあります。クリアしたダンジョンのレベルと活躍によって、協会が判定をしてレベルの割振りをします」
「じゃあ、高いレベルのダンジョンに挑戦したい」
「それはできません。最初の勇者にはダンジョンに慣れてもらう為、上級レベルの勇者1人とレベル1勇者4人の5人編成で低レベルダンジョンに挑んでもらいます」
「そっか。じゃあいつそのダンジョンには行けるの?」
「レベル1勇者はあなたを合わせて3人いますので、あと1人勇者の申請をした人がいれば挑めますよ」
「だったら今から行きましょうか」
後ろから太めのおじさんが話に割り込んできた。
「あなたは?」
受付の人が質問をした。
「僕も勇者になる」
太めのおじさんは勇者の申請をした。
それから、太めのおじさんは受付を済ませ終えてやって来た。
「初ダンジョン行けるってさ。よろしくね」
おじさんはそう言って手を差し伸べてきた。
「よろしくな!俺はレッド・チャン」
おじさんと握手を交わした。
「グンジョウです」
それからはグンジョウとしばし会話をし、少ししてからダンジョンに案内された。
メンバーはこの俺、レッド・チャンとグンジョウのおっさん、初心者勇者のミズウィローとトヲル・メイ、上級レベル勇者のグレーさんだ。
グレーさんがダンジョンの扉の説明をしてから扉を開けた。
そこは一面の草原だった。
その中に、ウサギにしては大きなウサギがいた。
大きいといっても、そんなに大きくはなくて三輪車くらいの大きさだ。
目が真っ赤で、とても目つきが悪い。
「このウサギは見て分かる通り、普通のウサギではない。モンスターだ。ただ、そこまで強いモンスターでもないから大丈夫。誰か戦ってみたい人はいるかな?」
グレーさんは優しく問いかけた。
「俺がやるぜ!」
俺は真っ先に手を挙げた。
隣でグンジョウのおっさんも手を挙げていた。
「じゃあ2人で倒してみようか」
グレーさんは、武器を取り出して俺に渡してくれた。
俺は初めて、剣を手にした。
「君にも武器を渡そう」
グンジョウのおっさんにも剣を差し出した。
「そんな弱い剣なんていらないね」
グンジョウのおっさんが喋ると同時に、グレーさんは血を吐き出した。
良く見ると、グンジョウのおっさんの手から光の剣が出ていて、グレーさんの腹部を貫通していた。
「お前は一体誰だ!」
グレーさんが叫んだ。
「僕はモンスターだ」
グンジョウのおっさんが答えた。
グレーさんは手にしていた剣でグンジョウのおっさん目掛けて斬りかかった。
だが、その剣はグンジョウのおっさんの光る剣によって砕かれた。
そのままグンジョウのおっさんは、グレーさんを切り裂いた。
「上級レベルの勇者も大したことないな」
その光景を見たミズウィローは来た道を戻り扉の方に逃げ出した。
「逃がさないよ」
グンジョウのおっさんは気づいたら、ミズウィローの前に立ちはだかっていた。
そして、光る剣でまたしても切り裂いた。
「おい、グンジョウのおっさん!!!」
俺は叫んだ。
「レベル1勇者のレッドくん、そんな怖そうな顔をしてどうしたんだい?」
グンジョウのおっさんはニヤリと笑いながらこっちを見た。
俺にアイツを倒す力なんてない。
初めてのダンジョンで俺は命を落とすのか。
その時、直ぐ隣から声が聞こえた。
「レッド、君となら倒せる気がする」
隣を見ても誰もいない。
良く見ると、トヲル・メイの姿もない。
トヲルが急に隣に現れた。
「僕の能力さ」
トヲルが言った。
「それよりお前と力を合わせたらアイツを倒せるのは本当か?」
「僕とレッドが力を合わせたら誰にだって負けやしないよ」
俺とトヲルを見ながら、グンジョウはゆっくりと近づいてくる。
段々と人の姿からモンスターの姿へと変えていく。
「レベル1勇者が揃った所で何ができる?」
完全にモンスターの姿に変貌したグンジョウと対峙した。
ここはどこだっけ?
長い夢を見ていた気がする。
「レッドさん!」
俺を呼ぶ声がする。
この声は…
「マホ…」
「みなさん、気がついたみたいです」
ブラック・マホが回復魔法を俺に使っているようだ。
思い出した。
俺はレベル1000ダンジョンにいたんだ。
「トヲルは?」
「何も覚えていないんですね」
周りをよく見ると、草原ではなく荒地になっていた。
あまりの変わり様に一瞬驚いたが、状況は飲み込めた。
「俺がトヲルを倒したんだな」
「はい」
マホは頷いた。
「夢を見ていたんだ。トヲルと出会った頃の夢」
「どんな夢だった?」
紫・ピィメンが質問をした。
「7年前、勇者になりたての時の夢だった」
7年前
レッド・チャンは勇者になった。
「最初は誰でもレベル1からスタートになります」
「どうやったらレベルを上げられるの?」
ここは勇者になる為の受付。
受付の人と少年が話していた。
この少年こそレッド・チャンだ。
レッド・チャンの質問に受付の人は答えた。
「ダンジョンにはレベルがあります。クリアしたダンジョンのレベルと活躍によって、協会が判定をしてレベルの割振りをします」
「じゃあ、高いレベルのダンジョンに挑戦したい」
「それはできません。最初の勇者にはダンジョンに慣れてもらう為、上級レベルの勇者1人とレベル1勇者4人の5人編成で低レベルダンジョンに挑んでもらいます」
「そっか。じゃあいつそのダンジョンには行けるの?」
「レベル1勇者はあなたを合わせて3人いますので、あと1人勇者の申請をした人がいれば挑めますよ」
「だったら今から行きましょうか」
後ろから太めのおじさんが話に割り込んできた。
「あなたは?」
受付の人が質問をした。
「僕も勇者になる」
太めのおじさんは勇者の申請をした。
それから、太めのおじさんは受付を済ませ終えてやって来た。
「初ダンジョン行けるってさ。よろしくね」
おじさんはそう言って手を差し伸べてきた。
「よろしくな!俺はレッド・チャン」
おじさんと握手を交わした。
「グンジョウです」
それからはグンジョウとしばし会話をし、少ししてからダンジョンに案内された。
メンバーはこの俺、レッド・チャンとグンジョウのおっさん、初心者勇者のミズウィローとトヲル・メイ、上級レベル勇者のグレーさんだ。
グレーさんがダンジョンの扉の説明をしてから扉を開けた。
そこは一面の草原だった。
その中に、ウサギにしては大きなウサギがいた。
大きいといっても、そんなに大きくはなくて三輪車くらいの大きさだ。
目が真っ赤で、とても目つきが悪い。
「このウサギは見て分かる通り、普通のウサギではない。モンスターだ。ただ、そこまで強いモンスターでもないから大丈夫。誰か戦ってみたい人はいるかな?」
グレーさんは優しく問いかけた。
「俺がやるぜ!」
俺は真っ先に手を挙げた。
隣でグンジョウのおっさんも手を挙げていた。
「じゃあ2人で倒してみようか」
グレーさんは、武器を取り出して俺に渡してくれた。
俺は初めて、剣を手にした。
「君にも武器を渡そう」
グンジョウのおっさんにも剣を差し出した。
「そんな弱い剣なんていらないね」
グンジョウのおっさんが喋ると同時に、グレーさんは血を吐き出した。
良く見ると、グンジョウのおっさんの手から光の剣が出ていて、グレーさんの腹部を貫通していた。
「お前は一体誰だ!」
グレーさんが叫んだ。
「僕はモンスターだ」
グンジョウのおっさんが答えた。
グレーさんは手にしていた剣でグンジョウのおっさん目掛けて斬りかかった。
だが、その剣はグンジョウのおっさんの光る剣によって砕かれた。
そのままグンジョウのおっさんは、グレーさんを切り裂いた。
「上級レベルの勇者も大したことないな」
その光景を見たミズウィローは来た道を戻り扉の方に逃げ出した。
「逃がさないよ」
グンジョウのおっさんは気づいたら、ミズウィローの前に立ちはだかっていた。
そして、光る剣でまたしても切り裂いた。
「おい、グンジョウのおっさん!!!」
俺は叫んだ。
「レベル1勇者のレッドくん、そんな怖そうな顔をしてどうしたんだい?」
グンジョウのおっさんはニヤリと笑いながらこっちを見た。
俺にアイツを倒す力なんてない。
初めてのダンジョンで俺は命を落とすのか。
その時、直ぐ隣から声が聞こえた。
「レッド、君となら倒せる気がする」
隣を見ても誰もいない。
良く見ると、トヲル・メイの姿もない。
トヲルが急に隣に現れた。
「僕の能力さ」
トヲルが言った。
「それよりお前と力を合わせたらアイツを倒せるのは本当か?」
「僕とレッドが力を合わせたら誰にだって負けやしないよ」
俺とトヲルを見ながら、グンジョウはゆっくりと近づいてくる。
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