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番外編
長男の苦悩 3
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げろ騒動があった夜、結衣は俺の部屋に泊まっていった。俺は酔っ払って使い物にならないし、公共の交通機関も上手く繋がらないからだ。
「結衣、あの」
やましいことは誓ってないのに、やっぱりどこか後ろめたい気分の俺は、同じベッドに入りながらも何と声をかけていいのか分からない。
「全く目を離すとすぐこれだ」
俺の懐から上目遣いで睨む結衣。こんなときなのに可愛いと思ってしまう自分は重症だ。
「いや、だから、誤解だ」
慌てて弁解する俺がおかしいのか、結衣は困ったように吹き出す。
「分かってる。明日も仕事だからもう寝るね」
疲れていたのだろう。すぐに小さな寝息を立て始めた。わざわざ訪ねてくれたのに、最悪な事態に巻き込んでしまった。柔らかな体をそっと包むように抱き締める。酔っても元気な自分の分身に呆れながら、でもそれだけ結衣を欲していることに気づいてと願いながら、俺は衝動を抑えるべく無理やり目を閉じた。
翌朝目覚めたときには、いつぞやのように結衣の姿は消えていた。ベッドの中で冷えてゆく彼女のぬくもり。そういえば昨夜は何か用があったのではないのだろうか。連絡もせずに仕事帰りに姿を見せたことなど一度もなかったのに。
悶々としながら出勤すれば、例の後輩は「富沢さんに出された」とか意味不明な話を広めているし(それを「吐かれたの間違いだ」と訂正して歩く俺も俺だが)、強引に迫ってきたのは自分なのに、手を出したのだから責任取ってなどどほざかれれば、堪忍袋の緒も切れるというものだ。
「二度と近づくな」
今度はげろじゃ済まねぇぞ、と半ば脅しつけてしまったが、一週間経ってもこちらの気分は最悪なままなのである。
本当にあんな抱かれ方をしたのに、結衣はどうして俺を受け入れることができたのだろう。考えてみれば俺は結衣に好きだの愛してるだのいう言葉は一切伝えていない。むしろ体の相性がいいとか口に出したのはろくでもないことばかり。
一方の結衣からも好意を表す台詞は言われていないような気がする。だらしなくても格好いいのは反則とか何とかぼやいていたことはあったが、少なくとも好きだからつきあおうという展開ではなかった。
ちょっと待て。俺達はつきあっているんだよな? そういえば友達からなんて最初に結衣が言っていたが、ベッドで一緒に眠るだけの友達なんてことはないよな?
「富沢可愛い! 純情! おっさんなのに!」
人に悩みを吐露させておきながら、早瀬は遠慮なくげらげら声を上げて笑い出した。しかも俺がおっさんなら、お前だっておばさんだろう。言った瞬間ヒールで踏まれそうだから黙っておくが。
「だって嫌われたくないんでしょ」
「何が」
憮然としてぼやけば、これが笑わずにいられますか、と近隣の会社に届きそうな声で早瀬は続ける。
「嫌われるのが怖くて、抱けずにいるんでしょ」
またこいつは触れてほしくないことをずばずば口にしやがって。俺はぎりりと歯ぎしりをする。でも実際当たっているのだ。結衣からのスキンシップがないだけに、ただやりたいだけのおっさんだと罵られたらさすがに立ち直れない。気持ちのまま突っ走ろうにも、今更ながら二人の関係が不透明過ぎる。
「正直に話せばいいのに」
露骨に俺がへこんだせいか、早瀬はようやく笑いを引っ込めた。
「あのお嬢さん、ちょっとやそっとじゃびくともしないと思うわよ? 修羅場であれだけ冷静な対応ができるんだから」
そんなこと頭では分かっている。おそらく俺の狡い部分や汚い部分を見せたところで、結衣は多少抵抗があってもそういうものとして受け入れそうな気がする。むしろそういった本音を隠したい、知られて軽蔑されたくない、そんな邪魔をするのはどこかで格好良くありたいというちっぽけな俺のプライドなんだろう。
「ちゃんと格好悪いところ全部晒け出しておいでよ。たぶんお嬢さんもそれを待ってるんじゃないかな」
珍しく真顔でアドバイスする早瀬。
「私だったら例え自分を思いやるが故の配慮でも、相手がここまでいろんなものを一人で飲み込んでいるのを後で知ったら、その場で我儘言われるよりずっときつい」
結局対等に見なしてはもらえていないということだから。そういって早瀬はばしんと俺の背中を叩いた。
「振られたらやけ酒くらいはつきあってやるから」
痛くはなかったがとりあえずいてぇとぼやいてから、酒の席には例の後輩は呼ぶなよと俺が釘を刺せば、早瀬は了解と笑って親指を立てた。
早瀬に背中は押されたものの、俺が某かの行動を起こす機会はなかった。仕事が忙しかったのもあるし、結衣の実家では咲が夏風邪をひいてダウンしていたので、遊びに行くのが憚られたせいもある。もっとも悟は毎日のように看病に通っているらしいが。羨ましいことだ。
予定が空いてしまった土曜日の午後。とりあえず部屋の掃除をしながら、慣れた筈の暇な時間にため息をつく。どれだけすれ違ったとしても、こんなとき確固たる形で結衣が俺のものになってくれていたら、遅くなっても必ず俺のところに帰ってきてくれるなら、一人の休日もそれなりに楽めただろうに。
一生傍にいてほしい。たった一言そう言えていたら。
「相変わらず不用心だなぁ」
背後からそんな声が聞こえたのは、窓辺に座り込んでぼんやり外を眺めていたときだった。足元には中途半端な状態で掃除機が転がっている。
「そんなんだから、女の人が押しかけてくるんだよ」
空耳かとぼんやり振り返ったら、リビングの入口に呆れたように肩を竦める結衣が立っていた。
「どうして」
慌てて腰を上げようとした俺を制し、大きな荷物を床に置いて隣りに座る結衣。
「鍵が開いてた」
それももちろんそうだが一番気になるのは、何故勤務中の筈の結衣が現在俺の部屋にいるのかということだ。
「仕事は?」
「体調不良の人が多くて、ここのところ休み返上で出勤したから、今日の午後は急遽休みに変更です」
右手で敬礼のポーズを取るのが可愛くて、ふにゃっとだらしなく目尻が下がる。
「せっかくの休みにわざわざ来てくれたのか?」
嬉し過ぎて弾んでしまう声を押さえながら問うと、結衣は心なしか口をへの字に曲げた。
「来ちゃいけないの?」
どうやら俺の台詞が気に障ったらしい。俺は焦って首を横にぶんぶん振った。
「違う。ただこの前も何か用があったんだろうに、結局話せずじまいだったから」
遠回しにげろ女の一件を引き合いに出す。でも結衣はますます不機嫌になっていくようだった。そのうち面白くなさそうに口を尖らせる。
「孝之さんに、会いたかっただけだもん」
今日も、この前も。小さくつけ加えた唇に釘付けになる。
「俺…に?」
「悪い? だって孝之さんは私に会いたいなんて思わないから、自分から来ないと忘れられるでしょ。エロ姉さんもいるし絶対!」
いやいやいやちょっと待ってくれ結衣さんや。それはもの凄い勘違いだぞ? 俺はお前に会いたくて、みっともないくらいじたばたしてるんだぞ? げろ女なんかと一緒にできるか!
「いいけどね。どうせ私子供だし」
気分を切り替えたのかにっと笑って掃除の続きに取りかかる結衣。その後ろ姿を眺めながら両の拳を握り締める俺。冗談じゃねーよ。子供じゃないから困ってるんだろうが。本当は今すぐ押し倒したいのを我慢してるんだぞ、こっちは。
「ちょっと来い」
いきなり結衣の手から掃除機を取り上げて、大きく開け放していたリビングの窓を閉める。そのまま有無を言わさず寝室に引っ張っていってベッドに結衣を放る。
「俺がどれだけお前に飢えていたと思う」
身をもって知れ。そういう代わりに覆い被さって結衣の唇を貪る。呼吸が上手くできなくて身を捩ってはっはっと短く息をする結衣を、逃がすものかと己の腕に閉じ込める。
「二度と離さない」
ーーその言葉を最後に俺はただ目の前の結衣に落ちていった。
「結衣、あの」
やましいことは誓ってないのに、やっぱりどこか後ろめたい気分の俺は、同じベッドに入りながらも何と声をかけていいのか分からない。
「全く目を離すとすぐこれだ」
俺の懐から上目遣いで睨む結衣。こんなときなのに可愛いと思ってしまう自分は重症だ。
「いや、だから、誤解だ」
慌てて弁解する俺がおかしいのか、結衣は困ったように吹き出す。
「分かってる。明日も仕事だからもう寝るね」
疲れていたのだろう。すぐに小さな寝息を立て始めた。わざわざ訪ねてくれたのに、最悪な事態に巻き込んでしまった。柔らかな体をそっと包むように抱き締める。酔っても元気な自分の分身に呆れながら、でもそれだけ結衣を欲していることに気づいてと願いながら、俺は衝動を抑えるべく無理やり目を閉じた。
翌朝目覚めたときには、いつぞやのように結衣の姿は消えていた。ベッドの中で冷えてゆく彼女のぬくもり。そういえば昨夜は何か用があったのではないのだろうか。連絡もせずに仕事帰りに姿を見せたことなど一度もなかったのに。
悶々としながら出勤すれば、例の後輩は「富沢さんに出された」とか意味不明な話を広めているし(それを「吐かれたの間違いだ」と訂正して歩く俺も俺だが)、強引に迫ってきたのは自分なのに、手を出したのだから責任取ってなどどほざかれれば、堪忍袋の緒も切れるというものだ。
「二度と近づくな」
今度はげろじゃ済まねぇぞ、と半ば脅しつけてしまったが、一週間経ってもこちらの気分は最悪なままなのである。
本当にあんな抱かれ方をしたのに、結衣はどうして俺を受け入れることができたのだろう。考えてみれば俺は結衣に好きだの愛してるだのいう言葉は一切伝えていない。むしろ体の相性がいいとか口に出したのはろくでもないことばかり。
一方の結衣からも好意を表す台詞は言われていないような気がする。だらしなくても格好いいのは反則とか何とかぼやいていたことはあったが、少なくとも好きだからつきあおうという展開ではなかった。
ちょっと待て。俺達はつきあっているんだよな? そういえば友達からなんて最初に結衣が言っていたが、ベッドで一緒に眠るだけの友達なんてことはないよな?
「富沢可愛い! 純情! おっさんなのに!」
人に悩みを吐露させておきながら、早瀬は遠慮なくげらげら声を上げて笑い出した。しかも俺がおっさんなら、お前だっておばさんだろう。言った瞬間ヒールで踏まれそうだから黙っておくが。
「だって嫌われたくないんでしょ」
「何が」
憮然としてぼやけば、これが笑わずにいられますか、と近隣の会社に届きそうな声で早瀬は続ける。
「嫌われるのが怖くて、抱けずにいるんでしょ」
またこいつは触れてほしくないことをずばずば口にしやがって。俺はぎりりと歯ぎしりをする。でも実際当たっているのだ。結衣からのスキンシップがないだけに、ただやりたいだけのおっさんだと罵られたらさすがに立ち直れない。気持ちのまま突っ走ろうにも、今更ながら二人の関係が不透明過ぎる。
「正直に話せばいいのに」
露骨に俺がへこんだせいか、早瀬はようやく笑いを引っ込めた。
「あのお嬢さん、ちょっとやそっとじゃびくともしないと思うわよ? 修羅場であれだけ冷静な対応ができるんだから」
そんなこと頭では分かっている。おそらく俺の狡い部分や汚い部分を見せたところで、結衣は多少抵抗があってもそういうものとして受け入れそうな気がする。むしろそういった本音を隠したい、知られて軽蔑されたくない、そんな邪魔をするのはどこかで格好良くありたいというちっぽけな俺のプライドなんだろう。
「ちゃんと格好悪いところ全部晒け出しておいでよ。たぶんお嬢さんもそれを待ってるんじゃないかな」
珍しく真顔でアドバイスする早瀬。
「私だったら例え自分を思いやるが故の配慮でも、相手がここまでいろんなものを一人で飲み込んでいるのを後で知ったら、その場で我儘言われるよりずっときつい」
結局対等に見なしてはもらえていないということだから。そういって早瀬はばしんと俺の背中を叩いた。
「振られたらやけ酒くらいはつきあってやるから」
痛くはなかったがとりあえずいてぇとぼやいてから、酒の席には例の後輩は呼ぶなよと俺が釘を刺せば、早瀬は了解と笑って親指を立てた。
早瀬に背中は押されたものの、俺が某かの行動を起こす機会はなかった。仕事が忙しかったのもあるし、結衣の実家では咲が夏風邪をひいてダウンしていたので、遊びに行くのが憚られたせいもある。もっとも悟は毎日のように看病に通っているらしいが。羨ましいことだ。
予定が空いてしまった土曜日の午後。とりあえず部屋の掃除をしながら、慣れた筈の暇な時間にため息をつく。どれだけすれ違ったとしても、こんなとき確固たる形で結衣が俺のものになってくれていたら、遅くなっても必ず俺のところに帰ってきてくれるなら、一人の休日もそれなりに楽めただろうに。
一生傍にいてほしい。たった一言そう言えていたら。
「相変わらず不用心だなぁ」
背後からそんな声が聞こえたのは、窓辺に座り込んでぼんやり外を眺めていたときだった。足元には中途半端な状態で掃除機が転がっている。
「そんなんだから、女の人が押しかけてくるんだよ」
空耳かとぼんやり振り返ったら、リビングの入口に呆れたように肩を竦める結衣が立っていた。
「どうして」
慌てて腰を上げようとした俺を制し、大きな荷物を床に置いて隣りに座る結衣。
「鍵が開いてた」
それももちろんそうだが一番気になるのは、何故勤務中の筈の結衣が現在俺の部屋にいるのかということだ。
「仕事は?」
「体調不良の人が多くて、ここのところ休み返上で出勤したから、今日の午後は急遽休みに変更です」
右手で敬礼のポーズを取るのが可愛くて、ふにゃっとだらしなく目尻が下がる。
「せっかくの休みにわざわざ来てくれたのか?」
嬉し過ぎて弾んでしまう声を押さえながら問うと、結衣は心なしか口をへの字に曲げた。
「来ちゃいけないの?」
どうやら俺の台詞が気に障ったらしい。俺は焦って首を横にぶんぶん振った。
「違う。ただこの前も何か用があったんだろうに、結局話せずじまいだったから」
遠回しにげろ女の一件を引き合いに出す。でも結衣はますます不機嫌になっていくようだった。そのうち面白くなさそうに口を尖らせる。
「孝之さんに、会いたかっただけだもん」
今日も、この前も。小さくつけ加えた唇に釘付けになる。
「俺…に?」
「悪い? だって孝之さんは私に会いたいなんて思わないから、自分から来ないと忘れられるでしょ。エロ姉さんもいるし絶対!」
いやいやいやちょっと待ってくれ結衣さんや。それはもの凄い勘違いだぞ? 俺はお前に会いたくて、みっともないくらいじたばたしてるんだぞ? げろ女なんかと一緒にできるか!
「いいけどね。どうせ私子供だし」
気分を切り替えたのかにっと笑って掃除の続きに取りかかる結衣。その後ろ姿を眺めながら両の拳を握り締める俺。冗談じゃねーよ。子供じゃないから困ってるんだろうが。本当は今すぐ押し倒したいのを我慢してるんだぞ、こっちは。
「ちょっと来い」
いきなり結衣の手から掃除機を取り上げて、大きく開け放していたリビングの窓を閉める。そのまま有無を言わさず寝室に引っ張っていってベッドに結衣を放る。
「俺がどれだけお前に飢えていたと思う」
身をもって知れ。そういう代わりに覆い被さって結衣の唇を貪る。呼吸が上手くできなくて身を捩ってはっはっと短く息をする結衣を、逃がすものかと己の腕に閉じ込める。
「二度と離さない」
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