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【番外編】 幸せのかたち―バニーside 後編
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私の陰ながらカスリーン様を守る作戦はおおむね成功していた。ただ私の休みの日はどうしようもなかった。物を隠されたり捨てられたりしているようだった。でもカスリーン様はめげることなく、城から出て行くことはなかった。
私は少し侍女長を甘く見ていた。なんだかんだいっても貴族のお嬢様である侍女長のいじめは凄惨なものではなく、子供だましのようなものが多かった。だから油断していた。侍女長が私のことを怒っていることに気づくのに遅れてしまった。
怪我をさせられた時、すぐに侍女長が思い浮かんだ。だが証拠はなかった。
私はすぐにジュートに助けを求めた。でもジュートの表情で、彼にも治せないのだとわかる。手が使えなくなれば仕事もできなくなる。そうすれば親への仕送りにも困ってしまう。
「すぐに辞めるんだ。仕事なら私の手伝いをすればいい」
ジュートは優しい。手が使えなくなった私にジュートの手伝いができるわけがないのに、そうやって私を慰めてくれる。
侍女長は私が助けを求めてくるのを待っていたのだと思う。城の医師による治癒魔法を使ってもらえば治る怪我だった。恩を着せて何かをさせるつもりだとすぐにわかった。
私は正直悩んだ。正義感を捨てれば普通の生活に戻ることができる。このままだと結婚も難しい身体になってしまう。
でもそんなあさましい私をカスリーン様は救ってくれた。一瞬で怪我を治してくれた。その時私は彼女のためにできる限りのことをしようと誓った。
私にできることは本当にわずかなことで、役に立っていたのかも疑わしい。
結局、カスリーン様は城から出て行ってしまわれたから。
でもカスリーン様が城を出たことは、侍女長に負けたようで悔しい思いもあったが、嬉しくもあった。ユーリ皇太子とでは幸せはつかめないと感じていたからだ。
私にとってユーリ皇太子は雲の上のような人で、普通の男とは違うというのはわかっている。結婚相手だって念入りに、そして自分だけで決めることができないこともわかっていた。だから身分の低いカスリーン様を正妃にできないことは理解できる。でも、もう少し大事にすることはできる。このような場所に住まわせたり、侍女を一人しか用意しなかったり、侍女長に任せっきりだったり、ひどい扱いだ。愛する女性にすることではない。
だから私はユーリ皇太子と別れたことは賛成だった。幸せの形は人それぞれ違うといっても、カスリーン様が幸せそうには見えなかったから、これで良かったのだと思った。
ただ、カスリーン様の婚姻が難しくなるだろうと思うと残念でならない…。
カスリーン様が城から去ってからしばらくして、侍女長は辞めさせられた。そして彼女の取り巻きだった、侍女たちも実家に帰された。皇太子の愛妾をいじめたにしては軽い処分と言えるが、彼女たちの将来も潰れたようなものだから結構重い処分なのかもしれない。
私はといえば、侍女の仕事は結局辞めた。見ているのに見ていないふりをしなくてはならないことが多く、自分には向いていないことに気づいたからだ。王宮は魑魅魍魎が住むところだ。とてもじゃないけど長くいる所ではない。侍女長も若かりし頃はあんな風ではなく、正義感あふれる方だったと古くからいる侍女に聞いて特に考えさせられた。
「う~ん、やっぱり薬草が足りないな。後で買ってきてくれ」
「いつもの店でいいの?」
「ああ、あそこの薬草が一番新鮮だからな」
取り敢えず次が決まるまで、ジュートの診療所でお手伝いをしている。
ジュートはずっといてほしいようなことを言っているけど、まだ決めかねている。
ジュートは話してくれないけど、ジュートがカスリーン様を助けたことは皇妃様から聞いて知っている。私に話してくれないのは心配をかけたくないからだろう。そのことがちょっと悔しい。
私はジュートより年下で頼りない存在だ。でも私はジュートの隣に立てる存在になりたくて頑張って来た。いつかきっと認めてもらえる。それまでは兄のように思っていようと考えていた。でも貴族と関わって、命の危険にさらされて少し考えが変わってきている。
人の命はどうなるかわからない。
ユーリ皇太子の従弟であるダリウス様はながいこと病に臥せっていた。この度、復帰されることになったのはカスリーン様のおかげだと言う。これはトップシークレット扱いで、知っている人は少ない。カスリーン様が城から出なければ、彼は助からなかったかもしれないのだ。
ジュートだっていつどうなるかわからない。それなら彼の傍にいて、いつか私を意識してくれるようになるまで待っているのもありかなという考えもあるのだ。まだ本当に決めかねていた。
「ダリウス様とカスリーン様の婚約が決まったようだ」
「えっ?」
それは驚きの展開だった。ユーリ皇太子とダリウス様は兄弟のように仲が良いと聞いている。大丈夫なのか心配になった。
「この手紙には皇太子さまも認めてくれたと書いてある。カスリーン様もきっと幸せになるよ」
「よかったぁ」
実は一番の気がかりはカスリーン様の今後だった。結婚はもうできないのではないかと心配だった。でも彼女の過去を知っても、選んでくれる人がいたことが嬉しい。きっと彼女は幸せになる。
肩の荷が下りたような気がした。結局私は彼女のために何もできなかった。でも彼女が幸せになることができて本当に良かった。
「これでバニーの気がかりもなくなったな」
「気づいていたの?」
「わかるよ。ずっといじめていたことを後悔していたんだろ? でも、もう彼女は大丈夫だよ。ダリウス様は立派な方だし、公爵夫妻もカスリーン様を気に入っている。彼女は幸せになるよ」
「うん、…安心した」
私は涙を流していた。その涙をジュートが拭いてくれた。昔もこんなことがあった。
近所の悪がきにいじめられた私を慰めてくれたのはジュートだった。ジュートは、頭は良かったけど腕っぷしは弱かったのに、悪がきを追い払ってこんなふうに泣いている私の涙を拭いてくれたのだ。
「バニー、ずっとここで暮らしてくれないか?」
「えっ? それってずっと手伝ってほしいってこと?」
「あっ、それも、あるけど。あ~、何というか、私と結婚してほしい」
驚きで涙は止まった。慌ててジュートの方を見ると、ジュートの顔は真っ赤だった。
私はまじまじとジュートを見ていた。正直プロポーズされるなんて考えたこともなかった。
「へ、返事は?」
「え? 返事って、本気なの?」
「もちろん本気だ。いつだって私は本気だよ。バニーが怪我をしたとき、私は助けることができなかった。あの時私は自分の無力さに死にたくなった。でもあのとき、君をすごく愛していることを知ったよ」
「嬉しい、すごく嬉しいわ」
ジュートのプロポーズには花束も何もなかったけれど、私には最高のプロポーズだった。
私は少し侍女長を甘く見ていた。なんだかんだいっても貴族のお嬢様である侍女長のいじめは凄惨なものではなく、子供だましのようなものが多かった。だから油断していた。侍女長が私のことを怒っていることに気づくのに遅れてしまった。
怪我をさせられた時、すぐに侍女長が思い浮かんだ。だが証拠はなかった。
私はすぐにジュートに助けを求めた。でもジュートの表情で、彼にも治せないのだとわかる。手が使えなくなれば仕事もできなくなる。そうすれば親への仕送りにも困ってしまう。
「すぐに辞めるんだ。仕事なら私の手伝いをすればいい」
ジュートは優しい。手が使えなくなった私にジュートの手伝いができるわけがないのに、そうやって私を慰めてくれる。
侍女長は私が助けを求めてくるのを待っていたのだと思う。城の医師による治癒魔法を使ってもらえば治る怪我だった。恩を着せて何かをさせるつもりだとすぐにわかった。
私は正直悩んだ。正義感を捨てれば普通の生活に戻ることができる。このままだと結婚も難しい身体になってしまう。
でもそんなあさましい私をカスリーン様は救ってくれた。一瞬で怪我を治してくれた。その時私は彼女のためにできる限りのことをしようと誓った。
私にできることは本当にわずかなことで、役に立っていたのかも疑わしい。
結局、カスリーン様は城から出て行ってしまわれたから。
でもカスリーン様が城を出たことは、侍女長に負けたようで悔しい思いもあったが、嬉しくもあった。ユーリ皇太子とでは幸せはつかめないと感じていたからだ。
私にとってユーリ皇太子は雲の上のような人で、普通の男とは違うというのはわかっている。結婚相手だって念入りに、そして自分だけで決めることができないこともわかっていた。だから身分の低いカスリーン様を正妃にできないことは理解できる。でも、もう少し大事にすることはできる。このような場所に住まわせたり、侍女を一人しか用意しなかったり、侍女長に任せっきりだったり、ひどい扱いだ。愛する女性にすることではない。
だから私はユーリ皇太子と別れたことは賛成だった。幸せの形は人それぞれ違うといっても、カスリーン様が幸せそうには見えなかったから、これで良かったのだと思った。
ただ、カスリーン様の婚姻が難しくなるだろうと思うと残念でならない…。
カスリーン様が城から去ってからしばらくして、侍女長は辞めさせられた。そして彼女の取り巻きだった、侍女たちも実家に帰された。皇太子の愛妾をいじめたにしては軽い処分と言えるが、彼女たちの将来も潰れたようなものだから結構重い処分なのかもしれない。
私はといえば、侍女の仕事は結局辞めた。見ているのに見ていないふりをしなくてはならないことが多く、自分には向いていないことに気づいたからだ。王宮は魑魅魍魎が住むところだ。とてもじゃないけど長くいる所ではない。侍女長も若かりし頃はあんな風ではなく、正義感あふれる方だったと古くからいる侍女に聞いて特に考えさせられた。
「う~ん、やっぱり薬草が足りないな。後で買ってきてくれ」
「いつもの店でいいの?」
「ああ、あそこの薬草が一番新鮮だからな」
取り敢えず次が決まるまで、ジュートの診療所でお手伝いをしている。
ジュートはずっといてほしいようなことを言っているけど、まだ決めかねている。
ジュートは話してくれないけど、ジュートがカスリーン様を助けたことは皇妃様から聞いて知っている。私に話してくれないのは心配をかけたくないからだろう。そのことがちょっと悔しい。
私はジュートより年下で頼りない存在だ。でも私はジュートの隣に立てる存在になりたくて頑張って来た。いつかきっと認めてもらえる。それまでは兄のように思っていようと考えていた。でも貴族と関わって、命の危険にさらされて少し考えが変わってきている。
人の命はどうなるかわからない。
ユーリ皇太子の従弟であるダリウス様はながいこと病に臥せっていた。この度、復帰されることになったのはカスリーン様のおかげだと言う。これはトップシークレット扱いで、知っている人は少ない。カスリーン様が城から出なければ、彼は助からなかったかもしれないのだ。
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「ダリウス様とカスリーン様の婚約が決まったようだ」
「えっ?」
それは驚きの展開だった。ユーリ皇太子とダリウス様は兄弟のように仲が良いと聞いている。大丈夫なのか心配になった。
「この手紙には皇太子さまも認めてくれたと書いてある。カスリーン様もきっと幸せになるよ」
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「えっ? それってずっと手伝ってほしいってこと?」
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