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「え……? なに、これ……?」
一瞬にして血の気が引いた奈々は、呆然と画面を見つめる。
美里の顔をした、生首。それは、どう見ても本物。おもちゃではありません。
「なん、なの……。ひ、広子………。ひろこ…………っ。こっ、ここっ、これって――」
《あら。折角だから、あたしも発表しましょうか》
「ひ、広子、なにを、言ってるの……? せっかくって……。これを見て、折角ってなに……!? なにを発表する――ひっ!!」
続いて発表された画像は、
広子の生首。
テーブルの上にぽつんと、広子の頭が置かれていたのです。
「ひ、ろこ、も……。ど、どうなってるの……?」
たまらずタブレットを落とし、真っ青になった唇を震わせる。まるで氷点下の世界にいるかの如く、唇が――今は全身までもが、激しく震えていました。
「これ、なに……? なんなの……? 2人は、死んで、た……? 死んで、る……? だ、だったら……。だったら……っ。私は今まで、誰と話してたの……っっ?」
「わたし、ですよ」
ぽつりと。
トイレのドアの向こう側から、聞き慣れた声がしました。
一瞬にして血の気が引いた奈々は、呆然と画面を見つめる。
美里の顔をした、生首。それは、どう見ても本物。おもちゃではありません。
「なん、なの……。ひ、広子………。ひろこ…………っ。こっ、ここっ、これって――」
《あら。折角だから、あたしも発表しましょうか》
「ひ、広子、なにを、言ってるの……? せっかくって……。これを見て、折角ってなに……!? なにを発表する――ひっ!!」
続いて発表された画像は、
広子の生首。
テーブルの上にぽつんと、広子の頭が置かれていたのです。
「ひ、ろこ、も……。ど、どうなってるの……?」
たまらずタブレットを落とし、真っ青になった唇を震わせる。まるで氷点下の世界にいるかの如く、唇が――今は全身までもが、激しく震えていました。
「これ、なに……? なんなの……? 2人は、死んで、た……? 死んで、る……? だ、だったら……。だったら……っ。私は今まで、誰と話してたの……っっ?」
「わたし、ですよ」
ぽつりと。
トイレのドアの向こう側から、聞き慣れた声がしました。
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