人生詰んだ気がしたので、VTuberになってみた。

第238話 保護者2

七階　スペースオペラ控室
　今日は、これから行われる心配不可欠な配信を成功させる為、数人のスタッフとマキシ・マイザーさんと共に待機している。

　「マキシ・マイザーさん、今日はよろしくお願いします。」

　「こっちこそよろしく！！いやー、まさか、ウチのと同じ問題を抱えているのが、スペースオペラで本当に良かったぁ！！お互い、頑張ろう！！」

　俺の横に座っている、身長150センチぐらいの美少年は、マスカットカラー側の保護者として送られて来た、マキシ・マイザーさんだ。
　今日、初めて対面した人に言うことでは無いが・・・この人、絶対箱内でモテてるだろ。

　「そう言えば、、センチネルさんは元気そうですか？昨日、配信が終わった後の落ち込み様、凄かったですけど。」

　「あー、センチネル君は今、絶賛引きこもり中だね！一応、僕とセンチネル君の担当マネージャーは一緒なんだけど、今日も買い出しを頼まれてたから・・・。」

　「・・・一週間、引きこもり生活ですかね？」

　「それがねー、こっちも明日からコラボウィークでさ？それで、センチネル君は司会としての仕事があるから、ずっと引きこもってる訳に行かないんだよねぇ！！」

　うわっ、最悪の中の最悪だな。
　コラボウィークと言うことは、最低一人初対面の人が混ざる可能性があるだろう、その時、センチネルさんはダブルピース挨拶を交わさなければならないと考えると、一割の面白さと九割の申し訳なさが生まれて来る。

　さらには、罰ゲームの内容は配信内で公開してしまった為、もし、罰ゲーム内容を無視して普通の挨拶をした場合、コラボ相手が昨日の配信を観ていて、センチネルさんが罰ゲームを真面目にやっていなかったと見られるかもしれない。
　まぁ、そもそもの話、そんなことはマキシ・マイザーさんが無理矢理にでもやらせようとするだろうがな。

　それから約数十分程、マキシ・マイザーさんと世間話を続けていると、スタッフさんから準備の合図が出された。

　「それじゃあ、お互いにフォロー頑張っていきましょう。」

　「OK！もし、手が足りなくなったりしたら、どんどん声を掛けてね！！」

　これから行われる配信タイトルは、『初対面！！読書女子雑談会』。
　GETafterでも話題になっていたが、確実に人選ミス・・いや、企画ミスだと思うのだが、誰一人指摘しなかったのだろうか。
　スタッフさんから聞いた話だと、事前に行われた顔合わせでは、カオスな空間が広がっていたらしいし、しょうがないのかもしれない。まぁ、だからこそ今回、俺とマキシ・マイザーさんがサポートとして呼ばれたんだからな。

　「おっ、配信が始まったよ！！」