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久しぶりの
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切り身も海藻もたくさん集まったので、ダンジョンを出る事にした。
次に来るのは夏休みかな。学校に行く準備は出来てるけど、宿題とかあったらダンジョンに行けないもんね。
ダンジョンの外に出て、5階層とは少し違う太陽の光を浴びる。やっぱり本物の太陽は違うね。
「そのまま帰るのか?それともまた?」
海人君が横目でネズミーランドを見る。
「おじいちゃんにお土産買いたいんだ。ハンバーガー」
「…は?」
「この前おじいちゃんが、ハンバーガーっていう物を食べてみたいって言ってたから」
「あー…そういえば、ハンバーガーショップもなかったな」
「そうなんだよ。隣の市に行っても、駅の西口の方にしかないから、あんまり行かないし」
勿論自分の分も買う。滅多に食べられない物だからね。
「ポテト美味しい!」
「…そりゃ、良かったな」
若干呆れ気味だけど、海人君だってもう、同じ町民なんだから、一緒だよ?
もう東京都民じゃないんだから。
ネズミグッズも手に入れて、亜空間に入る。
「出る前に、ちょっと海藻の処理をしていいか?」
「いいよ。どうするの?」
そう手間はかからない。ドライで水分を抜いたり、魔法水を満たした瓶に入れたり。
「一旦戻ったら、ポーション類を作りたいな」
「なら、ゲートを開けるよ」
扉の向こうは家の裏の林。海人君と別れて、家に戻る。
早めに帰ってきた私に驚きながらも、無事を喜んでくれた。
ランドセルを背負って小学校へ。最初は授業もなく、学校見学だ。
なので、下校時に上級生が入る事もない。
学校から比較的遠い位置にある私と海人君の家なので、しばらく帰りは交代で保護者がつく。今日はおばあちゃんだ。
途中、綺麗な用水路を見つけたり、トマトを育てている畑を見つけたり。もう少しすれば食べられるだろう。
「美優、他所様の畑の野菜を食べたらいかんよ」
うっ…何で考えてる事がバレたのかな…
家へと続く小道に入ると、ポチが元気に走り寄ってきた。
尻尾を高速で振って歩くのを邪魔するかのように、目の前でお腹を見せる。うん。可愛い。
少しもふもふしてから、ダンジョンに入る為に装備を整える。
家の裏のダンジョンに入るのも久しぶりな気がする。
「美優、シイタケをお願いね」
「ん。夕飯は魚料理にして」
「ネズミーランドダンジョンの?どう料理すればいいの?」
「適当でいいよ」
先入観無しに料理したらどうなるか?楽しみでもある。
そのままの格好で来た海人君の為に亜空間を開けて、当然のように着いてきたタマ達と一緒にダンジョンに潜る。
勿論今日は15階層メインだけど、しばらく来てなかったから、肩慣らしもしたい。
結局階層を一つずつ進む事にした。ワーウルフを相手にすれば、肩慣らしも出来るしね!
勿論ナスもたくさん集めた。タイガーウルフも何匹か倒したけど、学校帰りだからか、他の階層で思ったより時間がかかったからか、もう夕飯の時間だ。
ダンジョンの外に出て、あ、と思い出した。海人君が亜空間に置き去りにされてる。
慌てて亜空間を開くと、ムッとした顔の海人君が出てきた。
「僕の事、絶対に忘れてただろう」
「そ、そんな事は…」
トイレを我慢していたのか、それだけ言ったら家に走り去ったけど、携帯トイレは使わなかったのかな?
家に帰ったらハマアサリと一緒に海鮮鍋になっていた。
「うわ…美味しい!さすがお母さんだね!」
「シイタケも入れたらもっと美味しかったと思うけど?」
「う…ナスも欲しかったから、遅くなっちゃったの!」
その割にはナスは数が少ない。焼きナスにしたら、あっという間になくなるだろう。
どうやら一年生の最初の頃は帰る時間も早く、余裕を持って帰れるみたいだ。
「なあ、上級生と一緒に帰らなくていい今なら、亜空間移動で帰ってもいいんじゃないか?」
「そうだけど、体力をつける意味もあるし、ズルじゃない?」
「体力って…レベルが高いんだから、今更な気がする」
「あー…」
そこまでは考えてなかったな。うちか海人君の家の人なら問題ないか。
「海人君のお母さん、いいですか?」
「んん…そうね。他の子がいなければいいと思うわ」
「母さんは、日焼けしたくないっていうのもあるんだよ」
美意識高いな…うちのお母さんは畑仕事が多いから諦めているもんね。
「じゃあ、サクッと帰りましょう」
出た先は裏の林になるけど、海人君の家はお向かいさんだもんね。
「今日も亜空間借りる」
「分かった」
ポーション作成で試行錯誤してるみたいだからね。
携帯トイレの在庫を見たら、もう残りがなかった。その割にはゴミ箱になかったけど、使ったのを捨てておくのが恥ずかしかったのかも?
私にしか開け閉め出来ない。開けっぱなしはちょっと不安だし、いい方法はないかな…
開けたままで中を覗くと、色々と見えるし、知らない人が覗いたら、騒ぎになりそうだから、嫌だ。
何かいい方法はないかな?
一番いいのは、海人君も亜空間を使えればいいんだけどね。
無理だよね…
スマホは海人君も持ってるから、そういう時は連絡してくれればいいのに。
取り敢えず、トイレの問題は何とかしないとな…
次に来るのは夏休みかな。学校に行く準備は出来てるけど、宿題とかあったらダンジョンに行けないもんね。
ダンジョンの外に出て、5階層とは少し違う太陽の光を浴びる。やっぱり本物の太陽は違うね。
「そのまま帰るのか?それともまた?」
海人君が横目でネズミーランドを見る。
「おじいちゃんにお土産買いたいんだ。ハンバーガー」
「…は?」
「この前おじいちゃんが、ハンバーガーっていう物を食べてみたいって言ってたから」
「あー…そういえば、ハンバーガーショップもなかったな」
「そうなんだよ。隣の市に行っても、駅の西口の方にしかないから、あんまり行かないし」
勿論自分の分も買う。滅多に食べられない物だからね。
「ポテト美味しい!」
「…そりゃ、良かったな」
若干呆れ気味だけど、海人君だってもう、同じ町民なんだから、一緒だよ?
もう東京都民じゃないんだから。
ネズミグッズも手に入れて、亜空間に入る。
「出る前に、ちょっと海藻の処理をしていいか?」
「いいよ。どうするの?」
そう手間はかからない。ドライで水分を抜いたり、魔法水を満たした瓶に入れたり。
「一旦戻ったら、ポーション類を作りたいな」
「なら、ゲートを開けるよ」
扉の向こうは家の裏の林。海人君と別れて、家に戻る。
早めに帰ってきた私に驚きながらも、無事を喜んでくれた。
ランドセルを背負って小学校へ。最初は授業もなく、学校見学だ。
なので、下校時に上級生が入る事もない。
学校から比較的遠い位置にある私と海人君の家なので、しばらく帰りは交代で保護者がつく。今日はおばあちゃんだ。
途中、綺麗な用水路を見つけたり、トマトを育てている畑を見つけたり。もう少しすれば食べられるだろう。
「美優、他所様の畑の野菜を食べたらいかんよ」
うっ…何で考えてる事がバレたのかな…
家へと続く小道に入ると、ポチが元気に走り寄ってきた。
尻尾を高速で振って歩くのを邪魔するかのように、目の前でお腹を見せる。うん。可愛い。
少しもふもふしてから、ダンジョンに入る為に装備を整える。
家の裏のダンジョンに入るのも久しぶりな気がする。
「美優、シイタケをお願いね」
「ん。夕飯は魚料理にして」
「ネズミーランドダンジョンの?どう料理すればいいの?」
「適当でいいよ」
先入観無しに料理したらどうなるか?楽しみでもある。
そのままの格好で来た海人君の為に亜空間を開けて、当然のように着いてきたタマ達と一緒にダンジョンに潜る。
勿論今日は15階層メインだけど、しばらく来てなかったから、肩慣らしもしたい。
結局階層を一つずつ進む事にした。ワーウルフを相手にすれば、肩慣らしも出来るしね!
勿論ナスもたくさん集めた。タイガーウルフも何匹か倒したけど、学校帰りだからか、他の階層で思ったより時間がかかったからか、もう夕飯の時間だ。
ダンジョンの外に出て、あ、と思い出した。海人君が亜空間に置き去りにされてる。
慌てて亜空間を開くと、ムッとした顔の海人君が出てきた。
「僕の事、絶対に忘れてただろう」
「そ、そんな事は…」
トイレを我慢していたのか、それだけ言ったら家に走り去ったけど、携帯トイレは使わなかったのかな?
家に帰ったらハマアサリと一緒に海鮮鍋になっていた。
「うわ…美味しい!さすがお母さんだね!」
「シイタケも入れたらもっと美味しかったと思うけど?」
「う…ナスも欲しかったから、遅くなっちゃったの!」
その割にはナスは数が少ない。焼きナスにしたら、あっという間になくなるだろう。
どうやら一年生の最初の頃は帰る時間も早く、余裕を持って帰れるみたいだ。
「なあ、上級生と一緒に帰らなくていい今なら、亜空間移動で帰ってもいいんじゃないか?」
「そうだけど、体力をつける意味もあるし、ズルじゃない?」
「体力って…レベルが高いんだから、今更な気がする」
「あー…」
そこまでは考えてなかったな。うちか海人君の家の人なら問題ないか。
「海人君のお母さん、いいですか?」
「んん…そうね。他の子がいなければいいと思うわ」
「母さんは、日焼けしたくないっていうのもあるんだよ」
美意識高いな…うちのお母さんは畑仕事が多いから諦めているもんね。
「じゃあ、サクッと帰りましょう」
出た先は裏の林になるけど、海人君の家はお向かいさんだもんね。
「今日も亜空間借りる」
「分かった」
ポーション作成で試行錯誤してるみたいだからね。
携帯トイレの在庫を見たら、もう残りがなかった。その割にはゴミ箱になかったけど、使ったのを捨てておくのが恥ずかしかったのかも?
私にしか開け閉め出来ない。開けっぱなしはちょっと不安だし、いい方法はないかな…
開けたままで中を覗くと、色々と見えるし、知らない人が覗いたら、騒ぎになりそうだから、嫌だ。
何かいい方法はないかな?
一番いいのは、海人君も亜空間を使えればいいんだけどね。
無理だよね…
スマホは海人君も持ってるから、そういう時は連絡してくれればいいのに。
取り敢えず、トイレの問題は何とかしないとな…
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