4 / 5
それから
しおりを挟む「離せ!私を誰だと思ってる!!この国の王子だぞ!!」
「ちょっとやめてよ!私はケイト様に騙されてただけよ!」
とギャーギャー騒ぎながら兵士に引きずられ、騒ぎを起こした人達はいなくなった。
これで、全く訳の分からない糾弾劇は幕を下ろしました。
その後、父上と共に陛下の執務室へと向かった。
「本当にすまなかった」
と陛下に頭を下げられた。
「良いんですよ。私もケイト様と結婚したくなかったですが、陛下がケイト様を思ってやったことっていうのも、わかってますから」
私は陛下に対して微笑むと、少し潤んだ瞳で
「.........ありがとう」
とお礼を言われました。
「それにしても、あんな訳の分からない内容で糾弾しようだなんて浅はかにも程がありましたよね。まだ、巷で噂の虐められたー、みたいなやつの方が言いようがあったでしょうに」
ふふふと笑うと陛下は顔を引き攣らせていた。
あら?なにか不味いことを言いましたかね?...にしても、本当に頭が悪い方々だったんでしょうねぇ......。
と考えていると
「全く、マリエッタは優しすぎだ。陛下に対して、もっと怒ってもいいんだぞ?」
と父上から言われた。別に陛下に対して怒る内容なんて無いんですけどね。
「父上、無礼ですよ」
少し睨み付けながら言うと陛下に止められた。
「いいのだ。本当のことだからな。ハリーナ家には後日、改めて詫びを入れたい。ハリーナ夫人にも謝りたいからな」
「わかりました。では陛下の都合がついた時、妻も連れてきますよ」
「感謝する」
本当に悪いと思っているみたいで、その後に婚約者を見繕うと言われましたが、私はそれを断りました。
思い当たる人がいるので.........と。
あれから2ヶ月後、私はとある方と婚約しました。
隣国に留学していたときに、パーティーでお会いしてからずっと良くしてもらっていました。
その方は伯爵家の子息で、元々アプローチはされていたんですが、祖国に婚約者がいる、と断っていました。
婚約が無くなったことを手紙に書くと、3日後にまさかの本人が家にきて求婚してくださいました。
話を聞くと、兄が家を継ぐし、自分は家を出なければいけなくなるが、私以外の人と結婚なんて考えられなかった...とのことですわ。
そこまで好いていたのは知らなかったので、凄く驚きましたが、バカ王子とは違ってとても誠実で、真面目な方なので、父上と母上に紹介しました。
今は次期当主として、我が家に来て勉強中ですわ。
両親からの覚えもよく、とても充実した日々を送っております。
それから、平民に落とされた人達は、無事に全員家から勘当され、王都ではなく辺境で平民として過ごしているらしいですわ。
元々貴族だった人達が自分でお金を稼げる訳もなく、色んな職場をクビになってるみたいですが自業自得ですわね。
そうそう、人を淫乱呼ばりしましたが、実はあのピンク令嬢と全員が関係を持ってることが発覚したらしく大変だったらしいですわ。
全く...どっちが淫乱女なんだか...
まぁ、私には知ったことじゃないですけどね。
103
お気に入りに追加
2,010
あなたにおすすめの小説
妹しか興味がない両親と欲しがりな妹は、我が家が没落することを知らないようです
香木あかり
恋愛
伯爵令嬢のサラは、妹ティナにしか興味がない両親と欲しがりな妹に嫌気がさしていた。
ある日、ティナがサラの婚約者を奪おうとしていることを知り、我慢の限界に達する。
ようやくこの家を出られると思っていましたのに……。またティナに奪われるのかしら?
……なんてね、奪われるのも計画通りなんですけれど。
財産も婚約者も全てティナに差し上げます。
もうすぐこの家は没落するのだから。
※複数サイトで掲載中です
婚約破棄するですって?最初から婚約なんてしていませんけど…頭のおかしな方ね
香木あかり
恋愛
「アイリーン、君とは婚約破棄させてもらう。僕と結婚しても君の身分では苦労するだろう?分かってくれ、これは君のためでもあるんだ。僕はドロシーと結婚する事にする!伯爵家同士だから釣り合っているだろう?」
身分も釣り合って財力もある娘を手に入れたら、私は用済みのようですね。
婚約してから半年間、ずっと浮気をなさっていたのに「私のため」だなんて白々しい。
ロバート様、なんて品がないのかしら。そんな方のために花嫁修行をさせられていたなんて……屈辱だわ。
お父様の許可も得たし、好きに復讐させてもらいます。
「婚約破棄するですって?最初から婚約なんてしていませんけど…頭のおかしな方ね」
※複数サイトにて掲載中です
婚約破棄された眠り姫の復讐 〜眠っている間に元婚約者の国外追放が決まりました〜
香木あかり
恋愛
「君より守りたい人が出来たんだ……すまないレイチェル。でも大丈夫!君は魔法も使えるし、一人でも生きているよ。だから婚約は白紙にしよう!」
どうして?私より守りたい人って誰よ!……大丈夫って何??
幼い頃から決められていた婚約者にずっと尽くしてきたレイチェルは、婚約破棄のショックで眠りから覚めなくなってしまった。三年の時を経て眠りから覚めると、元婚約者の国外追放が決定していたり、我が家の商売(薬草屋)が大繁盛していたりと良いことばかり。
眠っている間に全てがうまくいったレイチェルだったが、実は全てレイチェルの復讐だった。
※複数サイトで掲載中です
【完結】元お義父様が謝りに来ました。 「婚約破棄にした息子を許して欲しい」って…。
BBやっこ
恋愛
婚約はお父様の親友同士の約束だった。
だから、生まれた時から婚約者だったし。成長を共にしたようなもの。仲もほどほどに良かった。そんな私達も学園に入学して、色んな人と交流する中。彼は変わったわ。
女学生と腕を組んでいたという、噂とか。婚約破棄、婚約者はにないと言っている。噂よね?
けど、噂が本当ではなくても、真にうけて行動する人もいる。やり方は選べた筈なのに。
【完結・7話】召喚命令があったので、ちょっと出て失踪しました。妹に命令される人生は終わり。
BBやっこ
恋愛
タブロッセ伯爵家でユイスティーナは、奥様とお嬢様の言いなり。その通り。姉でありながら母は使用人の仕事をしていたために、「言うことを聞くように」と幼い私に約束させました。
しかしそれは、伯爵家が傾く前のこと。格式も高く矜持もあった家が、機能しなくなっていく様をみていた古参組の使用人は嘆いています。そんな使用人達に教育された私は、別の屋敷で過ごし働いていましたが15歳になりました。そろそろ伯爵家を出ますね。
その矢先に、残念な妹が伯爵様の指示で訪れました。どうしたのでしょうねえ。
【完結】その巻き付いている女を、おとりあそばしたら?
BBやっこ
恋愛
文句ばかり言う女
それを言わせている理由まで、考えがいたらなお残念な男。
私の婚約者とは情けない。幼少期から今まで、この男の母上と父上は良い人で尊敬できるのに。
とうとう、私はこの男の改革を諦めた。
そのぶら下げたものをどうにかしたら?と言ってやった。
【完結】「図書館に居ましたので」で済む話でしょうに。婚約者様?
BBやっこ
恋愛
婚約者が煩いのはいつもの事ですが、場所と場合を選んでいただきたいものです。
婚約破棄の話が当事者同士で終わるわけがないし
こんな麗かなお茶会で、他の女を連れて言う事じゃないでしょうに。
この場所で貴方達の味方はいるのかしら?
【2023/7/31 24h. 9,201 pt (188位)】達成
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる