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47話 リリアーナside
しおりを挟む「アンタがハーレミアを殺したからこんなことに!」
「お前が殺せと言ったんだろう!?」
「公爵じゃなくなったアンタなんかなんの価値があるって言うのよ!」
「なんだと!?今まで誰のおかげでいい思いをしてきたと思っているんだ!」
はぁ......今日もやっているわ。
お姉様の言葉を信じていなかった訳じゃないけど、マーランナ国に帰ったら本当にお父様達は平民に落とされていた。
陛下には一応家を用意してもらったらしいけど、この家だって前と比べたら、ただのオンボロの家だわ。
使用人だって居ないし。
着替えもご飯も一苦労よ。
お父様とお母様は毎日こうやって喧嘩してるの。
もうこんなことになってるんだから誰が悪いとか、そんなのどうだっていいわ。
だって、どうやったら私達がまた貴族になれるのか、そう考えた方がいいと思うもの。
「リリアーナ!おい!リリアーナ!!」
はぁ......寝てたと思ったのに、また厄介なのが来たわね。
「お前のせいで俺は......!お前が居なければこんなことにならなかったんだ......っ!」
そう叫んでいるのはアレックス様......いや、もう様なんて必要ないわね。
アレックスは私の姿を見るたび、毎回毎回こうやって言ってくるの。
もう何回聞いたと思ってるのよ、その話。
「お前がいなかったら俺は今頃国王になってユーフェミアと結婚していたんだ!」
はぁ......自分で私のことを選んだくせに嫌になっちゃうわよね。
お姉様のことだって、見た目が良くなったから自分のものにしたいだけでしょ?
......ん?
なんで私はこんなに冷静なのか、って?
だって、私は可愛いからきっと王子様が迎えに来てくれるもの。
とってもイケメンで、優しくて、私の我儘を聞いてくれる王子様がすぐに来てくれるわ。
そう考えたら、こんなこと耐えられるでしょ?
だから何を言われても平気なの!
「聞いてるのか!リリアーナ!」
あぁ、アレックスのことを忘れていたわ。
全く、王令だから仕方なく結婚してあげたのにうるさくてうるさくて......。
少しは黙っていることが出来ないのかしら?
そう思っていると、お母様達も私に気付いたみたい。
「リリアーナ!お前が殿下なんて相手にしたから!」
そう言って私を睨みつけてくるけど、
「ふん!リリアーナだって、本当に俺の娘なのかわかったもんじゃないけどな!」
「はぁ!?何を言ってるのよ!」
「うるさいぞ!このアバズレが!」
あー、やだやだ。
醜い争いよね。
高貴な私はあんな野蛮なことはしないわ。
だって、叫ぶなんてはしたないものね。
だから早く迎えに来てよね!
私の王子様!
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