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25話 リリアーナside

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もう!折角王太子の婚約者になったのに全然楽しくないじゃない!

王宮に行って、朝から夕方までひたすら勉強。

あのダリアっておばさんは嫌味しか言ってこないし!

何がユーフェミアの方が、よ!

私の方が可愛くて優秀なのに何もわかっていないわ!

昨日なんて

「そんなことも出来ないの?早く平民になった方が自分のためじゃなくて?」

って言ってきたのよ!?

ほんっと嫌な奴!

アレックス様と結婚したらあんなのが叔母様になるなんて耐えられないわ!

それに、最近お父様の様子もおかしいのよね。

話しかけても上の空というか......ぼーっとしてるって思ったら急に顔を真っ青にさせたり、頭でもおかしくなったのかしら?

1枚の紙、あれは多分手紙だと思うんだけど、それを見てずーっと執務室にこもってるの。

誰からなんだろう?

お母様は相変わらず遊び歩いていて、最近は家に帰ってくることすら少なくなっちゃった。

そのせいで、ご飯を食べるのも1人だし、王宮に行くのも使えないメイドだけ。

もう嫌になっちゃう!

それに、アレックス様もよそよそしいのよね。

私が王妃教育ばっかりで放っておくのもかわいそうって思ったから、わざわざ抜け出して会いに行ってあげてるのに全然構ってくれないんだもん!

今までだったら満面の笑みで喜んでくれてたのに......きっとまだあの銀髪の令嬢のことが忘れられないのね!

確かに綺麗だったけど、あんなの銀髪だから目立ってたみたいなものじゃない!

私だってこんな平凡な金髪じゃなければ、負けていないわ!

全く...人の婚約者の心を奪うなんて、どこの令嬢なのかしら。

このままアレックス様と結婚したって、絶対幸せになれないわよ!

そう思いながら王宮の廊下を歩いていると

「やっぱり今すぐに平民に落としちゃった方が良いと思いますわ。あの子は勉強をさせるだけ時間の無駄です」

という声が聞こえてきた。

この声は......ダリアね。

あの子って、多分私のことだわ。

一体誰と話しをしているのよ?

「そうは言っても......一応ユーフェミア嬢が儂らに頼んできたことだからもう少し様子を見たいんだが...」

なっ......ダリアは陛下と話しているのね!

しかもお姉様の頼みって何よ!

なんで私の頼みは聞けないのにお姉様の話は聞いてあげるのよ!普通は逆でしょ!?

「私だって、ユーフェミアの言うことを聞いてあげたいですわ。でもそれはリリアーナじゃなければ、の話。アレックスだってあの通りだし、さっさと他の子と変えた方が国のためにも良いと思います」

「確かにその通りだな......」

「自分の息子が可愛いのは私も同じです。私だって躊躇すると思います」

「.........わかった。ただ、もう少しだけ待って欲しい。後半年......いや、3ヶ月でいい。その時まで改良の余地がなければ、すぐに行動できるようこっちも準備をしておく」

そう陛下が言ったところで、私はその場から離れた。

まずいまずいまずい!

このままだと平民に落とされちゃう!

あのおばさん!私が気に入らないからってあんなことを言って......!

どうせ自分の息子を国王にしたいからってあんなことを言ってるんでしょ?

そんなことさせないんだから!

早くアレックス様にも伝えなきゃ!

ダリアの思惑を止めないと、2人共平民になっちゃう!

そう思ってすぐにアレックス様を探した。

やっと見つけたのに、話す暇もなく、逃げるようにアレックス様が立ち去ってしまった。

...もう!何よ!

こうなったらもう好き勝手にやるんだから!見てなさいよ!
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