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73話

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私とディーヴァンが人気者だ、ということはわかりましたわ。

いや.....わかったといいますか、真偽がわからないので、とりあえずそうだと思っておきましょう。

ですが、私が文句を言いたいのはその件だけではありませんのよ!

ニコニコしているお兄様に視線を向けて

「そ、そうは言っても婚約と人気者とは話が違いますわ!それに、独立するときに私を国王に、と言うのが納得できません!絶対にお兄様の方が適任ですわ!」

ビシッと指をさしてそう宣言すると、お兄様は

「いやー.......言っていなかったけどさ、僕って表に立つよりも裏の方で作業をしていたい派なんだよね」

本当に心からそう思っているみたいで、申し訳なさそうにしながらもハッキリとそう言ってきましたわね。

正直、それを言うならば私も人の前に立つのは好きではありませんわよ?

だからこそ、大きなパーティー以外には参加しませんでしたし、フレグレッド様の隣に立つ回数も相当少なくしていたんですもの。

まぁ、まさかそんな私の行動のせいで、ドレスが用意できないから、と勘違いされるとは思ってもいませんでしたが。

....って、終わってしまったことを言っても仕方がありませんわね。

ニコニコとしながら話すお兄様の言葉に対して

「た、確かにお父様の仕事を陰で手伝っていましたし、違和感はないですが.....で、でもおかしいですわ!」

そう言ってお父様の方を見ましたが、どうやらお父様達の中でも既に決定したことらしく、都合の悪そうな顔をして視線を逸らされてしまいましたわ。

くっ......このままだと誰も私の味方がいないですわね。

3人で話し合いをした結果なので、既にお兄様に言い包められているのはわかりますが、私の意見も聞かずに決定するのはズルいですわよ。

なんて思っていると、私の考えていたことを察したのか、

「じゃあ、アリスティアはなぜ僕に国王をやって欲しいの?面倒だから、以外の理由を聞かせてよ」

とお兄様が言ってきましたわね。

最初に面倒だから、という理由を消すのがお兄様らしいですわ。

だって、一番の大きな理由は国王なんて面倒ですし、すべての責任を私が引き受けるのは無理だ、という理由なんですもの。

うーん......ですが、お兄様にそれはダメだと言われたので何か他の理由を考えないと、ですわね。

なんとかお父様とお兄様、お母様の全員が納得できる理由を......面倒以外だと......えっと......

「そ、そりゃあ、お兄様のことを差し置いて、妹で.....しかも今まで領地のことも手伝ってこなかった私が上に立つのはおかしいと考えるのが普通ですわよね」

そう言って、縋るようにお父様の顔を見ましたわ。

これに関しては当然の考えですわよね?

何か変なことを言っているわけではありませんし、これで納得してもらえないのであれば私はどうすることも出来ませんわよ。

そう思いながら、お父様、そしてお兄様からの言葉を待ちましたわ。

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